JPS5932119B2 - カカオバタ−代用脂の製造法 - Google Patents

カカオバタ−代用脂の製造法

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JPS5932119B2
JPS5932119B2 JP51039918A JP3991876A JPS5932119B2 JP S5932119 B2 JPS5932119 B2 JP S5932119B2 JP 51039918 A JP51039918 A JP 51039918A JP 3991876 A JP3991876 A JP 3991876A JP S5932119 B2 JPS5932119 B2 JP S5932119B2
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fats
oils
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征雄 橋本
正彦 寺嶋
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は微生物を利用するカカオバター代用脂の製造方
法に関する。
チョコレートが重要な製菓材料であることは周知である
チョコレートの本質的な特徴が常温では固体であるが口
中に含んだとき直ちに融解する独特の融解性状に在り、
かつこの特性がカカオバターの特異なグリセラード組成
に起因することは既によく知られている。即ち、カカオ
バター中には多量の1・3−ジ飽和−2−不飽和グリセ
ラード(以下SUSと呼ぷ。但しここにsはC16、C
18及び/又はC20飽和脂肪酸残基であり、UはC1
4:1〜C20:1不飽和脂肪酸残基であつて、2位が
不飽和のジ飽和一モノ不飽和トリグリセラードを意味す
る。)を含有し、ある分析例では1・3−ジステアロー
2−オレイン(st0st)24.2%:1−ステアロ
ー2−オレオー3−パルミチン及び1−パルミトー2−
オレオー3−ステアリン(POSを)32.8%:1・
3−ジパルミトー2−オレイン(POP)12.1%と
報告されている(J、Sampuguna、etal、
、Lipids、4、444(1969)Oしかしなが
ら、カカオバターは天産物であるのみならず、かつ高価
でもある。またカカオバターの融点は340〜35℃(
但しβ型)と略〒定しているため、季節、地域等のチョ
コレートに対する特殊需要に応じて変化を与えることも
不可能である。このため従来よりカカオバターと類似の
融解性を持つたカカオバター代用脂が工夫されて来た。
その一つはシア脂、イリツペ脂、ボルネオ脂、プルワナ
脂、コクム脂などの植物バター又はパーム油などのSU
S成分に富む油脂をそのまま、又は該成分に富む画分を
分別して代用脂として使用することである。
その二は大豆油などの液体油を水素添加(後所望により
分別)して利用することである。
第一の方法によれば、代用脂自体そのグリセラード組成
がマクロ的にカカオバターと類似しているので、自由な
比率でカカオバター中に混ぜることができ、かつその製
品は優秀である(勿論、代用脂のSUS成分が相当富化
されていることを条件とする)。
しかしこの場合も原料が天産物であるため、カカオ脂と
同様の制約を受ける。殊に植物バターの原料として商業
的に価値のあるButyrOsperunlumpar
kii(シア脂の原料植物)及びMadhucalOn
gifOlla(イリツペ脂の原料植物)は共に野生で
あり、その採取は専ら野生果実の採収に頼つているため
、その産地国(全部熱帯地域の開発途上国である)のナ
シヨナリズムや政情不安と相俟つてその入手は年々困難
の度を加えつつある。
第二の方法は大豆油の如き国際的農産品を原料とする関
