JP6234286B2 - 密封油処理装置及びそれを備えた回転電機システム - Google Patents

密封油処理装置及びそれを備えた回転電機システム Download PDF

Info

Publication number
JP6234286B2
JP6234286B2 JP2014051045A JP2014051045A JP6234286B2 JP 6234286 B2 JP6234286 B2 JP 6234286B2 JP 2014051045 A JP2014051045 A JP 2014051045A JP 2014051045 A JP2014051045 A JP 2014051045A JP 6234286 B2 JP6234286 B2 JP 6234286B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
pressure
sealing
supply pipe
sealing oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014051045A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015177610A (ja
Inventor
康祐 東方田
康祐 東方田
藤田 鉄博
鉄博 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2014051045A priority Critical patent/JP6234286B2/ja
Publication of JP2015177610A publication Critical patent/JP2015177610A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6234286B2 publication Critical patent/JP6234286B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)

Description

この発明は、水素ガスを封入した回転電機の軸封部へ密封油を供給する密封油処理装置及びそれを備えた回転電機システムに関するものである。
一般に、水素ガスなどの冷却媒体ガスを機内に封入して冷却を行うタービン発電機等の回転電機においては、軸貫通部分から水素ガスが大気へ漏洩するのを防止するために密封器を有する軸封部を備え、その軸封部に密封油を供給し水素ガスを封止している。
この密封油は、密封油処理装置により、密封油系統内を密封油ポンプで循環させて軸封部に供給されている。密封油ポンプの万一の異常に備えて常用の密封油ポンプに加えて非常用の密封油ポンプが設けられる場合がある。
常用と非常用の密封油ポンプを備えた密封油処理装置では、例えば常用密封油ポンプが故障して非常用密封油ポンプの運転に自動的に切り替わる場合、常用密封油ポンプの停止時間は速く、半面、非常用密封油ポンプは慣性が大きく立ち上がり時間が遅いために、両ポンプから送り出される油の合計量が減少して回転電機へ供給する油量が減少する。その結果、回転電機に封入された水素ガス圧力以上の圧力で供給されていた密封油の供給圧力が、極短時間ではあるが水素ガス圧力以下に低下し、微量の水素ガスが回転電機の周辺に放出されるという恐れがあるため、その対策が必要であった。
従来の密封油処理装置において、密封油の供給圧力の低下を補償する技術としては、例えば、油の供給回路の途中にアキュムレータを設置する技術や、ダイヤフラムで油側と気体側を仕切りダイヤフラムを気体側から押し込む機構を持つ密封油槽を設け、供給油圧が低下した時に密封油槽内の油を供給回路に押し出す技術が知られている。
また、他の従来技術として、例えば、図10のような構成が開示されている。図10において、回転電機51の軸封部52の密封油は、集油タンク53に集められ、常用密封油ポンプ54により逆止弁55を経て軸封部52へと循環供給されている。常用密封油ポンプ54,逆止弁55と並列に非常用密封油ポンプ56,逆止弁57を備え、供給回路58に並列に圧力補償装置59が設けられている。圧力補償装置59は、密封油槽59a内に、図のようにピストン59bとスプリング59cを有しており、また別の構成では、ピストン59bにかえてベローズが用いられている。これにより、供給油圧が低下したときに密封油槽59a内の油を供給回路58に押し出して圧力低下を防止するものである(例えば、特許文献1参照)。
また、上記の密封油槽と同様の機能を持つ補助密封油供給シリンダを設置して、回転電機に接続されているコンプレッサの空気圧、あるいは回転電機本体に油圧上昇機構として密封油軸受を追設して、昇圧された油を前記のシリンダに供給して加圧源とする等の技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
