JPS5937213Y2 - リニア電子走査式超音波診断装置の超音波プロ−ブ用水袋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、リニア電子走査式超音波診断装置の超音波プ
ローブ用水袋に関する。

最近、普通に用いられているＢモード表示のための超音
波診断装置では、探触子を細い短冊状の素片に分けて、
その素片に加える励振電圧を電子的に順次遅延させて加
えて超音波ビームを電子的に走査する電子走査式のもの
が使用されている。

Ｂモード方式は全体内部へ送波された超音波ビームの生
体内部の各々音響特性インピーダンスの遅う組織の境界
面よりの反射エコーを受波し、その反射波の強さとブラ
ウン管上に輝度変調して表わすものである。

したがって、探触子ど被検体との間に空気が介在すると
、その空気の前記特性インピーダンスが他の生体を構成
している組織の特性インピーダンスに比較して１／４．
０００程度でありよって探触子より送波される超音波ビ
ームは被検体体表面と空気との境界面においてほとんど
全て反射され、被検体体内にはほとんど伝播されなく検
査を実施することは不可能となる。

実際の検査時にはこのような空気の介在による支障を防
ぐために、探触子面と被検体の皮膚面にグリセリンのよ
うな接触剤（伝達媒質）を塗布したり、あるいは水侵法
として知られているように被検体に密着させた氷袋に探
触子を入れ、この氷袋を介して機械的に走査させたりす
る方法がとられている。

しかし、電子走査式超音波診断装置のうち、特に超音波
プローブの被検体への当接面に一列に配列された多数の
振動子を切換回路の各スイッチを介して、パルサーから
の出力パルスにより順次駆動させるリニア電子走査式超
音波診断装置の超音波グローブにおいては、−列に配置
された超音波振動子がバッキング材により固定され、更
に、超音波振動子の表面にはコーテイング材及びレンズ
などが備えられており、その被検体への接触面はフラッ
トな面に形成されている。

したがって、人体のようにその体表面に体内の骨の存在
による凹凸がある場合、前記リニア電子走査式超音波診
断装置の超音波プローブを使用する時、グリセリンなど
の伝達媒質を塗布する。

しかし、そのグリセリンの塗布によって補うことが不可
能な小さい曲率を持った体表面に前記超音波プローブの
フラットな面を密着させることは不可能であり、したが
って、この超音波プローブと被検体との間に空気が介在
し、送波する超音波ビームをほとんど全て反射してしま
い、検査を不可能とする欠点があった。

本考案は、上述の欠点を解消するものであり、超音波ビ
ームによる検査をされる被検体体表面の凹凸による超音
波プローブとその体表面間への空気の介在による障害を
解消するためのリニア電子走査式超音波診断装置の超音
波プローブに適した氷袋を提供するものである。

以下図面を参照しながら、本考案の一実施例を説明する
。

第１図に示すように、リニア電子走査式超音波診断装置
の超音波プローブの支持体の被検体への当接面面積とほ
ぼ等しい面積を有する水袋本体とこの水袋本体１を前記
支持体へ取付けるための取付はシート２と結合し、この
取付はシート２は四方に取付はベル）２ａを備え、且つ
、その取付はベルト２ａの先端にマジックバンド２ｂが
各々取付けられている。

第２図には、前記水袋本体１と取付はシート２をリニア
電子走査式超音波診断装置の超音波プローブの支持体３
に取付けた状態を示し前記水袋本体１を支持体３の被検
体への当接面に合わせその水袋本体１と支持体３との間
にグリセリン等の伝達媒質を塗布し、その後、前記取付
はバンド２ａを支持体３の肩部において重ね合せ、それ
と同時に、前記取付バンド２ａ先端に各々取付けられた
マジックバンド２ｂにより固定する。

更に、前記水袋本体１を超音波プローブに装着後、前記
水袋本体１と被検体体表面との間にグリセリン等の伝達
媒質を塗布し、実際超音波ビームによる被検体体内の走
査を実施する。

他の実施例として、第３図には、その下端部に前記超音
波プローブの支持体３の被検体への当接面面積とほぼ等
しい面積を有する水袋本体１と、この水袋本体１を前記
支持体３に装着するためのサック４とこのサック４の内
側に複数箇所前記サック４と前記支持体３とを取付ける
ための手段４ｂを備えてたリニア電子走査式超音波診断
装置の超音波プローブ用水袋を示す。

前記取付は手段４ｂは例えばマジックバンドのようなも
のを使用し、前記支持体３にもそれに対応するマジック
バンドを取付けることにより、前記氷袋は前記支持体３
に対して適時着脱自在となる。

本考案によるリニア電子走査式超音波診断装置の超音波
プローブ用水袋を前記超音波プローブに用いると、被検
体体表面の凹凸に対応し、前記水袋本体が変形し、した
がって、水袋本体表面と被検体体表面が密着状態となる
。

すなわち、前記超音波プローブの支持体の被検体への当
接面が水袋本体を介して被検体体表面と密着状態となり
、よって、空気の介在による超音波ビームの反射を少な
くでき、よって、フラットな面を有する超音波プローブ
により、凹凸を有する被検体体表面より超音波を効率よ
く検査のために使用でき、また、小さい曲率を有する曲
面からも前述同様の走査ができる。

筐た、前記水袋本体の超音波プローブの支持体への取付
は方法も一般的に良く使用されてマジックバンドによる
ものであり、したがって、着脱が非常に簡単であり、し
かも超音波プローブの支持体には何の特別な加工も必要
としないため従来の超音波プローブに適用可能となる利
点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるリニア電子走査式超音波診断装置
の超音波グローブ用水袋の一実施例の構成を示す斜視図
、第２図は、前記氷袋を前記超音波プローブの支持体へ
取付けた状態を示す斜視図、第３図は本考案の他の実施
例の構成を示す斜視図である。 １・・・水袋本体、２・・・取付シート、２ａ・・・取
付バンド、２ｂ・・・マジックバンド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電子走査式超音波プローブにおける複数の超音波振動子
   が配列され、被検査体に当接する平坦な超音波送受波部
   に対して、着脱自在である内部に音響伝達媒体が充填さ
   れる氷袋において、少なくとも前記送受波部を覆うこと
   ができる弾性的超音波伝搬材質から成り、内部に音響伝
   達媒体が密封された袋状体と、この袋状体の前記振動子
   の配列方向に沿って両側に前記送受波部の幅以上の間隔
   を有して接合され、この袋状体を前記プローブに取付け
   るための取付はシートと、この取付はシートとプローブ
   とを結合固定するための固定具とから構成されることを
   特徴とするリニア電子走査式超音波診断装置の超音波プ
   ローブ用水袋。