JPS5932179Y2 - 耐火電線管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、既設の電線・ケーブルでも、又いかなる電線
・ケーブルでも適用できる耐火電線管に関するものであ
る。

現在、電線・ケーブルの絶縁体やシース材料としては、
ポリエチレンやポリ塩化ビニル等が一般に広く用いられ
ている。

これらの材料は火災時のように高温に曝されると著しく
変形したり、分解したりするため、その機能を果すこと
が出来なくなる。

しかるに、火災が発生した際には、消火活動苓容易にし
、火災の損害を最小限に抑えるために、火災の初期には
電線・ケーブルがその機能を果して、送電、送信が可能
なことが要求されている。

特に人の密集する地下街や、高層ビルにおいては、この
ようなことが特に要求される。

これに対応すべく、電線・ケーブルの被覆材の難燃化し
たり、或いは特殊な保護層を施すといった方法が採られ
ている。

このようなものはいずれも新設のものが対象となること
、又適用される電線・ケーブルが限定されるといった問
題がある。

本考案は上記の点に鑑みなされたもので、テープ状にし
た発泡性防火組成物を最外層に施した電線管を用いるこ
とにより、既設のケーブルでも、又いかなる電線・ケー
ブルにも、耐火性を付与することが可能となるものであ
る。

本考案の耐火電線管を第１図に示して説明する。

１は電線管、２は発泡性防火組成物からなる層で、該組
成物のテープ状にしたものから戒るものである。

４は保護層で、水透過性の小さい物質、例えばポリエチ
レン、エチレン酢酸ビニル共重合体の薄い層（厚さは例
えば０．０２〜０．１ ｍｍ ）を設けたテープ状の発
泡性防火組成物を、上記薄い層を外側にして電線管１に
縦添え又はラップすることによって形成されたものであ
る。

本考案は上記の構造を有する耐火電線管であるから、以
下の様な効果を奏する。

火災時にテープ２の発泡性防火組成物が発泡炭化して断
熱層を形成し、これにより電線管に配設された電線・ケ
ーブルの温度上昇を防ぎ、送電、送信を可能とさせるも
のである。

このような目的には、電線管にアスベストやガラスウー
ル等の無機断熱材を施す方法も考えられるが、この方法
では常時電線管が断熱されるため、平常時電線管内に熱
気がこもり、電線・ケーブルの許容電流が低減するため
望ましくない。

又電線管に発泡性防火組成物を施す方法としては、押出
被覆、塗料にして塗布するという方法でも、充分な耐火
性能は得られるが、テープ状にしておけば、これをラッ
ピングあるいは縦添えにして巻けば容易に耐火性のある
電線管が得られるし、又電線管の施工現場での作製であ
る等の利点がある。

一方、発泡性防火組成物か、リン酸アンモニウム、ポリ
リン酸アンモニウム、リン酸グアニジン、デン粉、ペン
タエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジシアジ
アミドの一種以上を含有するものである場合、これらの
成分が水に溶解しやすいので、発泡性防火組成物に水が
かかったり、結露した場合、防火組成物中の上記発泡剤
等の有効成分が溶は出して発泡性が著しく低下し、いざ
火災のとき防火の役を成さないという恐れがある。

その為に発泡を抑えない程度の厚さを有する保護層を設
けることが望ましいが、発泡性防火組成物のテープを巻
いた後に保護層を施すと、均等な厚みに被覆できず、ピ
ンホールが生じたり、保護層が厚くなって局部的に発泡
が抑えられるということがある。

本考案に於ては、保護層を設けたテープ状の発泡性防火
組成物を用いるから、保護層を均等に設けることは容易
で、従って上記のような問題がなく、耐火性能の経時的
低下の小さいものである。

本考案に係る電線管は通常用いられるものであれば、い
かなるものでもよいし、又ダクトでもよい。

発泡性の防火組成物は脱水炭化触媒としてはリン酸アン
モニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸グアニジン
が、炭化層形成剤としては、デン粉、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール等の炭水化物が、発泡剤
としてはジシアンジアミドが使用される。

メラミンは難溶性であるが、上記脱水炭化触媒或は上記
炭化層形成剤と併用する場合において、発泡剤として使
用できる。

バインダーとしてポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共
重合体、ポリ塩化ビニル、クロロプレン等の各種ゴム・
プラスチックが用いられる。

必要応じて公知の老化防止剤、加工助剤、他の充填剤を
添加してもよい。

第２図のようにこれら発泡性防火組成物２を繊維テープ
３に施してテープを作った場合、充分な補強かなされる
ため、機械によるラッピングも出来、又発泡が均一とな
ることからより望ましい。

上記の発泡性防火テープを施した電線管の耐火性能を調
べるため、種々の処理をしたｌ１４．５ｍｍφの電線管
に６．６ＫＶ３Ｘ６０１ｎ１ｉＬＣＶ−Ｔを入れＪＩＳ
Ａ１３０４により３０分間加熱の間の耐圧並びに絶縁抵
抗の変化を見た。

この結果は前頁の表に示しているか、本考案の電線管が
耐火性能に秀れていることが判った。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は共に本考案の耐火電線管の断面図
である。 １・・−・・・電線管、２・・・・・・発泡性防火組成
物、・・・繊維テープ、４・・・・・・保護層。 ３・・・

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） テープ状の発泡性防火組成物と該発泡性防火
   組成物の発泡を抑えない程度の厚さの保護層から成るテ
   ープが、管の外側に、前記保＝ｉが管の外側になるよう
   にラッピングあるいは縦添えにして巻かれてなる電線管
   であって、上記発泡性防火組成物が、リン酸アンモニウ
   ム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸グアニジン、デン
   粉、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、
   ジシアンジアミドの一種以上を含有していることを特徴
   とする耐火電線管。
2. （２）テープ状の発泡性防火組成物が繊維テープに施さ
   れている実用新案登録請求の範囲第（１）項記載の耐火
   電線管。