JPS5940521B2 - 鋼片のフイツシユテ−ル防止熱間成形方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は鋼片のフィッシュテール防止熱間成形方法に関
する。

一般にブルームもしくはビレット等の鋼片を圧延する場
合、圧延比が大きい圧延との途中において先後端に魚屋
状の変形部が発生する。

通常その形状よりフィッシュテールと称している。

このフィッシュテールが圧延が進行するに従って第１図
Ａ、Ｂの如く成長して行くので圧延終了後切断により損
失となるばかりではなく、圧延途中においてこれが成長
して圧延機に噛み込ませる際にミルガイドやロールの孔
型に引掛かり圧延不能に陥る等の障害をもたらすことが
ある。

このための対策として従来採られて来たのは次の方法で
あった。

第１の方法は、圧延機に噛込ませる前にトーチカッター
等にてフィッシュテールを溶断する方法である。

第２の方法は、鋼片の圧延前に冷材状態で、その先後端
に研削もしくは溶剤により凸部を形成する方法である。

しかるに第１の方法は、溶断によって切捨てるのが圧延
歩留が低下することは勿論、これを圧延作業中に行うの
で圧延能率が著しく低下する欠点がある。

第２の方法によってフィッシュテールの発生は防止され
ることは公知であるが、凸部形成の作業量が大であると
共に材料の損失を来たし圧延歩留の低下となる欠点があ
る。

本発明の目的は、鋼片圧延時におけるフイツンユテール
防止対策の従来法の欠点を解消し、フィッシュテールの
発生を未然に防止する効果的な成形方法を提供するにあ
る。

本発明のこの目的は下記要旨の本発明によって達成され
る。

本発明の要旨とするところは、鋼片の先後端に凸部を形
成することにより該鋼片圧延時に生成されるフィッシュ
テールを防止する方法において、ローラテーブル上を搬
送され来た連続鋳造鋳片もしくは分塊圧延後の鋼片の切
断作業に先立ち、前記鋼片の切断予定位置に上下左右の
いずれか一方もしくは双方に傾斜面を有する凹部を熱間
にてプレス成形する工程を包含することを特徴とする鋼
片のフィッシュテール防止熱間成形方法である。

フィッシュテールを防止するための鋼片の先後端の形状
は、断面が矩形の場合で、長辺が短辺に比較して大きく
、かつ短辺の圧延比が小さい場合は、第２図Ａの如く形
成される凸部１の短辺Ｓ ＩＪＩＩＪのみに傾斜面があ
り、長辺り側にはテーパーが付けられていない形状が好
適であり、長辺りと短辺Ｓにはほとんど差がなく、共に
圧延比が犬なる場合には、第２図Ｂに示す如く上下、左
右いずれの側にも傾斜面があって凸部１を形成している
ような形状が好適であることは公知であり、本発明者ら
の実験によってもこれを確認している。

本発明の特徴は連続鋳造鋳片、もしくは分塊圧延が終了
した鋼片がローラーテーブル上を走行中、もしくは停止
中に、その切断作業に先立って、該鋼片の切断予定位置
を境として第２図ＡもしくはＢに示す如き切断後の先後
端に凸部１を形成するように熱間でプレス成形する工程
を包含し、その後、酸素等で切断予定位置を切断し、先
後端に凸部を形成する方法である。

本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。

第３図、第４図はローラテーブル上を走行中の鋼片に本
発明にかかるフィッシュティル防止のための成形作業を
実施中の状況を示す。

第３図、第４図において鋼片１１がローラテーブル１２
上を搬送されて来て、切断友たは溶断される長さが決め
られると成形プレス１３を備えた台車１４の位置を原点
として、鋼片１１の進行方向に移動可能な鋼片先端検出
装置１５が所定の位置まで移動する。

この鋼片先端検出装置１５の信号により成形プレス１３
が作動し、鋼片１１のサイズに応じた押込量までプレス
ヘッド１６が前進する。

このプレスへ、ラド１６は取替自在となっており、鋼片
サイズに応じ、第２図に示したａ、ｂ等の寸法を適当に
備工たプレスヘッドに取替えることができる。

このプレス作業は押込量にもよるが、通常１０〜２０秒
であるため、走行中の鋼片１１に同調して鋼片１１の進
行方向に成形プレス１３を備えた台車１４が移動可能と
なっている。

