JPS5935680Y2 - シ−ルド掘進機の排土装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシールド掘進機の排土装置に関するものである
。

切羽を加圧した状態で掘削を進めるシールド掘進機には
、その排土装置として切羽加圧室と大気圧下の排土室と
の間にスクリューコンベアを設けたものがある。

この種の排土装置では、切羽地山の連続掘削を可能なら
しめるために、排土口近傍のケーシング内部にスクリュ
ーコンベアブレードが存在しない空間を形成し、この空
間内で順次送られてくる土砂を圧縮して締固め、その仕
質を地山に近い難透水性のものに改良し、その改良され
た難透水性土砂の一部を順次排土し、もって地下水が排
土口から溢水するのを防止している。

この場合においで地下水が排土口から溢水するのを確実
に防止するためには、難透水性の土砂の排出速度を透水
速度よりも速く維持してお・くことが要求される。

この条件はシールド径に対してスクリューコンベアケー
シング径が比較的小さい場合に満足される。

しかしスクリューコンベアケ−シング径を小さく定める
ことができるのは、地山に玉石等の粗大固形物が混在し
ない場合のみである。

すなわちスクリューコンベアで移送し得る土砂は、その
粒径がスクリューコンベアブレードのピッチ間の空間に
収容し得るものに限られるからである。

しかし地山中には玉石等の存在している場合が多く、そ
の場合に玉石等を他の細粒径土砂と共にスクリューコン
ベアで排出しようとすれば必然的にスクリューコンベア
ケーシング径が大きくなり、前記条件を満足し得なくな
る。

そこで従来は、地山に玉石が混在する場合には、スクリ
ューコンベアでの移送前に玉石等を掘削土砂中から分離
除去し、スクリューコンベアでは細粒径土砂のみを移送
するようにしていた。

しかしこれは玉石等の分離除去装置を余分に要すること
となり、経済的にもまた狭小な機内設置スペースとの関
係からも好ましいものではなかった。

本考案は以上に鑑みてなされたものであり、本考案によ
れば、シールド径に比ベスクリューコンベアケーシング
径を大きくすることができ、また排土口近傍で締固めら
れた土砂により確実に切羽加圧室内圧の保持を行ない得
るので、地山中の玉石等の混在の有無にかかわらずスク
リューコンベアのみでの安定した排土が可能となる。

以下本考案の実施例を説明する。

第１図、第２図においては、１はシールド、２はカッタ
ーヘッド、３はカッターヘッド駆動装置４は隔壁であり
、この隔壁４の前部が切羽加圧室５、後部が大気圧下の
排土室６とされる。

スクリューコンベア７からなる排土装置は切羽加圧室５
と排土室６との間に亘って設けられる。

スクリューコンベア７のケーシング８にはその切羽加圧
室内端部に掘削土砂の受入口９、排土室内端部に排土口
１０がそれぞれ形成される。

ここで排土口１０は前記ケーシング８の下半部に形成さ
れ、この排土口１０に開閉ゲート１１が設けられる。

なお・開閉ゲート１１はケーシング８に固定されたシリ
ンダ装置１２により出退せしめられる。

排土口１０の近傍のケーシング８内部にスクリューコン
ベアブレード１３が存在しない空間Ｓ１が形成される。

この空間Ｓ１内部に、該空間Ｓ１を上室１４Ａと下室１
４Ｂとに区画する仕切板１４が設けられている。

第２図から明らかなように、仕切板１４は中央部にスク
リューコンベア回転軸１５をその下部から内包すべき溝
部１４ａを有しており、もってスクリューコンベア回転
軸１５が上室１４Ａを貫通する。

また上室１４Ａは、仕切板１４の始端部側に設けられた
上部傾斜ガイド板１６Ａによって閉塞される。

さらに下室１４Ｂにおける仕切板１４の終端部側に下部
傾斜板１６Ｂが設けられ、下室１４Ｂ内の土砂を排土口
１０へ案内し得るように構成される。

なお１７は土砂搬出用コンベアであり、排土口１０の下
方に臨まされる。

このようなものにおいて、運転初期にはゲート１１によ
って排土口１０を閉じておき、この状態でスクリューコ
ンベア７を作動させ、掘削土砂を排土口１０側へ向けて
移送する。

これにより前記下室１４Ｂ内には順次土砂が送られてく
るため、該下室１４Ｂ内において土砂が締固められ、そ
の性状が地山に近似した状態に改善され、いわゆるサン
ドプラグＰ１が形成される。

こうして形成されたサンドプラグＰ１は止水性はもとよ
り、圧気圧をも保持できるものである。

ゲート１１の閉塞時においてサンドプラグＰ１は下室１
４Ｂの全長に亘って形成される。

次にゲート１１を後退させ、排土口１０を開放すると、
この排土口１０の上部に位置する土砂はそのサンドプラ
グ形成状態が崩され、排土口１０を通って土砂搬出用コ
ンベア１７上へ落下する。

