JPS59327Y2 - 橋脚用吊足場 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、橋梁または高架式高速道路の上部構造および
支承等の調査、点検、清掃、補修等に適する橋脚用吊足
場に関する。

従来、この種の橋脚用吊足場は、橋梁等の高欄および鋼
桁から床板の全長にわたって、足場用の鋼鉄製パイプを
チェーンで吊下げて、このパイプの上に足場板やシート
を敷設する構造であるため、仮設工事としては高い費用
を要し、また足場の取付けおよび取外しには長い工事期
間を要した。

しかもこの工事期間中は、足場が関係する道路交通に影
響を及ぼすことから道路交通管理者である警察関係者に
対して、予め道路使用許可を受けておく必要があった。

そのため、現在では例えば橋梁および支承の調査や点検
は、補修工事等で吊足場を設定するときに、便乗して行
うのが通例で、任意の時期に実施することができない欠
点があった。

本考案は、上記欠点を解消するもので、橋梁および支承
等の調査、点検、清掃、補修等を随時経済的に実施する
ことができる橋脚用吊足場を提供することを目的とする
。

本考案は、橋脚の両側面に沿ってそれぞれ複数本対向す
るように配設される人手により可搬の支柱と、この橋脚
の両側で対向する上記各支柱をこの橋脚の幅に相応して
連結することができる長さを有し人手により可搬のチェ
ーンと、この橋脚の少なくとも一方の側面でこの側面に
垂直に上記各支柱に固着された水平材と、この支柱とこ
の水平材との間に架設されこの支柱とこの水平材とによ
リドラスを形成する人手により可搬の斜材と、上記各水
平材の間に架設される人手により可搬の横桁と、上記支
柱と上記チェーンとの間にこの支柱に直角に固着された
係止材と、上記横桁に載置される人手により可搬の足場
板とを備えたことを特徴とする。

なお支柱、水平材、横桁、および係止材が山形鋼で形成
されることが好ましい。

以下実施例図面に基づいて詳しく説明する。

第１図は本考案第−実施例吊足場の使用状態斜視図、第
２図は同じく正面図、第３図は同じく右側面図で゛ある
。

第１図〜第３図において、Ａは吊足場、Ｂは橋脚、Ｃは
橋梁、Ｄは橋梁支承である。

吊足場Ａは、橋脚Ｂの両側面に沿って各側面に２本ずつ
対向するように配設される支柱１を有する。

これらの支柱１は、人手により可搬の０．５〜１．Ｏｍ
の長さの山形鋼からなり、その上部には、橋脚Ｂの天端
に載置される山形鋼の係止材２がそれぞれ垂設される。

対向する２個の係止材２は、人手により可搬のチェーン
３により互いに連結され、各支柱１を橋脚Ｂに懸吊する
ように形成されている。

このチェーン３は、対向する２個の係止材２を連結して
さらに緊締し得る長さを有する。

また上記４本の支柱１には、それぞれ水平材５が橋脚Ｂ
の側面に垂直に設けられている。

この水平材５は、０．６〜１．０ｍの長さの山形鋼から
なる。

この４本の各水平材５の突端と各支柱１の上端との間に
は、鋼棒からなる人手により可搬の斜材６がそれぞれ架
設される。

これにより斜材６と水平材５と支柱１とにより４組の抗
張トラスが形成される。

この２組の抗張トラスの水平材５の間には、２本の山形
鋼からなる人手により可搬の横桁７が架設され、これら
の横桁７には、人手により可搬の合板製の足場板９が３
枚載置される。

また各支柱１の下部には、支柱１と橋脚Ｂの側面との間
隔を調節し、上記抗張トラスの支点となる直径１６ｍｍ
の調節ボルト１０が、それぞれ取付けられている。

さらに各水平材５の突端には、第二の支柱１１がそれぞ
れ垂設され、２本の第二の支柱１１の間には、安全ロー
プ１２が張設され、安全柵が形成される。

このような構成で、吊足場Ａを橋脚Ｂに取付けるには、
予め支柱１と水平材５と斜材６とを固着し４組の抗張ト
ラスを形成し、さらに各水平材５の突端に第二の支柱１
１をそれぞれ垂設する。

この抗張トラスを担いで、第１図に示すハシゴを用いて
所定の足場まで降りる。

次いで、抗張トラスを橋脚Ｂの天端に掛けたときに、支
柱１がこの天端に対して垂下し、調節ボルト１０が抗張
トラスの支点として作用するように、調節ポル） １０
の各ボルト長を調節する。

