JPS5939213Y2 - 回転軸継手 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転軸継手の改良に関し、簡単な構成によって
出力軸の伝導軸間のギャップを吸収し、偏心を防止する
とともに円滑な回転伝達を得ることを目的とする。

以下本考案を説明するに当り、実施例として高周波加熱
調理器におけるターンテーブルを回転駆動する軸継手に
ついて従来例と比較して説明する。

第１図は本考案を採用する対象の高周波加熱調理器のタ
ーンテーブル駆動系を示すもので、１は加熱室底壁、２
は本体底板、３はこの加熱室底壁１の下部に装置したモ
ータ、４はギヤーボックス、５はモータ３からギヤーボ
ックス４を介して減速駆動される出力軸、６はこの出力
軸５と着脱自在に結合される伝導軸、７はこの伝導軸６
の軸受、８は伝導軸６の上面に形成した突部９に嵌合し
て回転駆動されるターンテーブル、１０はこのターンテ
ーブル８をその周辺近くにおいて回転支持するローラで
ある。

そして出力軸５と伝導軸６との結合は伝導軸６に設けた
嵌合穴１１を出力軸５に嵌合させ、また出力軸５の回転
を確実に伝導軸６に伝える回転止めは前記穴１１に連通
した溝１２に出力軸５の先端に取付けた平板１３を嵌合
させることにより得られる。

なお、ターンテーブル８は耐熱ガラス、伝導軸６は合成
樹脂、軸受７はアルミ等のガイカストで形成されている
。

このような例えばターンテーブル駆動系において従来、
出力軸と伝導軸の結合構造、すなわち、継手は第２図、
第３図に示すような構成であった。

第２図の例は出力軸５と伝導軸６とを単に嵌合させたも
のであるが、伝導軸６の嵌合穴１１と出力軸５お・よび
平板１３の間にはギャップが生じる。

これは出力軸５と嵌合穴１１の寸法ばらつきを考慮して
公差を見込むためである。

このギャップは出力軸５と伝動軸６の組立時に回転中心
がずれて偏心する原因となり、伝導軸６の回転時に異常
音を生じたり、伝導軸が偏摩耗するなどの不都合が生じ
ることとな、る。

第３図の例は第２図の例で示したような問題点を解決す
るためにシリコーンゴム等のゴム材料によって形成され
たギャップ１４を介在させたものであり、このギャップ
１４によって軸間のギャップをなくし、偏心を防止する
ものである。

しかしながらシリコーンゴムのようなゴム材料よりなる
ギャツブ１４は底形を要し、したがって−室以上の厚み
が必要となり、この結果、嵌合穴１１と出力軸５および
平板１３の間には積極的にギャップをつくることが要求
され、伝導軸６の径を大にしなければならない。

またギャップ１４を構成するゴム材は、ある程度の弾性
変形は可能なものの、ギャップのばらつきによってなお
かつギャップが生じたり、逆に嵌合が困難となって、出
力軸５が伝導軸６を突き上げることにより、軸受７に無
理な力をかけ、異常音の原因となるなど問題が残るもの
であった本考案はこのような従来例の欠点を除去するも
のであり、その実施例は第４． ５． ６図に示すとお
りである。

図中、従来例と同一部分は同一符号で示した。

図において、１５はたと、えばウレタンフオームなどの
弾性を有する発泡材料であり、この発泡材料１５の片面
に接着テープ１６を貼り、この接着テープ１６によって
出力軸５の先端に取付けている。

この接着力は大きなもの不要であり、出力軸５と伝導軸
６の嵌合時に、この発泡材料が円滑に嵌合穴１１に案内
される程度の保持力でよい。

この発泡材料１５は従来のゴムキャップと異なりきわめ
て弾性変形性に富んでおり、とりわけ圧縮方向の弾性変
形は絶大である。

したがって出力軸５と伝導軸６の結合時に、第４図のよ
うに嵌合穴１１になじんでギャップを吸収するが、この
際、ギャップのばらつきや、発泡材料自体の寸法ばらつ
かあっても、これらをも十分に吸収し、偏心等を極力抑
えることが可能である。

また一般に発泡材料には特有のスリ切れ特性がある。

すなわち発泡構造であるため局部的に運転状態における
回転ズレによる摩擦力等が加わってスリ切れてもそれが
他の部分まで連続的に波及することがないこと、これは
発泡材料の場合大きく引さこうとしても、小さな部分で
ちぎれてしまう事でわかるように、独立気泡でも連続気
泡でも組織相互の結合が弱いため摩耗やキレンは力が直
接加わった局部に限定され、従って摩耗やキレンは広い
範囲には波及せず、このため、スリ切れが回転ズレによ
る摩擦力により安定して起ることなどの性質により、き
わめて良好な嵌合状態が得られる。

従来のゴムキャンプと比較すると、発泡材料１５は耐久
性の点で劣るが、軸結合時にギャップに介在し一ζ軸間
に偏心が生じなければあとはその位置関係は固定される
から、発泡材料の摩耗によっては支障は生じない。

以上のように本考案によれば、軸間のギャップを発泡材
料が効果的に吸収して安定した嵌合状態が得られ、軸の
加工に特別な配慮が不要となり、しかも材料費もきわめ
て安く、経済的であるなどの効果があり、たとえば高周
波加熱調理器におけるターンテーブル駆動系に用いてそ
の実用的効果は大きい。

また発泡材料の場合、力を加えた場合の収縮量が大きい
ので゛伝導軸と出力軸のより大きな寸法ばらつきに対応
できる。

さらに発泡材料の場合、気泡部の働らきて適度にすり切
れるため多少出力軸と伝導軸の係合がきゅうくってあっ
ても容易になじむことができる。

又発泡材を長方形あるいは細長いシート状に形威し、片
面の接着テープをもって出力軸の先端部に貼付けるよう
な構成にすることにより、取付けが容易になり、形状が
簡単なので安価に仕上げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の断面図、第２図は従来例の要
部断面図、第３図は他の従来例の要部断面図、第４図は
本考案の実施例の要部断面図、第５図は同一部正面図、
第６図は同側面図である。 ５・・・・・・出力軸、６・・・・・・伝導軸、７・・
・・・・軸受、１１・・・・・・嵌合穴、１２・・・・
・・溝、１３・・・・・・平板、１５・・・・・・発泡
材料。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モータからギヤーボックスを介して減速駆動されかつ端
   部に平板を取付けた出力軸と、前記出力軸の平板が挿入
   される溝を設けた嵌合穴を有する伝導軸と、前記出力軸
   と前記伝導軸との間に介在する弾性を有する発泡材とを
   備え、発泡材は長方形あるいは細長いシート状に形成す
   るとともに片面の接着テープをもって出力軸の先端部に
   固着し、伝導軸の嵌合穴と前記出力軸との嵌合状態にお
   ・いて圧縮されて介在する構成とした回転軸継手。