JPS5938233Y2

JPS5938233Y2 - 洗濯機の桶本体支持装置

Info

Publication number: JPS5938233Y2
Application number: JP1976058078U
Authority: JP
Inventors: 一雄舟木
Original assignee: 株式会社東芝
Priority date: 1976-05-07
Filing date: 1976-05-07
Publication date: 1984-10-24
Also published as: JPS52148567U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は外箱内に桶本体を弾性的に吊持する洗濯機の柄
本体支持装置に関する。

従来、例えば脱水兼用洗濯機において外箱内に桶本体を
弾性的に吊持する槽底は、外箱内に吊り棒を垂下して桶
本体をこの吊り棒に圧縮スプリングを介して支持させる
と共に、桶本体と一体的に上下動する管体を設けてこの
管体の内周面に吊り棒に固定的に設けた摩擦体を摺接さ
せ、以て桶本体の振動を圧縮スプリングにより緩衝する
と共に、その振動を管体と摩擦体との間に作用する摺動
抵抗により速やかに減衰させるというものであった。

しかしながらこの槽底によれば、桶本体の大きな振動を
減衰させるには極めて効果的である反面、管体と摩擦体
との摺動抵抗により圧縮スプリングの緩衝効果が減殺さ
れるため、桶本体の微振動時にはその振動が外箱に伝達
され易く外箱が振動するといった不都合を生ずる。

この不都合を解消するために従来、管体の内周面にグリ
ースを塗布して管体と摩擦体との摺動抵抗を減少させて
摺動動作の円滑性を向上させ、圧縮スプリングの緩衝効
果を回復せしめるようにしていたが、これでは管体の上
下動に伴って摩擦体がその摺動範囲からグリースをかき
出す様に作用するため、グリースが不足し勝ちとなって
異音が発生したり早期摩耗を誘発したりし、又、長期に
わたる使用においては、グリース切れ等を生じ所期の目
的を達成するには末だ不充分であるといった欠点があっ
た。

本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的
は管体と摩擦体との摺接面間に長期にわたって新しい潤
滑剤を継続して供給することができて、圧縮スプリング
の緩衝効果を減殺してしまうことなく桶本体の振動を有
効に緩衝することができ、また管体及び摩擦体の長寿命
化を図り得ると共に異音の発生も防止することができる
等の効果を奏する洗濯機の柄本体支持装置を提供するに
ある。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

まず第１図に示す洗濯機の全体構成を述べるに、１は外
箱、２はこの外箱１内に後述の手段により吊持した柄本
体で、この柄本体２は水受槽３とこれの内部に配設した
洗濯及び脱水兼用の回転槽４とから代り、回転槽４の内
底部には攪拌翼５を配設している。

６は前記水受槽３の外底部に配設した駆動機構で、これ
はモータ７とこれの回転駆動力を洗い及び脱水の各運転
に応じて前記攪拌翼５及び回転槽４に選択的に伝達する
駆動部８とから成る。

さて第２図以下に示す構成において、９は前記外箱１上
部の四隅部に固着した吊持片（−個のみｊ図示）で、こ
れは上面に球面状に窪む受面１０を形成し、この受面１
０の中央部に透孔１１を形成している。

１２は下端部に径大な鍔部１３を一体に形設した吊り棒
で、その上端部を前記吊持片９の透孔１１に下方から挿
入し、その挿通部分に略半球形状をな１す滑動体１４を
ナツト１５により抜は止め状態に挿入している。

そして、滑動体１４を吊持片９の受面１０に揺動自在に
衝合し、以て吊り棒１２を外箱１内に揺動自在に垂下し
ている。

１６は前記柄本体２を弾性支持する弾性支持機構で、以
下これについて述べる。

即ち、１７は前記水受槽３の下部位に前記吊持片９に対
応して設けた支持片（−個のみ図示）で、その下面には
球面状の円弧凹面１８を膨出形威し、この円弧凹面１８
の中央部に透孔１９を形成している。