係で、その入手自体格別の問題はない。
しかしその反面、この代用脂のグリセラード組成はカカ
オバタ一と全く異質のものであるため、これをカカオバ
タ一中に相当量混入することは困難である。したがつて
、この代用脂を用いて作られたチヨコレートぱ主として
カカオビタ一により風昧付された模造品となり得るに過
ぎない。故にこれは厳密な意味でカカオバタ一代用脂(
CacaObuttersubstitute)の枠外
に置かるべきものである。以上の理由で、カカオバタ一
の代用脂として本命に挙げられるものは依然としてカカ
オバタ一と類似の組成を有する油脂であり、従つて、熱
帯地の野生植物に頼ることなく優れた代用脂を開発する
ことは、当業者及びその利用者にとつて極めて重要な関
心事であつた。
本発明は直接かかる課題の解決に志向するものである。
今日発酵工業の発展には目覚ましいものがあり抗生物質
、酵素、アミノ酸、微生物蛋白などの生産において著し
い発展が見られる。
にも拘わらず、油脂類の工業的生産についてはその崩芽
すら認められない。微生物がその代謝過程を通じて体内
に脂質を合成蓄積することは古くより周知であり、糸状
菌、細菌、酵母、単細胞藻類など広汎な微生物において
含油量50〜60%、例外的には80%にも及ぶものが
報告されている事実からすると、この事実は一見不可解
とも云えるが、その主たる理由は通常の安価な油脂では
採算上普通の動植物質油と競争できないためであり、ま
た付加的には微生物による油脂の組成が雑多であり、中
には食用として疑問視されている奇数炭素脂肪酸含量の
高いものがあることなどが挙げられよう。しかるに、本
発明者は微生物とその生産油脂との関係について広汎な
研究を行つた結果、エンドミセス属(G.KndOmy
ces)、ロドトルラ属(G.RhOdOtOr−Ul
a)及びリポミセス(LipOmyces)属の各属に
属する菌種(株)中には、多数のSUS生産微生物が分
布することを発見した。
例えばロドトルラグルテイニス(RhOdOtOrul
aglutinis)0UT6151菌の菌体油脂は下
記の脂肪酸組成を有し、これを更にパンクレチアン・リ
パーゼ法(J.AnlerOllchem.SOc4l
巻693〜696頁)によりそのトリグリセラード組成
を分析したところ、PUP(2一不飽和−1・3−パル
ミチン)16.6%、PUSt(1−パルミト一2不飽
和−3−ステアリン)12.4%、Stust(2一不
飽和−1・3−ステアリン)2.3%を含有し(以上S
US計31.3%)他のトリ飽和体が3.2%、ジ不飽
和体が46.4%、1又は3位モノ不飽和体が3.7%
である事実より、これを分別してSUS画分を濃縮すれ
ば優秀なカカオバタ一代用脂を収得できることが判明し
た。
本発明者等はかかる知見に基き種々研究の結果独り例示
の菌株のみならず、その他、エンドミセス、ロドトルラ
及びリポミセス各属に属する菌株でもSUS高含有油脂
が生産されることを見出した。
この発明はかかる知見に基き、エンドミセス(EndO
nlyces)、ロドトルラ(RhOdOtOrula
)及びリポミセス(LipOnlyces)各属のいづ
れかに属するSUS生産菌株を好気的に培養して菌体を
採取し、菌体から回収した油脂を分別してSUSに富む
画分を分取することを要旨とするカカオバタ一代用脂の
製造法である。
本発明の実施に使用しうる微生物は上記各属のいずれか
に属する菌であるが、工業的目的には成るべく菌体中の
油分含量が多く、しかも該油分中に所望のSUS含量の
高いものが好ましい。
下記は発明の実施に適切と考えられる代表的な菌種の例
示である。エンドミセス ベルナリス(EndOmyc
esvernalls)、ロドトルラ グラミニス(R
hOdOtOrulagraminis)、ロドトルラ
