JPH10118112A - 液体吸収パッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の液体吸収パッドでは、パッドと下着と
のずれ防止用に、パッド本体の外面に剥離紙つきの接着
テープを貼着させているが、見た目が悪く、且つ使用の
際に剥離紙を剥がす手間が必要であるとともに剥離紙が
ゴミになる。 【解決手段】 吸収材３を包材２で被包してパッド本体
１を構成するとともに、該パッド本体１における人体接
触面とは反対面に、接着性がなく且つ柔軟材料からなる
滑り止め材４を付着させて液体吸収パッドを構成するこ
とにより、従来の接着テープ式のものの問題点を改善し
得るようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は、例えば母乳パッ
ド、尿失禁パッド、生理用パッド等の、人体から漏出す
る液体を吸収させるための液体吸収パッドに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】この種の液体吸収パッド（母乳パッド、
尿失禁パッド、生理用パッド等）は、液体を吸収させる
吸収材を包材で被包して構成されている。包材は、装着
時において、外側となる部分に防水シートを使用し、内
側となる部分に透水シートを使用している。そして、こ
の種の液体吸収パッドは、外側の防水シートと内側の透
水シートとで吸収材を挟んだ状態で、該防水シートと透
水シートの各外周縁部同士を熱融着させて形成してい
る。

【０００３】この種の液体吸収パッドは、人体の所定位
置（乳房や排尿器官や膣口等）にあてがい、その上から
下着（シヤツ、ブラジャー、パンティ等）を装着するこ
とで、人体の所定位置に押し付けた状態で装着される。
ところで、この液体吸収パッドを下着で単に人体側に押
し付けているだけでは、身体を動かすと下着によるパッ
ドへの押圧力が弱くなったり、あるいは下着とパッドと
が擦れたりすることがあって、パッドが人体の所定位置
からずれ易くなる。尚、このパッドの位置ずれ量は、人
体を動かしている時間が長くなるほど大きくなり易く、
該位置ずれ量が大きくなると液体漏れが発生するように
なる。

【０００４】このようなパッドの位置ずれを防止するの
に、従来では、パッドの外面（人体接触面とは反対面）
に剥離紙つきの接着テープを貼着させておき、パッド装
着時に剥離紙を剥がして、パッドを接着テープで下着の
内面適所に接着させるようにしたものがある。このよう
に、パッドを接着テープで下着の内面に接着させた状態
で人体に装着しておくと、人体を動かしてもパッドが下
着に対して位置ずれすることがない。尚、下着と人体肌
面が擦れると、下着に接着させているパッドも人体肌面
に擦れるが、下着は人体肌面に対して大きく位置ずれす
ることはなく、又下着が人体肌面に対して一時的に位置
ずれしても、該下着を元に戻せばパッドも元に戻る。従
って、パッドを下着に接着させていると、パッドが人体
肌面の所定位置から大きくずれることはない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の液体
吸収パッド（母乳パッド、尿失禁パッド、生理用パッド
等）のように、下着に対する位置ずれ防止用としてパッ
ドの外面に接着テープを貼着したものでは、使用前は接
着テープの表面を剥離紙で被覆しておく必要があるため
に、見た目が悪いという問題がある。又、このようにパ
ッド外面に剥離紙つきの接着テープを貼着したもので
は、使用の際に剥離紙を剥がす手間が必要であるととも
に、その剥離紙がゴミになるという問題もある。さら
に、パッドの接着テープを下着内面に接着させるように
したものでは、もしパッドを所定位置からずれた位置に
装着した場合には、接着部分（接着テープ）を剥がして
位置直しする必要があり、その位置直し作業が面倒とな
るという問題もあった。

【０００６】本願発明は、上記のような従来の問題点に
鑑み、見た目が悪くならず、しかも使用時に特別の手間
をかけることなく、装着状態での位置ずれを防止し得る
ようにした液体吸収パッドを提供することを目的として
なされたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本願発明は、上記課題を
解決するための手段として次の構成を有している。即
ち、本願発明は、例えば母乳パッド、尿失禁パッド、生
理用パッド等の人体から漏出する液体を吸収させるため
の液体吸収パッドであって、吸収材を包材で被包してパ
ッド本体を構成するとともに、該パッド本体における人
体接触面とは反対面に、接着性がなく且つ柔軟材料から
なる滑り止め材を付着させている。

【０００８】吸収材としては、汎用のものが使用可能で
あり、例えば吸水紙、吸湿ポリマーシート、綿状パルプ
等を適宜組み合わせて積層したものを使用できる。

【０００９】包材は、装着時に外側となる部分に防水シ
ートを使用し、内側となる部分に透水シートを使用して
いる。尚、この液体吸収パッドでは、包材における内側
の透水シート面が人体接触側の面になる。

