JPS5935297Y2 - 押出中空材内部の冷却装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金属の押出加工装置において押出プレスから押
出された中空材の内部を搬送途中で冷却する冷却装置に
関するものである。

金属の押出加工は素材である円柱状や円筒状のビレット
を、一端にダイスのついた中空円筒状コンテナの中に入
れ、他端から押出用ステムで押してダイスから出すこと
により円管、異形管などの中空材やサツシなどの特定断
面形状をもった連続材を得るものである。

そしてこの種の押出加工装置のうち中空管材の押出装置
においては、押出プレスから押出された押出中空材は、
冷却装置で冷却されたのち、所定寸法に切断されて搬送
集積される。

ところが、この種の装置における冷却装置は、搬送中の
押出中空材に冷却水を噴射するものであるために、中空
材、とくに大径、肉厚の中空材ではその内部が冷却され
ずそのあとの工程での取扱いを困難にすることが多かっ
た。

本考案は以上のような点に鑑みなされたもので、クーリ
ングテーブル上などで搬送される押出中空材の端部通過
位置に空気噴射ノズルを設け、これを昇降装置で位置決
めしたのち中空材内部へ進入させて冷却するように構成
することにより、押出中空材の冷却を完全にするととも
に、併せて中空材内部の清浄化を計った押出中空材内部
の冷却装置を提供するものである。

以下、その構成等を図に示す実施例により詳細に説明す
る。

第１図ないし第３図は本考案に係る冷却装置を示し、第
１図はこれを実施した押出加工装置の押出中空材搬送部
の平面図、第２図は第１図のＡ視正面図、第３図は冷却
装置の一部破断正面図である。

これらの図において、押出加工装置１は、図示しない押
出しプレスとこれに続く押出中空材外周部の冷却装置と
を備えており、この冷却装置の押出中空材（以下中空材
という）走行方向下流側には、中空材の軸方向に並列す
る複数個の搬送ローラ２を備えたランアウトテープ／Ｉ
／３が配設されていて、押出プレスから押出された中空
材が図に矢印Ｂで示す方向へ移動するように構成されて
いる。

そして、ランアウトテーブル３の搬送方向と直交する側
には、搬送方向と平行する２列のビーム４および５とそ
の両端部に設けられた一対の昇降、移動装置とを備えた
リフトトランスファが配設されており、第１図では、ビ
ーム４，５の端部と片方の昇降、移動装置のみを示して
いる。

そして、このリフトトランスファ６は、ランアウトテー
プ）Ｌ／３上の中空材を所定位置まで平行移動させるも
のであって、ビーム４，５０両端部上には、これと直交
するガイドレール７が架設されており、ビーム４，５は
、このガイドレール７の下方において昇降リンク８に支
持されている。

そして、昇降リンク８は、下端部をベースフレーム９に
支持されており、これが図示しないエアシリンダで駆動
されて揺動伸縮することにより、ビーム４，５と両側の
ガイドレール７とが一体となって昇降するように構成さ
れている。

さらに、ガイドレールＴには、下面にラックを備えたス
ライドレーＪｖ１０が、４個のころをこれに嵌合させて
往復動自在に支持されており、そのゴ端には、Ｖ字状の
支承面を備えた受台１１が一体形成されている。

そして、ガイドレールＴの下面には、減速モータ１２が
取付げられていて、その出力軸上のピニオン１３は、ス
ライドレール１０のラックと噛合されており、減速モー
タ１２の回転により、受台１１付きのスライドレーＪＬ
／１０が往復動するように構成されている。

そして、受台１１は、第２図に実線と鎖線で示すように
、高位を矢印Ｃ方向へ移動したのち下降し、低位を矢印
り方向に移動したのち上昇する動作を繰返す。

さらに、リフトトランスファ６に対するランアウトテー
ブル２０反対側には、ビーム４，５と平行スる２列のビ
ーム１４および１５とその両端部に設けられた一対の昇
降、移動装置とを備えたクーリングテーブル１６が配設
されており、第１図では、ビーム１４．１５の端部と片
方の昇降、移動装置のみを示している。

