JPS5936130Y2 - 回転電機の密封油供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、回転電機に封入された冷却ガスを軸封する
密封部に密封油を供給する密封油供給装置の改良に関す
るものである。

従来、この種の装置として第１図に示すものがあった。

図は概略系統図で、１は水素ガスを機内に封入して冷却
されたタービン発電機、１ａは回転子、２，３はタービ
ン発電機１内に封入された水素ガスが軸貫通部から大気
へ漏出するのを防止するための密封器である。

なお、この密封器の外端側にあって回転子１ａ軸を支持
する一対の軸受ば、図示を略している。

４は密封器２，３内へ密封油を供給するための空気側密
封油ポンプ、５ばこの空気側密封油ポンプ４が万一故障
した場合の支援用として設けられている非常用密封油ポ
ンプ、６は支援油圧源として、タービン側の高圧油供給
のポンプ（図は略す）から供給される高圧油を通す高圧
油導管、Ｉばこの高圧油を受けて密封器２゜３へ必要な
密封油圧を供給するための補給調整弁、８は空気側密封
油ポンプ４、非常用密封油ポンプ５及び供給調整弁Ｉか
ら密封器２，３へ必要な油圧を供給する空気側の密封油
導管、９は密封器フロートポンプで、タービン発電機１
内の高い水素ガス圧により大気側に押されるのを防ぐた
めに、空気側密封油導管８から分岐して空気側密封油圧
より高い圧油を密封器２，３の大気側の側面に供給し、
中立の位ｉｒｃ維持させる。

１０は空気側密封油及び軸受（図は略す）の潤滑油が一
諸になって戻る排油導管、１１は排油を一時滞留させて
油中の空気やガスを抜いた後、タービン側に戻す１５に
したり、複流形密封油供給装置へ空気側密封油の必要量
を送り込むためのループシールタン久１２はタービン側
に軸受潤滑油を戻す主排油管、１３は空気側密封油ポン
プ４又は非常用密封油ポンプ５が密封器２，３へ必要な
密封油圧（規定差圧）を自動的に調節して供給するため
の差圧調整弁、１４．Ｉｓ、１６．ｌｉ／は逆止弁で、
空気側密封油ポンプ４、非常用密封油ポンプ５又は補給
調整弁７のいづれかが運転されている時、他のそれぞれ
の相手方の出口導管を閉じる必要があるのを自動的に行
なうために設けられている。

１８は空気側密封油導管の回路に設けられたレリーフ弁
、１９ 、２０は空気側密封油ポンプ４及び非常用密封
油ポンプ５を、タービン発電機１の運転中に何らかの理
由で点検する必要が生じた場合にポンプを停止させた狽
や回路を閉じ、短持間の点検ができるように設けた油用
弁、２１は密封器２，３の水素側へ密封油を供給するた
めの水素側密封油ポンプ、２２ばこの水素側密封油ポン
プから密封器２．３へ必要な機内側の密封油圧を供給す
る水素側密封油導管、２３は逆止弁、２４はレリーフ弁
、２５は密封器２，３へ空気側密封油圧と水素側密封油
圧を等しく制御して供給するための均圧弁である。

２６は密封器２，３から水素側密封油ポンプへ戻すため
の水素側排油導管、２７はタービン発電機１内の水素ガ
ス圧をフロート弁２個により油面を一定に保持してガス
をさえぎり密封油のみ水素側密封油ポンプ２１へ供給す
るよ５にした水素側油均し箱、２８は密封器フロートポ
ンプ９の供給油圧が何らかの不具合で上昇したときに、
導管を保護するため弁を開き油圧が下がるようにするた
めのレリーフ弁、２９，３０．３１は逆止弁で、密封器
フロートポンプ９を運転する上で、供給油圧ｂｏｗらず
何らかの形で自動的に供給されるような回路接続を行な
い操作が容易にできるようにしている。

３２は油用弁で、密封器フロートポンプ９が何かの不具
合で停止したときには、空気側の密封油導管８からの供
給油圧が供給されるため、密封器２，３ばあるバランス
した位置となりタービン発電機１の運転を続けることが
できるが、密封器２，３の位置が変わることにより今１
で一定であったタービン発電機１の振動が造犬する傾向
が生ずるようなことがあれば、タービン側から供給され
ている高圧油を、密封器フロート弁２個９が運転されて
いたときの油圧に調整して供給するようにするための弁
である。

