JPS5933368Y2 - 生理用ナプキン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、非使用面（肌に当接しない側）に設置され、
使用時におけるズレやヨレを防止するところのアンチス
リップ材（ズレ止めテープ）を有する生理用ナプキンに
関する。

従来、生理用ナプキンは綿状パイプ、吸収紙等からなる
吸収体と、防漏を目的とした防水紙またはポリエチレン
フィルム等をラミネートした一般にポリラミ防水紙と呼
ばれる防漏シートと、表面及び外側を被覆してなる表面
材から構成される。

生理用ナプキンとして要求される性能は吸収保持力が高
いことであり、これらの目的を達成するため近年では表
面材の研究、又吸収体として高吸収性ポリマー等の応用
が試みられている。

本考案者等においても上記の考えを進め、既に特願昭５
１１２８４９１（特開昭５３−５５２６０）吸収材、特
願昭５３−１３１３６（特開昭５４−１０７１９１）吸
収性物品を出願している。

この様に吸収性能についての研究は種々なされ、その効
果は十分認められている。

しかし、吸収体の吸収性能がいかに向上したとしても、
使用中、股間でのフィツト性、運動に対して、その正規
な位置よりズレ等の移動が生じた場合、その性能は全く
無意味なものになる。

生理用ナプキンにおけるズレ止めテープは約１０年前に
始めて設置され現在に至っている。

その間素材、材料的には両面粘着テープ、あるいはホッ
トメルトタイプを用い形状的には縦約１０〜１５ｍｍ、
巾約４０〜５９ｍｍ、又は巾３〜５ｍｍ、長さ１７０〜
１９Ｑｍｍに貼着又は塗布し、その上面を離けい紙で覆
ったものが主として提供されてきた。

しかし、これら従来のズレ止めテープでは使用装着に正
規の位置を決定することが困難であり、その結果フィツ
ト性がそこなわれ異和感をもたらす原因ともなる。

又、基本的に股間前側と臀部側とでは歩行時又は運動時
の動きが異なり、ズレ又は生理用ナプキン自体が移動す
ることになり、適正の位置からはずれ十分な効果がみら
れず、しばしば経血の吸収においてモレの原因となる。

これは吸収体の性能を根本から阻害するばかりでなく、
使用者に精神的不安を与えることは言うまでもない。

そこで本考案者等は、これら従来の生理用ナプキンのズ
レ止めテープの有していた問題点を解決すべく鋭意研究
を重ねた結果、本考案に至った。

本考案の目的は、使用時における装着、位置の決定を容
易にし、且つ、使用中種々股間の動きに対して有効なズ
レ防止力を発揮するアンチスリップ材（ズレ防止テープ
）を有する生理用ナプキンを提供することにある。

即ち、本考案は肌に当接しない側の表面に粘着剤が設け
られている生理用ナプキンにおいて、前記表面と前記粘
着剤の間に発泡体エラストマーが介在していることを特
徴とする生理用ナプキンに係るものである。

以下、図面を用いて本考案を更に詳細に説明する。

第１図に従来の生理用ナプキン非使用面に設置されたズ
レ止めテープの形状を示す。

第１図ａはその中でも非常に一般的なものであり、両面
粘着剤１が横方向に一ケ所設置されており、現在市場に
提供されている多くは、この横−ケ所テープと呼ばれて
いるものである。

このタイプは、装着時の容易さにおける問題点は、他に
比べ少ないが本来の目的であるズレ防止効果、特に臀部
側（ズレ止めテープのない側）の横ズレに対する防止力
が小さいといった欠点を有する。

一方、第１図すは、主としてホットメルトを用いた場合
で、ホットメルト粘着剤２が縦方向に設置されており、
縦テープと呼ばれるものである。

このタイプは前記のタイプに比べ横ズレ防止力は向上す
るものと考えられるが、実用面ではその効果が得られず
、逆にズレを生じたり又は異和感を感じる場合が多い。

その原因としては装着時、股間において、ズレ止めテー
プの中央部が折り曲げられ、横手方向その時々の特殊な
形状が不可逆的にセットされてしまうことが考えられる
。

そのため、ショーツとの有効な装着面積が極端に低下し
、上に述べた如く欠点を露呈することになる。

更に第１図Ｃも横ズレ防止力の向上を主たる目的として
提案された形状と考えられるもので両面粘着テープ１が
横方向に二ケ所設置されているが、この横方向二ケ所テ
ープのタイプも基本的には前記縦テープタイプと同種の
欠点を有する。