【００１０】そして、この液体吸収パッドでは、外側の
防水シートと内側の透水シートとで吸収材を挟んだ状態
で、該防水シートと透水シートの各外周縁部同士を熱融
着させてパッド本体を形成している。

【００１１】パッド外面（人体接触面とは反対面）に付
着させている滑り止め材としては、例えばゴム系や軟質
合成樹脂のような柔軟性を有し、且つ接着性はないもの
の摩擦力の強い材質が採用される。又、この滑り止め材
は、パッド外面の広範囲の面積部分に、多数の点状に散
在させたり、あるいは格子状、多重の円状等の適宜の形
状に付着させることができる。さらに、この滑り止め材
の付着厚さは、限定するものではないが例えば１mm以下
の小厚さでよい。又、滑り止め材の付着方法は、印刷や
熱融着等の適宜の方法が採用できる。

【００１２】本願発明の液体吸収パッドは、滑り止め材
の付着面が外側（人体接触面とは反対側）に向くように
して人体の所定部分にあてがい、その上から下着（シヤ
ツ、ブラジャー、パンティ等）を装着することで、人体
の所定位置に押し付けた状態で装着される。このパッド
装着状態では、パッド外面の滑り止め材が下着内面に接
触する。そして、このパッド装着状態では、滑り止め材
と下着内面との摩擦力が大きいので、身体を動かしても
下着とパッドとが位置ずれしにくくなる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、図１〜図３を参照して本願
発明の実施形態を説明すると、この実施形態では液体吸
収パッドとして母乳パッドを採用している。

【００１４】この実施形態の液体吸収パッド（母乳パッ
ド）において、符号１はパッド本体であり、このパッド
本体１は、吸収材３を包材２で被包して形成されてい
る。又、このパッド本体１は、円形よりやや三角形に近
い外形で、且つ椀型に成形されている。尚、この場合、
サイズを数種類形成しておくとよい。

【００１５】吸収材３としては、汎用のものが使用可能
であり、例えば吸水紙、吸湿ポリマーシート、綿状パル
プ等を適宜組み合わせて積層したものを使用できる。

【００１６】包材２は、装着時において、外側となる部
分に防水シート２１を使用し、内側となる部分に透水シ
ート２２を使用している。外側の防水シート２１として
は、例えば不織布と合成樹脂製防水皮膜とをラミネート
したものを使用できる。他方、内側の透水シート２２と
しては、例えば不織布を使用することができる。尚、内
側の透水シート２２には、抗菌処理を施すとよい。

【００１７】そして、この実施形態の液体吸収パッドで
は、外側の防水シート２１と内側の透水シート２２とで
吸収材３を挟んだ状態で、該防水シート２１と透水シー
ト２２の各外周縁部同士を熱融着させてパッド本体１を
形成している。又、このパッド本体１の外周部（熱融着
部）は、符号５で示すように外面側に若干カールさせて
おくと、該外周端縁が肌に接触することがなく、チクチ
ク感がなくなって装着感が良好となる。尚、パッド本体
１の外面が防水シート２１のままでは、該外面が比較的
滑り易い（摩擦力が小さい）という性質がある。

【００１８】パッド本体１の外面（人体接触面とは反対
面）には、接着性がなく且つ柔軟材料からなる滑り止め
材４を付着させている。この滑り止め材４としては、例
えばゴム系や軟質合成樹脂のような柔軟性を有し、且つ
接着性はないものの摩擦力の大きい材質のものが使用さ
れている。又、この滑り止め材４は、この実施形態では
パッド外面の広範囲の面積部分に格子状に付着させてい
る。尚、この滑り止め材４の付着形状は、多数の点状に
散在させたり、あるいは多重の円状等の適宜の形状にす
ることができる。又、この滑り止め材４の付着厚さは、
適宜に設計できるが、例えば１mm以下の小厚さのもので
もよい。さらに、この滑り止め材４の付着方法は、印刷
や熱融着等の適宜の方法が採用できる。又、滑り止め材
４として、着色したものを使用することができる。

【００１９】又、この実施形態では、図１又は図３に示
すように、使用時においてパッド本体１の下部側となる
内面に、下端縁から例えば１０〜２０mmの幅で帯状のポ
ケット材６が取付けられている。このポケット材６は、
例えば不織布の片面（ポケット内面側）に防水処理を施
した防水シートが使用されている。そして、このポケッ
ト材６は、パッド本体１の防水シート２１と透水シート
２２の各外周縁部同士を熱融着させる際に、該ポケット
材６の下端縁部を同時に熱融着させて取付けている。