グラシリス(RhOdOtOrulagracili
s)、ロドトルラグルテイニス(RhOdOtOr−1
11ag1utinis)、リポミセス スターキー(
LipOmycesstarkeyi)、リポミセス
リポフア一(LipOmycesllpOfer)これ
らの菌種は自然分類上真菌類中子嚢菌綱(AscOmy
cetes)及び担子菌綱(BasidiOmycet
es)並びに不完全菌類中クリプト07力2目(Cry
ptOcOccales) (又はモニリア目(MOn
iliales))中に帰属するが、慣用的には「酵母
菌」と称される1.群中に包含される。
なお以上掲げた公知菌種(株)は多くの国際的微生物寄
託保管機関、例えばCBS(Centralburea
uvOOrShimmelculturesオランダ)
、NRRL(NOthernUtilizatiOnR
esearchandDevelOpmentDivi
siOnアメリカ)、ATCC(AmericanTy
peCultureCOllectiOnアメリカ)、
NCYC(NatiOnalCOllectiOnOf
YeastCultures,.BrewingInd
ustialResearcHFOurndatiOn
.Natfield英国)、IFO(Institus
efOrFermentatiOnOSAKA日本)、
0UT(FacultyOfEngineeringO
sakaUniversity日本)、AHU(Fac
ultyOfAgricultureHOkkaidO
University日本)、その他の菌保管所に保管
されているので、自由に分譲を受けることができるが、
勿論、適当な菌源より分離を試みてもよい。本発明の目
的に適した菌が比較的容易に分離できる菌源は野菜の葉
、茎、その他の植物体地上部である。これらの分離菌株
について上記諸属に帰属することが種々の菌学的特徴に
より認められたものの中から、実験的にSUS産生能の
高いものを選択する。もつとも、SUS含量の定量が比
較的面倒であるところから、簡単なガスクロマトグラフ
法によつてCl6及びCl8飽和脂肪酸ならびにCl8
:1脂肪酸の多いものを予備的にスクリーニングするの
も有効ではあるが、後者の脂肪酸が必ずしも2位に配列
するとは云えない以上この簡易スクリーニングは飽くま
で補足的意義を有するに留る。すなわちSUSとSSU
は脂肪酸組成は同じであるがトリグリセラード組成は異
なるのである。例えばPOPはSUSでありPPOはS
SUであつて共に脂肪酸組成は同じであるが融点は前者
が35.5〜36.0℃を示すのに比べ後者は34.5
℃を示しトリグリセラード組成が異ることにより物性が
異なる。StOstが44〜44.5℃、StStOが
38.5℃の融点を示し物性が異なるのもこの例である
天然トリグリセラードを例にとればラードはSUSは極
めて少なくSSUが29%程度を占めるが、カカオバタ
一ではSUSが74%程度を占めSSUは4%程度であ
る。SUS生産能の高い菌を選択する意義がここにある
。工業化可能性を基準にすれば、菌体の含油量30%以
上、対糖油脂収率10%以上、菌体油脂トリグリセライ
ト沖のSUS含量30%以上のものが好ましい。
SUS含量が30%以下であると簡単な分別では溶けに
くい成分(例えばSSU成分)のSUSに対する含有比
が高くなる傾向があり品質的に劣るものとなり好ましく
ない。前記菌種はすべて以上の要件を満足するものであ
る。
勿論、普通に行われている変異手段、例えばX線、γ線
などの放射線照射、ナイトロジエンマスタード、代謝桔
抗物質などによる被毒操作は、菌の能カアツプを期待し
て行われてもよい。本発明を実施するには、予め選ばれ
たSUS生酸性菌株の純粋培養物を適当な増殖培地中に
接種し好気的条件下にその菌の増殖に適した温度で培養
