JPS5934870Y2 - 冷蔵庫 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、発泡断熱材を充填する筐殻の背板内側にコン
デンサを添設した構造の冷蔵庫に関する。

最近冷蔵庫には、コンデンサを断熱筐体の外側背面に取
付けるでなく断熱筐体内に組込んだ構造のものが供され
ている。

而してこの種の冷蔵庫では、断熱筐体を作製する場合、
筐殻の背板内側にコンデンサを押え板によって押圧固定
した上で、この筐殻内に発泡断熱材を注入し、ガス抜き
を行なわしめつつ発泡固化させ、以て断熱筐体を作製す
るようにしているが、一方、そのガス抜き構造としては
、前記背板及び前記押え板に夫々対向するように孔部を
多数対形成し、この孔部な、通気は許容し且つ断熱材の
漏出は防止するところの例えばモルトブレン等から成る
所謂ソフトテープにて覆う構成を採っていた。

しかしながらこの構造では、多数有する孔部の全てにつ
いてその一つ一つにテープを要する欠点があり、しかも
このソフトテープを逐一装着する作業にも多くの労力を
要する欠点があった。

本考案は上記の事情に鑑みてなされたものであり、従っ
てその目的は、筐殻の背板内側にコンデンサを添設する
ようにしたものにおいて、ソフトテープを用いずにガス
抜きを行ない得る構成とし、以てソフトテープの使用を
全て廃止できるばかりか、その面倒な装着作業も全てな
くし得る冷蔵庫を提供するにある。

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説明するに
、まず第１図において、１は断熱筐体であり、これは筐
殻２内に発泡断熱材３を注入し充填せしめて形成したも
のであり、前記筐殻２は、外箱４内に箱形フリーザ５を
配設すると共に内箱６を配設し、さらに外箱４の背面開
口を背板７によって覆い、以て箱形に形成したものであ
る。

而してこの断熱筐体１にあってはフリーザ５内を冷凍室
８とし、内箱６内をエバポレータ９によって冷却される
冷蔵室１０としている。

１１はコンデンサで、これは第２図にも示すように蛇行
状をなすもので、筐殻２の形成前において、背板７の内
側に該コンデンサ１１を載せた状態で押え板１２をその
上から背板７に例えばスポット溶接により接合し、以て
コンデンサ１１を押え板１２によって背板７内側に抑圧
固定している。

さて、第３図及び第４図において、１３はガス抜き孔で
、これを背板７の前記押え板１２と重なる部位に多数形
成している。

１４はガス導出口で、これは、押え板１２に前記ガス抜
き孔１３を覆う部分Ｂ（第３図参照）を残して該ガス抜
き孔１３を挾む様に形成した二つの帯状開口部１５と、
該部分Ｂと押え板１２との連接部分にこの帯状開口部１
５，１５に連通する様に形成した隆起部による空洞条部
１６．１６とから、前記ガス抜き孔１３を囲む様に構成
し、従ってこのガス導出口１４は押え板１２のガス抜き
孔１３の近傍で且つ該ガス抜き孔１３からずれた部位に
位置する。

さて、このようなガス抜き孔１３及びガス導出口１４を
有する筐殻２において、発泡断熱材３を注入して断熱筐
体１を形成する場合、発泡断熱材３の発泡ガスはガス導
出口１４（即ち帯状開口部１５及び空洞条部１６）から
背板７と押え板１２との間に不可避的に形成された極く
小さな隙間を通してガス抜き孔１３より筐殻２外方へ排
出される。

而して発泡断熱材３の発泡が進んでゆくと、この発泡断
熱材３がガス導出口１４部分を覆うようになるが、この
ときガス抜き孔１３とガス導出口１４とがずれた位置関
係にあるから、発泡断熱材３はガス導出口１４に詰まる
だけで押え板１２と背板７との上述の如き極く小さな隙
間から、延いてはガス抜き孔１３から漏出するというほ
どには至らず、従って発泡ガスのみが前述のように帯状
開口部１５．１５及び空洞条部１６，１６かも上記隙間
を通ってガス抜き孔１３から外部へ排出され、斯くして
発泡ガスのみの排出が行なわれるこのように本実施例に
よれば、ガス導出口１４をガス抜き孔１３に対して直接
連通させるのではなく該ガス抜き孔１３の周囲に形成し
て、ガス抜き孔１３からずらす様にしたので、ソフトテ
ープな用いずして、発泡断熱材３の漏出を防止しながら
のガス抜きを行なわしめ得、これにてソフトテープの使
用を全て廃止できるばかりか面倒であったそのソフトテ
ープの装着作業も全てなくし得る殊にこの場合ガス導出
口１４は本来コンデンサ押え用として必要な既存の押え
板１２に形成したから、単にソフトテープの使用を廃止
できることに溜まらず押え板１２の有効利用も図り得る
。

