JPS5933558Y2 - 自動ねじ締め機における動力伝達装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転駆動源の回転を回転軸系を介してビットに
伝達し、このビットによりキャッチャ−に保持されたね
じをワークに１個宛締付ける自動ねじ締め機において、
この回転軸系の回転を回転軸系の長さや屈曲に関係なく
安定伝達可能にする動力伝達装置に関するものである。

現在一般に使用されている定置式の多軸自動ねじ締め機
は第１図に示すようなものであり、１はへラドベース２
を固定したコラムであり、ヘッドベース２は上部に電動
モータ３と昇降用エアーシリンダ４を有している。

また５はヘッドであり、このヘッド５はへラドベース２
に支持されたガイドロッド６を案内として昇降可能であ
り、その昇降動作はエアーシリンダ４により与えられて
いる。

ねじ締付けのための回転力は電動モータ３からベルト７
、シャフト８、ヘッド５内に収納されている動力分配機
構（図示せず）、クラッチ９を経て駆動軸１０から２個
のユニバーサルジヨイント、ジヨイント主軸及びジヨイ
ント従軸とからなる回転軸系に伝達され、この回転軸系
の先端に取付けられてねじの頭部溝に係合するビット１
１によりねしく図示せず）に回転が与えられている。

この場合ねじはキャッチャ−１２に保持され、このキャ
ッチャ−１２はキャッチャ一台１３に固定されている。

このキャッチャ一台１３はヘッド５に一端が固定された
ロッド１４に装着した第１のスプリング１５によりこの
ロッド１４の下端のナツト１６に接する昔で押圧されて
いるので常時はヘッド５と一体的にガイドロッド６を案
内として昇降動作するものである。

またキャッチャ一台１３は前記ロッド１４を案内として
昇降可能でもあり、第１のスプリング１５０弾発力に抗
してキャッチャ一台１３が下降を阻止された時のみヘッ
ド５とキャッチャ一台１３は相対移動する。

一方、前記回転軸系の下端のビット１１はキャッチャ−
１２に取付けられたチューブ１７内で回転自在に支持さ
れている。

このように回転軸系の上部はクラッチ９で、またその下
部のビット１１はチューブ１７の内壁に当接して支持さ
れるので、回転軸系がユニバーサルジヨイントの部分で
屈曲する。

しかも、ユニバーサルジヨイント間のジヨイント主軸ま
たはジヨイント従軸のどちらも伺んらの支持もなされて
いないので、回転を行なう回転軸系は振れが生ずること
があり、正確且つ安定したねし締めトルクを伝達するこ
とが困難である。

また同時に２つ以上のねじを締付ける多軸自動ねじ締め
機の場合、このねじ締めピッチが狭いとキャッチャ−を
適合キャッチャ−に交換するとともに回転軸系とビット
も互いに接触しないよう前記駆動軸１０を隣接するもの
に対して離して配置する必要があり、このたち回転軸系
の傾きが大きくなって、ビット１１がキャッチャ一台１
３から釣り上げられた状態となり、ビット１１を回転自
在に支える個所が十分に得られず、従って回転軸系の振
れが増大する等の問題がある。

本考案はこのような問題に鑑みて案出されたものであり
、以下本考案を第２図及び第３図に基づき説明する。

１８は前記ヘッド５内の動力分配機構により分配された
回転動力を夫々伝達するクラッチ９を取付げ、ヘッド５
と一体昇降動作を行なう支持プレートであり、クラッチ
９からの回転動力は駆動軸１０から回転軸系を構成する
第１のユニバーサルジヨイント１９、ジヨイント主軸２
０、ピン２１、スリーブ２２、ジヨイント従軸２３、第
２のユニバーサルジヨイント２４を介してキャッチャ−
１２内に回転且つ往復摺動自在に遊挿されたビット１１
の上端に伝達される。

ジヨイント主軸２０に貫通固定したピン２１はスリーブ
２２に穿設した長穴２２ａに係止されており、このピン
２１は長穴２２ａに往復摺動自在である。

また第１のユニバーサルジョインＮ９とスリー７”２２
の上端との間には第２のスプリング２５が配設してあり
、この第２のスプリング２５は常時スリーブ２２を下方
へ付勢している。

更に前記回転軸系のジヨイント従軸２３は第３図に示す
ように支持部材２６に設けた球面軸受２７で回転自在に
支持してあり、この支持部材２６は前記支持プレート１
８の下面に固定したアーム２８に取付げたガイドサポー
ト２９に水平方向に往復摺動自在に挿入したスライド軸
３０の先端に螺結されている。