を行う。前掲した微生物は全部好気性菌である関係から
、静置培養より振盪培養が適している。工業的には液内
通気培養が好まし(・。培地としては同化可能な窒素源
及び炭素源の他、カリウム、ナトリウム、カルシウム、
マグネシウム、鉄、亜鉛、燐、マンガン、銅などの必須
無機塩を含有すべきである。その他菌種によりビタミン
類、アミノ酸などの微量有機栄養源を要求すること菌そ
れぞれの性質により決るので一概に云うことはできない
。窒素源としてはアスパラギン、グルタミン、ペプトン
などの有機窒素源が理想的であるが硫酸アンモニウム、
硝酸アンモニウム、尿素(但し使用菌がウレアーゼ活性
を有する場合)などの安価な無機窒素化合物でも有効で
ある。炭素源としては五炭糖(キシロースなど)、六炭
糖(プドウ糖、果糖など)、二糖類(蔗糖、麦芽糖など
)などが無難であるが、菌種によつてはオリゴ糖類(ラ
フイノース、スタキオースなど)及び水溶性多糖類(例
えば可溶性澱粉、デキストリンなど)も資化できる。更
に資化の可能性がある限り液状又は気状炭化水素、低級
脂肪酸(例えば酢酸塩)の利用も考慮されてよい。しか
し工業的に最も有利であるのは資化性の高い炭素源に富
んだ産業廃棄物を利用することである。後者の例として
は亜硫酸パルプ廃液、木材糖化廃液、廃糖蜜、缶詰工場
廃液、大豆蛋白抽出廃液(大豆ホエイ)、チーズ製造廃
液(チーズホエイ)、澱粉製造廃液(コーンスターチ製
造廃液など)、層殺場廃液などが例示できるが勿論これ
らに限られるものではない。これらの廃物中、廃糖蜜(
砂糖製造廃液、特に蔗糖製造廃液)及びコーンスターチ
製造廃液は、糖類の他に菌体増殖に有効な有機及び無機
微量栄養素を多量に含有するので有利である。なお肉工
キズ、コーンステイープリカ一、酵母工キズなどは微量
栄養源として有用である。以上述べた諸栄養源は使用菌
にとつて最適の発育条件となる一定の配合で培地中に含
有せしめられる。
この条件は菌種により多少の巾はあるが、大体、全量に
対しC:0.8〜5.0%、N:0.006〜0.17
%の範囲である。特にC/N比は菌体の増殖にとつて重
要であるので綿密な実験により決定さるべきである。一
般に本比の炭素側の減少による減少は含油量及びSUS
成分の著しい減少を招く。理想的なC/N比の下では菌
体収量のみならず、含油量及びSUS含量もまた大きい
。上記の菌は大体20〜37℃の間の温度領域内で発育
するが、特に良好な発育は25〜30℃の範囲で見られ
るのが普通である。本発明者の知見によれば良好な発育
を示す温度範囲内では培養温度が上昇する程菌体油脂中
の飽和グリセラードが増加することが認められた。従つ
て、SUS分の収率を高めるには或る程度培養温度を高
めた方が有利である。この培養温度の高温化は、工業的
な(連続)発酵時における発酵熱の制御上からも都合が
良い。本発明における発酵時間は菌種によつて異なるが
長すぎると不経済であるのみでなく一旦生成した油脂の
加水分解を招いてジ一及びモノーグリセライドならびに
遊離脂肪酸の副生を増加させ、油脂含量の低下を来すの
で注意を要する。
以上の如くして得られた菌体増殖物から油脂を抽出する
には、先づ培養液をろ過又は遠心して湿つた菌体を集め
る。
この場合ろ過を容易にするには、プロスを酸性側にした
方がよい。湿つた菌体はそのままコロイドミル又はボー
ルミル等を用いて磨砕し、次いでヘキサンの如き溶媒で
抽出するか又ぱ一旦凍結もしくは噴霧乾燥後、ケージプ
レス、エキスペラ一等を用いて搾油するか、又はヘキサ
ン等により抽出するか、或いは両者を併用して抽出を行
う。別法として湿つた菌体を練結して細胞膜を破壊した
後常温に戻し、次いで溶媒抽出を行つてもよい。以上の
他、抽出を容易化するための手段として超音波による菌