これにより吊足場Ａを橋脚Ｂに取付けたときに足場板９
が水平となり作業の安全が確保される。

また、橋脚Ｂの幅に合わせて、対向する２個の係止材２
の間隔をあけ、これらの係止材２をチェーン３により確
実に連結し、抗張トラスを橋脚Ｂに懸吊する。

このとき各抗張トラスの間隔、すなわち橋脚Ｂの片側の
２本の支柱１の間隔は、０，６〜１゜０ｍの寸法になる
ように懸吊する。

また、横桁７を水平材５の上に固定し、この横桁７の上
に足場板９を固定する。

さらに第二の止柱１１の間に安全ロープ１２を張設して
取付作業を完了する。

また吊足場Ａを取外すには、上記取付作業の逆の手順で
行う。

なお上記実施例では、吊足場Ａの数を橋脚Ｂを中心にし
て左右一対取付ける例を示したが、足場で作業する内容
により、二対以上増設してもよい。

このとき横桁７の長さは、予め増設数に応じて、長尺の
ものを選定することが好ましい。

また足場で作業する内容により、橋脚Ｂの片側だけ吊足
場が必要な場合には、他方の側の吊足場には、安全柵、
足場板等を設けなくてもよい。

次に、本考案第二実施例について説明する。

第４図は本考案第二実施例吊足場の正面図、第５図は同
じく右側面図である。

第４図および第５図において、各符号は第１図〜第３図
の各符号にそれぞれ対応する。

本実施例の特徴ある構成は、山形鋼からなる斜材６の一
端が支柱１の下端に取付けられ、支柱１と水平材５とに
より圧縮トラスを構成することにある。

他の構成および吊足場Ａの取付、取外作業方法は、第一
実施例と同様であるので、繰返しの説明を省略する。

これにより複数の吊足場Ａを並設した場合にも、斜材６
が水平材５の下方に設けられることにより足場板上の歩
行が容易となる。

以上述べたように、本考案によれば、小型で軽量の部材
によりトラスを形威し、このトラスの間に横桁および足
場板を載置することにより、（イ）人力で容易に運搬す
ることができ、（Ｔ＝）短い時間と少ない労力で取付け
および取外しを行うことができ、 （ハ）構造が簡単で製作コストが安価な、に）損耗個所
が少なく、耐用年数が長い、（ホ）トラス構造により強
度、剛性度が大きくでき安全性を確保でき、 （へ）橋脚の設置場所が河川や海の中であっても船舶を
用いずに取付けおよび取外しができ、また橋脚の設置場
所が交通量の多い道路であっても道路使用許可を要する
ことなく取付けおよび取外しができ、 （ト）低い支承の狭い場所での点検、調整等が可能な 優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案第二実施例吊足場の使用状態斜視図、第
２図は同じく正面図、第３図は同じく右側面図、第４図
は本考案第二実施例吊足場の正面図、第５図は同じく右
側面図。 Ａ・・・・・・吊足場、Ｂ・・・・・・橋脚、Ｃ・・・
・・・橋梁、Ｄ・・・・・・橋梁支承、１・・・・・・
支柱、２・・・・・・係止材、３・・・・・・チェーン
、５・・・・・・水平材、６・・・・・・斜材、７・・
・・・・横桁、９・・・・・・足場板、１０・・・・・
・調節ボルト、１１・・・・・・第二の支柱、１２・・
・・・・安全ロープ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）橋脚の両側面に沿ってそれぞれ複数本対向するよ
   うに配設される人手により可搬の支柱と、この橋脚の両
   側で対向する上記各支柱をこの橋脚の幅に相応して連結
   することができる長さを有し人手により可搬のチェーン
   と、この橋脚の少なくとも一方の側面でこの側面に垂直
   に上記各支柱に固着された水平材と、この支柱とこの水
   平材との間に架設されこの支柱とこの水平材とによりト
   ラスを形成する人手により可搬の斜材と、上記各水平材
   の間に架設される人手により可搬の横桁と、上記支柱と
   上記チェーンとの間にこの支柱に直角に固着された係止
   材と、上記横桁に載置される人手により可搬の足場板と
   を備えた橋脚用吊足場。
2. （２）支柱、水平材、横桁、および係止材が山形鋼で形
   成された実用新案登録請求の範囲第（１）項に記載の橋
   脚用吊足場。