実開平03−124767号公報(第6−7頁、第1図−第3図) 特開2013−126276号公報(第4−5頁、図1)
アキュムレータを設置するものでは小型化が難しく、上記の特許文献1のような圧力補償装置を設けるものでは、密封油槽内にピストンやベローズが必要で構造が複雑になり、密封油槽もあまり小形化できないという問題があった。
また、特許文献2のような方式では、補助密封油供給シリンダ内にピストンを設けたり、シリンダに供給する圧縮空気の供給配管や油を加圧するコンプレッサ等を設けたりする必要があり、構造が複雑であった。更に、この密封油の圧力低下を補償する機能を回転電機に付加するには、配管の追加や回転電機本体への新規設備の追加等が多く発生して、作業時間がかかりコストアップになるという問題があった。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、常用密封油ポンプと非常用密封油ポンプの切替え時に生じる密封油の圧力低下を補償する機能を備えた密封油処理装置及びそれを備えた回転電機システムを、簡単な構成で安価に提供することを目的とする。
この発明に係る密封油処理装置は、冷却ガスが封入された回転電機の軸封部へ密封油を供給する密封処理装置であって、密封油供給管を通じて密封油を軸封部に供給する常用密封油ポンプと、常用密封油ポンプに並列に設けられて非常時に切替えて使用される非常用密封油ポンプと、密封油供給管に圧力補償給油管を通じて接続され、内部に油を貯蔵すると共に油の減少時に出口部を塞ぐチェック弁機能を有するフロートが収容された貯油タンクと、貯油タンクの油の上面を直接加圧ガスにより加圧する加圧源とを備え、常用密封油ポンプと非常用密封油ポンプとの切替え時に一時的に密封油の供給圧力が低下した時に、貯油タンクの油が圧力補償給油管を通じ密封油供給管に供給されて圧力低下を補償するようにしたものである。
また、この発明に係る回転電機システムは、回転電機と、冷却ガスを封入した回転電機の軸封部へ密封油を供給する密封油処理装置とを備え、密封油処理装置は、上記の密封油処理装置としたものである。
この発明の密封油処理装置によれば、常用密封油ポンプと非常用密封油ポンプと、密封油供給管に圧力補償給油管を通じて接続され、内部に油を貯蔵すると共にチェック弁機能を有するフロートが収容された貯油タンクと、貯油タンクの油の上面を直接加圧ガスにより加圧する加圧源とを備え、常用密封油ポンプと非常用密封油ポンプとの切替え時に一時的に密封油の圧力が低下した時に、貯油タンクの油が圧力補償給油管を通じ密封油供給管に供給されて圧力低下を補償するようにしたので、貯油タンクの油を直接加圧ガスにより加圧することで、常用と非常用の密封油ポンプの切替え時に生じる密封油の圧力低下を補償する密封油処理装置を、簡単な構成で安価に提供できる。
また、この発明の回転電機システムによれば、上記の密封油処理装置を用いたので、上記と同様の効果を得ることができる。
この発明の実施の形態1による回転電機システムの密封油処理装置を示す系統図である。 図1の中の貯油タンクの一例を示す側面断面図である。 図1の中の貯油タンクの他の例を示す側面断面図である。 圧力低下防止機能を持たない密封油処理装置のポンプ切替え時における密封油供給油圧の変化を説明する模式図である。 この発明の密封油処理装置のポンプ切替え時における密封油供給油圧の変化を説明する模式図である。 この発明の実施の形態2による回転電機システムの密封油処理装置を示す系統図である。 この発明の実施の形態2による密封油処理装置の他の実施例を示す系統図である。 この発明の実施の形態3による回転電機システムの密封油処理装置を示す系統図である。 この発明の実施の形態3による密封油処理装置の他の実施例を示す系統図である。 従来の密封油処理装置を示す系統図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による回転電機システムの密封油処理装置を図に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1による回転電機システムの密封油処理装置を示す系統図である。
回転電機1は、冷却媒体として、内部に大気圧以上に加圧された水素ガスが封入されており、回転電機1の回転軸の両端部には密封器を有する軸封部2が設けられ、水素ガスが外部に流出しないように、水素ガスの圧力以上に昇圧された密封油によって軸貫通部が密封されている。軸封部2には、次に説明する密封油処理装置5から密封油が供給され、軸封部2から流出した密封油は軸受返油管3を通りループシールタンク4に集められ、ここから密封油処理装置5へと循環される。
ループシールタンク4では、軸封部2から流出した密封油に混入している僅かな空気および素ガスを分離して、図示しない排気管を通じて外部に放出するようになっている。
