JPS593762Y2 - 移動装置付テ−ルストツク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動的にベッド上を移動するテールストックに
関するものである。

一般にテールストックは自動的に移動することはなく、
ベッドの任意の位置に固着され、テールストック枠体に
組み込まれたタイルが移動し、先端に取り付けられたセ
ンターにより工作物を支え、外径切削を行う構成が普通
である。

しかしこの場合は工作物のセンター側の穴加工を、切削
工程の途中で１動的に行うことは不可能である。

つまり一般に刃物台に取り付けられた内径用工具を避け
て、センターが退避できる移動距離をタイルに設定する
ことは、タイルのオーバーハングが大きくなるため、剛
性や精度的な制約より行うことができない。

従ってテールストック枠体を移動させねばならない。

この方法としてテールストック枠体を主軸軸線方向に退
避させる場合と、主軸軸線を横切る方向に退避させる場
合が公知である。

この場合いずれも退避動作のために駆動源を要するが、
従来は移動端におけるテールストック枠体と案内部との
固着が完全になされていない欠点があった。

このためテールストック枠体を案内部に完全に固着され
た場合に比べ、高精度を維持することは困難であった。

本考案はこのような問題点を解決すべくテールストック
の退避用駆動源を利用し、テールストック枠体と案内部
を完全に固着し、精密円滑に精度を保証することを目的
としている。

またテールストック枠体を案内部の任意の位置に設置す
ることが可能な構成としている。

以下実施例を第１図から第８図によって説明する。

第１図において、１はテールストック本体、２，３はク
イル４の移動のためテールストック本体１の流体流入口
に取り付けられたゴムホースである。

前記クイル４の主軸側先端にはセンター５が取り付けら
れている。

主軸側で把持された工作物の一方の端部を前記センター
５で支承する。

テールストック本体１とベース６とは、該ベース６にボ
ルト止めされたキー７を介してボルト８（第２図）によ
り一体化されている。

キー７は前記センター５の軸線に対して直角方向に取り
付けられ、主軸に対し水平方向にセンター５の芯が合致
するための案内となっている。

前記ベース６は図の如くベッド案内面上を移動可能に取
り付けられ、クランププレート９によりベース６はベッ
ドの案内面を挾み込むように固着される。

クランププレート９にはテールストック本体１と、ベー
ス６とを貫通してポル） １０が螺着され、クランプ状
態が解放されるときテールストック本体がベッド上を摺
動可能なように、挾み込まれているベッドとクランププ
レート９との間に微少なすきまを設けるため、テールス
トック本体上のポル） １０にナツト１１が２ヶ螺合さ
れ固定している。

またスクリュー１２は前記ボルト１０が必要以上に螺着
されるのを防いでいる。

一方前記クランププレート９の中央部は、すきま調整板
１３を介してクランパー１４がボルト１５により固定さ
れている。

クランパー１４はコ字形状をなし、中央部にＶ字形の突
出部を設け、シャフト１６のＶ字形切欠部に跨って設置
されている。

また前記シャフト１６を支承してホルダー１７が前記ク
ランパー１４を前後方向から挾み込むようにテールスト
ック本体１にボルト止めされている。

つまりこの構成により前記シャフト１６はＶ字形切欠部
により前記クランパー１４との相対的軸方向の移動を若
干の移動のみに規制されている。

前記ホルダー１７の両端には同一形状の２ケのばね１８
が圧縮され弾力を与えられてシャフト１６に外装され、
座金１９を介し前記シャフト１６に螺合したナツト２０
によって保持されている。