そして、このクーリングテーブル１６のビーム１４．１
５の両端部上には、これと直交するガイドレール１７が
架設されており、ビーム１４．１５は、このガイドレー
ル１７の下方において昇降リンク１８に支持されている
。

さらに、昇降リンク１８は、下端部をベースフレーム１
９に支持されており、これが図示しないエアシリンダで
駆動されて揺動伸縮することにより、ビーム１４．１５
と両側のガイドレール１７とが一体となって昇降するよ
うに構成されている。

さらに、ガイドレール１７には、下面にラックを備えた
スライドレー）Ｌ／２０が、４個のころをこれに嵌合さ
せて往復動自在に設けられており、その上縁４箇所には
Ｖ字状の支承部２０ａ、２０ｂ。

２０ｃ、２０ｄが形成されている。

そして、ガイトレーＪＬ／１７の下面には減速モータ２
１が取付げられていて、その出力軸上のピニオン２２は
、スライドレール２０のランクと噛合されており、減速
モータ２１の回転により支承部２０ａ〜２０ｄ付きのス
ライドレール２０が往復動するように構成されている。

そして、スライドレール２０は、第２図の位置から上昇
したのち支承部２０ａ〜２０ｄのｌピッチ分だけ図の右
方へ移動し、下降したのち図の左方へ移動して旧位置へ
復する動作を繰返す。

さらに、両側のガイドレール１７の内側には、これと平
行する一対の固定レール２３が４個のビーム４． ５．
１４． １５上に架設されており、その上縁には、Ｖ
字状に形成された４個の支承部２３ ａ、 ２３ ｂ
、 ２３ ｃ、 ２３ ｄがスライドレール２０の
支承部２０ａ〜２０ｄと同ピツチで設けられている。

以上のように構成したので、中空材２４は、リフトトラ
ンスファ６のスライドレール１０が矢印Ｃ方向に移動し
て下降することにより、ランアウトテープ／Ｉ／２上か
ら固定レール２３の第１の支承部２３ａ上へ平行移動す
るとともに、クーリングテープ）Ｌ／１６のスライドレ
ール２０が上昇し支承部２３ａ〜２３ｄの１ピツチ分だ
け右方へ下降することにより、固定レール２３０次の支
承部２３ｂ上へ平行移動し、この動作の繰返しにより支
承部２３ａ〜２３ｄの１ピツチずつ移動するように構成
されている。

さらに、リフトトランスファ６のビーム４，５下方には
、多数の冷却ファン２５が長手方向に並設されている。

そして、クーリングテープ）Ｌ／１６の中空材２４移送
方向下流側には、この移送方向と直交する方向に並列し
チェーン駆動されて回転する複数個の搬送ローラ２６と
、これを枢支するフレーム２７とを備えたソーテーブル
２８が配設されており、クーリングテーブル１６のスラ
イドレール２０が移動することにより固定レーＪＬ／２
３の第４の支承部２３ｄから搬送ローラ２６上へ移動し
た中空材２４を図に矢印Ｅで示す方向へ搬送するように
構成されている。

２９は揺動アーム３０に支持されて中空材２４の浮上を
防止する押えローラである。

さらに、ソーテーブル２８の搬送方向下流側には、搬送
されてその先端を図示しない定寸機の定規板に当接させ
た中空材２４の他端部を切断する切断機３１が設げられ
ており、切断された中空材２４は、図に矢印Ｆで示す方
向へ搬送されるように構成されている。

さらに、この搬送通路には、切断機３１の切断によって
中空材２４に付着した切粉を除去する切粉除去装置３２
が設げられている。

そして、前記リフトトランスファ６とクーリングテーブ
ル１６による中空材２４の搬送通路側方には、第３図に
詳細を示す押出中空材内部の冷却装置４０が配設されて
いる。

この冷却装置４０は、フレーム４１を備えており、この
フレーム４１の上面には、全体を符号４２で示す位置決
め装置がリフトトランスファ６のガイドレール７に近接
して設けられている。

