JPS5912235B2 - イヤ−スピ−カ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、スピーカを耳介に装着してスピーカからの音
を聴取するようになしたイヤースピーカに関するもので
ある。

斯かるイヤースピーカには、耳介へのスピーカの装着の
仕方などによって分類される種々のものがある。

まず、ヘッドバンドの弾力によってスピーカユニットな
耳介に装着仇持する押圧力を得るようにしたヘッドホン
と呼ばれるものがあるが、このヘッドホンでは、側頭部
或は耳介上に大きな圧力がかかり使用感は良好とは云え
ない。

またその構造上、スピーカユニットを耳介上にのせて音
を聴取する方法がとられるため、外耳道入口とスピーカ
ユニットとの間に距離が生じ、その間の空気室容積も大
きなものとなり、スピーカユニットから放射される音響
エネルギーのごく一部が外耳道に供給されるだけで、そ
れ以外は有効でなく効率が高いとは云えない。

また、この部分の音響回路やスピーカユニット及び耳介
表面での反射が音響特性にも影響を与えるため、これら
が製品としてのまとめ難さの一因ともなっていた。

次に、スピーカユニットのケースの一部をルーフ状にな
し、このループな耳介に引掛けてスピーカユニットを耳
介上に保持するようした耳かけイヤースピーカ／ｌ’−
あるが、その装着性が不安定で良好でなく、またその着
脱も行ない難い。

更（Ｃ１この場合でもスピーカユニットは耳介上に接す
るか、若しくはそれに近い位置に保持されるため、その
音響特性については上述のヘッドホンと同様のことが云
える。

更に、スピーカユニットの前面の音響管によりスピーカ
ユニットな耳介の一部に引っかけた状態をハンドの押圧
力によって保持するようにしているステトホン或は顎か
けイヤースピーカと呼ばれるものや、音響管として働く
イヤープラグを外耳道孔に挿入することによって保持す
るようにした一般にイヤーホンと呼ばれるものがあるが
、いずれのものも装着性が不安定で、抜は易く、また使
用感が良くない。

また、音響管を介して音を放射する構造であるため、音
曽特注を良好にできない。

上述のように、従来のイヤースピーカは、これからの音
響機器の市場ニーズとしての小型高性能という要求に適
合することができない。

本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、小型、高性能でしかも装着性の優れた
新規のイヤースピーカを提供することにある。

以下本発明の実施例を図面について説明する。

第１図において、１０は磁気回路の磁気ギャップ中に配
置したボイスコイルに交流信号を流してボイスコイルと
これに連結した振動板とを振動させるようになした動電
型スピーカユニット、１２はアルミニウムなどの軽金属
又は硬質プラスチックなどで形成されたケースで、一端
が開口されたキャップ状をなし、このケース１２内には
、スピーカユニット１０がその開口部に固定され、かつ
吸音材１３がスピーカユニット１０とケース底部との間
に介在されてそれぞれ収容されている。

ケース１２の開口の前面は発泡ウレタンフオームなどの
多孔質弾性体又は音響的透過性を有するカバー１４で覆
われている。

スピーカユニット１０には、外部から電気信号を受ける
ための一組のコード１５がケース１２の側壁を貫通して
接続されている。

ところで、上記キャップ状のケース１２は、スピーカユ
ニット１０の収容部分で同径の筒状をなし、かつスピー
カユニット１０と吸音材１３とをそれぞれ収容している
部分を境にしてスピーカユニット１０の後方に向って径
が小さくなるようにテーパ面１２ａが付されている。

上述した構成のイヤースピーカは、第２図に示す耳介に
装着されて保持されるものであるが、耳介には、外耳道
（耳孔）ａの入口の直前に耳甲介腔すのくぼみ部があり
、その周囲には耳輪脚Ｃや対耳輪ｄなどがある。

また、側頭部のつけ根には耳珠ｅがあり、この耳珠ｅと
共に耳甲介腔す及び外耳道ａの入口を覆う形に対珠ｆが
配され、耳珠ｅと対珠ｆとの間には株間切痕ｇがある。

上記耳珠ｅ、対珠ｆ及び耳甲介腔すは、主に軟骨によっ
てその形が作られ、それらの表面は弾性をもった皮膚な
どの表面組織で包まれていて、充分な柔さを持ち、また
各軟骨も曲げ弾性力を有する。