軸封部2に密封油を供給する密封油処理装置5は、通常時に密封油を送り出す常用密封油ポンプ6と、常用密封油ポンプ6の電源喪失や故障停止等で油を送り出せなくなった場合に使用する非常用密封油ポンプ7を並列に備えている。両密封油ポンプ6,7の吐出側は密封油供給管8により軸封部2に接続され、ループシールタンク4に集められた密封油が密封油戻り管9を通じてポンプ側に戻される。密封油供給管8の途中には、供給する油の圧力を適正な圧力に制御する差圧調整弁10と、フィルタ11が設けられている。
また、常用密封油ポンプ6または非常用密封油ポンプ7から送り出された密封油を適正な一定圧力に制御するために、ポンプ吐出側の差圧調整弁10より手前に一次圧力調整弁12が設けられ、その下流側には、常用密封油ポンプ6の油供給源として大量の油を保有すると同時に一次圧力調整弁12から流れ出た油を真空中で噴霧して油中に含まれる気体を脱気するための真空タンク13が設けられている。
真空タンク13内にはフロート弁14を有し、ループシールタンク4から密封油戻り管9を通じて真空タンク13内に流入する油量を制御して、真空タンク13の油面を一定に保つ働きをしている。
真空タンク13の密封油は常用密封油ポンプ6に供給される。また、ループシールタンク4からの密封油は、密封油戻り管9を通じて非常用密封油ポンプ7へも供給される。
常用密封油ポンプ6と非常用密封油ポンプ7のそれぞれの吐出側には逆止弁15が設けられている。
なお、両密封油ポンプ6,7と軸封部2を循環する密封油の循環経路は一例を示すもので、図に限定するものではない。
密封油供給管8の差圧調整弁10の手前側において、圧力補償給油管16を分岐させ、それに隔離弁17を介して貯油タンク18(詳細は後述する)が接続されている。隔離弁17は通常は開いている。
貯油タンク18には油面計19が設けられており、また上部側にはガス供給管20が接続され、貯油タンク18内の油(以下、貯蔵油という)の上部空間に加圧ガスを供給する。この加圧ガスの加圧源として、ガス供給管20に、逆止弁21,減圧弁22を介し小型ガスボンベ23が接続されている。また、ガス供給管20には、貯油タンク18内へ貯蔵油を貯める時の圧力抜きとしてベント弁24が設けられており、給油時には油面計19で適正油面になるように監視しながらベント弁24から空気を放出する。
小型ガスボンベ23のガス圧を減圧弁22で適正な圧力に減圧して貯油タンク18に溜められた貯蔵油の上面に加えることにより、圧力補償給油管16を通じて貯蔵油を密封油供給管8へ押し出す作用をする。通常状態では、図に示すように一定の油面となるような圧力に設定されている。
また、逆止弁21は、万一、小型ガスボンベ23からの供給圧力が密封油供給管8の圧力よりも下回った場合に、貯蔵油が減圧弁22側に逆流しないためのものである。
図2は、貯油タンク18の一例を示す側面断面図である。(a)は、油面が上昇している状態を示し、(b)は油面が低下した状態を示している。筒状の貯油タンク18内に、球状のフロート25が収容されており、側面の油面計19で油面が監視できるようになっている。油が多い時には(a)のようにフロート25は油面に浮いており、油面が低下して(b)のような状態になると、フロート25が貯油タンク18の出口管に取付けたシール環26に密着して貯油タンク18内の油が必要以上に流出しないように、チェック弁の機能を有している。
また、図3は、貯油タンク18の他の例を示す側面断面図である。図2との相違点は、貯油タンク18内に、フロート25の直径よりやや大きい内径の筒状のガイド管27を設け、フロート25はガイド管27にガイドされて上下するようになっている点であり、それ以外は図2と同様である。ガイド管27には、スリットまたは穴が設けられており、油はガイド管27の内外に連通している。本構成は、高さを低くできるメリットがある。
次に動作について説明する。
密封油は、密封油処理装置5により、回転電機1の水素ガスの圧力以上の一定圧力に制御されて軸封部2に供給されている。もし何らかの原因で常用密封油ポンプ6の電源が喪失した場合、回転電機1の軸封部2に供給されている密封油の圧力が低下するが、回転電機1を冷却する水素ガスの圧力と、供給されている密封油の油圧との差圧が一定値以下になれば非常用密封油ポンプ7が自動起動して常用密封油ポンプ6の吐出量減少を補償するようになっている。
常用密封油ポンプ6は、交流モータで運転されているために慣性力が小さく電源喪失の場合は極短時間で停止する。一方、非常用密封油ポンプ7は、常用密封油ポンプ6が停止した信号を受けて起動するために起動が遅れ、また、直流電動機で運転されるために慣性力が大きいことにより起動の立ち上がり時間が長い。その結果、非常用密封油ポンプ7の吐出圧力が定格圧力に到達するまでに時間がかかり、密封油の供給圧力は回転電機1に封入されている水素ガスの圧力よりも短時間ながら下回る現象が起こる。
