JPS5934232Y2 - イヤ−スピ−カ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スピーカを耳介に装着してスピーカからの音
を聴取するようになしたイヤースピーカに関するもので
ある。

斯かるイヤースピーカには、耳介へのスピーカの装着の
仕方などによって分類される種々のものがある。

捷ず、ベッドバンドの弾力によってスピーカユニットを
耳介に装着保持する押圧力を得るようにしたヘッドホン
と呼ばれるものがあるが、このヘッドホンでは、側頭部
或は耳介上に大きな圧力がかかり使用感は良好とは云え
ない。

またその構造上、スピーカユニットを耳介上にのせて音
を聴取する方法がとられるため、外耳道入口とスピーカ
ユニットとの間に距離が生じ、その間の空気室の容積も
大きなものとなり、スピーカユニットから放射される音
響エネルギーのごく一部が外耳道に供給されるだけで、
それ以外は有効でなく効率が高いとは云えない。

また、この部分の音響回路やスピーカユニット及び耳介
表面での反射が音響特性にも影響を与えるため、これら
が製品としての１とめ難さの一因ともなっていた。

次ニ、スピーカユニットのケースの一部をループ状にな
し、このループを耳介に引掛けてスピーカユニットを耳
介上に保持するようにした耳かけイヤースピーカがある
が、その装着性は不安定で良好でなく、またその着脱も
行ない難い。

更に、この場合でも、スピーカユニットは耳介上に接す
るか、若しくはそれに近い位置に保持されるため、その
音響％性については上述のヘッドホンと同様のことが云
える。

更（” ％スピーカユニットの前面の音響管によりスピ
ーカユニットを耳介の一部に引っかけた状態をバンドの
押圧力によって保持するようにしているステトホン或は
票かけイヤースピーカと呼ばれるものや、音響管として
働くイヤープラグを外耳道孔に挿入することによって保
持するようにした一般にイヤーホンと呼ばれるものがあ
るが、いずれのものも装着性が不安定で、抜は易く、ま
た使用感が良くない。

また、音響管を介して音を放射する構造であるため、音
響特性を良好にできない。

上述のように、従来のイヤースピーカは、これからの音
響機器の市場ニーズとしての小型高性能という要求に適
合することができない。

そこで、本願出願人は先に、スピーカユニットとこのス
ピーカユニットを内蔵するケースとを備え、耳介の耳珠
と対珠との間の耳甲介腔のくぼみ部に装着され得、かつ
上記くぼみ部への装着状態を耳介の上記耳珠と対珠との
弾性力と摩擦力とによって保持され得る形状、大きさに
形成してなり、小型、軽量で携帯性に優れると共に、イ
ヤースピーカを耳介の一部分の自然な弾性力によって保
持することができるようになって、耳介に装着保持する
ために押圧力を外部から与えたり、或いはその一部を外
耳道内に挿入したりする必要がなくなり、装着部分に無
理な力がかからず、使用感が良好になる他、外部にはコ
ードが接続されるだけであって、装着保持が確実に行な
い得、渣たスピーカユニットが外耳道に非常に近い位置
にあるため外部への音の逃げが少なくなると共に、音の
云搬空間が小さくなって能率が良くなり、更に音響管を
持たないため、広帯域の周波数特性を持たせることがで
き、特に動電型のスピーカユニットを採用した場合には
、ＨＩＦＩ用ヘッドホンと比較しても遜色ない音質が得
られるイヤースピーカを提案している。

上述したように耳甲介腔に装着するイヤースピーカは、
耳介の極く限られた空所内に装着して使用するもので、
その寸法が非常に小さいことが特徴であるが、一般のヘ
ッドホンと同様に、その装着状態によってその音響特性
、厳密には外耳道への音響伝達特性が影響を受けるため
、その装着はそれが単に耳介内に納１れば良いというわ
けでなく、所定の位置に正しい姿勢で行なわなれなけれ
ばならない。

本考案は上述した点に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、耳甲介腔に装着するイヤースピーカに
おいて、装着の際の位置出しを簡単に行なうことができ
るようになしたイヤースピーカを提供することにある。

以下本考案の実施例を図面について説明する。

第１図において、１０は動電型スピーカユニットで、磁
気回路の磁気ギャップ中に配したボイスコイルに交流信
号を流してボイスコイルとこれに連結した振動板とを振
動させて交流信号に応じた音を発生するように働く。

