JPS5933577Y2 - 立形主軸ヘツド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は立形主軸ヘッドに関し、その目的は、主軸ヘッ
ドの熱変位を防止し加工精度の向上を図ったことである
。

従来、主軸を垂直軸線の回わりで回転可能に軸承した主
軸ヘッドでは、軸受部分に釦いて発生する熱により主軸
ヘッドが熱変形を起し、その結果、主軸軸線が傾いて加
工精度が低下する問題があった。

本考案は上記従来の問題を解決したもので、その特徴は
、主軸を回転可能に軸承する筒状リム部の外周囲に潤滑
油タンクを設けて主軸の軸受部分の局部的な温度上昇を
抑制するようにしたことである。

以下本考案の実施例を図面により説明する。

１はコラム、２は該コラム１に昇降摺動可能に装着した
主軸ヘッド、２２は昇降用の送りねじ軸である。

３は前記主軸ヘッド１に垂直軸線の回りで回転自在に軸
承された主軸である。

この主軸３の軸承においては、主軸ヘッド１の略下半部
に筒状リム部４を設け、この筒状リム部４内にベアリン
グ５ａ、５ｂを介して主軸３の略下半部を軸承し、また
主軸３の上部はベアリング６を介して主軸ヘッド２に軸
承する。

前記主軸３の回転駆動機構は、主軸ヘッド２上に駆動モ
ータ１を固設し、その出力軸に駆動ギヤ８を結合する。

そして、駆動ギヤ８と前記上＠３との中間位置に主軸３
の軸線と平行な軸線のスプライン軸９を上下端でベアリ
ング１０ａ、１０ｂを介して回転自在に主軸ヘッド２に
軸承し、これに大径ギヤ１１と小径ギヤ１２とが一体に
形成されたアイドラギヤをスプライン嵌合させ、前記大
径ギヤ１１は常時駆動ギヤ８に噛合する。

オた、主軸３の軸上には前記アイドラギヤの大径ギヤ１
１にのみ噛合する小径ギヤ１３と、アイドラギヤの小径
ギヤ１２にのみ噛合する大径ギヤ１４よりなる従動ギヤ
を有し、アイドラギヤの上下摺動切替によって主軸３の
回転を変速可能とした構造によるものである。

そこで本考案は、前記筒状リム部４の周囲で前記スプラ
イン軸９の直下を含む範囲の潤滑油タンり１５を主軸ヘ
ッド２に形成する。

尚この潤滑油タンク１５の上面は水平リム２５に形成さ
れた適当数の通し穴２６を介してギヤ室２７に開口して
いる。

そして、主軸３の上方のベアリング６の近傍とスプライ
ン軸９の上方のベアリング１０ａの近傍とに潤滑油の供
給穴１７，１８を設け、前記潤滑油タンク１５の下部に
設けた吐出穴１９とポンプ２０並びに配管２１によって
接続したものである。

尚図中の１６は潤滑油タンク１５内に溜められている潤
滑油、１７ａは供給穴１７からベアリング６に連通ずる
導通路である。

また、主軸３の下方のベアリング５ａ 、ｓｂはグリー
スによって潤滑されているため、このベアリング５ａ、
５ｂへ潤滑油が流入しないよう前記大径ギヤ１４にはラ
ビリンスからなるオイルシール２３が形成されている。

本考案は上記の通りの構造であるから、主軸３をグリー
ス潤滑によって保持しているベアリング５ａ、５ｂの軸
承部分は筒状リム部４の周囲の潤ｆｆｉ油タンク１５内
に溜められている潤滑油１６の冷却作用によって温度上
昇が抑制される。

昔た、ポンプ２０によって汲み揚げられ、配管２１によ
り各供給穴１７．１８に供給される潤滑油は、一方は主
軸３の上方ベアリング６を通り、従動ギヤの小径ギヤ１
３並びに大径ギヤ１４に沿って流下し、再び潤滑油タン
ク１５内に回収される。

他方はスプライン軸９の上方ベアリング１０ａを通り、
アイドラギヤの大径ギヤ１１並びに小径ギヤ１２に沿っ
て流下し、さらに下方ベアリング１０ｂを通って潤滑油
タンク１５内に回収される。

このように本考案の立形主軸ヘッドは、層形をした主軸
ヘッド内に筒状リム部を垂直軸線方向に延出形成し、こ
の筒状リム部内に前記主軸ヘッドより突出する尖端部に
工具等を装着支持する主軸を垂直軸線の回りで回転可能
に軸承し、筒状リム部の外周囲に潤滑油タンクを設けた
構成であるため、発熱しやすい主軸の軸受部分をその外
周側より効果的に冷却することができ、主軸ヘッドの局
部的な熱変形、さらにはそれに伴う加工精度の低下を防
止することができる利点を有する。

またベアリングあるいは回転力伝達系のギヤを介して潤
滑油を流下させ、これを潤滑油タンク内に回収する構成
であるため、ギヤの潤滑油をその１昔主軸の軸受の冷却
用に使用することができ、主軸の軸受部分に特別な冷却
手段を設ける必要がなく、構成が簡単になる利点を有す
る。

しかも前記潤滑油タンクと主軸の軸受部分とは筒状リム
部によって完全に区画されているため、潤滑油が軸受部
分の潤滑油に混入したりあるいはこの軸受部分を介して
外部へ洩れを完全に防止できる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の縦断面図である。 １・・・コラム、２・・・主軸ヘッド、３・・・主軸、
４・・・筒状リム部、５ａ、５ｂ・・・ベアリング、６
・・・ベアリング、７・・・駆動モータ、８・・・駆動
ギヤ、９・・・スプライン軸、１１・・・大径ギヤ、１
２・・・小径ギヤ、１３・・・小径ギヤ、１４・・・大
径ギヤ、１５・・・潤滑油タンク、１６・・・潤滑油、
１７．１８・・・供給穴、１９・・・吐出穴、２０・・
・ポンプ、２１・・・配管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 酸形をした主軸ヘッド内に筒状リム部を垂直軸線方向に
   延出形成し、この筒状リム部内に前記主軸ヘッドより突
   出する尖端部に工具等を装着支持する主軸を垂直軸線の
   回りで回転可能に軸承し、この主軸の上部に駆動モータ
   と噛合連結されるギヤを固着してなる立形主軸ヘッドで
   あって、前記ギヤの直下に筒状リム部の外周を取巻くよ
   うに潤滑油タンクを設け、この潤滑油タンクにはそのタ
   ンク内の潤滑油を汲上げるポンプを接続し、このポンプ
   の吐出側を前記主軸の上方に設けられたベアリングある
   いはギヤの近傍に開口する導通路に配管接続したことを
   特徴とする立形主軸ヘッド。