JPS5937415Y2 - エネルギ−吸収式ステアリング装置の支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車におけるエネルギー吸収式ステアリン
グ装置の支持構造に関するものである。

従来、エネルギー吸収式ステアリング装置としては、ス
テアリングコラムをつぶす方式と、シャフトで吸収させ
る方式とがあるが、前者の方式はステアリングコラムの
剛性が低く、正常運転時における安定性に乏しい欠点が
あり、又、後者の方式の場合モ、コラムをシャフトと共
にテレスコピックに縮少させていたため、その支持剛性
が低い欠点があった。

この考案は上記従来の欠点に鑑み、これを改良除去した
もので、以下この考案の構成を図面について説明すると
次の通りである。

第１図において、１は１本の鋼管からなるステアリング
コラムであって、その下端はダッシュパネル２にブラケ
ット３を介して固定してあり、上端はペダルブラケット
４の延長端４ａに第２図に示す様に固定される。

即ち、ステアリングコラム１の上端には第２図に示す様
に、その半周を被覆し、かつ両側に翼片部を一連に形成
してなる板金製の取付板５が溶接付けしてあり、前記ペ
ダルブラケット４の延長端４ａは第２図に示す様に、上
記取付板５に上からかぶさるような形状に成形され、別
に形成されたロックケース６と前記延長端４ａとで取付
板５を挟持し、ボルトナツト７によって締結固定されて
いる。

前記ペダルブラケット４は第１図に示す様にその前端部
４ｂと上部の一部４ｃがダッシュパネル２の略垂直立ち
上り部２ａと略水平に延びている部分２ｂとにボルト（
図示せず）で強固に固定されているっ 上記ペダルブラケット４には第１図に示す様にペダル８
が枢軸９を介して回動操作可能に枢着されている。

そして、ペダルブラケット４は第１図に示す様に車体後
方に向けて略水平に延長され、その延長端４ａが前記し
たようにステアリングコラム１の上端を固定せしめ得る
よう１こ横取されている。

前記ダッシュパネル２は第１図に示す様に、下方に延長
されている部分が前部座席のフロアパネルに連続するよ
うに彎曲せしめられており、この彎曲部には車体の横方
向に延びる補強板２Ｃが取付られていて、この補強板２
Ｃとダッシュパネル２とで上記彎曲部をボックス断面と
して剛性を向上せしめている。

又、ダッシュパネル２の略水平に延びる部分２ｂは第１
図に示す様に、主プレート２旧こ補強プレート２ｅを溶
接付けしてやや異形のボックス断面として剛性を向上さ
せており、この部分にペダルブラケット４の上部４Ｃを
固定するようにしている。

従って上記ダッシュパネル２、ペダルブラケット４及び
ステアリングコラム１で剛性の高い三角形構造物を横取
している。

上記ステアリングコラム１内には第１図に示す様にイン
ナーシャフト１０ａとアウターシャフト１０ｂからなる
ステアリングシャフト１０が挿入され、その下端にはラ
ックピニオン式のステアリングギヤボックス１１が結合
され、上端にはハンドル１２が結合されている。

尚、第１図において、１３がハンドルボスであって、ハ
ンドル１２とハンドルボス１３とはリブで結合されてい
るが図面では省略して示している。

ステアリングシャフト１０は第３図にその詳細を図示し
ており、インナーシャツＮＯａの下端部１０ａ′がアウ
ターシャフト１０ｂの上端部１０ｂ′に軸方向に摺動可
能に嵌合され、この嵌合部の複数個所に樹脂１４をイン
ジェクションして回転力を伝達するように結合させてい
る。

そして、アウターシャツＮＯｂの上端外周にフランジ１
５を固着し、これと対応してインナーシャフト１０ａの
中央最大径部１０ａ“にもフランジ付きスリーブ１６が
固着してあり、このスリーブ１６のフランジと前記フラ
ンジ１５との間にアルミチューブ１７が介在せしめられ
、このアルミチューブ１７はその両端を夫々フランジに
固着されている。

上記アルミチューブ１７はステアリングシャフト１０に
所定の軸方向荷重が作用するとき座屈変形してエネルギ
ー吸収をなすものであり、しかも、前記インジェクショ
ン樹脂１４はインナーシャフト１０ａの軸方向摺動時、
結合が解かれてインナーシャフト１０ａが軸方向に自由
に摺動することを許容する。

尚、アウターシャフト１０ｂの下端には第３図に示す様
に端軸１０ｃが嵌合固着され、この端軸１０ｃの下端に
前述したステアリングギヤボックス１１の入力軸と連結
されるフランジ１０ｄが固着されている。