従って、上述した構成のイヤースピーカは、第３図に示
すように、耳介の外耳道ａの直前の、耳珠ｅと対珠ｆと
の間の耳甲介腔すのくぼみ部にケース１２ごと嵌め込ま
れて装着され、かつその装着状態が耳介の耳甲介腔すと
耳珠ｅ及び対珠ｆの弾性力及び摩擦力とによって保持さ
れ得る形状、大きさに形成されている。

このように耳介の所定の場所に装着されたイヤースピー
カの前部にあるカバー１４は、外耳道ａの入口に当接さ
れて耳甲介腔すの形状に倣って変形され、耳介の装着部
に対するクッションとして働く。

またこの状態で、イヤースピーカのケース１２のテーパ
面１２ａには耳介の耳珠ｅ及び対珠ｆが当接してイヤー
スピーカが耳介の各組織にスツポリと包み込まれた状態
になって耳珠ｅと対珠ｆの弾性力及び摩擦力によって保
持され、コード１５が株間切痕ｇを通じて外部に引出さ
れる。

なお、第６図は更に他の実施例を示し７、磁気回路１０
ａ、振動板１０ｂなどと共にスピーカユニット１０を構
成しているフレーム１０ｃの外周面が外部に露出してケ
ース１２０大径部と同一面となるように、スピーカユニ
ット１０がケース１２に内蔵され、かつスピーカユニッ
ト１０のフレーム１０ｃの開口部にカバー１４が貼着さ
れたサンドイッチ構造をなり、％またケース１２には、
スピーカユニット１０の後方に向って小径となるように
テーパ面１２ａが付されて、イヤースピーカのスペース
効率のより一層の向上が計られている。

本発明は上述したように、スピーカユニットを内蔵する
ケースは、スピーカユニットの収容部分で同径の筒状と
なすと共に、該筒状部と該筒状部より小径のケース背面
とをテーパ面で連結して構成してなり、耳介の耳珠と対
珠との間の耳甲介腔のくぼみ部に装着したとき、ケース
の上記テーパ面が上記耳珠と対珠とにより包み込まれて
、上記くぼみ部への装着状態ｈ′＝耳介の上記耳珠と対
珠との弾性力と摩擦力とによって保持されめう形状、大
きさに形成したものである。

このため、小型、軽量で携帯性に優れると共に、イヤー
スピーカが耳介の一部分の自然な弾性力によって保持さ
れるようになって、耳介に装着保持するために、押圧力
を外部から与えたり、或はその一部を外耳道内に挿入し
たりする必要がなくなり、装着部分に無理な力がかから
ず、使用感カー良好になる他、外部にはコードが接続さ
れるだけであって、装着保持が確実に行ない得る。

また、スピーカユニットが引耳道に非常に近い位置にあ
る； ため、外部への音の逃げｈ′−少なくなると共に
、音の伝搬空間が小さくなって能率が良くなる。

更に、音響管を持たないため、広帯域の周波数特性を持
たせることができ、特に動電型のスピーカユニットを採
用した場合には、ＨＩＦＩ用ヘッドホンと比較しても遜
色ない音質が得られる。

特に、ケースにテーパ面付し、この面を耳珠と対珠に当
接させて保持しているため、装着保持が安定して装着感
が良好になると共に、スピーカユニットのための空間が
相対的に犬さくなってスペース効率が高くなって、音響
特性が良好になりかつ安定するなどの優れた効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるイヤースピーカの一実施例を示す
断面図、第２図は耳介を斜め前より見た斜視図、第３図
は耳介への本発明によるイヤースピーカの装着保持状態
を示す斜視図、第４図は第３図の装着保持状態を顔の一
部分を破断して頭上から見た図、及び第５図は本発明に
よるイヤースピーカの他の実施例を示す断面図である。 １０・・・スピーカユニット、１２・・・ケース、１２
ａ・・・テーパ面、１２’ａ・・・アール面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スピーカユニットとこのスピーカユニットを内蔵す
   るケースとを備え、耳介の耳珠と対珠との間の耳甲介腔
   のくぼみ部に装着され得、かつ前記くぼみ部への装着状
   態を耳介の前記耳珠と対珠との弾性力と摩擦力とによっ
   て保持され得る形状、大きさに形成してなるイヤースピ
   ーカであって、前記ケースは、前記スピーカユニットの
   収容部分で同径の筒状となすと共に、該筒状部と該筒状
   部よりｌＪ姪のケース背面とをテーパ面で連結して構成
   し、とのテーパ面を前記耳珠と対珠とによって包み込む
   ようになしたことを特徴とするイヤースピーカ。