上記補給調整弁１と差圧調整弁１３ば、ともに次のよう
な作用をするものである。

機内から導かれた機内ガス圧導管と、ポンプ出口からの
圧力導管（いづれも図示は略す）を弁体上部に設けであ
る隔室へ導き、この圧力と、弁体中央に装着しである調
整ばね（図示は略す）のばね圧とのつり合いで、規定の
圧力に調整し、それぞれの圧力調整弁としての機能をも
たせである。

こうして、常に機内ガス圧に応じて、制闘油圧を保持で
きるように動作する弁となっている。

次ｒｃ、ｍ 作について説明する。

タービン発電機１内に封入されているガスが大気側へ漏
れるのを防ぐため、正常運転時は機内のガス圧より高く
規定された密封油圧（差圧）を密封器２，３へ供給でき
るよ５に差圧調整弁１３を作動させ、空気側密封油ポン
プ４を規定の値で運転している。

何らかの原因で空気側密封油ポンプ４で供給する油圧が
なくなれば、差圧調整弁１３を動作させている密封油上
（差圧）より若干低い密封油圧を密封器２゜３へ供給で
きるよ５Ｋ、自動的に補給調整弁Ｉを作動させタービン
側からの高圧油導管６をへてタービン側ポンプ（図は略
す）が作動している間は機内冷却ガスを放出することな
く密封を継続することができるようにしている。

上記差圧調整弁１１３はポンプ出口圧を機内ガス圧より
規定値だけ高く維持するよつ［、弁体を用いて油圧を制
御する。

また、補給調整弁７は空気側密封油ポンプ４の圧力が減
少し、調整しである規定値に下ると弁ｄＱき、高圧油管
６（例えばタービン側からの油管）側からの高圧油が供
給されるようにする。

さらに、タービン側の油圧がなくなった場合は、非常用
密封油ポンプ５が作動するようにしている。

この非常用密封油ポンプ５への切替えは、空気側密封油
の供給圧が低下すると差圧スイッチ（図示は略す）によ
り、また、交流電源喪失の場合は制御回路を設けである
補助継電器（図示は略す）により、直流電源回路を入れ
て非常用密封油ポンプ用電動機を始動する。

このようにして、密封器２゜３への供給油圧がなくなる
ことのないようにしている。

こうして、タービン発電機１内の冷却ガスがいついかな
る場合でも大気側へ漏出することのないよ５Ｋ、差圧調
整弁１３及び補給調整弁１等を自動的に作動させ各種の
支援手段を有効に利用してタービン発電機１の運転の安
全をはかつている。

従来の密封油供給装置は以上のように構成されているの
で、密封油ポンプ４用電動機の交流電源喪失や空気側密
封油ポンプ４が故障の非常時には、タービン側ポンプが
動作中は補給調整弁Ｉが働くため問題はないが、それが
動作していないときには、自動的ニ非常用密封油ポンプ
５に切り替えられる。

しかしながら、油圧信号を検知し非常用密封油ポンプ５
を起動させるには、その起動特性に厳しいものが要求さ
れ、場合によっては瞬時ではあるが、機内ガスの漏出が
生ずる不具合があった。

この考案は、上記のような従来のものの欠点を除去する
ためになされたもので、空気側密封油系統の空気側密封
油ポンプ４側と補給調整弁Ｉ側とから空気側密封油導管
８への接続部近くにアキュームレータを設けることによ
り、供給油圧系統の切替え時の油圧変化を緩衝し、正常
運転時と変らない密封油圧を供給できるようにした密封
油供給装置を提供することを目的としている。

第２図はこの考案の一実症列を示す装置の概略系統図で
あり、１〜３２は上記従来装置と同一のものである。

３３は補給調整弁Ｉ及び空気側密封油ポンプ４あるいは
非常用密封油ポンプ５によって相開器２，３へ供給する
よ５にした空気側の密封油導油管８への合流直近＜ ［
９付けられたアキュームレータで、３４ばこのアキュー
ムレータ３３を運転中に点検できるように取付けた油用
弁である。

上記アキュームレータ３３ば、油タンクの一種であり、
容器の上半部に空気た１りを設けてあり、油用弁３４は
常時は開かれていて、容器内の下方に空気ｇ、啼封油導
管８からの密封油が導かれて圧入され、上方の空気を圧
縮している。

導管８の油圧が下ると容器内の圧縮空気が膨張し、密封
油を加圧し低下した圧力を補償する。

また、導管８の油圧が上昇すると上方の空気を圧縮し、
エネルギとして蓄積する。

こうして、導管８の油圧の過度時の変動を緩和し一定に
押えるようにしている。

上記のよウニ構成された一実施例による装置は、常時は
機内ガス圧より高く規定された相開油圧（差圧）を密封
器２，３へ供給できるよ５［、自動的に差圧調整弁１３
が作動し空気側密封油ポンプ４を規定の値で運転する。