１１は前面に音孔１１ａを、背面に突起部１１ｂをそれ
ぞれ有するケースで、このケース１１内には、音孔１１
ａ側に上記スピーカユニット１０が、とのスピーカユニ
ット１０とケース１１の底部との間に吸音材１２がそれ
ぞれ固定されて収容されている。

ケース１１の音孔１１ａの前面は、発泡ウレタンフオー
ムなどの多孔質弾性体又は音響的透過性を有するカバー
１３が覆われている。

上記スピーカユニット１０には、外部から電気信号を受
けるためのコード１４がケース１１の側壁を貫通して接
続されている○ ところで、上記ケース１１は、スピーカユニット１０の
収容部分が同径の筒状をなし、かつスピーカユニット１
０と吸音材１２とをそれぞれ収容している部分を境にし
てスピーカユニット１０の後方に向って径が小さくなる
ようなテーパ面１１ｃを有する。

上述した構成のイヤースピーカは、第２図に示すように
、耳介の外耳道（図では見えない）の直前の、耳珠ａと
対珠すとの間の耳甲介腔Ｃのくぼみ部にケース１１ごと
嵌め込捷れて装着され、かつその装着状態が耳介の耳甲
介腔Ｃと耳珠ａ及び対珠すの弾性力及び摩擦力とによっ
て保持され得る形状、大きさに形成されている。

このイヤースピーカのケース１１の前面にあるカバー１
３は、イヤースピーカを耳介の耳甲介腔Ｃのくぼみ部に
装着したとき、外耳道の入口に当接されて耳甲介腔Ｃの
形状に倣って変形され、耳介の装着部に対するクッショ
ンとして働く。

寸た装着状態では、ケース１１のアーパ面１１ｃに耳介
の耳珠ａ及び対珠すが当接してイヤースピーカが耳介の
各組織にスツポリと包み込１れた状態になって耳珠ａと
対珠すの弾性力及び摩擦力によって保持され、コード１
４が、珠間切痕ｄを通じて外部に引出される。

上記ケース１１の背面の突起部１１ｂは、第２図におい
てイヤースピーカが耳介の所定の位置に正しい姿勢で装
着されていなしとき、それを指で摘んでケース１１を動
かし、イヤースピーカを正しい姿勢で所定の位置に装着
できるように操作すると共に、耳介へのイヤースピーカ
の着脱のために使用されるが、この突起部１１ｂはアル
ミニウム等の軽金属、プラスチックからなるケース１１
に一体成形により、又は別体物として設けることができ
る。

捷た、突起部１１ｂの高さは、装着状態でそれが耳珠ａ
１対珠す及び耳甲介腔Ｃで囲１れる空所から外側に突出
する程度のもので、指で摘み易くするため偏平な形状と
されている。

この偏平な突起部１１ｂはイヤースピーカの回転方向の
位置を判断する上でも有効である。

第３図は本考案のイヤースピーカの他の実施例を示し、
２０はスピーカユニット、２１はこのスピーカユニット
２０を内蔵するケースで、ケース２１内にはスピーカユ
ニット２０に電気的に接続されている受は端子２２ａを
有する端子板２２がスピーカユニット２０の後方に固定
されて収容されている。

ケース２１の前面には音孔２１ａが明られると共に、こ
の音孔２１ａと連通ずる孔を有するイヤーパッド２３が
貼合され、ケース２１の背面には、受は端子２２ａと接
触して電気的に接続されるプラグ２４が挿脱される一対
のプラグ孔２１ｂが明られている。

プラグ２４には、スピーカユニット２０に電気信号を供
給するためのコード２５の一端が接続されていて、この
接続端を樹脂モールドして形成したプラグケース２６が
設けられている。

上記プラグケース２６は、プラグ２４をプラグ孔２１ｂ
を介して受は端子２２ａに嵌合させて接続したとき、ケ
ース２１の背面に突出した形となるので、第１図につい
て上述した突起部１１ｂと同じようにイヤースピーカの
位置出しに使用できるようになる。