体の破壊及びヘミセルラーゼ等による細胞膜の除去も有
効な補助手段である。なお、実1験室的には、湿つた菌
体を乳鉢中硅砂、ガラスペレツト等と共に磨砕するのが
簡便な方法である。かくして油脂を回収した後の菌体砕
片は濃厚な蛋白源であると共に豊富なビタミン源、及び
補酵素源でもあるのでこれはそのまま飼料として利用で
きるのみならず、更にこれから蛋白質を抽出すれば、人
の食料として有用t微生物蛋白となる他、また栄養品医
薬などの原料としても利用できる。一方、抽出された粗
油脂は通常かなりの量の狭雑物、例えばモノ一及びジー
グリセライド、遊離脂肪酸、フイトステロール類、フオ
スフオリピド、カロチノイドなどを含むので精製により
これら不純物を除去する必要がある。精製には通常の油
脂の精製に準じ、脱酸、脱色及び脱臭の各工程に附す。
以上の如くして得た精製油は分別を行つてSUS分の含
量を高めることが望ましい。
分別には単に油を冷却して固形部と液体部とに分離する
ウインタリング法、油を界面活性剤の水溶液中に分散後
冷却して結晶部(固形部)と液体部と水性層とに分離す
る湿式ウインタリング法及び油を有機溶剤中に溶解後段
階的に冷却して種々の融点部分に分別する溶剤分別法な
どがあるが、発明目的上最も好適なのは後者である。後
者の溶剤分別法によれば、溶剤の種類と量の選択により
所望のSUSを多量に含む画分を容易に収得しうる利点
がある。分別は先づ高融点のトリ飽和グリセラード(こ
のものの多量混入はチヨコレートの粘度を士昇せしめテ
ンパリングを困難ならしめる原因となる)を析出物とし
て除去し、次いで所望のジ飽和一モノ一不飽和グリセラ
ード画分を第2の析出物として分離採取し、最後に液状
部としてモノ飽和一ジ一不飽和一及びトリ不飽和グリセ
ラード画分を除去する二段法(勿論、トリ飽和グリセラ
ードの量が少なければ初段階を省略できる)によるのが
普通である。なお分別は通常脱臭工程の前に行うが、所
望により該工程の後であつてもよい。溶媒としてはヘキ
サン、メチルエチルケトン、アセトン、エタノールなど
油脂の分別に利用できる公知の溶媒は全て使用可能であ
る。以上の如くして得た分別油脂は代用脂として優れた
性質を有する。
添附図面(第1図及び第2図)は後記実施例1及び2の
実験で得られた分別油脂12yを内径16.5φの試験
管に人れ、これを更に内径30φの外管中に収め、60
′Cの恒温槽中に入れ、時間/温度曲線(クーリングカ
ーブ)を測定した結果である。図面に示す如くこの分別
脂をカカオバタ一と5:5及び7:3の比率で混合した
もの22は、カカオバタ一4と近い〆型結晶生成速度を
示しており、優れたカカオバタ一代用脂として利用でき
る可能性を示している。以上詳述した如く、本発明は或
る種の微生物の体内油脂のトリグリセラード組成の認識
に端を発して、これまでカカオバタ一代用脂として全く
着目されたことのない微生物油脂の工業的利用に第一歩
を印したものである。
特に、本発明の対象物であるカカオバタ一代用脂は、天
然植物脂よりの供給が遂年逼白の度を加えつつあるもの
であり、従つて本発明の成功は需要者に対し顕著な利益
をもたらすものと信じる。以下2〜3の実験例により発
明実施の態様を説明する。
断るまでもなく、これら実施例は単なる説明であつて、
発明の技術的範囲の限定を意図したものではない。実施
例 1 攪拌機及び送気ダクト付150′発酵槽に下記組成の半
合成培地100eを入れ、これにロドトルラグルテイニ
ス(RhOdOtOrulaglutinis)0UT
6151株の純枠培養物1e、を接種し、通気量1V.
V.M.、攪拌速度300r.p.m.、温度30℃の
条件で52時間培養した。
〔培地組成〕
(但し、硫酸でPH5.4に調整後120℃、20分加
熱滅菌)培養が終了した時点でプロスの菌体濃度は8.