また、何らかの原因によって空気側密封油ポンプ４で供
給していた油圧がなくなれば、差圧調整弁１３を作動さ
せていた密封油圧（差圧）より若干低い密封油圧（差圧
）を密封器２，３へ供給できるよ５Ｋ、自動的に補給調
整弁Ｉが作動して、タービン側からの高圧油導管６をへ
て密封油が供給され、タービン側ポンプ（図示は略す）
が動作している間は、機内ガスを放出することなく軸貫
通部の密封を継続することができるようにしている。

さらに、タービン側からの油圧がなくなった場合は、非
常用密封油ポンプ５が作動するようにしている。

こうして、タービン発電機１内の冷却ガスがいついかな
る場合でも大気側へ漏出することのないよ５Ｋ、差圧調
整弁１３及び補給調整弁Ｉを自動的に作動させ、各種の
支援手段を有効に利用して発電機の運転の安全をばかっ
ている。

そこで、密封油ポンプ４用電動機の交流電源が喪失して
空気側密封油ポンプ４が停止し、しかも、タービン側か
らの高圧油が供給されない非常時には、非常用密封油ポ
ンプ５が起動し、規定の密封油圧（差圧）に回復する１
での、相互の密封油ポンプの回転数変化に対し、瞬時で
はあるが、密封油ポンプや電動機の慣性と圧力検出器の
動作には時間遅れが生ずるために、密封油圧力は低下し
ようとする。

しかしながら、空気（、Ｑ！ｌの密封油導管８にはアキ
ュームレータ３３が扱続されているので、上記密封油圧
力の低下時には、アキュームレータ３３から圧油により
補償され、空気側の密封油圧力は一定に保持される。

なお、上記実癩例ではタービン発電機の場合について説
明したが、ガス冷却し密封油供給装置を必要とする回転
電機に適用でき、上記実惰例と同様の効果を奏する。

υ上のよ５にこの考案によれば、空気側密封油系統の空
気側密封油ポンプ及び補給調整弁側から空気側密封油導
管への接続部近くにアキュームレータを設けたので、空
気側密封油ポンプ用電動機の交流電源が喪失し、しかも
タービン側からの高圧油が供給されないような非常時に
、非常用密封油ポンプが定格運転に入る捷での瞬時にお
いても、必要な密封油圧を確保することができる。

また、空気側密封油を所定油圧に調整し運転していても
、系統内の弁の曲漏れや導管の振動などがあって、過渡
になった場合、流体の共振現象により油圧が過渡的に一
定の周期で所定圧の上下に変動する、いわゆるハンチン
グ現象が起きることがある。

しかし、このようなハンチングがあっても、上記アキュ
ームレータ３３により、油圧の変動を上昇分は吸収し、
低下分は補うことで緩衝し、解消させることができ、種
々の運転条件に対しても適切な空気側の密封油供給を行
なうことができる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のタービン発電機の密封油供給装置の概要
を示す系統図、第２図はこの考案の一実施例による密封
油供給装置の概要を示す系統図である。 １・・・・・・タービン発電機、１ａ・・・・・・回転
子、２゜３・・・・・・密封器、４・・・・・・空気側
密封油ポンプ、５・・・・・・非常用密封油ポン７″、
６・・・・・・高圧油導管、Ｉ−・・・・・補給油調整
弁、８・・・・・・空気側密封油導管、３３・・・・・
・アキュームレータ、３４・・・−・油田弁。 なお、図中同一符号は同−又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機内に封入されたガスにより冷却される回転電機の回転
   子軸の貫通部に装着された密封器へ密封油を供給し軸側
   する装置において、常時は交流電源により運転され上記
   密封器へ空気側密封油を供給する空気側密封油ポンプ、
   この空気側密封油ポンプによる油圧を所定供給圧に一定
   に調整する差圧調整弁、上気空気側密封油ポンプ系統が
   事故時に、支援用油圧源系統に切替えて密封油を供給す
   る補給調整弁、上記空気側密封油ポンプに並列に配管さ
   れてあり、空気側密封油ポンプの事故で切替えられた上
   記支援用油圧源系統が事故のときは、切替えられて直流
   電源により運転され空気側密封油を供給する非常用密封
   油ポン六及び上記空気側密封油ポンプ系統側と上記補給
   調整弁側とから空気側密封油導管への接続部近くに設け
   られたアキュームレータを備えたことを特徴とする回転
   電機の密封油供給装置。