JPS5939459B2 - 多孔膜の製法 - Google Patents

多孔膜の製法

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JPS5939459B2
JPS5939459B2 JP8964876A JP8964876A JPS5939459B2 JP S5939459 B2 JPS5939459 B2 JP S5939459B2 JP 8964876 A JP8964876 A JP 8964876A JP 8964876 A JP8964876 A JP 8964876A JP S5939459 B2 JPS5939459 B2 JP S5939459B2
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俊彦 篠村
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、熱可塑性樹脂より作られた多孔膜、特に、バ
ッテリーセパレーター、マイクロフィルター、ウルトラ
フイルター、無菌包装材、電解隔膜、電気絶縁材などの
ような用途に供するに適した表面から裏面まで連続した
多数の微細孔を有する多孔膜の製造方法に関する。
ポリマーを基材にした多孔膜の製法はすでにいくつか提
案されている。
例えば、4弗化エチレン樹脂粉末を液状潤滑剤と混和し
、押し出し又は圧延でシートに成型し、延伸した後、加
熱して焼結する方法(特公昭42−13560)、4弗
化エチレン樹脂粉末に熱可塑性樹脂モノマーを吸着させ
た後、被覆重合して得られた粒子を熱可塑性樹脂の軟化
温度以上で成型し、4弗化エチレン以外の熱可塑性樹脂
を溶去する方法(特公昭48−12177)、結晶性熱
可塑性樹脂を押し出し成型法によつてフイルムに成型し
、配向結晶化させてラメラ間隙を広げることによる方法
(H.S.Bierenbaum.R.B.Isaac
sOn,.M.L.Druin,.S.G.PlOnl
Industrial AndEngineering
ChemistryPrOductResearcha
ndDevelOpment,.Ul“2(1974)
)、合成樹脂を溶剤と非溶剤の混合液に溶解させ、多孔
体に附着させ、乾燥させることによる方法(特公昭50
−37710)、ポリカーボネートフイルムに中性子線
を照射し、エツチングする方法(化学と工業、23、1
393(1970))などが知られており、一部、バツ
テリーセパレータ一、マイクロフイルタ一などの用途に
供されている。
しかし、これらのものは、工程的に複雑であつたり、ボ
アサイズのコントロールが難しかつたり、コストが高か
つたり、耐薬品性がおとつたりする。
0.8:発明者は、前に、特定のポリーー及び化合物の
組合わせからなる溶融混合物から、ポリマー成分が部分
的に相溶した状態で存在するフイルム、シート又は中空
体を作り、これを成分ポリマーの少くとも1種に対し良
溶媒であり、他の成分ポリマーの少くとも1種に対し貧
溶媒である特定溶媒で処理し、次いで乾燥した後1軸又
は2軸方向に延伸する方法により、上記従来法の欠点を
克服し、ボアサイズのコントロールが容易であり、しか
も広い範囲にわたつて、所望のボアサイズのものがえら
れ、腐敗、耐薬品性などにもすぐれた多孔膜を容易にか
つ安価に製造できることを見出し、特許出願した(特願
昭50−32956号、特開昭51−119069号)
本発明者は、更に研究を進めた結果、上記特願昭50−
32956号の発明の方法において、ポリマー及び化合
物の溶融混合物からフイルム、シート又は中空体を作る
際、溶融混合物を、ダイスを通してフイルム、シート又
は中空体状に押し出し、押し出された溶融状態にある成
形物を加熱帯域を通過させた後冷却固化する方法でその
成形を行ない、その場合ダイス出口から溶融成形物のフ
ロストラインに至るまでの距離と引取速度を特定の関係
に維持するならば、溶媒処理後、何等の延伸を行うこと
なく、同様の優れた性質を有する多孔膜が得られること
を見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、必須成分として、(4)使用する溶媒
