JPS5940601Y2 - 変速機構における軸のつれ廻り防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、変速機構において駆動側回転軸から従動側回
転軸への動力伝達を遮断した場合、当該従動側回転軸が
これに遊嵌した歯車等の回転に伴ってつれ廻りするのを
防止する装置に関するものであり、詳しくは、薄い板ば
ねによってつれ廻りを確実に防止できるようにしたもの
である。

次に本考案を、農用トラクターのＰＴＯ軸に対するＰＴ
Ｏ変速機構に適用した場合の実施例図面について説明す
るに、図において１はトラクターのフレームシャーシ兼
用のランニングケースで、該ケース１内にはエンジン２
の動力を適宜変速して後車輪３に伝達するための主変速
機構４、副変速機構５及び差動歯車機構６を備えている
。

７はランニングケース１の後部に突出する従動側回転軸
としてのＰＴＯ軸８に前記変速機構４，５の出力軸９か
らの動力を伝達するためのＰＴＯ変速機構で、このＰＴ
Ｏ変速機構７における駆動側回転軸としての入力軸１０
は、前記ランニングケース１に着脱自在に取付く蓋板１
１と該蓋板１１にステーボルト１２を介して取付く面板
１３とに回転自在に軸支され、且つ、この人力軸１０は
前記出力軸９にスプライン接手１４を介して着脱自在に
連結されている。

また、前記ＰＴＯ軸８も蓋板１１と面板１３とに回転自
在に軸支されている。

前記蓋板１１と面板１３間の伝動室１５における人力軸
１０上には４個の歯車１６．１７．１８．１９を嵌着す
る一方、ＰＴＯ軸８には前記歯車１６．１７に噛合する
遊転歯車２０．２１と、その間において摺動自在にスプ
ライン嵌合したクラッチ２２と、当該ＰＴＯ軸８に対し
て摺動自在にスプライン嵌合した摺動歯車２３、２４と
が設けられており、従動側回転軸であるＰＴＯ軸８は、
クラッチ２２を遊転歯車２０に噛合すれば１速回転し、
クララ′ｙ−２２を遊転歯車２１に噛合すれば２速回転
し、摺動歯車２３を、歯車１８に噛合すれば３速回転し
、そして摺動歯車２４を歯車１９に噛合すれば４速回転
するように槽底されている。

このＰＴＯ軸８の末端をその支持部材である面板１３よ
り９９則に突出して、これをＶ字状に折曲した板ばね２
５にて挾持し、該板ばね２５の基端部２５′を面板１３
に螺合した頭付きボルト等の着脱自在な頭付きピン２６
に被嵌することによって係止する一方、板ばね２５の両
開放端２５”、 ２５”を外向きに折曲して、面板１３
に植設した２本の頭付きピン２７．２７に、ＰＴＯ軸８
を両側から挟持するように係止すると共に、板ばね２５
のＰＴＯ軸８に接当する部分を、当該ＰＴＯ軸８の半径
より大きい半径の円弧状に湾曲して成るものである。

この槽底において、クラッチ２２及び摺動歯車２３゜２
４を実線で示す中立位置にすれば、駆動側回転軸である
人力軸１０から従動側回転軸であるＰＴＯ軸８への動力
伝達は遮断されるが、ＰＴＯ軸８上の遊転歯車２０．２
１は、人力軸１０上の歯車１６．１７に噛合して常時回
転しているため、ＰＴＯ軸８はこの回転に伴ってつれ廻
りすることになる。

しかし、ＰＴＯ軸８は面板１３に取付くＶ字状板ばね２
５にて挾持されているので、つれ廻りが阻止されること
になる。

この場合、Ｖ字状ばね２５はその基端部２５′ を頭付
きピン２６にて面板１３に係止すると共に、その両開放
端２５”、 ２５”を頭付きピン２７．２７に係止して
、ＰＴＯ軸８をＶ字状ばね２５の両側片で挟持するよう
に槽底したので、ＰＴＯ軸の挟持力が増大し、板厚の薄
い板ばねにしても充分なつれ廻り防止の効果を得ること
ができる。

従って本考案によるときは、従動側回転軸のつれ廻りを
至極簡単な槽底で確実に防止できる一方、板ばねの従動
側回転軸に接当する部分を当該軸の半径より大きい半径
の円弧状に湾曲したことにより、板ばねは従動側回転軸
に狭い面積で面接触するから、従動側回転軸の駆動回転
に与える摩擦抵抗は、板ばねを広い面積で従動側回転軸
に接触する場合よりも小さくなって動力の損失を低減で
きるのであり、また、板ばねを係止する３本のピンを頭
付きピンにしたことで板ばねを外脱することなく確実に
取付けでき、特に、板ばねを従動側回転軸の支持部材の
夕Ｈ則面に配置すると共に、板ばねの基端が被嵌する頭
付きピンを着脱自在に槽底したことにより、変速機構の
組立て後において、該頭付きピンの着脱によって板ばね
の取付け、取外しができて組立て、分解が容易であり、
その上、前記のように１板ばねの板厚を薄くできるから
、１ばねの折曲加工等が簡単にでき、製作容易である効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はトラクター変速
機構の概略図、第２図は第１図の要部拡大断面図、第３
図は第２図のＩ［Ｉ−Ｉ視図である。 ５・・・・・・ＰＴＯ変速機構、１０・・・・・・人力
軸（駆動側回転軸）、８・・・・・・ＰＴＯ軸（従動側
回転軸）、１１・・・・・・蓋板、１３・・・・・・面
板（支持部材）、２５・・・・・・板ばね、２５′・・
・・・・基端、２５”、 ２５”・・・・・・開放端、
２６．２７・・・・・・頭付きピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持部材に回転自在に軸支した従動側回転軸に、駆動側
   回転軸の歯車に噛合する歯車を遊転自在に被嵌した変速
   機構において、前記従動側回転軸が突出する支持部材の
   夕Ｈ則面に頭付きピンを着脱自在に植設し、該頭付きピ
   ンにＶ字状に折曲した板ばねの基端部を被嵌係止する一
   方、前記板ばねの両開放端を前記支持部材に植付した２
   本の頭付きピンに、前記従動側回転軸を挾むように係止
   し、且つ前記板ばねの従動側回転軸に接当する部分を当
   該軸の半径より大きい半径の円弧状に湾曲して戊る変速
   機構における従動側回転軸のつれ廻り防止装置。