第４図ａは、第１図に示すイヤースピーカを一対使用し
てステレオ（パイノーラル）受聴等をする際、コードの
巻き付けができ、捷た取扱いが便利であるように、アゴ
の下を通るＵバンド４０で２つのイヤースピーカを連結
した状態を示し、Ｕバンド４０へのイヤースピーカの取
付けは、第４図すに一部分を拡大して示すように、ケー
ス１１の背面に突設した突起部１１ｂをバンド４０の各
端に設けた取付部４０ａに着脱自在に嵌合することによ
って行なわれる。

この着脱自在な嵌合状態の詳細は第４図Ｃに示されてお
り、バンド４０の取付部４０ａの凹所４σａに形成した
溝４σａに径方向に弾性力を有するＣ型スプリング４
ｄ”ａを嵌め込み、このＣ型スプリング４σ′ａの弾性
力抗してケース１１の突起部１１ｂを凹所４σａに押込
んでＣ型スプリング４σ′ａを突起部１１ｂのＶ字状切
欠１１′ｂに係合せしめている。

この状態で、突起部１１ｂを凹所４σａから引出せば、
イヤースピーカからバンド４０を外すことができ、バン
ド４０を外した状態での突起部１１ｂは位置出しのため
の摘みとして使用できる。

第５図ａ及びｂは、第３図のイヤースピーカを、第４図
ａの場合と同じ目的で、ヘッドバンド５０の各端に設け
た取付部５０ａＫ着脱自在に連結した例を示し、その連
結状態は第４図Ｃの場合と同じである。

第６図は、プラグケース２６を９（５）回転してヘッド
バンド６０の各端に穿った取付孔６０ａに差し込み、元
の角度に戻すことにより、プラグケース２６に設けたく
びれ部２６ａを取付孔６０ａの切欠６０′ａに引掛けて
プラグケース２６をヘッドバンド６０に取付は得、かっ
この操作と逆にプラグケース２６を動かすことによって
ヘッドバンド６０からプラグケース２６を外すことがで
きるようになった取付構造の変形例を示す。

なお、第４図Ｃ及び第６図にそれぞれ示したＵバンド４
０及びヘッドバンド６０へのイヤースピーカの連結の仕
方は、第１図及び第３図のイヤースピーカのいずれにも
任意に適用でき、図示の実施例に制限されな一 本考案は上述したように、スピーカユニットを内蔵した
ケースには、前記イヤースピーカを前記くぼみ部に装着
したとき、前記耳甲介腔、耳珠及び対珠で囲ｌれる空所
から突出する偏平状の突起部をケースの内部空所を画成
する壁と独立にケース背面に設けているため、突起形状
をケースの内部空所の形状に左右されずに偏平状に形成
でき、ケースに対する該突起部の方向性を付与できるこ
とになり、この突起部を摘んでケースを動かすことによ
って、イヤースピーカが所定の位置に正しい姿勢で装着
されるように位置出しが極めて容易にできると共に、く
ぼみ部へのイヤースピーカの装着、及びくぼみ部からの
イヤースピーカの取外しが容易になるなど多くの実用的
に有効な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案によるイヤースピーカの実施例を示し、第
１図は一実施例を示す断面図、第２図は第１図のイヤー
スピーカの耳介への装着状態を示す斜視図、第３図は一
部分破断せずに示す他の実施例の断面図、第４図ａは一
対の第１図のイヤースピーカをバンドで連結した状態を
示す斜視図、第４図すは第４図ａの一部分の拡大斜視図
、第４図Ｃは第４図の一部分を拡大して示す側断面図、
第５図ａは一対の第３図のイヤースピーカをヘッドバン
ドで連結した状態を示す斜視図、第５図すは第５図ａの
一部分の拡大斜視図、及び第６図はバンドへの第３図の
イヤースピーカの取付方法の変形を示す斜視図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スピーカユニットとこのスピーカユニットヲ内蔵するケ
   ースとを備え、耳介の耳珠と対珠との間の耳甲介腔のく
   ぼみ部に装着され得、かつ前記くぼみ部への装着状態を
   耳介の前記耳珠と対珠との弾性力と摩擦力とによって保
   持され得る形状、大きさに形成してなるイヤースピーカ
   に釦いて、前記ケースには、前記イヤースピーカを前記
   くぼみ部に装着したとき、前記耳甲介腔、耳珠及び対珠
   で囲筐れる空所から突出する偏平状の突起部をケースの
   内部空所を画成する壁と独立にケース背面に設けたこと
   を特徴とするイヤースピーカ。