に対し使用温度において難溶性の、1種又は2種以上の
熱可塑性樹脂の、90〜30重量部及び(B)上記成分
(4)の熱可塑性樹脂に対し、部分的に相溶性を有し、
かつ使用する溶媒に対し使用温度において易溶性である
、1種又は2種以上の化合物の、10〜70重量部を、
成分(A)と成分(B)の合計が100重量部となる割
合で、成分(A)と成分(B)の溶融温度以上の温度で
溶融混合し、該溶融混合物をダイスを通してフイルム、
シート又は中空体状に押し出し、押し出された溶融状態
にある成形物を、ダイスの下流に設けた加熱帯域を通過
させた後冷却固化して引取り、その際、ダイス出口から
該成形物のフロストラインまでのセンチメートルで表わ
した距離(h)と、毎秒当りのセンチメートルで表わし
た引取速度(v)が、次の関係H 2O秒≦一≦600秒 v を満足する条件で引取り、得られた成形物を前記溶媒で
処理し、次いで乾燥することを特徴とする多孔膜の製造
方法である。
本発明の方法において使用する、成分ゆ熱可塑性樹脂は
、フイルムに成形することができるものでなくてはなら
ない。
成分(A)の熱可塑性樹脂は、本発明の方法による多孔
膜の本体を形成する。本発明において使用することので
きる成分ゆ熱可塑性樹脂の好ましい例は、アイソタクチ
ツクポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリアミド類例えばナイロン6、ナイロン66、ポリエ
ステル類例えばポリエチレンテレフタレートである。し
かしながら、ポリ酢酸ビニル、ポリス壬レン、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体、エチレン一酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレンープ
ロピレン共重合体、ポリ弗化ビニリデン、ポリカーボネ
ート、ポリアセタール、ポリスルホン、酢酸繊維素も使
用するに適する。以上に例示したような熱可塑性樹脂の
2種以上の混合物も、又、使用できる。
本発明において使用する成分(B)の化合物は、溶媒処
理段階において、少くともその一部が、フイルムから溶
出除去される成分である。
従つて、成分(BXま、本発明による多孔膜中に存在し
ないか、又は一部が残存するのみである。成分(B)の
化合物の好ましい例は、前に挙げた成分(Ayすべての
例示ポリマー及びそれらの1種又は2種以上の混合物で
あり、さらに、これらのポリマーの他に、ワツクス、ワ
ツクス状ポリエチレン、ポリプテン、ポリアルキレンオ
キサイド類、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタク
リレート、天然ゴム、合成ゴム例えばポリブタジエン、
スチレン−ブタジエン共重合ゴム、熱可塑性弾性体例え
ばαメチルスチレンーブタジエンプロツク共重合体、ス
チレンーブタジエンプロツク共重合体、石油樹脂および
そのマレイン化物、水素化物、および以上のポリマーの
低重合物(オリゴマ一)も使用できる。
しかしながら、上に例示した成分(4)のポリマー及び
成分(B′)f)化合物のすべてを、任意の組合わせで
用いることができるのではなく、成分(4)のポリマー
は、溶媒処理段階において使用される溶媒に対し使用温
度において難溶性であり、成分(B)(7)化合物は使
用温度において易溶性であるように選ばれなければなら
ず、成分(BXま更に、成分仏)に対し、部分的に相溶
性であるものが選ばれる必要がある。
本明細書において、成分(4)と成分(8)の溶融混合
物のシートを、下記の方法で測定した延伸不透明度が8
0%以下であり、かつ、溶媒処理不透明度が30%以上
であるとき、成分(4)と成分(Oは部分的に相溶性で
ある、という。延伸不透明度が50%以下、溶媒処理不
透明度が50%以上となるように成分(4)と成分(B
)を選ふのが好ましい。
延伸不透明度 成分(A)60容積%と成分(2)40容積%を、成分
(4)と成分(2)の溶融温度以上で溶融混合し、該溶
融混合物を、成分(4)と成ボB)の高いほうの溶融温