この位置決め装置４２は、ベース４３を介してフレーム
４１に固定された軸受４４とランクガイド４５とを備え
ており、軸受４４にはピニオン軸４６が軸支されている
とともに、ラックガイド４５には、ピニオン軸４６に軸
着されたピニオン４７と噛合するランク４８が摺動自在
に支持されている。

そして、ピニオン軸４６には、第５図の位置決め動作説
明図にその側面視を示すピニオン４９が軸受４４内に位
置して一体形成されており、その上下には、これと噛合
するラック５０および５１が、軸受４４の側板から突出
するガイド５２に支持されて摺動自在に設けられている
。

そして、ラック５０．５１には、これとＬ字状をなすク
ランプ受５３．５４が一体形成されており、これには、
正面視三角形状のクランプ５５．５６が枢着されている
。

このように構成された位置決め装置４２は、ピニオン軸
４６の軸芯を、前記固定レール２３の第１の支承部２３
ａのＶ字状芯に対向させるように設けられておおり、ラ
ンク４８を図示しない駆動装置で摺動させることにより
、ピニオン４Ｔを介してピニオン軸４６が回転し、ピニ
オン４９を介してランク５０．５１が第５図に矢印Ｇ、
Ｈで示すように互に反対方向へ移動し、両側のクラン
プ５５．５６が、軸受４４側に設けた当て板５７に遊端
部を当接させることにより図に鎖線で示すように起立し
て上空材２４を挾持するように構成されている。

こうすることにより、中空材２４はその径の大きいもの
２４から径の小さいもの２４Ａに至るまでその軸芯がピ
ニオン軸４６を含む垂直面内に位置するように正確に位
置決めされる。

さらに、フレーム４１の上面には、ギアボックス５８が
固定されており、これには、ウオーム５９を備え図示し
ない駆動装置に駆動されて回転するウオーム軸６０が軸
支されているとともに、ウオーム５９と噛合するウオー
ムホイール６１がボールベアリング６２を介して垂直状
に軸支されている。

そして、このウオームホイル６１の軸孔にはねじが切ら
れており、このねじ部には、水平方向への回動を規制さ
れて設けられた昇降テープ＃６２の脚としてのねじ棒６
３が螺合されていて、ウオームホイル６１０回転により
昇降テーブル６２が昇降するように構成されている。

そして、昇降テーブル６２上には、前記ピニオン軸４６
を含む垂直面内に軸芯を有するエアシリンダ６４が取付
げられており、そのピストンの作用端には、第４図に拡
大破断して示すようにアタッチメント６５が装着されて
いるとともに、このアタッチメント６５には、先端部が
細くなった截頭円錐状のノズル６６が取付管６７と可撓
性を有するフレキシブルチューブ６８を介して装着され
ている。

そして、取付管６７０基端開口部６７ａはホースによっ
て図示しないエア供給源と連結されていて、ノズル６６
からエアを噴射させるとともに、ノズル６６は、エアシ
リンダ６４の作動により、第４図に実線と鎖線とで示す
ように、位置決めされた中空材２４の内部に対して進退
するように構成されている。

６９はアタッチメント６３の往復動を案内するガイド板
であり、またＴＯは、昇降テーブル６２の昇降位置を検
出する光電管装置である。

以上のように構成された押出加工装置１の動作を説明す
る。

押出プレスから押出された中空材２４は図示しない冷却
装置により主として外周部を冷却されたのち、ランアウ
トテーブル３の搬送ローラ２で引出されその両端部がリ
フトトランスファ６の受台１１上に載ったところで停止
する。

そして、リフトトランスファ６のスライドレール１０が
上昇して受台１１上の中空材２４を持ち上げ、第２図の
矢印Ｃ方向へ移動して下向することにより、中空材２４
は固定レール２３の第１０支承部２３ａで両端部を支承
される。

こうして移動した中空材２４は、Ｖ字状の支承部２３ａ
で支承されることにまり軸芯がはｇ所定位置を占めるが
、さらに位置決め装置４２が動作することによりクラン
プ５５．５６で挾持され、管径の大小にかＳわらず、そ
の端部が正確に位置決めされる。