そして、前記吊り棒１２の下端部分が透孔１９を貫通し
て下方に突出している。

２０は上面部を略半球形状の円弧突崩２１とした例えば
硬質プラスチック製の支持体で、その下面には段付軸部
２２を一体に突設している。

２３は前記支持体２０に上下方向に貫通して形成した挿
通孔である。

而して、前記支持体２０はその挿通孔２３を介して前記
吊り棒１２に上下動自在に挿入されて、円弧突崩２１を
前記支持片１７の円弧凹面１８に滑動自在に衝合してい
る。

２４は円形をなす例えばゴム材製の摩擦体で、これはそ
の中央部に形成した挿通孔２５を介して前記吊り棒１２
に挿入され、該吊り棒１２の下端鍔部１３にワッシャ２
６を介して支持せしめている。

２７は前記摩擦体２４の上面に放射状に形成した潤滑剤
の供給路たる例えば四条の溝で、その先端部は摩擦体２
４の外周面にまで延びている。

２８は例えば半球形の容器状に形成したばね受座で、頂
部には透孔２９を形成し、また下端の開口周縁部には鍔
３０を外方に向けて一体に延設している。

斯るばね受座２８は前期摩擦体２４の上面に伏設するよ
うにして前記吊り棒１２に挿入されており、内部に潤滑
剤例えばグリースＡを充填している。

３１は前記支持体２０と摩擦体２４との間に位置するよ
うにして吊り棒１２に遊挿した圧縮スプリングで、上端
部を支持体２０の段付軸部２２の上部径大部２２ａに保
持し、下端部を前記ばね受座２８の鍔部３０に載置する
ようにして該ばね受座２８に保持している。

３２は例えば前記支持体２０との同時代形により一体に
形成した管体で、これは下方にゆくに従って漸次径大と
なるテーパ状をなし、上端部を支持体２０に連接し、ま
た下部位の内周面を前記摩擦体２４の外周面に摺接させ
ている。

尚、３３は前記ばね受座２８の透孔２９に装着したシー
ル、３４は前記摩擦体２４の外周面に形成した二条の環
状溝である。

次に上記のように構成した本実施例の作用について説明
する。

柄本体２は吊り棒１２に弾性支持機構１６を介して揺動
自在に弾性支持されており、この状態において脱水運転
をすべくモータ７を起動させて回転槽４を回転駆動する
と、回転槽４が始動時にその回転速、度を徐々に増加さ
せてゆく過程において、柄本体２は被脱水物の不均一な
分布等によるアンバランス荷重によって大きく振動する
が、この振動は次のようにして速やかに減衰される。

即ち、柄本体２が大きく振動すると、これに伴って管体
３２が支持体２０と共に上下方向に大きく変位するため
、管体３２と摩擦体２４との間に摺動抵抗が生じ、これ
がダンバカとして作用することにより柄本体２の大きな
振動が速やかに減衰される。

ところで、上記の摺動抵抗はまた摩擦体２４に対しこれ
を変形させるように作用するため、摩擦体２４は第４図
に実線及び二点鎖線で示すように上に凸（管体３２が下
方に変位する場合）及び下に凸（管体３２が上方に変位
する場合）となるように弾性変形する。

斯る摩擦体２４の変形により、グリースＡはばね受座２
８から溝２７を介して外方に押し出され、そして溝２７
に案内されて管体３２と摩擦体２４との摺接面間に供給
されることになる。

以上のようにして柄本体２の大きな振動が減衰されると
、この後回転槽４は通常の高回転速度に達し、その速度
で回転する。

この状態においては、柄本体２は微振動状態にあるが、
前述のようにして管体３２と摩擦体２４との間に供給さ
れたグリースＡにより両者間の潤滑性が確保されるので
、管体３２と摩擦体２４との間の摺動抵抗は圧縮スプリ
ング３１の伸縮に対する大きな抵抗とならず、従って柄
本体２の微振動は圧縮スプリング３１により有効に緩衝
される。

このように本実施例によれば、ばね受座２８内に充填し
たグリースＡを溝２７により摩擦体２４と管体３２との
摺接面間に継続的に案内し得るように構成したので、上
記摺接面間に新しいグリースＡを長期にわたって供給す
ることができ、従って圧縮スプリング３１の緩衝効果を
減殺することなく柄本体２の振動を有効に緩衝すること
ができて外箱１への振動伝達を有効に防止し得る土、摩
擦体２４及び管体３２の早期摩耗を防止し得てすの長寿
命化を図ることができると共に、異音の発生も有効に防
止することができる。