度よりも20〜40℃高い温度の熱プレスにて、予熱時
間10分間、加圧後時間10分間の条件でプレス成形し
、水冷冷却して得られた厚み0.5mmのシートを、該
シートの溶融温度より低く、溶融温度以下20℃よりは
高い温度の空気恒温槽中のテンタ一2軸延伸機にセツト
して10分間放置した後、600%/分の変形速度で、
縦、横各3倍の同時2軸延伸を実施してえられたフイル
ムのJISP−8138−1963による不透明度(%
)を測定し、延伸不透明度とする。
溶媒処理不透明度 成分(A)60容積%と成分(B)40容積%を上記延
伸不透明度測定の場合と同様にして作成した厚み0.5
mmのシートを、成分(B)の良溶媒であり成分(4)
の貧溶媒である溶媒に30分間浸漬し、乾燥した後:J
ISP−8138−1963によるシートの不透明度(
%)を測定し、溶媒処理不透明度とする。
上記、延伸不透明度は、成分(A)の相と成分(2)の
相の界面で明白に相分離をしておらず、ある程度は分子
的に相溶していることを示し、溶媒処理不透明度は、成
分(4)と成分(BXζ完全に分子的には相溶していな
いことを示す。又、本明細書において、ポリマー又は化
合物が、使用温度において、使用溶媒に、2重量%以上
の濃度に溶解する場合、該ポリマー又は化合物は該溶媒
に対し易溶性(該溶媒は、該ポリマー又は化合物に対し
良溶媒)であり、2重量%未満の濃度しか溶解しない場
合、該ポリマー又は化合物は、該溶媒に対し、難溶性(
該溶媒は、該ポリマー又は化合物に対し貧溶媒)である
、という。
上記溶解性は所定温度の溶媒に、粒状、フイルム状、粉
末状又は液状の成分を2重量%添加して3時間、充分攪
拌し、完全に溶解するか否かによつて判定することがで
きる。
本発明において使用するに適する溶媒の例並びに該溶媒
で処理されるに適した成分(4)のポリマー及び成分(
B)の化合物の組合わせの例を、下記第1表に示す。
成分(4)のポリマーと、成分(B)の化合物の使用割
合は、両者の合計100重量部に対し、成分αK9O〜
30重量部、成分(B)は10〜70重量部の範囲内で
ある。
成伍B)が10重量部より少量であれば、製品多孔膜に
、所要の連続した孔構造を与えることができない。又、
70重量部より多量であれば、溶媒処理後、シート、フ
イルム或いは中空体の形状を保持できなくなる。成分(
4)を80〜40重量、成分(B)を20〜60重量部
の割合で使用するのが好ましい。上記の基準に従つて選
ばれた成分(A)のポリマーと、成分(B)の化合物は
、成分(4)と成分(B)の溶融温度以上で溶融混合さ
れ、フイルム、シート又は中空体状の中間成形体に成形
される。
本発明においては、上記中間成形体の成形は、溶融混合
物を、ダイスを通してフイルム、シート又は中空体の形
状に押し出し、押し出された溶融状態にある成形物を引
取りながら冷却固化する方法によつて行われる。
その際、押出物が、ダイス出口を出た後、充分な時間を
経てフロストライン即ち、押出物が冷却固化される位置
に達するようにすることが重要である。この時間は、ダ
イス出口からフロストラインまでの距離hセンチメート
ルと、押出物の引取速度vセンチメートル/秒かhら一
秒で表わされ、 v である。
本明細書においては、この期間を溶融静置時間と呼ぶ。
溶融静置時間は、上述のように、ダイス出口からフロス
トラインまでの距離と、引取速度によつて規制される。
そして、溶融押し出し物は、通常0.1〜100CTI
L/秒、好ましくは1〜10CTIL/秒の引取速度で
引取られ、ダイス出口からフロストラインまでの距離は
、所定の引取速度に基づき、前記溶融静置時間を満足す
るように定めることができる。溶融静置時間が20秒以
下では、満足すべき、気体、液体などの透過性を有する
製品が得られず溶融静置時間が10分以上では、溶剤処
理シートの孔径が大きくなりすぎ、また、ダイスから出
たフイルム状溶融物が自重でたれ下がる現象(ドローダ
ウン)が生じ、好ましくない。
本発明において、フイルム又はシート状の成形体を作る
最も好ましい方法は、インフレーシヨン成形機を用いる
方法である。
添附図面に、この型の成形機を用いて、フイルム状中間