このスライド軸３０はガイドサポート２９とスライド軸
３０の後端との間に配設した第３のスプリング３１によ
り常時後方へ移動するよう付勢されている。

次に本考案の作用を説明すると、前記回転軸系の上部は
クラッチ９で、又その下部のビット１１ハキヤツチヤー
１２に当接して支持されるので、回転軸系はユニバーサ
ルジヨイント１９，２４で屈曲する。

この時、ユニバーサルジヨイント１９゜２４間に配置さ
れたジヨイント従軸２３は球面軸受２７で支えられてお
り、しかもこの球面軸受２７を保持する支持部材２６が
第３のスプリング３１により一方方向に付勢されている
ため、ジヨイント従軸２３はその傾斜を球面軸受２７に
規制されて回転し、従って、回転軸系の振れを減少させ
ることができる。

更にこの球面軸受２７を設けた支持部材２６を往復摺動
可能なスライド軸３０に螺結し、このスライド軸３０を
第３のスプリング３１により付勢しているので、ねじ締
め作業においてビット１１に推力を与える作用を受けて
第１のユニバーサルジヨイント１９と第２のユニバーサ
ルジヨイント２４との間の傾きが変ってもねじ締めトル
クをそこなうことなく十分にこの傾きに対応して支持す
ることができるようにしたものである。

以上説明したように本考案は電動モータの回転を受けて
回転する駆動軸とビットとの間に２個のユニバーサルジ
ヨイント、ジヨイント主軸およびジヨイント従軸を配置
し、このジヨイント主軸又はジヨイント従軸を一方方向
に弾力的に付勢し、その傾きを規制するように構成して
いるため、ねじ締め作業において回転軸系が長かったり
、屈曲したりする場合でも常に安定且つ正確なねじ締め
トルクを伝達することが可能となり、特に多軸自動ねじ
締め機において、ワークに締付げるねじの締付げピッチ
が狭い場合に使用するキャッチャ−即ち、ビットを平行
に回転且つ往復摺動可能に遊挿するガイド孔を一体に複
数本形成したキャッチャ−を使用する場合において、従
来の回転軸系を使用した場合は安定した締付はトルクの
伝達が不可能であった狭いピッチのものに対しても安定
した締付はトルクの伝達が可能となる。

また従来のようにキャッチャ−がチューブを介してキャ
ッチャ一台に固定される構成を排し、直接キャッチャ−
がキャッチャ一台に固定されているため、回転軸系も短
くなりしかも、機械がコンパクトになる等の極めて顕著
な効果を有するものである。

尚、図面において示した左右の回転軸系とビットの長さ
が異るのはねじ締めピッチが狭いからユニバーサルジヨ
イントが接しないようにしたためである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の多軸自動ねじ締め機を示す全体正面図、
第２図は本考案を示す要部拡大正面図、第３図は第２図
ＩＶ−ＩＶ線の拡大断面図である。 １・・・・・・コラム、２・・・・・・ヘッドベース、
３・・・・・・は電動モータ、４・・・・・・昇降用エ
アーシリンダ、５・・・・・・ヘッド、６・・・・・・
ガイドロッド、９・・・・・・クラッチ、１０・・・・
・・駆動軸、１１・・・・・・ビット、１２・・・・・
・キャッチャ−１４・・・・・・ロッド、１５・・・・
・・第１のスプリング、１８・・・・・・支持プレート
、１９・・・・・・・・・第１のユニバーサルジヨイン
ト、２０・・・・・・ジヨイント主軸、２２・・・・・
・スリーブ、２２ａ・・・・・・長穴、２３・・・・・
・ジヨイント従軸、２４・・・・・・第２のユニバーサ
ルジヨイント、２５・・・・・・第２のスプリング、２
６・・・・・・支持部材、２７・・・・・・球面軸受、
２８・・・・・・アーム、２９・・・・・・ガイドサポ
ート、３０・・・・・・スライド軸、３１・・・・・・
第３のスプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動軸１０とねじの頭部溝に係合するビット１１との間
   に２個のユニバーサルジヨイント１９，２４、ジヨイン
   ト主軸２０及びジヨイント従軸２３を配置し、前記ビッ
   ト１１をキャッチャ−１２内で挿通自在に構成した自動
   ねじ締め機において、ジヨイント主軸２０又はジヨイン
   ト従軸２３のどちらか一方を球面軸受２７により回転自
   在かつ傾斜可能に保持し、しかもこの球面軸受２７を支
   持部材２６に固定し、この支持部材２６を常時−力方向
   に弾力的に付勢したことを特徴とする動力伝達装置。