JPS5939149Y2 - シリンダヘツドカバ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は騒音の低減を図った自動車用エンジンのシリ
ンダへラドカバーに関するものである。

従来の自動車用エンジンのシリンダへラドカバーは、第
１図に示すように、オイル注入口４及びブローバイガス
取出口５を有する一体成形の金属製カバー１にて形成さ
れ、オイルシールやガスケット３を介してシリンダヘッ
ド２にボルト６で固定されている。

このため、シリンダヘッドカバーとシリンダヘッドとの
結合が剛となると共に、シリンダへラドカバー自体が振
動を伝達し易く、シリンダヘッドから伝達された振動が
シリンダへラドカバー全面に伝わってこれを激しく振動
し、カバー自身を騒音発生源としている。

この騒音は動弁系から発生し、カバーを透過して出る音
よりも極めて大きなものになるという問題がある。

この考案Ｉｄこのような従来の問題点に着目してなされ
たもので、シリンダへラドカバーをゴムのようなダンピ
ング性の高い部材にてカバ一本体を構成すると共に、こ
の内側にクリアランスを設けて骨組構造を取り付ける構
成とすることにより、シリンタヘットヵ・ら伝達された
振動がシリンダヘッドカバー全体に広がることを防止し
て騒音の発生を抑制することができるシリンダヘッドカ
バーを提供することを目的としている。

以下、この考案を図面に基すいて説明する。

第２図はこの考案の一実施例を示す図である。

図において、７は硬度が小さく、かつダンピングの大き
い部材、例えばゴム膜等にて所定のカバー形状に形成し
たカバ一本体、８（ｄこのカバ一本体７とわずかなりリ
アランス９を保って配設される複数本の骨を主体とした
骨組構造であり、これらカバ一本体７、骨組構造８にて
本考案のシリンダへラドカバーを構成している。

前記骨組構造８は、第４図に示すように例えば長手方向
に沿った１本の骨と、これに直交する３本の骨と、これ
らを一体化させる枠状部分とからなり、全体を薄い金属
板のプレス加工にて製作してあり、軽量化と強度確保の
ため各骨の部分はコの字型の断面形状とし、更にゴム膜
との干渉によるゴム膜の傷つき防止のため、カバ一本体
７側に背を向けた配置としている。

また、骨組構造８はその周囲に形成した７ランノ部１０
をカバ一本体７のシリンダヘッドへの取付部分に設けた
溝１１に嵌合することによりカバ一本体７に取り付けて
あり、それ以外の部分では互に接触しないようになって
いる。

一方、カバ一本体７のシリンダヘッドへの取付面には断
面略半円形の突条１２を全周囲に亘って形成すると共に
、上底面の内側には先細りの突起１６をストッパとして
骨組構造８と丁度対応する位置に設け、カバ一本体に過
大な力が加わったときにカバ一本体７の変形を支え内部
を保護するようになっている。

更に、第５図に示すように、ブローバイガス取出口１４
は骨組構造８に取出口管１７を固着し、この取出口管１
７をカバ一本体７にあけた穴から突出させる。

カバ一本体７はこの取出口管１７を括約筋状のリップ部
１９で緊縛し、潤滑油のシールを図っている。

なお、このシール効果の増大のために弾性リング２０を
用いてもよい。

取出口管１７には弾性材でできたホース１８を連結して
いる。

尚、取出口の他の例として、第６図に示すように、カバ
一本体７の一部をホース状の首２１に形成し、これに取
出口管１７′を緊縛固着するようにしてもよい。

また、潤滑油の注入ロ１５ｕ１第７図に示すように、骨
組構造８の一部にねじ孔２２を設け、これに注入口蓋２
３を着脱自在に取り付けており、カバ一本体７の一部に
リング状のリップ部２４を形成し、ワッシャ２５を介し
て蓋２３と圧接することにより潤滑油をシールしている
。

２６は蓋２３の回転時にカバ一本体７に作用する摩擦力
によってカバ一本体７が局部的に過大な変形を起すこと
を防止する補強板である。

この潤滑油注入口の他の例としては、第８図に示すよう
に、骨組構造８に形成した孔２Ｂに口金部２７を固着す
ると共に、この口金部２７に蓋２３を螺合するようにし
、更に口金部２７の外周をカバ一本体７のリップ２９に
て緊縛するようにしてもよい。

そして、このシリンダへラドカバーのシリンダヘッドへ
の取付けには、ボルト６及び押え板１３を用いている。

次に作用を説明する。

カバ一本体７ばその内部で作動する動弁系の潤滑油の外
部への飛散防止と塵埃の侵入防止を行なう。

同時にカバ一本体７はダンピング性の高いゴムで形成さ
れているため、機関の振動による表面振動が抑制され、
放射騒音が低減する。

しかも、骨組構造８とは周辺部以外の殆どの部分がクリ
アランスを保つようになっているため、骨組構造８から
振動が伝達されることが少なくなり、カバ一本体７０表
面振動が低減されるようになっている。