しかし下室１４Ｂ内には依然として長さハの範囲でサン
ドプラグＰ１が形成されているので、これにより切羽加
圧室５内の泥水圧、土庄又は圧気圧が確実に保持される
。

スクリューコンベア７は連続運転されるため、サンドプ
ラグｐ＋は順次後続する土砂に後押しされて新たなサン
ドプラグを形成しつつ下室１４Ｂ内を移動し、排土口１
０にかかった部分の土砂が順次排土される。

この場合、下室１４Ｂの壁、すなわちスクリューコンベ
アケーシング８並びに仕切壁１４は固定されてお・す、
かつスクリューコンベア回転軸１５がサンドプラグＰと
接することのないように上室１４Ａを貫通しているので
、サンドプラグＰｌが形成される部分はいわゆる静止空
間となっている。

したがってサンドプラグＰ１が運転中に局部的に崩れて
止水性等が破壊されるというような事態を未然に防止し
得る。

また排土速度は、土砂がケーシング８内に区画形成され
た下室１４Ｂのみを通って排出されることから増速され
、結局透水速度よりも速くなり、この点においても確実
な止水性が確保される。

第１図、第２図にはサンドプラグＰ１の形成長さくｈが
固定的に設定されたものが示されているが、この長さを
可変とすることも可能である。

すなわち第３図、第４図に示したように、下室１４Ｂの
下部を全面開口させてこの部分を排土口１９とし、この
排土口１９に出退式の開閉ゲート２０を設けておくので
ある。

これによれば、ゲー）２０の排土口１９への突出量に等
しい長さ１２がサンド形成グア２形戊長さとなり、その
長さ１２によって排土口１９の開口幅りが決定される。

かかるサンドプラグＰ２の長さ変更は土砂の性状に応じ
て行なう。

第５図、第６図に示されたものは、第３図、第４図に示
された排土口部分をアタッチメント形成としたものであ
る。

すなわち２１Ａはスクリューコンベアケーシング本体、
２２は同ブレード、２３は同回転軸、２１Ｂはアタッチ
メント側のケーシング、２４はアタッチメント内部を上
室２４Ａと下室２４Ｂとに区画する仕切板、２５Ａは上
部傾斜ガイド板、２５Ｂは下部傾斜ガイド板、２６は下
室２４Ｂの下部全面で開口する排土口、２７は開閉ゲー
ト、１３は運転時のサンドプラグＰ３の形成ゾーン長さ
を示し、この長さで３は可変である。

スクリューコンベア本体２１Ａとアタッチメント側のケ
ーシング２１Ｂとによってスクリューコンベアケーシン
グ２１が形成され、両者はボルト２８等により各フラン
ジ２９を介して着脱される。

これによればアタッチメントを必要に応じて取替えるこ
とにより増減させることが可能である。

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、シー
ルド径に比ベスクリューコンベアケーシングの径を大き
くしたものにおいても排土速度をサンドプラグへの透水
速度よりも遮くすることができるので、余分に粗大固形
物の分離除去装置を設けずとも、スクリューコンベアの
みにより健全なサンドプラグを形成させつつ粗大固形物
を含む掘削土砂の全部を同時に切羽加圧室内圧を確実に
保持しつつ排土することが可能となる。

したがってシールド掘進機の土質適応性が改善され、経
済的にもまた機内設置スペースとの関係も改善される。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案実施例を示しており、第１図は
全体縦断面図、第２図は第１図の拡大■−Ｉ断面矢視図
、第３図、第４図は変形例を示しており、第３図は縦断
面図、第４図は第３図の拡大■−■断面矢視図、第５図
、第６図は他の変形例を示しており、第５図は縦断面図
、第６図は第５図の拡大１−１１１断面矢視図である。 ５・・・・・・切羽加圧室、６・・・・・・排土室、７
・・・・・・スクリューコンベア、８，２１・・・・・
・スクリューコンベアケーシング、９・・・・・・掘削
土砂受入口、１０．１９．２６・・・・・・排土口、１
１．２０．２７・・・・・・開閉ゲート、１３．２２・
・・・・・スクリューコンベアブレード、１４．２４・
・・・・・仕切板、１５．２３・・・・・・スクリュー
コンベア回転軸、１６Ａ、２５Ａ・・・・・・上部傾斜
ガイド板、１６Ｂ、２５Ｂ・・・・・・下部傾斜ガイド
板、Ｓｌ、 Ｓ２． Ｓ３・・・・・・空間、Ｐｌ。 Ｐ２．Ｐ３・・・・・・サンドプラグ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 切羽加圧室と大気圧下の排土室との間にスクリューコン
   ベアを設け、スクリューコンベアケーシングの前記加圧
   室内端部に掘削土砂受入口、前記排土室内端部に排土口
   をそれぞれ形威し、この排土口近傍の前記ケーシング内
   部にスクリューコンベアブレードが存在しない空間を形
   成すると共にこの空間内部をスクリューコンベア回転軸
   が貫通する上室と前記排土口に通じる下室とに区画する
   固定仕切板を設け、この固定仕切板の始端部に前記上室
   を閉塞しかつ土砂を下室へ案内する上部ガイド板を設け
   ると共にその終端部に下室内の土砂を排土口へ案内する
   下部ガイド板を設け、前記排土口に開閉ゲートを設けた
   ことを特徴とするシールド掘進機の排土装置。