成形体を作る方法の模式図を示した。添附図面において
、所定量の成分(4)の熱可塑性重合体と成分(2)の
化合物がホツパ一2から、押出機1内に装入され、ここ
で溶融混合される。
溶融混合物は、ダイヘツド3に設けられた環状ダイスを
通つて、上方に押出され、円筒状溶融混合物4が連続的
に形成される。円筒状溶融混合物は、その円筒内に加圧
流体を圧入することによつて円筒の直径方向に膨張され
、膨張円筒体5となつて加熱トンネル6内を上方に移動
し、次にこれを取り囲む環状ノズル(エアーリング)1
0から噴射される冷空気により冷却され、フロストライ
ン7で固化し、引取ロール8によつて扁平にたたまれて
引取られ、巻取ロール9に巻きとられる。この場合、加
熱トンネル内の温度及び長さを加減することにより、ダ
イス出口とフロストラインの距離を調節することができ
、従つて溶融静置時間を規制することができる。以上に
、インフレーシヨン成形機を用いて、溶融混合物からフ
イルム状中間成形体を作る方法について説明したが、溶
融混合物をTダイからシート状に押出す方法、或いは多
数の環状紡糸孔を有する紡糸口金から中空繊維を押出す
方法を用いて、中間成形体を作ることができ、これらの
成形工程は、成分の溶融混合工程に直結して行われるの
が通常であるが、分離して行つてもよい。
成分(4)と成分(BY溶融混合は、押し出し機、バン
バリーミキサ一、ニーダ一 ロール等任意の公知の手段
で行うことができる。
必要なことは、成分(A)と成分(B)を、両者の溶融
温度以上の温度で溶融させ、この状態で混合することで
ある。
一方が溶融しない状態で混合しても、本発明にいう、部
分的相溶が起らない。上記の成形方法において、押出物
は、上方ばかりではなく、側方又は下方に引取ることも
できる。
上に例示したような何れの成形方法においても、ダイス
出口のT流に、加熱帯域を設け、この帯域を溶融成形物
が通常せしめられることが必要であり、これによつて引
取速度に関連して、必要なダイス出口からフロストライ
ンまでの距離を確保することができる。フロストライン
は、必ずしも強制冷却によつて形成されることを要せず
、自然冷却によつてもよい。
又、フロストラインは、加熱帯域外に形成されるとは限
らず、加熱帯域内に形成されてもよい。フロストライン
の位置は自然冷却の場合は、加熱帯域の温度と長さ、引
取速度及び、溶融混合物の固化温度によつて定まり、肉
眼により、その形成を容易に認めることができる。加熱
帯域は通常、常温以上、好ましくは80〜350℃の温
度に保持され、かつ、溶融成形物がその中を通過するこ
とができ、それによつて、溶融静置時間を満足するよう
に設置される。
加熱帯域は例えば、溶融成形物が、トンネルの中に通過
するようになつているトンネル状帯域、一面又は多面の
平板面に沿つて通過するようになつている平板状帯域、
1個又は複数個のロールの上を通過するようになつてい
るロール状帯域、或いは一面又は多面の移動ベルトの上
又はそれに沿つて通過するようになつているベルト状帯
域とすることができる。上に例示したような帯域は、電
熱加熱、赤外線加熱、スチーム加熱、或いは熱風加熱の
ような加熱手段により、前記温度に保つことができる。
上記の場合、加熱帯域を形成する外郭自体が加熱状態に
あるか又はその外郭上に熱発生源を装備させて溶融成形
物を加熱する他、帯域中に熱風、スチイームを導入する
方法も採用される。また特に外郭を設けなく溶融成形物
を複数個の赤外線ヒーターなどの熱発生源を用いて直接
加熱することもできる。加熱帯域がトンネル状、平板状
の場合は、溶融成形物が壁面に接融しないように設置す
る。
加熱帯域がロール状の場合は、溶融成形物がロール間隙
ではさみ込まれないように設置する。加熱帯域がベルト
状の場合は、溶融成形物をたとえば二面の間ではさんで
もよいが、その場合、両側のベルトの移動速度を同一に
し、せん断変形を与えないように注意する。以上の加熱
帯域の2種以上を併用することもできる。
上記のようにして得たフイルムを、前述の規準により選
んだ溶媒で処理する。
処理は所望の最終製品に応じ、フイルムの両面に対して
行うこともでき、片面のみに対して行うこともできる。
