JPS5938973Y2 - 正面フライスカツタ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 正面フライスカッター、特に仕上用正面フライスカッタ
ーにおいて、切刃チップの正面刃振れ精度を高めること
は、チップ寿命、加工面性状等を高めるための一つの重
要な要件である。

高精度な正面刃振れを得るには、精度よく切刃チップの
正面刃振れを測定し調整する必要がある。

このための種々の工夫が考えられるが、その−例として
第１図、第２図に示すように、カッタ一本体１の切刃チ
ップ３の突出している側（通常正面と呼んでＬ・る）の
中心軸に直角な中央部の面２を基準面に形成し、この面
２を基準として刃振れ測定治具あるいは刃振れ調整治具
４を使用し、切刃チップの刃振れ調整を行なう方法があ
る。

面２はカッタ一本体１を高精度に研削して基準面として
使用できるが、カッタ一本体は一般に硬度がＨＲＣ４０
程度であるため、カッター使用中に切粉による損傷をう
けたり、保管時や機械への取付は取外し時や運搬時に傷
つけ易い。

また基準面が広い程傷がつき易く、加工する場合には広
い程高精度に研削することは困難である。

本考案は基準面を容易に形成でき、また傷をうけること
の少ない正面フライスカッターを供することを目的とす
る。

本考案はこの目的を達するために、カッタ一本体の切刃
チップの中心軸方向に突出している側の中心軸に直角な
中央部の面に、円環状に少なくとも３個の小突起を形成
し、これら小突起にカッタ一本体の中心軸に直角な一つ
の面上に位置する基準面を形成し、この基準面に当接し
小突起に着脱可能な基準板を具備せしめたものである。

第３図、第４図は本考案の一実施例を示したものである
。

面２に中心軸の周りに１２０°間隔で円柱状の小突起５
を３個形成し、その頂面をカッタ一本体１の中心軸に直
角な一つの面上に位置する基準面６に形成し、この小突
起５の頂部に嵌着し基準面６と当接するようにした基準
板７を設けたものである。

この基準板は、このカッターの使用時などには取外して
おき、切刃チップ３の取付けあるいは取付は替の際、小
突起５に装着し、刃振れ調整治具４の使用基準面として
第４図に示す如く使用するものである。

小突起５の頂部は凸状に形成してその段部を基準面６に
形成してもよく、あるいはカッタ一本体の中心軸から遠
い外側半分を段状に削ってその段部を基準面に形成して
もよい。

このように基準面の面積が小さい本考案によれば、製作
時あるいは使用後の修正を研削加工により容易に行なう
ことができ、簡単なキャップを施すことにより傷のつく
ことを容易に防ぐこともできる。

小突起としては、これを耐摩耗性、耐変形性、耐食性に
すぐれた超硬合金など硬質金属で三角柱、錐状あるいは
球状等に作り、カッタ一本体にろう付け、圧入、ねじ止
め等により固着することにより耐久性のある基準面を形
成することができる。

小突起の設置数は３個に限らず３個以上必要に応じて多
数設けるも任意である。

【図面の簡単な説明】

第１図は正面フライスカッターの一部正面図、第２図は
第１図の直径上の一部断面図で基準面に対する刃振れ調
整治具の使用状態を示した図である。 第３図、第４図は本考案による正面フライスカッターの
一実施例を示した図で、第３図は一部正面図、第４図は
直径上の一部断面図である。 １・・・・・・カッタ一本体、２・・・・・・面、３・
・・・・・切刃チップ、４・・・・・・刃振れ測定治具
あるいは刃振れ調整治具、５・・・・・・小突起、６・
・・・・・基準面、７・・・・・・基準板。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） カッタ一本体の切刃チップの中心軸方向に突
   出している側の中心軸に直角な中央部の面に、円環状に
   少なくとも３個の小突起を形成し、これら小突起にカッ
   タ一本体の中心軸に直角な一つの面上に位置する基準面
   を形成し、この基準面に描接し小突起に着脱可能な基準
   板を有する正面フライスカッター。
2. （２）小突起が耐摩耗性、耐変形性、耐食性を有する超
   硬合金などの超硬材料からなり、柱状、錐状あるいは球
   状でカッタ一本体にろう付け、圧入、機械的締付などに
   より固着されている実用新案登録請求の範囲１項記載の
   正面フライスカッター。