JPS5935403Y2 - ワイアスプリングによる圧力調節機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は角又は丸線材（ワイヤ）を用いて製作したワイ
ヤスプリングのコイル部をネジ溝として利用し、ワイヤ
スプリングの固定或いは位置、圧力調整に関する。

一般にワイヤスプリングの固定は第１図に示すようにワ
イヤスプリング１の両端にフック部２を設け、該フック
部２を別の部品に設けられている引かけ金具３に引かけ
て、ワイヤスプリング１を固定している。

上記固定構造ではワイヤスプリング１の張力を変えたい
場合に、フック２の高さを変え、スプリング１の取付は
位置を変えねばならず簡単ではない。

又ワイヤスプリング１のフック部２を単に引かけ金具３
に引かけることにより固定しているので、該フック部２
が外れ易い等欠点があった。

本考案の目的はワイヤの端末処理を利用して、ワイヤス
プリングを固定し、或いは位置、圧力調整を可能にした
構造を提供するにある。

本考案の特徴はワイヤスプリングの１部にコイルを形成
し、そのコイル内径部又は外径部をネジ溝として用いス
プリングの固定、或いは位置、圧力調整を可能にしたこ
とにある。

以下本考案について説明すると、第２図イのように線材
を密着又はピッチ巻きしたコイル４の内径又は外径をそ
れぞれメネジ、又はオネジとして使うことが可能である
。

これはすでにネジコイル（商品ヘリサート、スプリュー
等）として実用化されている。

本考案はこの考えをワイヤスプリングの固定及び位置、
圧力調整に用いた構造である。

第２図口は本考案による固定構造の１実施例を示した断
面図である。

図において、０．８φワイヤ５を密着巻きして内径６を
４．４φのコイルに作り、その内径６にＪｉｓＭ５オネ
ジ（Ｍ５Ｘ０．８三角ネジ）のネジ８がうまく螺合でき
る。

この内径を適当の大きさにすることによって（オネジ８
とコイル７との接触径との兼合いにより）螺合したとき
にゆるまぬ形のものが出来たり、或いはしめる方向、又
はしめる、ゆるめるの両方の形のものが任意にできる。

このコイル７をワイヤ端部に形成した場合、そのコイル
７の使用目的によって、前述の接触径の大きさを選択す
ればよく、例えば固定したあと弛んではいけないところ
は若干小さ目に、位置、圧力調整できるようにしたい場
合には少し太き目に設計しておく等である。

以下に本考案による固定構造を適用した実施例について
説明する。

実施例１、第３図イは引張又は圧縮コイルバネ９の固定
にコイル７を応用した例の説明図で、９張コイルバネ９
の一端のコイル７で部品Ａの支持部１０とネジ１１で固
定され、引張コイルバネ９の他端のフック２を他部品に
引かけている。

コイル７に於いて、ネジ１１によって引張コイルバネ９
を支持部１０に固定し、その固定位置（高さ）を調整可
能にしている。

その固定位置（高さ）の調整はコイル７と係合するネジ
１１の進退により行える。

なお圧縮コイルの場合も同じにできる。

又第３図口に示すような引張コイルバネ９′の固定の場
合はオネジ１１の進退により引張コイルバネ９′の有効
巻数りが変るので、圧力調整ができる３なお本考案のワ
イヤスプリングコイル部７と引張コイルバネ部９を同−
巻き形状にした時は形状が簡素化される。

又コイル部とネジとの嵌合による固定であり、外れにく
くかつ構造が簡単である。

実施例２、第４図はねじりコイルバネの固定に応用した
場合の１実施例の説明のための斜視図である。

ローラ１２を矢印方向に加圧するねじりコイルバネ１３
の端部にコイル７を形戊し、該コネル７は加圧調整ネジ
１１と係合固定されている。

なお・基板１４と加圧力調整ネジ１１は基板１４上に接
し倒れないように保持部材（図示しない）により保持さ
れ、基板１４には金具Ｂが取付けられ、かつ該金具Ｂに
は軸１５が取付けられている。

又ボス１６を有する金具Ｃにはローラ１２が取付けられ
ていて、ボス１６は前記金具Ｂの軸１５に挿入させ、ボ
ス１６の外周にねじりコイルバネ１３が巻き付けられて
いる。

加圧調整ネジ１１を廻すことにより、該ネジ１１先端は
基板１４に当っていて移動しないため、ネジコイル７は
点線で示す位置に移動することで、ねじりコイルバネ１
３はローラ１２を矢印方向に加圧する。

この加圧力調整ネジ１１の廻転により調整できる。

この方法は例えばプリンタ等の紙送りローラの繰込み圧
力調整等に利用できる。

実施例３、第５図はトーションバネの固定に応用した場
合の１実施例を示す斜視図である。

ワイヤ１７の両端をコイル７′加工して、該コイル７′
にネジを入れ部品Ａ’ 、部品Ｂ′を固定しておいて
、部品Ａ′ と部品Ｂ′ をねじって使った例で、普通
ワイヤ１７の両端と部品Ａ′及びＢ′をロウ付は固定し
用いられている。

このようにコイル加工して固定する方法はネジのみで固
定できるので簡単である。

以上実施例により本考案を説明したが、本考案によれば
ワイヤスプリングの一部にコイルを形戊し、そのコイル
内径部又は外径部をネジ溝として用いスプリングの固定
、或いは位置、圧力調整を簡単に行うことができる効果
は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来よりのワイヤスプリングの固定を説明する
ための図、第２図イは本考案による線材（ワイヤ）をコ
イル巻きした正面図、口は固定構造を示す断面図、第３
図イ９口は本考案のネジコイルを引張コイルバネに応用
したｌ実施例を説明するための図、第４〜５図は本考案
のネジコイルをねじりコイルバネ、トーションバネに応
用した１実施例を説明するための図。 図中、２はフック、４，７．７’はコイル、５はワイヤ
、６は内径、８，１１はネジ、９，９′はバネ、１０は
支持部、１２はローラ、１３はコイル部くネ、１４は基
板、１５は軸、１６はボス、１７はワイヤである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央にネジリコイルと一端にコイルとを形成したワイア
   スプリングと、該ネジリコイルが挿入されるボスと該ワ
   イアスプリングの他端に接しネジノコイルの押圧力によ
   り押圧される圧接材とを有する部材と、該コイルと係合
   する加圧調節ネジと該加圧調節ネジの先端と接しこの加
   圧調節ネジを保持する基板とを備え、前記加圧調節ネジ
   を回転することによって前記コイルの保持位置を移動さ
   せ、前記圧接材への押圧力を調節することを特徴とする
   ワイアスプリングによる圧力調節機構。