この時の密封油供給圧力の動きを図4の及び図5の模式図により説明する。図4は、密封油の圧力低下防止機能を持たない場合であり、比較のための参考図である。図5は、本実施の形態の圧力低下防止機能を備えた場合である。
先ず図4により、圧力低下防止機能を持たない場合について説明する。
密封油供給圧力は、実線のように回転電機1の水素ガス圧力より例えばαだけ高い圧力で供給されている。A点で常用密封油ポンプ6が停止すると、供給油圧(吐出圧力)が図のように低下する。替わって非常用密封油ポンプ7が起動し、その吐出圧力が細い破線で示すように上昇する。これにより、密封油供給管8を介して軸封部2に供給される密封油の供給圧力は、太い破線で示すように変化し、この過程で上述のような両ポンプの特性もあって、供給圧力が水素ガス圧力よりも時間T(秒)の間だけ下回ってしまう。この時間Tは回転電機1の大きさにより異なるが、例えば、0.5から1.0秒程度である。
次に、図5により、貯油タンク18を設置した本願の場合の密封油供給圧力の変化を説明する。図1の系統図で説明したように、貯油タンク18の上部の空間には、小型ガスボンベ23からのガス圧が加わっている。A点で常用密封油ポンプ6が停止して密封油供給管8の圧力が低下し始めると同時に貯油タンク18に充填されている貯蔵油が密封油供給管8へ徐々に流れ出て圧力低下を補償する。この結果、密封油供給管8に供給される密封油供給圧力は、太い破線で示すように、回転電機1の水素ガス圧力以上を維持しながら所定の圧力まで上昇する。このとき、貯油タンク18に充填されている貯蔵油は一定量以上が流出すればフロート25が出口部分を閉塞してそれ以上流れ出ることは無く、加圧していた気体が圧力補償給油管16内に流出して悪影響を及ぼすことは無い。
本実施の形態の圧力補償部は、背景技術で説明した先行技術のように、貯油タンク18の内部をダイヤフラムやベローズで仕切ったり、ピストン、あるいは、ゴム製のガス封入袋を設けたりせずに、上述の如く、貯油タンク18内の気相部を直接、小型ガスボンベ23からの加圧ガスで加圧する単純な構成を採用している点に特徴を有している。
ここで例えば、圧力補償用の容器をアキュムレータで構成すると、アキュムレータ内部には加圧ガスを封入する大きなゴム製容器を収納するために、油を保有できるスペースが限られてくる。アキュムレータの設計の一例として、7.6L(リットル)の油を2.5秒間で供給するとした場合、アキュムレータの大きさは標準市販品で直径318.5mm、長さで約2500mm、内容積で147L程度の大きな体積を必要とした。本発明の貯油タンク18の場合、貯油量は余裕を見て15Lとし、上部の気相部も同じ15Lと仮定すると全体積は30Lになる。この容積の容器を、上記のアキュムレータと同一直径で構成すると、長さが600mm程度のとなり、アキュムレータ長さ2500mmに比べ格段に小型化が可能となる。
また、貯油タンク18の貯蔵油の上面は、常時、小型ガスボンベ23からほぼ一定圧力で連続的に加圧されているので、加圧力はほとんど変化なく、〔回転電機水素ガス圧力+α〕MPaの一定値であり、フロート25がシール環26に接触するまで油を供給することができる。
密封油供給管8に供給される油圧は圧力補償給油管16の圧力損失分の圧力低下を伴うが、配管を太くするなどして圧力低下量を小さくすることで、圧力損失を小さくできるので問題はない。
なお、貯油タンク18内の貯蔵油には、加圧ガスがその圧力下における飽和状態まで溶け込むが、通常状態では貯油タンク18への油の出入りがないため、飽和状態になるまで溶け込めばそれ以上溶け込むことは無く、小型ガスボンベ23のガスが連続的に且つ継続的に消費されることはない。このように貯油タンク18とそれを加圧する設備として小型ガスボンベ23,減圧弁22および逆止弁21を設けることで、従来技術で報告されている設備よりも小型で簡単な設備で同一機能が確保でき、したがって安価な設備とすることが可能となる。
以上のように、実施の形態1の密封油処理装置によれば、冷却ガスが封入された回転電機の軸封部へ密封油を供給する密封処理装置であって、密封油供給管を通じて密封油を軸封部に供給する常用密封油ポンプと、常用密封油ポンプに並列に設けられて非常時に切替えて使用される非常用密封油ポンプと、密封油供給管に圧力補償給油管を通じて接続され、内部に油を貯蔵すると共に油の減少時に出口部を塞ぐチェック弁機能を有するフロートが収容された貯油タンクと、貯油タンクの油の上面を直接加圧ガスにより加圧する加圧源とを備え、常用密封油ポンプと非常用密封油ポンプとの切替え時に一時的に密封油の供給圧力が低下した時に、貯油タンクの油が圧力補償給油管を通じ密封油供給管に供給されて圧力低下を補償するようにしたので、貯油タンクの油を直接加圧ガスにより加圧することで、常用と非常用の密封油ポンプの切替え時に生じる密封油の圧力低下を補償する密封油処理装置を、簡単に構成でき、かつ安価に提供できる。