つまり、装着時にショーツに接着され、同時に縦方向の
形状が決定されてしまうため、その後に通常の使用状態
との間に形状的な違いが生じる。

そのためその点を考慮した装着は困難であり又可能性と
して努力してもそれは非常にやっかいなものとなる。

以上の様に従来のズレ止めテープでは使用時の装着の容
易さとズレ防止効果（特に横ズレに対して）とを同時に
満足するものは見い出し難い。

これに対して、本考案の生理用ナプキンは上述した如〈
従来の不便不利及び欠点を排除し使用者に多大なる有益
性を提供するものである。

本考案に用いられる発泡体エラストマーとは他の対象物
との接着性がなく且つそれ自体間にも接着性のないもの
であり、例えばポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重
合体、ポリブタジェン、スチレン、ポリエチレン等が挙
げられる。

本考案においては、生理用ナプキンの非使用面に発泡体
エラストマーを好ましくは３ｍｍ以下程度の厚みでその
一部又は全面にわたって設置し、その発泡体エラストマ
ーの表面の一部又は全部に連続して又はいくつかに分割
して従来の両面粘着又はホットメルト粘着剤を接着又は
塗布することにより前記目的を遠戚することができる。

本考案の生理用ナプキン装着時の位置決定を目的とした
作用は、従来の両面粘着剤又はホットメルト粘着剤でな
される。

又、歩行又はその他運動に対するズレは従来の両面粘着
剤又はホットメルト粘着剤と併用している発泡体エラス
トマーの微細な多孔表面がその弾性により下着内面に密
着係合することにより、より有効にズレ防止効果を発揮
する。

この事は、吸収特性、特にモレ防止に対して有効である
ことは明らかである。

又、本考案の生理用ナプキンは非使用面と粘着剤との間
に介在している発泡体エラストマーにより、装着時の粘
着剤テープの折れ曲がりや変形を防止することができる
。

本考案に用いられる発泡体エラストマーの生理用ナプキ
ン非使用面への設置方法は特に限定されない。

以下、本考案の実施例について説明する。

第２図に本考案の生理用ナプキンの各種実施例を示す。

（１）〜（３）は両面粘着剤１と発泡体エラストマー３
との併用、（４）〜（６）はホットメルト粘着剤２と発
泡体エラストマー３との併用の例である。

尚、各実施例で用いた両面粘着剤１、ホットメルト粘着
剤２、発泡体エラストマー３の種類を以下に列挙する。

（１）１：酢酸ビニル／アクリル酸エステル共重合物 ３：ポリウレタン 厚み１．５ｍｍ （２）１：酢酸ビニル／アクリル酸エステル共重合物 ３：エチレン／酢酸ビニル共重合体 厚み０゜ｍｍ （３）１：酢酸ビニル／アクリル酸エステル共重合物 ３：ポリブタジェン 厚みＱ、５ｍｍ （４）２：エチレン／酢酸ビニルコポリマー３：ポリウ
レタン 厚み１．Ｑｍｍ （５）２：エチレン／酢酸ビニルコポリマー３：エチレ
ン／酢酸ビニル共重合体 厚み０゜ｍｍ （６）２：エチレン／酢酸ビニルコポリマー３：ポリブ
タジェン 厚み２．Ｑｍｍ 以上（１）〜（６）に示す本考案の生理用ナプキンのズ
レに対する防止力が有効であることを確認した。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の生理用ナプキンのズレ止めテープの設置
例を示す平面図、第２図は本考案の生理用ナプキンのズ
レ止めテープの設置例を示す平面図である。 １：両面粘着剤、２：ホットメルト粘着剤、３：発泡体
エラストマー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 肌に当接しない側の表面に粘着剤が設けられている生理
   用ナプキンにおいて、前記表面と前記粘着剤の間に発泡
   体エラストマーが介在していることを特徴とする生理用
   ナプキン。