しかも、ガス導出口１４を、帯状開口部１５とこの帯状
開口部１５に連通ずる空洞条部１６とで前記ガス抜き孔
１３を囲う構成としたので、ガス抜き孔１３に対しあら
ゆる方向から発泡ガスを導くことができ、よって極めて
容易に発泡ガスな抜くことができる。

ところで、この効果を得るためにガス抜き孔に対しそれ
を取巻く環状のガス導出口を形成しようとすれば、ガス
抜き孔を覆うための部材が押え板とは切離されて別部品
として必要となることが通常であるが、本実施例によれ
ば、帯状開口部１５を押え板１２にガス抜き孔１３を覆
う部分Ｂを残す様に形成し、該部分Ｂ−と押え板１２と
の連接部分に空洞条部１６を形成したから、ガス抜き孔
１３を覆うための部材（第３図中部分Ｂに相当）を押え
板１．２から切離すことなく一体に形成でき、よって押
え板１２を一層有効に利用でき、さらに別体の覆い部材
を貼着する煩しさやガス抜き孔１３と位置合わせする面
倒も全くなく、組立作業性の向上を図り得る。

尚上記実施例では、帯状開口部１５を二つ形成したが、
該帯状開口部は例えばガス抜き孔をコ字状に囲んで該ガ
ス抜き孔を覆う部分を舌片状に残す様に形成してもよく
、この場合、該部分と押え板との連接部分は一箇所とな
るからその一つの連接部分に空洞条部な形成すればよい
。

その細体考案は上記し且つ図面に示す実施例にのみ限定
されるものでなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更し
て実施できる。

本考案は以上説明したように、筐殻内に発泡断熱材を注
入し充填して成る断熱筐体を有し且つ前記筐殻の背板内
側にコンデンサを押え板によって抑圧固定するようにし
た冷蔵庫において、前記背板の前記押え板と重なる部位
にガス抜き孔を形成し、且つ、前記押え板に前記ガス抜
き孔を覆う部分を残して帯状開口部を形成すると共に、
該部分と前記押え板との連接部分に前記帯状開口部に連
通して該帯状開口部とで前記ガス抜き孔を囲むガス導出
口を構成する空洞条部を形成したことを特徴とするもの
であり、これにより、ソフトテープを用いずして、発泡
断熱材の漏出を防止しながらのガス抜きを行なわしめ得
、よってソフトテープの使用を全て廃止できるばかりか
従来から非常に面倒であったそのソフトテープの装着作
業も全てなくし得、さらに、ガス抜き孔に対しあらゆる
方向からガスを導き得るので、ガス抜き効果が極めて高
く、加えて、ガス抜き孔を覆うための覆い部材を別途要
せずして組立作業性の向上も図り得、しかも本来コンデ
ンサ固定のために存する押え板を、これら効果を実現す
るために利用できるとち・う優れた効果を奏する冷蔵庫
を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図の全体の縦断側
面図、第２図はコンデンサ装着状態での背板の斜視図、
第３図は第２図中Ａ部分の拡大斜視図、第４図は第３図
のＩＶ−ＩＶ線断面図である。 図中、１は断熱筐体、２は筐殻、３は発泡断熱材、７は
背板、１１はコンデンサ、１２は押え板、１３はガス抜
き孔、１４はガス導出口、１５は帯状開口部、１６は空
洞条部、１７はガス導出口、１８は孔、Ｂはガス抜き孔
を覆う部分である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筐殻内に発泡断熱材を注入し充填して成る断熱筐体を有
   し且つ前記筐殻の背板内側にコンデンサを押え板によっ
   て抑圧固定するようにしたものにおいて、前記背板の前
   記押え板と重なる部位にガス抜き孔を形成し、且つ、前
   記押え板に前記ガス抜き孔を覆う部分を残して帯状開口
   部を形成すると共に、該部分と前記押え板との連接部分
   に前記帯状開口部に連通して該帯状開口部とで前記ガス
   抜き孔を囲むガス導出口を構成する空洞条部を形成した
   ことを特徴とする冷蔵庫。