プレスヘッド１６によって成形された鋼片１１は、第４
図に示す如く鋼片１１の切断予定位置１７を境さして左
右に傾斜面を有する凹部１８を形成する。

次に鋼片１１の凸部１が第２図Ｂに示す如き上下および
左右にテーパーのある形状を成形する場合には、第３図
において成形プレス１３と同軸上ζこローラテーブル１
２の上下方向に成形プレスを設けるか、進行方向に一定
間隔に離した場所に、これを設けてもよい。

かくして、第４図に示される如き鋼片１１の両端に凸部
１ぢよび凹部１８を備えた鋼片を得るので、次工程で切
断予定線１７において切断もしくは溶断することにより
分塊された鋼片１１を得ることができる。

順次この工程を繰返して両端部に凸部１を有する多数の
鋼片を製造することができる。

かくの如き凸部１を両端に有する鋼片１１を圧延すれば
フィッシュテールを発生せず、圧延歩留を向上すること
ができる。

なお、本発明者らの実験結果によると、第２図Ａ、Ｂζ
こ示されるＲ、ａ 、ｂの寸法は、圧延比すなわち圧延
前の辺長／圧延後の辺長の割合が１．８以上の鋼片につ
いて、Ｌを長辺りの長さ、Ｓを短片Ｓの長ささすれば、 ａ −＝ （０，１２〜０．２５ ） Ｘ Ｌまたは５
ｂ＝（０，１２〜０．２０）ＸＬまたは５Ｒ＝４Ｌまた
は４Ｓ−（イ） が好適であることが判明した。

例えば第２図Ａに示す如き断面２４０ｍｍＸ ４００ｍ
ｍの鋼片から１５０ｍ１Ｘ １５０ｍｍの断面を有する
鋼片を製造する場合、 ａ＝７０〜１００ｍｍ ｂ ＝ ５０〜７０ ｍｍ Ｒ−Ｃ）Ｏ（直線） の形状が適している。

本発明の説明および上記実施例によって明らかな如く、
従来、大断面積の鋼片より小断面積の鋼片を製造する分
塊圧延等において、その圧延比が犬なる場合には圧延鋼
片の先後端に発生するフィッシュテールの防止方法につ
いて、鋼片を切断後、冷材状態で先後端に凸部を成形す
る方法その他姑息な手段に依存して来たが、これに要す
る作業工数が多大になるほか、圧延作業能率の低下、熱
経済等種々の面で満足すべき方法ではなかったが、本発
明によりローラテーブル上を走行する鋼片を熱間におい
て、その切断作業に先立ち、切断予定位置に上下、左右
のいずれか一方もしくは双方に傾斜する凹部を成形し、
しかる後、切断作業に移るようにしたので、分塊された
鋼片の圧延時には圧延比が犬でも、はとんどフィッシュ
テールが発生せず、その結果圧延歩留が著しく向上した
。

例えば従来２４０ｍｒｎＸ４００ｍｍの断面のブルーム
圧延において先端後クロップ吉して切捨てられていた量
は、１．９％の多きに達していたが本発明の適用により
１．４％の損失のみきなり、０．５％の歩留の向上が可
能となった。

ブムール等の生産量が一工場当り年間数１００万トンに
達する現在０．５％の歩留向上のもたらす効果は甚だ犬
である。

なお、本発明により従来先後端のフィッシュテ−ルを切
断するために要していたトーチカッター等は不要となり
、圧延能率の向上、省力化の実現が可能となったばかり
ではなく、大断面積の鋼片を圧延比を犬として圧延でき
る効果もまた犬である。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ、Ｂは、鋼片の先後端に発生するフィッシュテ
ールの形状を示す斜視図、第２図Ａ、Ｂはフィッシュテ
ール防止のための鋼片先後端に成形する凸部の実施例を
示す斜視図、第３図は本発明による熱間成形作業の実施
例を示す平面図、第４図は本発明による熱間成形直後の
鋼片を示す斜視図である。 １・・・・・・凸部、２・・・・・−フィッシュテール
、１１・・・・・・鋼片、１２・・・・・・ローラテー
ブル、１３・・・・・・成形プレス、１６・・・・・・
プレスヘッド、１７・・・・・・切断予定位置、１８・
・・・・・凹部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鋼片の先後端に凸部を形成することにより該鋼片圧
   延時に生成されるフィッシュテールヲ防止する方法にお
   いて、ローラテーブル上を搬送されて来た連続鋳造鋳片
   もしくは分塊圧延後の鋼片の切断作業に先立ち、前記鋼
   片の切断予定位置に上下、左右のいずれか一方もしくは
   双方に傾斜面を有する凹部を熱間にてプレス形成する工
   程を包含することを特徴とする鋼片のフィッシュテール
   防止熱間成形方法。