溶媒処理は、中間成形体を、任意の公知の手段で、所定
温度の溶媒と所定時間接触させることによつて行うこと
ができる。中間成形体と溶媒の接触は通常中間成形体に
含有される(B滅分の30〜100重量%好ましくは5
0〜100重量%が除去されるまで行う。
処理温度及び時間は格別特定的なものである必要はない
が、成分ゆポリマー、成分(BY化合物及び溶媒の組合
わせ、及び最終製品多孔膜に所望される特性の如何によ
り好適な条件が選ばれる。しかしながら、概して10℃
以上で溶媒の沸点以下の温度の溶媒に10秒間〜60分
間接触せしめる。中間成形体と溶媒の接触は、浸漬法、
即ち、該中間成形体を、所定温度の溶媒中に、所定時間
浸漬して引き上げる方法によつて好適に行うことができ
る。しかしながら、中間成形体表面上に溶媒を連続的に
流下或いは噴射する方法等によつて行うこともできる。
溶媒処理を終つた成形品を乾燥する。
乾燥の方法は、格別特定的なものである必要はなく、空
気又は窒素ガスを吹きつける方法、減圧乾燥方法、熱空
気或いは熱窒素乾燥室を通す方法のような任意の公知方
法が使用できる。
乾燥の能率を高めるために、溶媒処理後、使用した溶媒
とよく混合する蒸発し易い溶媒、例えばアセトン、アル
コール類に浸漬してから乾燥してもよい。
溶媒に浸漬中、該シートが若干変形する場合があるが、
.そのときは、ロール又はテンタ一で張力をかけた状態
で浸漬し、乾燥するのがよい。
このようにして、気体、液体の透過性がすぐれ、孔径も
小さく、目的とする用途に供するに適した多孔膜製品が
得られる。得られた製品を、さらに、1軸方向又は2軸
方向に、50〜1500%延伸してもよい。
これにより、さらに、気体、液体の透過性のすぐれた製
品がえられる。しかしながら、この延伸は、もし行うな
らば、乾燥した後の製品に対して行うべきである。
乾燥は溶媒処理後、フイルム付着又は含有される溶媒の
量が、50重量%(フイルム及び溶媒の合計に対し)以
下、通常は10重量%以下になるまで行う。乾燥せずに
延伸すれば、延伸工程中において発泡して粗大な気泡を
生じて製品の性能を低下させたり、延伸切れを生じさせ
たりする。
また、乾燥を行わず、残存する成分(B)/)く膨潤状
態にあるまま延伸しても、空隙率があまり上昇せず、気
体、液体の透過性があまり向上しない。1軸方向又は2
軸方向に延伸する方法は、公知の各種延伸法が適用でき
る。
すなわち、ロール方式による1軸延伸法、ロール方式又
はテンタ一方式による拘束1軸延伸法、ロール方式によ
る縦延伸法とテンタ一方式による横延伸法による逐次2
軸延伸法、テンタ一方式による同時2軸延伸法などによ
つて実施され、延伸法はとくに限定されない。要するに
、1軸方向又は2軸方向に50〜1500%延伸されれ
ばよい。延伸量が50%以下では、延伸ムラ(不均一な
延伸)が生じ、好ましくない。延伸量が1500%以上
では延伸が困難である。好ましくは、延伸量が100%
〜1000%である。2軸方向に延伸する場合、縦方向
と横方向の延伸量は同一であつても異つていてもよい。
延伸温度は、格別特定的なものである必要はなく、延伸
可能な温度であれば足りる。
1軸延伸及び拘束1軸延伸は、フイルムの溶融温度より
低く、0℃以上の範囲の温度で行うのが通常である。
2軸延伸の場合は、フイルムの溶融温度より低く、該溶
融温度より50℃低い温度以上の範囲の温度で行うのが
好ましい。
本発明の方法により、すぐれた多孔性膜が得られる理由
はつぎのように考えられる。
すなわち、成分〆)のポリマーと成分(3)の化合物の
溶融混合物より成るフイルムの構造は、一方の成分のマ
トリツクス(連続相)中に他の一方の成分の相が分散し
ているいわゆる海一島構造ではなくて、成分ゆポリマー
と成分(B′)f)化合物が界面においては相溶しあい
ながら、それぞれ連続相をなして3次元的に網状に相分
離しているものと考えられる。
この3次元網状相分離構造は、ダイから押し出されたば
かりの溶融成形物においては、網の太さが充分発達して
おらず、この状態で冷却固化し、溶媒処理により成分(
B)を除去しても、乾燥后延伸を行わない限り充分な連