ステアリングシャフト１０は第１図に示す様に、ステア
リングコラム１内にその下端の端軸１０ｃ部を軸受スリ
ーブ１９で回転自在に軸受され、又、上部は前述したロ
ックケース６にボールベアリング２０を介して回動自在
に軸受されている。

上記ロックケース６は上半部が円筒状をなし、下半部が
第２図に示した様に半割形状とされ、ペダルブラケット
４の延長端４ａと共にステアリングコラム１と一体化結
合されている。

そしてロックケース６の上半部の円筒状部はステアリン
グコラム１の上端より上方に位置せしめられており、そ
の上端部とステアリングシャフト１０外周との間に前記
ボールベアリング２０が介在せしめられている。

具体的にはボールベアリング２０はインナーシャツＮＯ
ａの中央最大径部に嵌着したスリーブ１６の上端とイン
ナーシ下フ）１０ａとの間に形成された段部を掛止段部
として装着しである。

そしてボールベアリング２０はロックケース８内に第４
図に示すように圧入されスナップリング２１で固定され
ている。

上記インナーシャツＮＯａは上記ボールベアリング２０
が装着される位置より若干上方に第４図に示す様に掛止
部１０ｅが形成され、この掛止部１０ｅに樹脂製の掛止
リング２２が嵌合されている。

上記掛止リング２２はステアリングシャフト１０をステ
アリングコラム１内に組付ける際、該シャフトが下方に
抜は落ちるのを防止するものである。

従って、ステアリングシャフト１０の軸方向に所定の衝
撃荷重が作用すると、上記掛止部１０ｅが掛止リング２
２を軽く乗り越え、前述したアルミチューブ１７を座屈
変形させ乍らインナーシャツＮＯａがアウターシャフト
１０ｂ内に摺動縮少してエネルギー吸収を行うものであ
り、エネルギー吸収ストロークは適宜設定できるが、第
１図は設定量をＳとした場合を示している。

以上説明した様にこの考案はステアリングコラムを剛性
ある１本の鋼管で構成しこのステアリングコラムの下端
をダッシュパネルの垂直立上り部の下方に固定すると共
に、該ダッシュパネルの垂直立上り部の上部の水平部に
略水平姿勢で固定されたペダルブラケットの延長端に、
前記ステアリングコラムの上端を固定して、これらペダ
ルブラケットとステアリングコラムとダッシュパネルに
より三角形の剛性構造物を構成し、上記ステアリングコ
ラム内を貫通して、所定の衝撃荷重で座屈変形する部材
をコラムの一部に介在させ軸方向に収縮摺動可能に組合
わされ、その収縮摺動過程でエネルギー吸収を行なうべ
くなされたインナーシャフトとアウターシャフトとから
なるステアリングシャフトを挿入し、上記ステアリング
シャフトの上部をステアリングコラムの上端より少くと
もエネルギー吸収ストローク相当寸法だけ突出させたか
ら、ステアリングコラムをダッシュパネルとペダルブラ
ケットとの間の突張りメンバーとして利用することがで
き、ステアリングシャフト及びペダルブラケットの取付
剛性を向上させ得ると共に、ハンドル振動及び計器盤振
動を減少させることができ、かつ、ペダル作動時のダッ
シュパネルのベコ付き等を防止し得た自動車に於けるエ
ネルギー吸収式ステアリング装置の支持構造とすること
が出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案（こ係るエネルギー吸収式ステアリング
装置の支持構造を示す縦断面図、第２図は第１図の■−
■線断面図、第３図はステアリングシャフトの詳細断面
図、第４図は第１図Ａ部の拡大図である。 １・・・・・ステアリングコラム、２・・・・・・ダッ
シュパネル、４・・・・・・ペダルブラケット、１０・
・・・・・ステアリングシャフト、１０ａ・・・・・・
インナーシャフト、１０ｂ・・・・・アウターシャフト
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリングコラムを剛性のある１本の鋼管で構威し、
   このステアリングコラムの下端をダッシュパネルの垂直
   立上り部の下方に固定すると共に、該ダッシュパネルの
   垂直立上り部の上部の水平部に略水平姿勢で固定された
   ペダルブラケットの延長端に前記ステアリングコラムの
   上端を固定して、これらペダルブラケットとステアリン
   グコラムとダッシュパネルにより三角形の剛性構造物を
   構威し、上記ステアリングコラム内を貫通して、所定の
   衝撃荷重で座屈変形する部材をコラムの一部に介在させ
   軸方向に収縮摺動可能に組合わされ、その収縮摺動過程
   でエネルギー吸収を行うべくなされたインナーシャフト
   とアウターシャフトからなるステアリングシャフトを挿
   入し、上記ステアリングシャフトの上部をステアリング
   コラムの上端より少くともエネルギー吸収ストローク相
   当寸法だけ突出させたことを特徴とするエネルギー吸収
   式ステアリング装置の支持構造。