また、加圧源として、貯油タンクに減圧弁を介して接続された小型ガスボンベが用いられているので、貯油タンクの油を密封油供給管側に押し出す加圧ガスを常時連続して加圧でき、安価な設備で密封油圧力低下防止の機能を発揮できる。特に、従来のような、アキュムレータや密封油槽内にピストンやベローズ等を設ける構造と比較して、小型化が可能となり、製作コストを大幅に低減できる。
実施の形態2.
図6は、実施の形態2による回転電機システムの密封油処理装置の系統図である。図1と同等部分は同一符号で示して説明を省略し、以下では相違点を中心に説明する。
図6に示すように、本実施の形態では、圧力補償給油管16の途中に常時閉状態の空気ロックアップ弁28が設けられている。この空気ロックアップ弁28の制御部は、密封油供給管8側の一次圧力調整弁12の一次側と同じ部位に、圧力検出管29により接続されており、密封油供給管8側の圧力を検知して開閉されるようになっている。また、空気ロックアップ弁28と並列に、給油弁30が設けられている。
次に、図6の密封油処理装置5の動作について説明する。
常用密封油ポンプ6が停止して非常用密封油ポンプ7に切替わり一時的に密封油供給管8側の圧力が低下した場合、圧力検出管29を通じて圧力低下が空気ロックアップ弁28に伝達され、それを検知して空気ロックアップ弁28が自動的に開き、貯油タンク18内の貯蔵油が密封油供給管8側へ供給されることで圧力低下が抑制される。
本構成では、圧力補償給油管16は、通常は空気ロックアップ弁28で締め切られているので、貯油タンク18内の貯蔵油には大きな加圧力を掛けておくことができる。
先の実施の形態1では、貯油タンク18内の貯蔵油は、貯油タンク18の出口回路が開放されているために、密封油供給管8の圧力と同一圧力で充填されており、実際の供給時には配管圧力損失が発生して給油圧力が低下するが、本実施の形態の場合には、空気ロックアップ弁28で締め切られているので、貯蔵油の加圧力を初期時点で大きくしておくことが可能になる。これにより、圧力補償給油管16の圧力損失を相殺できる。
上述のように通常運転時には空気ロックアップ弁28は全閉になっているため、初期時点で、貯油タンク18に油を注入できない。この対策として給油弁30が設けられており、初期時点でベント弁24と給油弁30を開けながら貯油タンク18内に適正油面になるまで給油する。これにより密封油供給管8の接続点における油圧を通常使用状態の圧力にすることが可能となる。このように、実施の形態1の貯油タンクに簡単な設備を追加したことで、ポンプ切替え時の油圧回復に対する性能を向上させる効果がある。
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
図7は、実施の形態2よる密封油処理装置の他の例を示す系統図である。図6と同等部分は同一符号で示して説明を省略し、以下では相違点を中心に説明する。
図7に示すように、図6の空気ロックアップ弁28に替えて、圧力補償給油管16の途中に常時閉状態の自動弁31を設けて圧力補償給油管16を締め切るようにしたものである。そして、密封油供給管8において、一次圧力調整弁12の一次側と同じ部位の圧力を圧力スイッチ32で検出し、その信号を制御器33に取り入れて、制御器33からの制御信号で自動弁31を開閉するようにしたものである。
次に、図7の密封油処理装置5の動作について説明する。
常用密封油ポンプ6が停止する等で圧力スイッチ32の圧力が一定値以下に低下すると圧力スイッチ32がオンになり、制御器33に信号が送られ、制御器33から自動弁31を開にする信号を出し、自動弁31を開いて密封油供給管8側に貯蔵油を供給することで供給圧力の低下を補償する。
この構成でも、通常は圧力補償給油管16が締め切られているので、貯油タンク18の加圧力を大きくすることが可能であり、油圧回復に対する性能を向上させる効果があると共に、動作圧力を圧力スイッチ32の設定を変えることで変更できるので、運用上の利便性が広がる。また、貯油タンク18への給油は、ベント弁24を開けた状態で自動弁31の操作スイッチをオンにすることで可能であり、油面計19で油面監視しながら適正油面になれば操作スイッチをオフにすれば良く、操作も簡単である。
以上のように、実施の形態2の密封油処理装置によれば、圧力補償給油管に通常時は閉状態である空気ロックアップ弁を設け、密封油供給管を通じて軸封部へ供給される密封油の圧力が閾値以下に低下したことを検知すると空気ロックアップ弁が開き、加圧された貯油タンクの油が圧力補償給油管を通じて密封油供給管へ供給されるようにしたので、空気ロックアップ弁を閉じた状態で貯蔵油に加圧ガスで常時連続して加圧しておくことができるため、簡単な設備で密封油圧力低下防止の機能を向上させることが可能となる。