続孔を有し、気体及び液体の透過性の良好な製品が得ら
れない。これに対し、溶融状態の成形物が、本発明で特
定する充分な溶融静置時間を経過するならば、その間に
網の太さが発達し、適当な太さに達した時に、その構造
が冷却固定される。その結果、溶媒処理により成分(B
)を除去するだけで、延伸を行わなくても充分な連続孔
を有し、孔径の大きさが適当であつて、気体、液体の透
過性の良好な製品が得られるものと推測される。本発明
の方法によつて得られた多孔膜は、これを熱処理して空
孔の大きさをコントロールすることができる。
なお、本発明においては、炭酸カルシウム、二酸化硅素
、TiO2、クレー、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム
、けいそう士、硫酸カルシウムなどの充填剤、テトロン
繊維、ナイロン繊維、ガラス繊維などの繊維状物質、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを成分(4)のポ
リマー及び成分(2)に加えて適当量添加してもよい。
また、本発明による製品に、必要に応じて、さらにコロ
ナ処理、酸化剤処理、界面活性処理などをおこなつても
よい。以下の例(実施例及び比較例)は、本発明をさら
に具体的に説明するものである。例中に示した多孔膜の
物性は、次の方法によつて測定したものである。
透気時間;JIS−P−8117により、ガーレ一式デ
ンソメータ一によつて、300CC.airの透気時間
(秒数)を測定し、(Sec/300CCair)で表
示した。
最大孔径;BritishStandardl752一
1963によつて、測定した。
実施例 1 メルトインデツクス2のアイソタクチツクポリプロピレ
ン50重量部と、メルトインデツクス2、酢酸ビニル含
量10重量%のエチレン一酢酸ビニル共重合体50重量
%を、添附図面に示したインフレーシヨン成形装置の押
出機に仕込み、外径4礪、内径39?の環状ダイスから
、円筒状溶融成形物を押出し、円筒内部に空気を吹き込
んで、直径8.1CT!Lの円筒に膨張させ、加熱トン
ネル、冷却空気噴射ノズルを経て冷却固させ、1m/S
ec.の引取り速度で引取り、厚さ0.25mmのフイ
ルム状中間成形体を作つた。
この時の、押出機中央温度は210℃、出口温度は22
0℃、ダイヘツド温度は230℃であつた。加熱トンネ
ルは、内径30crn1長さ15?の円筒状抵抗発熱体
で作り、トンネル内温度を180℃に保つた。
ノズル出口の上方20cmの所にフロストラインが形成
され、20秒の溶融静置時間が確保された。得られた中
間成形体フイルムを、85℃のテトラクロロエチレン中
に30分間浸漬し、その後乾燥し製品フイルムを得た。
その物性を第2表に示す。比較例 1 加熱トンネル及び冷却空気噴射ノズルを設けない点を除
き、実施例1と同様にして、製品プールムを作つた。
加熱トンネルを設けなかつたので、強制冷却を行わなか
つたにもかかわらず、溶融静置時間は僅か10秒であつ
た。
製品フイルムの物性を第2表に示す。
比較例 2 メルトインデツクス2のアイソタクチツクポリプロピレ
ン50重量部、平均重合度1100のポリ塩化ビニル5
0重量部、ジオクチルフタレート10重量部及びジブチ
ルスズマレート1。
5重量部を使用する以外は、実施例1と同様にして製品
フイルムを作つた。
その物性を第2表に示す。比較例 3 メルトインデツクス0.5、密度0.96のポリエチレ
ン30重量部と亜硫酸カルシウム半水塩(CaSO4・
−FH2O)粉末70重量部を使用する以外は実施例1
と同様にして、フイルムに成型し、得られた中間成形体
フイルムを、60℃の4規定塩酸中に60分間浸漬した
後、水洗し、乾燥し、9製品フイルムを得た。
その物性を第2表に示す。第2表から、部分的相溶性の
ある成分(4)及び成分(B)の組合わせを用いても、
溶融静置時間が20秒より小である場合(比較例1)、
溶融静置時間が20秒以上でも、成分(A)と成分(O
が部分的相溶性を有しない場合(比較例2)及び溶融混
合の際に、一方の成分が溶融しない場合(比較例3)に
は、製品フイルムの透気性が極めて不満足であることが
