JPS5932901Y2 - 表面接触温度計用測温部 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、帯状熱電対線からなる熱電対の熱接点を被
測温部に接触せしめて、その表面温度を測定する表面接
触温度計用測温部に関するものである。

第１図は従来の弓形熱電対の測温部を示す正面図である
。

この図で、１，２は帯状熱電対線で１個の熱電対が形成
される。

３はその接触点、４は弾性弓状板で基台５に固定されて
おり、熱電対はこの弾性弓状板４によって強く直線状に
張設されている。

この熱電対によって円筒６の表面温度を測定するには、
周知のように熱接点３を中心として熱電対を円筒６表面
に接触させればよい。

この場合、強く接触させる程、また、熱電対が薄い程、
真値に近い測温値が得られるが、この場合には機械的強
度が小さくなり、帯状熱電対線が破断するなどの欠点が
あった。

この考案は、上記欠点を除去するためになされたもので
、熱電対に所要の弾性力を付加する弾性付加板と、凹形
または平板状の接触面を有するストッパーとを設けるこ
とによって帯状熱電対線の長寿命化をはかったものであ
る。

以下この考案について説明する。

第２図はこの考案の一実施例を示す構成斜視図で、第３
図、第４図に第２図の側面図および正面図を示す。

これらの図において、１１．１２は帯状熱電対線でこれ
らの各端部を接合して１個の熱電対を形成する。

１３はその熱接点である。この熱電対を保持部１４に支
持された基台１５上に適宜な空間を保ち、かつ熱接点１
３が基台１５の中央に位置するように配置し、また、測
温時には熱接点１３を中心として熱伝導誤差を無視でき
る程度の十分な長さだけ熱電対が被測定面に沿えるよう
にストッパー１６Ａ、１６Ｂを熱電対の左右両側に配置
し、シリコンコム板等の絶縁板１７および熱電対押え板
１８を介してねじ１９によって固定する。

前記ストッパー１６Ａ、１６Ｂの接触面は凹形の円弧状
または多角形面もしくは平板状をなしており、耐熱絶縁
物、例えばテフロン等で作成される。

また、このストッパー１６Ａ、１６Ｂは被測定物が回転
円筒または移動平面の場合はスライダーを兼用すること
になる。

２０Ａ、２０Ｂは弾性付加板で弾性を有する耐熱金属材
料で形成され、熱電対に弾性を与えるためのものであり
、熱電対と直角方向にストッパー１６Ａ、１６Ｂの端面
に取付けられる。

そして、これらの熱電対と弾性付加板２０Ａ、２０Ｂと
は第５図のようにスポット溶接２１などの方法により一
体に固着される。

すなわち、熱接点１３からなるべく近く、かつ測温物体
に触れない範囲にあるように、第５図では帯状熱電対線
１１，１２の垂直部分の上方に位置して設けられている
。

また、弾性付加板２０Ａ、２０Ｂと熱電対との取付位置
は第６図に示すように、帯状熱電対線１１．１２の水平
部分の両端に固着することもできる。

さらに、弾性付加板２０Ａ、２０Ｂの取付位置は、熱接
点１３から対称の位置に限られるものでなく、第７図の
ようにしてもよい。

矢印は測温物体の移動方向を示す。

そして、さらに弾性付加板２０Ａを水平部分に２０Ｂを
垂直部分に取付けてもよい。

第８図はこの考案の他の実施例を示す側面図で、帯状熱
電対線１１，１２の端部を接合してなる熱電対の被測定
部分への接触部分、すなわら熱接点１３部分をストッパ
ー１６Ａ、１６Ｂの凹形の接触部に沿った形状にせず、
直線状に形成したものであり、これによれば被測定部へ
の接触をさらに強めることができる。

以上説明したようにこの考案は、帯状熱電対線からなる
熱電対を基台上に載置固定するとともに、ざらに熱電対
に弾性付加板を固着したので、熱電対に所要の弾力を付
加でき、かつ、そのねじれが防止されるので熱電対に薄
いものが使用でき、真値に近い測温値が得られる。

また、この考案では熱電対の両側にストッパーを設けた
ので、強く押圧したときでもストッパーの作用により一
定以上の力が熱電対に加わることがない。

そのため、熱電対が薄いものであっても破損に至ること
がない。

さらに、ストッパーの接触面を凹形に形成したものは、
凸状の被測定面に熱電対が、この凹形の接触面に沿って
変形し、熱接点が一定の押圧力で接触することになる。

このように、この考案によれば従来のように熱電対の機
械的強度が小さくなることもなく、長寿命化がはかれ、
かつ、正確な測定ができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の弓形熱電対の測温部を示す正面図、第２
図はこの考案の一実施例を示す測温部の構成斜視図、第
３図、第４図は第２図の側面図および正面図、第５図、
第６図、第７図は熱電対と弾性付加板との固着態様をそ
れぞれ示す斜視図、第８図はこの考案の他の実施例を示
す正面図である。 図中、１１．１２は帯状熱電対線、１３は熱接点、１４
は保持部、１５は基台、１６Ａ、 １６Ｂはストッパー
、１７は絶縁板、１８は熱電対押え板、１９はねじ、２
０Ａ、２０Ｂは弾性付加板である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）２個の帯状熱電対線の端部を接合して熱接点とし
   た熱電対を絶縁板を介して基台上に載置固定し、さらに
   前記熱接点を中心として前記熱電対が被測定面に接触す
   る接触面を有するストッパーを前記熱電対の両側に所定
   の間隔を保って配置固定するとともに、前記熱電対に所
   要の弾性力を付加する弾性付加板を前記熱電対の熱接点
   をはさんだ両側において前記熱接点に近接し、かつ測温
   物体に触れない範囲において前記熱電対を直角方向にそ
   れぞれ固着し、さらに、これらの弾性付加板の両端をそ
   れぞれ前記ストッパーに取付けたことを特徴とする表面
   接触温度計測温部。
2. （２）ストッパーの接触面は、熱電対が凸状の被測定面
   に沿えるように凹形をなしていることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲（１）項記載の表面接触温度計用測
   温部。