JPS5938169Y2 - 煮炊・煮沸具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、煮炊・煮沸具に関するものである。

従来、鍋や湯沸しなどの加熱して使用する器具において
は、不銹鋼であるステンレス鋼板によって器体を成形し
、この器体の底面部に銅メッキを施して成るものが広く
知られているが、メッキ工程を必要とするため設備費と
製造費が高くついたし、使用中にメッキは剥げ易い欠点
があった。

そこで、本考案はこのような銅メツキ処理を廃して、簡
単な製造工程で器体の底部に鋼材を構成しコストの安価
な煮炊・煮沸具を提供することを目的とするものである
。

本考案の構成および作用を図面の実施例について説明す
る。

１はステンレス鋼板にて成形した有底の器体で、この器
体は任意の形状に成る。

この器体の底面部２は上方にやや膨出して成る。

３はこの器体１の底部に近い下側部周面に形成した複数
の凹溝で、この凹溝の形成によって当該周面ば凹凸面に
成る。

４はこの器体１の底面部２から下側部周囲を被包する断
面し形の銅板製の包囲部材で、この包囲部材は第１図に
示したように器体１の底部に嵌合した後、この周囲を加
圧成形して前記器体１の底面部２および凹溝３周面に固
着する。

これによって。前記包囲部材は、周囲に凹溝５を底面に
膨出底面部６を形成した包囲体４′ に収る。

７はこの包囲体４′の底面部６に穿設した多数の通孔で
ある。

而して、いま銅板製の包囲体４′ を器体１の底部に嵌
合固着した前記のような器具を加熱器にかけて加熱する
と、銅板の包囲体４′の底面部６はやや膨張して器体１
の底面部２により一層密着するようになり、これによっ
てステンレス鋼製の器体１も加熱伝達されるようになる
。

また底面部６の多数通孔７からは、直接器体１の底面部
２が加熱されるようになる。

なお、本考案にあっては、器体１が鉄製によって構成さ
れてもよい。

また、必要があれば、包囲体の上縁部周面をスポット溶
接してもよい。

本考案はこのように、有底器体１の底部に近い下側部層
面部および底面部に嵌合した銅板包囲体４′の周面を、
前記器体の周面に形成した複数の凹溝３に固着して一体
に構成する煮炊煮沸具においで、前記器体１の底面部２
を上方にやや膨出状に形成するとともに前記銅板包囲体
４′の底面部６をもやや膨出状に形成し、この銅板包囲
体の底面部に多数個の通孔７を設けて戊ることを特徴と
するものであるため、本考案具を加熱器にかけて使用す
ると、器体の底部を包囲している銅板製の包囲体の底面
部が、非加熱時には上方の器体の底面部から若干離間し
ていたのが、加熱時には膨張して上方の器体の底面部に
完全に密着するようになり、これによって内側の器体へ
の加熱伝導がきわめて良好になり、また包囲体底面部の
多数個の通孔から内側の器体底面に直接火焔が当たるこ
とから、器体への熱伝導はますます促進されるようにな
り、またもつとも他物とのぶつかり合いの多い器体下側
部層面ば二重板構造に戊るとともに凹溝形成によって補
強効果をあげることができ、その実用的効果は大きいも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は鍋の製造工程中
の斜視図、第２図は完成前の中央部半裁正面図、第３図
は同上の底面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 有底器体の底部に近い下側部層面部および底面部に嵌合
   した銅板包囲体の周面を、前記器体の周面に形成した複
   数の凹溝に固着して一体に構成する煮炊煮沸具において
   、前記器体の底面部を上方にやや膨出状に形成するとと
   もに前記銅板包囲体の底面部をもやや膨出状に形成し、
   この銅板包囲体の底面部に多数個の通孔を設けて成るこ
   とを特徴とする煮炊・煮沸具。