骨組構造８はカバ一本体７に過大な力が作用して大きく
撓みそうになる非常の場合にカバ一本体７を支持して動
弁系との干渉を防止する。

また、ブローバイホースの取付けやオイル注入口の蓋の
取付けなどの作業時に加わる力を受は持つようになって
いる。

尚、突条１２は取付面の面圧を高めてオイルシール性能
を向上する。

押え板１３はボルト６の締付力が取付面全体に一様に働
くようにしてオイルシール性能を保つためのものである
。

尚、骨組構造８は樹脂材で形成することもできる。

また、ブローバイガス取出口や潤滑油注入口をシリンダ
ヘッドに設けてもよく、この場合は骨組からカバ一本体
への振動伝達を更に抑制することができる。

尚、第５図乃至第８図に示したブローバイガス取出口及
び潤滑油注入口の例では、骨組構造とカバ一本体との接
触を小さい範囲に抑えることが可能となり、従ってカバ
一本体への振動伝達を小さくしたまま従来と同様のブロ
ーバイガス処理と潤滑油供給の作用を行なうことができ
るという効果が得られる。

また、カバ一本体と骨組構造とを組立て式に結合するこ
とにより、接着や焼付けなどの複雑な加工を必要としな
い効果も得られ、かつゴムの劣化時にカバ一本体のみの
交換でもよいという効果も得られる。

以上説明してきたようにこの考案によれば、ダンピング
の大きいゴム等の部材からなるカバ一本体と、このカバ
一本体の内側にクリアランスを保って内装した骨組構造
とからシリンダヘッドカバーを構成したから、従来のシ
リンダへラドカバーの有する機能を損なうことなく、シ
リンダヘッドの振動によるシリンダへラドカバーの振動
を防止し、シリンダへラドカバーからの騒音の発散を防
止することがができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシリンダへラドカバーの斜視図、第２図
は本考案のシリンダヘッドカバーの取付状態の断面図、
第３図はカバ一本体を上下反転した状態の側視図、第４
図は骨組構造の斜視図、第５図及び第６図は夫々異なる
ブローバイガス取出口の断面図、第７図及び第８図は夫
々異なる潤滑油供給口の断面図である。 １・・・シリンダへラドカバー、２・・・シリンダヘッ
ド、γ・・・カバ一本体、８・・・骨組構造、９・・・
クリアランス、１１・−・溝、１２−・・・突条、１５
・・・潤滑油供給１］、１６・・・ストッパ、１７・・
・ブローバイガス取出口管、１９・・・リップ、２１・
・・首、２２・・・ねじ孔、２３・・・蓋、２４・・・
リップ部、２５・・・ワッシャ、２６・・・補強板、２
７・・・口金部、２９・・・リップ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 （１） ゴム等のようにダンピング性が高くかつ油密
   性のある部材にて所定のカバー形状に形成され、かつそ
   の周囲においてシリンダヘッドに取着されるカバ一本体
   と、このカバ一本体内に所定のクリアランスを保って内
   装された複数本の骨を主体とし、かつ周囲のフランジ部
   が上記カバ一本体に一体的に取付けられてなる骨組構造
   とで構成したことを特徴とするシリンダへラドカバ（２
   ）骨組構造７４力バ一本体の内側周辺部に形成した溝に
   その周辺の少なくとも一部を嵌合してなる実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のシリンダへラドカバー。 （３） カバ一本体の周辺のシリンダヘッドへの当接
   面には全周に亘ってシール機能向上用の突条を形成して
   なる実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記載のシ
   リンダへッドヨバー。 （４）カバ一本体の内面には骨組構造と対向する部位に
   先細の突起を設けてストッパを形成してなる実用新案登
   録請求の範囲第１項〜第３項のいずれかに記載のシリン
   ダヘッドカバー。 （５）骨組構造にはブローバイガス取出口管を一体に設
   けてこれをカバ一本体外に突出し、その周囲をカバ一本
   体にて緊縛して油密構造としてなる実用新案登録請求の
   範囲第１項〜第４項のいずれかに記載のシリンダへラド
   カバー。 （６）カバ一本体の一部をホース状に形成してブローバ
   イガス取出口としてなる実用新案登録請求ノ範囲第１項
   〜第４項のいずれかに記載のシリンダヘッドカバー。 （７）骨組構造に形成したねじ孔にカバ一本体の開口部
   を通して潤滑油供給口の蓋を螺合させ、この蓋と骨組構
   造との間に前記カバ一本体の開口部の周辺部を締め付け
   て蓋部のオイルシール効果を向上させてなる実用新案登
   録請求の範囲第１項〜第６項のいずれかに記載のシリン
   ダへラドカバー。