この時のばね力はテールストック本体１を動かすのに必
要な力以上にセットされている。

一方シャフト１６の図の右側はテールストック本体１お
よびベース６の逃げ穴を通してシリンダー２１のロッド
２２に連結されている。

２３．２４はシリンダー２１の流体流入口に取り付けら
れたゴムホースである。

シリンダー２１はブロック２５に固着されており、該ブ
ロック２５はベッド案内面上任意の位置に固定される。

つまり両側をベッド案内部の下部に削設されたベッドの
顎部に圧着したクランププレート２６をブロック２５と
でベッド案内部を挾み、ボルト２７により固定している
。

図はテールストック本体が右移動端にある状態を示して
いる。

つまりシャフト１６が右に後退移動したことを示してい
るが、この場合ベース６の右端面にボルト止めされたス
トッププレート２８が前記ブロック２５の左側面に圧接
して、テールストック本体１の位置決めを行っている。

この時シャフト１６はさらに右へ移動し該シャフト１６
にＶ字形に跨って設置されたクランパー１４は左側の傾
斜面１４Ａが圧接され上方へ持ち上げられる。

この動きに伴いクランパー１４と一体化しているクラン
ププレート９は、ベッドの顎部に圧接しベース６とでベ
ッド案内部を挾み、テールストック本体１はベッド案内
面に固着される。

次にシャフト１６が左に移動してクランプ状態を解除し
テールストック本体１を前進させた場合、ベース６に取
り付けられたストッププレート２８はその端面２８Ａを
前記ブロック２５に段付部を介して固定されているスト
ッパー２９の突当面２９Ａに当接される。

この場合テールストック本体１の位置は定まるが、シャ
フト１６はさらに前進し、前記とは逆にクランパー１４
は右の傾斜面が圧接され、前記同様テールストック本体
１とベッド案内面とは完全に固着される。

図のカバー３０は切粉保護のため設けたものである。

またテールストック本体１が移動する過程において、前
記シャフト１６はＶ字形切欠部がクランパー１４と離脱
し、ばね１８によりクランパー１４は中間位置で保持さ
れる。

従ってクランパー１４には大きな負荷は加わらずテール
ストック本体１は浮動してスムースにベッド案内面を移
動する。

以上のようにテールストック本体１を移動させるに際し
ては、１ケの駆動源により移動とクランプの両機能を持
たせているため、本考案は低コストで且つ簡単な構成と
したところに特徴がある。

一方移動端の検出部については第５図に示している。

テールストック本体１の側面にボスを設はドッグパー３
１が装着され、スクリュー３２によりドッグパー３１の
軸方向の動きを固定し、ドッグパー３１が外部へ離脱す
るのを防いでいる。

ドッグパー３１は図示の如く一部傾斜部を設は中央部を
逃している。

またブロック２５の側面にはステー３３を取り付け、該
ステー３３上にはリミットスイッチ３４．４５が取り付
けられている。

従って第１図で示すようにテールストック本体１が後退
している場合、第５図の図示状態が成立しドッグはリミ
ットスイッチ３４を押して移動端の検出を行っている。

同様にテールストック本体１が前進する場合、ドッグは
リミットスイッチ３５を押し反対側の移動端の検出を行
う。

以上図により基本構成を説明したが、前述のようにスト
ッパー２９に突当てテールストック本体１をベッド案内
面に固着する以外に、本考案はテールストック本体に移
動工程中に何らかの抵抗があれば任意の位置で固定可能
な構成である。

従ってテールストック本体がストッパーの位置で位置決
めされ次にタイルが動作する図の構成以外に、例えばテ
ールストック移動過程で直接工作物にセンターを押し当
てテールストック本体とベッド案内面を固定することも
可能である。

また第６図は他の実施例を示し、クランププレート３６
をボルト状のクランパー３７によりクランプする場合で
ある。

前記クランパー３７は段付肩部３７Ａをクランププレー
トト トック本体にボルトで固着されたホルダー３８に螺合し
ている。

クランパー３７の先端には、ピニオン３９がキーを介し
てナツト４０により螺着されている。

一方ピニオン３９と噛合してラック４１が前記ホルダー
３８に支承されている。

つまりラック４１の前後方向の動きによりピニオン３９
は回転し、前記ピニオン３９と一体化されたクランパー
３７は、ホルダー３８に対して螺合して図の上下方向に
動く。