また、圧力補償給油管に通常時は閉状態である自動弁を設けると共に、密封油供給管に密封油の圧力を計測する圧力スイッチを設け、密封油供給管を通じて軸封部へ供給される密封油の圧力が閾値以下に低下したことを圧力スイッチで検知すると検知信号により自動弁が開き、加圧された貯油タンクの油が圧力補償給油管を通じて密封油供給管へ供給されるようにしたので、上記と同様な効果を得ることができると共に、圧力スイッチの設定を変えることで自動弁の動作圧力を変更できるため、運用上の利便性が広がる。
実施の形態3.
図8は、実施の形態3による回転電機システムの密封油処理装置を示す系統図である。実施の形態2の図6に対応するので、図6と同等部分は同一符号で示して説明を省略し、以下では相違点を中心に説明する。
これまでの実施の形態では、貯油タンク18の貯蔵油の加圧源として、小型ガスボンベ23を用いていた。しかし、回転電機1の関連設備として、密封油処理装置5の設置場所には、通常、圧力を持った制御空気配管が設置されていることが多い。そこで、本実施の形態では、その制御空気配管34に元弁35を設置し、貯油タンク18のガス供給管20に元弁35を介し制御空気配管34の制御空気を導き、貯油タンク18の貯蔵油の上面を直接その加圧ガスにより加圧する加圧源としたものである。
制御空気はあまり圧力が高くないので、圧力補償給油管16の接続点は、密封油供給管8の供給油圧が低い、差圧調整弁10の下流側とする。この場合、貯油タンク18から供給された油は圧力制御されていないため、回転電機1へ供給される油の圧力が正常値よりも高めになる可能性があるが、圧力が高くなることについては全く問題無い。
本構成では、小型ガスボンベ23,減圧弁22などの設備が不要になるので、極めて安価に設備を提供することができる。
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
図9は、実施の形態2の図7に対応するものであり、図7と同等部分は同一符号で示して説明を省略し、以下では相違点を中心に説明する。
図9に示すように、制御空気配管34に元弁35を設置し、貯油タンク18のガス供給管20に元弁35を介し制御空気配管34の制御空気を導き、貯油タンク18の貯蔵油の加圧源としたものである。圧力補償給油管16の接続点は、図8の場合と同じ理由で、密封油供給管8の供給油圧が低い、差圧調整弁10の下流側としている。図7の小型ガスボンベ23からのガス供給が制御空気配管34に置き換わっただけで、図7と同様の効果を得ることができ、設備が簡単となる。
以上のように、実施の形態3の密封油処理装置によれば、実施の形態1と同様の密封油処理装置の、貯油タンクの貯蔵油上面を加圧する加圧源として、回転電機の設備に使用される制御空気を利用するようにしたので、実施の形態1に比べて小型ガスボンベや減圧弁などの設備が不要になるため、より安価に設備を提供することができる。
また、圧力補償給油管に通常時は閉状態である空気ロックアップ弁を設け、密封油供給管を通じて軸封部へ供給される密封油の圧力が閾値以下に低下したことを検知すると空気ロックアップ弁が開き、加圧された貯油タンクの油が圧力補償給油管を通じて密封油供給管へ供給されるようにしたので、上記に加えて、空気ロックアップ弁を閉じた状態で貯蔵油に加圧ガスで常時連続して加圧しておくことができるため、簡単な設備で密封油の圧力低下防止の機能を向上させることが可能になる。
また、圧力補償給油管に通常時は閉状態である自動弁を設けると共に、密封油供給管に密封油の圧力を計測する圧力スイッチを設け、密封油供給管を通じて軸封部へ供給される密封油の圧力が閾値以下に低下したことを圧力スイッチで検知すると検知信号により自動弁が開き、加圧された貯油タンクの油が圧力補償給油管を通じて密封油供給管へ供給されるようにしたので、上記と同様な効果を得ることができると共に、圧力スイッチの設定を変えることで自動弁の動作圧力を変更できるため、運用上の利便性が広がる。
また、実施の形態1から実施の形態3の回転電機システムによれば、回転電機と、冷却ガスを封入した回転電機の軸封部へ密封油を供給する密封油処理装置とを備え、密封油処理装置は、実施の形態1から実施の形態3のいずれかに記載の密封油処理装置を用いたので、実施の形態1から実施の形態3に記載したものと同様な効果を得ることができる。
なお、本願発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変更、省略したりすることが可能である。
1 回転電機、2 軸封部、3 軸受返油管、4 ループシールタンク、5 密封油処理装置、6 常用密封油ポンプ、7 非常用密封油ポンプ、8 密封油供給管、9 密封油戻り管、10 差圧調整弁、11 フィルタ、12 一次圧力調整弁、13 真空タンク、14 フロート弁、15 逆止弁、16 圧力補償給油管、17 隔離弁、18 貯油タンク、19 油面計、20 ガス供給管、21 逆止弁、22 減圧弁、23 小型ガスボンベ、24 ベント弁、25 フロート、26 シール環、27 ガイド管、28