′□しかも、この種の支持装置において本
来的に存するばね受座２８内にグリースＡを貯留する構
成であるから、グリース貯留用の別部材を必要とせず部
品点数の削減を図り得ることに加えて、ばね受座２８は
摩擦体２４の上面部に位置するので、例えば夏期の高気
温時にあってグリースＡが軟化してばね受座２８から余
分に流れ出たとしても、このグリースは摩擦体２４の上
面に溜まって管体３２外へ流れ出すことはなく、従って
洗濯機を設置した床面をグリースの落下により汚してし
まったり、長期にわたって供給すべき貯留グリースが比
較的早い時期に量不足になったりする等の不都合を防止
できる。

更には、ばね受座２８は容器状をなしているから、ばね
受座２８内にグリースＡを充填する作業を容易に行うこ
とができる上、組立時においてグリースＡの充填後ばね
受座２８の開口部を摩擦体２４にて塞ぎ、この状態で両
者を吊り棒１２に挿通することにより、それ以後の組立
て即ち圧縮スプリング３１及び圧縮スプリング３１付き
の管体３２を吊り棒１２に挿入する組立工程においてグ
リースＡの流出防止に特別な配慮をせずとも済み作業を
容易に行うことができる。

また、摩擦体２４をゴム等の弾性材製としたので、柄本
体２が大きく振動する場合にこれに伴って摩擦体２４が
上に凸及び下に凸となるように変形して１ｆね母座２８
尚のグリースＡを強制的に押し出すように作用するため
、グリースＡの供給不足を有効に防止することができ、
しかも摩擦体２４をこのように弾性材により形成しても
、この摩擦体２４には容器状をなして強度の高いばね受
座２８が伏設されているから該ばね受座２８により摩擦
体２４の補強を図って耐久性を向上させることができる
。

尚、上記実施例では摩擦体２４の上面に形成した溝２７
によりグリースＡを摩擦体２４と管体３２との摺接面間
に案内するようにしたが、摩擦体２４内に一端がばね受
座２８内に開放すると共に他端が環状溝３４内に開放す
る孔を形成してこの孔によりグリースＡを案内するよう
にしてもよい。

その他事考案は上記し且つ図面に示す実施例にのみ限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々
変更して実施することができる。

本考案は以上説明したように、管体と摩擦体との摺接面
間に新しい潤滑剤を長期にわたって供給することができ
て、圧縮スプリングの緩衝効果を減殺してしまうことな
く柄本体の振動を有効に緩衝することができ、また管体
及び摩擦体の長寿命化を図り得ると共に異音の発生も防
止することができ、しかもばね受座をグリース貯留のた
めに容器状に形成してこれを摩擦体の上面に伏設させる
構成であるから、部品点数が減少し且つ潤滑剤の充填作
業を容易に行い得ると共に弾性材製の摩擦体の補強もな
し得る上、夏期の高気温時にあっても潤滑剤の洩れを有
効に防止できるため床面の汚染や早期の潤滑剤不足を防
ぐことができる等の効果を奏する洗濯機の柄本体支持装
置を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の＝実施例を示し、第１図は全体の縦断面
図、第２図は要部の拡大縦断面図、第３図は摩擦体及び
ばね受座−の拡大分解斜視図、第４図は作用説明用の要
部の拡大縦断面図である。図面中、１は外箱、２は柄本体、３は水受槽、４は回転
槽、６は駆動機構、７はモータ、９は吊持片、１２は吊
り棒、１６は弾性支持機構、２０は支持体、２４は摩擦
体、２７は溝（供給路）、２８はばね受座、３１は圧縮
スプリング、３２は管体である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

外箱の上部に揺動自在に垂下した吊り棒と、この吊り棒
に弾性支持機構を介して吊持した駆動機構を含む桶本体
とを具備し、前記弾性支持機構を前記吊り棒に桶本体と
共に一体的に上下動するように設けた支持体と、前記吊
り棒の下端部に支持した弾性材製の摩擦体と、この摩擦
体の上面に伏設した容器状のばね受座□と、前記支持体
と摩擦体との間に位置して設けられ下端部を前記ばね受
座に保持された圧縮スプリングと、上端部を前記支持体
に固定し下部位の内周面を前記摩擦体の外周面に摺接さ
せた管体とから構威し、前記ばね受座の内部に潤滑剤を
充填すると共に、前記摩擦体にばね受座内の潤滑剤を摩
擦体と管体との摺接面間に案内する供給路を形成したこ
とを特徴とする洗濯機の柄本体支持装置。