【００２０】この実施形態の液体吸収パッドは、次のよ
うな作用がある。まず、この液体吸収パッドでは、パッ
ド外面に付着させた滑り止め材４に接着性がないので、
該滑り止め材４を剥離紙で被覆する必要がなく、パッド
外面に滑り止め機能を付与させたものであっても見た目
が悪くならない。又、この滑り止め材４に着色すると、
該滑り止め材４を本来の滑り止め機能のほかに模様とし
ても利用でき、意匠感の良好な液体吸収パッドを提供で
きる。

【００２１】そして、この液体吸収パッドを使用する場
合は、このパッドを滑り止め材４の付着面が外側に向
き、且つポケット材６が下側になるようにして人体の所
定部分（乳房）にあてがい、その上から下着（シヤツや
ブラジャー）を装着することで、人体の所定位置に押し
付けた状態で装着できる。尚、このパッド装着状態で、
パッドが人体の所定位置から位置ずれしている場合に
は、下着をパッドから浮かせば該パッドを自由に位置調
整することができる。このとき、滑り止め材４に接着性
がないので、従来の接着テープで下着に接着させる場合
のように接着部分を剥がす、という作業が不要であり、
パッドの位置直しが容易に行える。このパッド装着状態
では、パッド外面の滑り止め材４が下着内面に接触して
いる。従って、下着内面とパッドとの摩擦力を大きくで
き、身体を動かしたときでも下着とパッドとが位置ずれ
しにくくなる。尚、身体を動かしたときに下着が人体肌
面からずれると、パッド外面の滑り止め材４による滑り
止め機能によってパッドが下着とともに移動して、人体
の所定位置から一時的にずれることがあるが、下着を元
に戻すとパッドも元に戻り、パッドが人体肌面の所定位
置から大きくずれることはない。

【００２２】又、この実施形態の液体吸収パッド（母乳
パッド）では、内面側下端部にポケット材６を取付けて
いるので、多量に母乳が漏出した場合でも、該ポケット
材６で受けることができ、該母乳がパッドの下端から流
出するのを防止できる。

【００２３】尚、本願発明の液体吸収パッドは、他の実
施形態として、次のようにすることもできる。

【００２４】まず、この実施形態では、滑り止め材４は
パッド本体１の外面側にのみ付着させているが、他の実
施形態では、該滑り止め材４をパッド本体１の内面側に
も付着させることができる。このようにすると、パッド
が人体肌面と下着の両方に滑りにくくなる。

【００２５】又、他の実施形態では、液体吸収パッドと
して、母乳パッドのほかに尿失禁パッドや生理用パッド
も適用できる。

【００２６】

【発明の効果】本願発明の液体吸収パッドでは、パッド
本体１における人体接触面とは反対面に、接着性がなく
且つ柔軟材料からなる滑り止め材４を付着させているの
で、次のような効果がある。

【００２７】(1) 滑り止め材４は接着性がないので、従
来の滑り止め材として接着テープを使用したもののよう
に該滑り止め材部分を剥離紙で被覆する必要がなく、従
って、液体吸収パッドの見映えが悪くならない。

【００２８】(2) 上記(1)のように、滑り止め材４を剥
離紙で被覆する必要がないので、この液体吸収パッドを
使用するときに該パッドをそのまま装着することがで
き、使用時の装着作業が容易となる。即ち、従来の接着
テープ式の液体吸収パッドでは、使用時に剥離紙を剥が
すという作業が必要であるが、本願の液体吸収パッドで
は、その剥離作業が不要となり、しかもゴミになる部分
（剥離紙）が発生しないので、剥離紙の廃棄処理も不要
となる。

【００２９】(3) この液体吸収パッドの使用状態では、
パッド外面の滑り止め材４が下着内面に接触するので、
該滑り止め材４によりパッドが下着に対して位置ずれし
にくくなる。

【００３０】(4) この液体吸収パッドを装着したとき
に、該パッドが人体の所定位置から位置ずれしている場
合には、滑り止め材４に接着性がないので下着をパッド
から浮かせば、該パッドを下着に対して自由に位置調整
することができる。尚、従来の接着テープ式のもので
は、装着状態で接着テープが下着に接着するので、パッ
ドの位置直しをする場合に接着部分を剥がすという作業
が必要であり、パッドの位置直しが面倒となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の実施形態にかかる液体吸収パッド
（母乳パッド）の外面側から見た正面図である。

【図２】図１の液体吸収パッドの左側面図である。

【図３】図１の中央縦断面図である。

【符号の説明】

１はパッド本体、２は包材、３は吸収材、４は滑り止め
材、２１は防水シート、２２は透水シートである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸収材（３）を包材（２）で被包してパ
   ッド本体（１）を構成するとともに、該パッド本体
   （１）における人体接触面とは反対面に、接着性がなく
   且つ柔軟材料からなる滑り止め材（４）を付着させたこ
   とを特徴とする液体吸収パッド。