空気ロックアップ弁、29 圧力検出管、30 給油弁、31 自動弁、32 圧力スイッチ、33 制御器、34 制御空気配管、35 元弁。

Claims (6)

  1. 冷却ガスが封入された回転電機の軸封部へ密封油を供給する密封処理装置であって、
    密封油供給管を通じて前記密封油を前記軸封部に供給する常用密封油ポンプと、前記常用密封油ポンプに並列に設けられて非常時に切替えて使用される非常用密封油ポンプと、前記密封油供給管に圧力補償給油管を通じて接続され、内部に油を貯蔵すると共に前記油の減少時に出口部を塞ぐチェック弁機能を有するフロートが収容された貯油タンクと、前記貯油タンクの前記油の上面を直接加圧ガスにより加圧する加圧源とを備え、
    前記常用密封油ポンプと前記非常用密封油ポンプとの切替え時に一時的に前記密封油の供給圧力が低下した時に、前記貯油タンクの前記油が前記圧力補償給油管を通じ前記密封油供給管に供給されて圧力低下を補償するようにしたことを特徴とする密封油処理装置。
  2. 請求項1記載の密封油処理装置において、
    前記加圧源として、前記貯油タンクに減圧弁を介して接続された小型ガスボンベが用いられていることを特徴とする密封油処理装置。
  3. 請求項1記載の密封油処理装置において、
    前記加圧源として、前記回転電機の設備に使用される制御空気が利用されていることを特徴とする密封油処理装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の密封油処理装置において、
    前記圧力補償給油管に通常時は閉状態である空気ロックアップ弁を設け、
    前記密封油供給管を通じて前記軸封部へ供給される前記密封油の圧力が閾値以下に低下したことを検知すると前記空気ロックアップ弁が開き、加圧された前記貯油タンクの前記油が前記圧力補償給油管を通じて前記密封油供給管へ供給されるようにしたことを特徴とする密封油処理装置。
  5. 請求項2又は請求項3に記載の密封油処理装置において、
    前記圧力補償給油管に通常時は閉状態である自動弁を設けると共に、前記密封油供給管に前記密封油の圧力を計測する圧力スイッチを設け、
    前記密封油供給管を通じて前記軸封部へ供給される前記密封油の圧力が閾値以下に低下したことを前記圧力スイッチで検知すると検知信号により前記自動弁が開き、加圧された前記貯油タンクの前記油が前記圧力補償給油管を通じて前記密封油供給管へ供給されるようにしたことを特徴とする密封油処理装置。
  6. 回転電機と、冷却ガスを封入した前記回転電機の軸封部へ密封油を供給する密封油処理装置とを備え、前記密封油処理装置は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の密封油処理装置であることを特徴とする回転電機システム。
JP2014051045A 2014-03-14 2014-03-14 密封油処理装置及びそれを備えた回転電機システム Active JP6234286B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014051045A JP6234286B2 (ja) 2014-03-14 2014-03-14 密封油処理装置及びそれを備えた回転電機システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014051045A JP6234286B2 (ja) 2014-03-14 2014-03-14 密封油処理装置及びそれを備えた回転電機システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015177610A JP2015177610A (ja) 2015-10-05
JP6234286B2 true JP6234286B2 (ja) 2017-11-22

Family

ID=54256296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014051045A Active JP6234286B2 (ja) 2014-03-14 2014-03-14 密封油処理装置及びそれを備えた回転電機システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6234286B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106768607B (zh) * 2016-12-21 2023-09-29 安徽天利粮油集团股份有限公司 烘干机压力监视器

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57184702A (en) * 1981-05-06 1982-11-13 Hitachi Constr Mach Co Ltd Pressurizing device for pressure oil tank