従ってクランププレート３６は先の実施例と同様にベッ
ド案内部を挾み込みテールストック本体を固定する。

次にＤＮＣラインなどに適用した場合の例を説明する。

工作物の長さの異なるシャフト部品が前記ＤＮＣライン
に挿入された場合、長さに応してテールストック枠体の
位置決めの必要性が生じる。

この場合には例えばテールストック前進側に複数個の位
置決め部材を設けることにより任意の位置決めが可能と
なる。

説明を簡単にするため２ケの位置決め部材を取付けた例
を第７図、第８図に示す。

ベッド上に位置決め部材４２ 、４３を取付けている。

該位置決め部材４２．４３はテールストック枠体の前進
動作により突当部４４．４５が前記テールストック枠体
の前進側端面に当接するようになっている。

また位置決め部材４２は突当部が出入り可能となってい
る。

また２ケの位置決め部材の取付はピッチ１１はクイル４
のストローク１２より小さくセットしている。

このためテールストック枠体の最大移動寸法に応じ全て
の工作物に適用できる構成となる。

つまり第７図は長い工作物に適用した例であり、第８図
は短い工作物に適用した例である。

この場合位置決め部材４２の突当部４４は引込んである
。

この工作物の長さによって突当部の出し入れは例えばソ
レノイドバルブ等の切換えにより流体を利用して行うこ
とができる。

以上位置決め部材２ヶ取付けの場合で説明したが、前述
のように複数個の位置決め部材を取り付け、工作物の長
さに応じその位置を選択すれば異なった工作物の長さに
応じることが可能である。

このように本考案は一般に使用されているテールストッ
クの改造にも効果があり極めて汎用性に富んだものであ
る。

以上述べた如く本考案は実施例に示された構成に限定さ
れるものではなく、請求の範囲に記載された本考案の技
術思想を逸脱しない範囲内での変更は予期されるところ
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のテールストック構成の軸方向に沿った
基本断面図である。 第２図は第１図のＡ−Ａ断面図、第３図は第１図のＸ矢
視の部分図。 第４図は第１図のＢ−Ｂ断面図、第５図は第１図のＹ矢
視の部分図、第６図は他の実施例の断面図。 第７図、第８図は他の構成図。 図において １・・・・・・テールストック本体、４・
・・・・・クイル、５・・・・・・センター、６・・・
・・・ベース、９・・・・・・クランププレート、１４
・・・・・・クランパー、１６・・・・・・シャフト、
１７・・・・・・ホルダー、２１・・・・・・シリンダ
ー、２２・・・・・・ロッド、２５・・・・・・ブロッ
ク、２６・・・・・・クランププレート、２８・・・・
・・ストッププレート、２９・・・・・・ストッパー３
１・・・・・・ドッグバー、３４．３５・・・・・・リ
ミットスイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工作機械の案内部材に装着され被加工物を支持するテー
   ルストックにおいて、前記案内部材上を前進後退移動す
   るテールストック枠体と、該テールストック枠体を移動
   させる駆動源と、前記案内部材に対して前記テールスト
   ック枠体をクランプするためテールストック枠体と共動
   して挟着するクランププレートと、前記テールストック
   枠体を移動端で停止させるための位置決め手段と、前記
   テールストック枠体と前記駆動源との間に介装されテー
   ルストック枠体が前後に移動する際その移動方向に作用
   する力によって弾性変形しない程度にプリロードを与え
   られた状態で保持されたばね部材と、前記クランププレ
   ートと駆動源との間にあってテールストック枠体の移動
   方向の力をクランプ方向の力に変換する力方向変換部材
   とからなり、テールストック枠体が位置決め部材に当っ
   た後の駆動源の力によってテールストック枠体をクラン
   プするようにした事を特徴とする移動装置付テールスト
   ック。