そして、最初の中空材２４が位置決めされたのち、機械
をいったん浮止させ、ウオーム軸６０を回動させてノズ
ル６６の高さを中空材２４の径によってそれぞれ異なる
中空材２４の中心位置に合わせて調節する。

そして機械を再運転すると、エアシリンダ６４が作動し
、ノズル６６が第４図に鎖線で示すように中空材２４の
内部へ進入してエアを噴出する。

この場合、ノズル６６がフレキシブルチューブ６８を介
して支持されていることとノズル６６がテーパ状に形成
されていることにより、中空材２４が小径で高さと水平
方向へわずかにずれていてもノズル６６は中空材２４の
内部へ容易に進入することができる。

このようにしてノズル６６から高圧のエアが噴射される
ことにより中空材２４の内部が冷却され、併せて内部が
清浄化される。

このあと、機械が運転し続けると、ノズル６６が中空材
２４から退去すると同時に、クーリングテープ＃１６の
スライドレール２０が上昇して中空材２４を持ち上げ、
固定レール２３の支承部２３ａ〜２３ｄの１ピッチ分だ
け移動するので、中空材２４は、第１の支承部２３ａか
ら第２の支承部へと移動する。

また、これと同時に次の中空材２４が、リフトトランス
ファ６により固定レール２３の第１の支承部２３ａへ移
されて前述した位置決めとノズ＃６６からのエアによる
冷却・清浄が行なわれる。

そして、このあと同じ動作を繰返すことにより、ランア
ウトテーブル３から次々に送られてくる中空材２４（六
クーリングテーブル１６のスライドレール２０によっ
て固定レール２３の支承部２３ａ〜２３ｄを順次移動し
てソーテープＪＬ／２８の搬送ローラ２６上へ送られる
。

そして、ソーテーブル２８上の中空材２４は、先端が定
尺機の定規板に当接するまで押し出され、切断機３１で
他端部を切断されたのち、切粉除去装置３２で切粉を除
去されて矢印Ｆ方向へ搬送、搬出される。

第６図は本考案の他の実施例を示す空気噴射ノズル装着
部の一部破断正面図であって、本実施例においては、ノ
ズル６６の数対口近傍に円錐状の反射板７１が設げられ
ており、ノズル６６からのエアが逆噴射されるように構
成されている。

これは、例えば４５φ×３５φＸ２０ｍＬ程度の比較的
短尺の中空材２４の場合に用いられる。

この場合には、逆噴射によって大気が中空材２４の他端
から吸入されこれによって中空材２４内部が冷却される
。

そして、このような短尺材の場合には、本実施例に示す
装置によって前記切粉除去装置３２を兼ねさせることが
でき設備の合理化が計れる。

なお、長尺材の場合には、エアの内部抵抗が大きくなる
ので、このような逆噴射式の装置は使用できない。

以上の説明により明らかなように、本考案によれば中空
材の押出加工装置において搬送される押出中空材の端部
通過位置に昇降自在な空気噴射ノズルを設けこれを中空
材内部へ進入させて空気を噴射させるように構成するこ
とにより、押出中空材の内部が冷却されるので、中空材
は、前段部の冷却装置とこの冷却装置とで内外を完全に
冷却され爾後の工程での取扱いが容易になるとともに、
内部が清浄化され品質が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案に係る押出中空材内部の冷
却装置を示し、第１図はこれを実施した押出加工装置の
押出中空材搬送部の平面図、第２図は第１図のＡ視正面
図、第３図は冷却装置の一部破断正面図、第４図は空気
噴射ノズル装着部の一部破断正面図、第５図は位置決め
装置の動作を示す要部の正面図、第６図は本考案の他の
実施例を示す空気噴射ノズル装着部の一部破断正面図で
ある。 ２４・・・・・・押出中空材、４０・・・・・・冷却装
置、６２・・・・・・昇降テーブル、６４・・・・・・
エアシリンダ、６６・・・・・・空気噴射ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 押出方向と直交して搬送される押出中空材の端部通過位
   置に、空気噴出ノズルを昇降自在かつ押出中空材内部へ
   進退自在に設けたことを特徴とする押出中空材内部の冷
   却装置。