JPS61177140A (ja) * 1985-01-31 1986-08-08 Toshiba Corp 発電機の密封油システム
JP2822548B2 (ja) * 1990-03-08 1998-11-11 日産自動車株式会社 タレット式工作機械の潤滑油循環方法
JPH03124767U (ja) * 1990-03-29 1991-12-17
JPH06113503A (ja) * 1992-09-29 1994-04-22 Toshiba Corp 回転電機の密封油供給装置
JPH07293501A (ja) * 1994-04-20 1995-11-07 Toyooki Kogyo Co Ltd 油タンク
JPH11332179A (ja) * 1998-05-07 1999-11-30 Toshiba Eng Co Ltd 軸シール油装置
JP2001027184A (ja) * 1999-07-13 2001-01-30 Tokyo Dies:Kk 空気圧駆動機器用安全装置
US7913815B2 (en) * 2009-01-27 2011-03-29 General Electric Company Automated seal oil by-pass system for hydrogen cooled generators
JP2013126276A (ja) * 2011-12-13 2013-06-24 Toshiba Corp 発電機密封油供給装置およびその供給方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015177610A (ja) 2015-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101802269B (zh) 高压电解装置和使这类装置惰化的方法
AU2010309768B2 (en) Pressure intensifier system for subsea running tools
JP2008295268A (ja) モータ絶縁保護装置およびこれを有する車両
KR20110050372A (ko) 증기 압축기
JP6234286B2 (ja) 密封油処理装置及びそれを備えた回転電機システム
US20140254738A1 (en) Alternative air supply and exhaust port for air-operated valve
NO338790B1 (no) Fremgangsmåte og system for regulering av fluid
AU2016336925B2 (en) Subsea barrier fluid system
JP4784516B2 (ja) 真空処理式密封油処理装置
JP2010511566A (ja) 船舶の不活性ガス設備用装置
JP5962251B2 (ja) ドレン回収システム
RU2660743C1 (ru) Способ стабилизации перепада давления в системе уплотнения газоперекачивающего агрегата
CN206054272U (zh) 一种卸压空载启动汽车空压机
CN109713846B (zh) 一种核电站发电机三流环密封油系统及其空侧密封油回路
JP4437752B2 (ja) 回転電機の密封油供給装置
JPS607024A (ja) 電気回路遮断器用油圧制御装置
JP2015068300A (ja) 発電プラント
CN109307141A (zh) 储液箱及供油系统
JP7499297B2 (ja) 油圧供給装置及び油圧供給方法
JP2012241784A (ja) 高圧流体用メカニカルシール装置
JPS5836209Y2 (ja) 回転電機の密封油供給装置
WO2016048163A1 (en) High pressure barrier fluid system for subsea pumps and compressors
JP2007051674A (ja) ガス供給装置及びガス供給方法
JP2007247802A (ja) 圧力制御性に優れる油圧制御回路
JPH08261393A (ja) 回転電機の密封油供給装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170912

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171024

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6234286

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250