明らかである。実施例 2〜13 第3表に示す成分及び割合の組成物を用い、第4表に示
す溶融静置時間及び溶媒処理条件を用いる以外は実施例
1と同様にして製品フイルムを得た。
製品フイルムの物性を第5表に示す。これらの例におい
て、溶媒静置時間は、加熱トンネルの長さを変えること
によつて規制した。第5表から、本発明の方法による製
品フイルムは、透気時間、最大孔径のバランスがよく、
良好な製品であり、溶融静置時間が1分〜5分の範囲内
に規制された実施例4〜9のものは、とくに、透気時間
、最大孔径のバランスがよいことがわかる。
実施例 14〜19 実施例1及び実施例4〜8で得た各製品シートを、第6
表に示した延伸方法で及び条件延伸した。
えられた延伸フイルムの物性を、第6表に示す。第6表
から延伸することにより、透気時間が著しく減少し、透
気性がきわめてすぐれ、最大孔径のバランスもよい製品
がえられることがわかる。
【図面の簡単な説明】
添附図面は、本発明の方法における、フイルム状中間成
形体を作る方法の1例を模式的に示す図である。 図面中に数字で示した各部分は次の通りである。 1・・・・・・押出機本体、2・・・・・・押出機のホ
ツパ一、3・・・・・・ダイヘツド、4・・・・・・溶
融押出物、5・・・・・・膨張した溶融押出物、6・・
・・・・加熱トンネル、7・・・・・・フロストライン
、8・・・・・・引き取りロール、9・・・・・・巻き
取りロール、10・・・・・・冷却用エアーリング。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 必須成分として、 (A)使用する溶媒に対し使用温度において難溶性の、
    1種又は2種以上の熱可塑性樹脂の、90〜30重量部
    及び(B)上記成分(A)の熱可塑性樹脂に対し、部分
    的に相溶性を有し、かつ使用する溶媒に対し使用温度に
    おいて易溶性である、1種又は2種以上の化合物の、1
    0〜70重量部を、成分(A)と成分(B)の合計が1
    00重量部となる割合で、成分(A)と成分(B)の溶
    融温度以上の温度で溶融混合し、該溶融混合物をダイス
    を通してフィルム、シート又は中空体状に押し出し、押
    し出された溶融状態にある成形物を、ダイスの下流に設
    けた加熱帯域を通過させた後、冷却固化して引取り、そ
    の際、ダイス出口から該成形物のフロストラインまでの
    センチメートルで表わした距離(h)と、毎秒当りのセ
    ンチメートルで表わした引取速度(v)が、次の関係2
    0秒≦h/v≦600秒 を満足する条件で引取り、得られた成形物を前記溶媒で
    処理し、次いで乾燥することを特徴とする多孔膜の製造
    方法。 2 必須成分として、 (A)使用する溶媒に対し使用温度において難溶性の、
    1種又は2種以上の熱可塑性樹脂の、90〜30重量部
    及び(B)上記成分(A)の熱可塑性樹脂に対し、部分
    的に相溶性を有し、かつ使用する溶媒に対し使用温度に
    おいて易溶性である、1種又は2種以上の化合物の、1
    0〜70重量部を、成分(A)と成分(B)の合計が1
    00重量部となる割合で、成分(A)と成分(B)の溶
    融温度以上の温度で溶融混合し、該溶融混合物をダイス
    を通してフィルム、シート又は中空体状に押し出し、押
    し出された溶融状態にある成形物を、ダイスの下流に設
    けた加熱帯域を通過させた後冷却固化して引取り、その
    際、ダイス出口から該成形物のフロストラインまでのセ
    ンチメートルで表わした距離(h)と、毎秒当りのセン
    チメートルで表わした引取速度(v)が、次の関係20
    秒≦h/v≦600秒 を満足する条件で引取り、得られた成形物を前記溶媒で
    処理し、次いで乾燥して得られた多孔膜を、さらに、1
    軸方向、又は2軸方向に、50〜151500%延伸す
    ることを特徴とする、多孔膜の製造方法。
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