89y/eであつた。
このプロスを遠心して菌体を集め、水道水で1回洗浄後
凍結乾燥し、赤色の乾燥菌体805yを得た(含油量3
8.4%、対糖油脂収率(F.C)11.5%)。この
菌体を10倍量のn−ヘキサンと共にミキサーに入れ撹
拌抽出し、残渣を遠心分離で集めて同様に3回抽出し、
全抽出物を集めて溶媒を除いた。粗油脂はカロチノイド
色素を含んでいるため濃赤色を呈し、下記の油脂化学的
特性を持つていた。以上の如くして得た油脂を苛性ソー
ダ水溶液を用いて常法通り脱酸処理後油脂に対し4倍量
のnヘキサンに溶解し、−15℃にて60分間攪拌し、
析出した結晶を遠心採取し、該結晶部分の冷却曲線は添
附第1図の通りであつた(その説明は本文中既述)。
この結晶12部、カカオバタ一12部、カカオマス15
部、全脂粉乳20部及び砂糖41部を混合して常法どお
りチヨコレートを作成し、テンパリング性、型離れ及び
抗ブルーム性の3点を主眼として検討した。
この配合物はテンパリングに際し許容温度差は±2.0
℃であり、また型離れも良好であつた。更にでき上つた
チヨコレートサンプルを各12時間のサイクルで18℃
及び30℃の温度変化を13回繰り返したところ、ブル
ームの発生は認められず、優れた抗ブーム性を有するこ
とが確認された。実施例 2 攪拌機及び送気ダクト付150e発酵槽に下記組成の半
合成培地100eを入れ、これにリポミセスリポフア一
(LipOnlyeeslipOfer)IFOO67
3(別名:トルロプシス リポフア一TOrulOps
isllpOfer)株の純粋培養物1eを接種し、通
気量1VVM、撹拌速度300rpm、温度28℃の条
件で64時間培養した。
(但し、硫酸でPH5.4に調整後110℃、15分間
加熱滅菌)培養終了後、プロス中の菌体濃度は10.6
5y/eでこのプロスを遠心分離して菌体を集め、噴霧
乾燥して白色の菌体7887を得た〔含油量53.4%
、対糖油脂収率21.7%〕。
この菌体を静圧110k9/Crllの圧力でケージ中
加圧搾油し、残渣を5倍量のn−ヘキサンで2回抽出し
、溶媒を除いた後、先きの搾油分と併合する。併合され
た粗油脂(酸価6.23、沃素価63.5、鹸化価18
4.0)は410yで、下記の油脂化学的特性を持つて
いた。以上の如くして得た油脂を実施例1と同様にして
脱酸処理し、分別して、結晶部分の冷却曲線を測定し第
2図に示した。
更に結晶部分にその4倍容量のn−ヘキサンを加え、加
温再溶解した後、5℃に保持して析出する画分を除いた
。沢液を脱溶媒して得た画分の冷却曲線は第2図の1の
曲線のピークの形がよりはつきりした形のものとなつた
。実施例 3 500m1のフラスコに下記組成A又はBの半合成培地
を100m1入れ、リポミセススタアキイ(LipOn
lycesstarkeyi)FOO678株、ロドト
ルラグラミニス(RhOdOtOrulagrwlin
is)FOl422株、ロドトルラグラミニス(RhO
dOtOrulagraminis) NCYC5O2
株、ロドトルラグルテイニス(RhOdOtOrLll
aglutinis)AHU3942株及びエンドミセ
スベルナリス(EndOmycesvernalls)
IFOOll4株の純粋培養物1.0m1を第1表に記
載の培養条件(培地、培養温度及び培養時間)で各々単
独に接種し振盪培養を行つた。
培養終了後、遠心分離して菌体を集めて乾燥し、菌体収
量を測定した。
測定後、この菌体を乳鉢を用いて石英砂と共に磨砕し、
エチルエーテルを用いソツクスレ一抽出器で磨砕された
菌体中の油脂分を抽出して、油脂の収率、化学特性、脂
肪酸組成及びトリグリセラード組成等を測定した。結果
は第2表に示す如くである。(但し、フラスコ培養の場
合、菌の成長時間が工業用発酵槽培養に較べて長いため
、長時間を設定した。)また、実験番号1乃至5で得ら
れた各々の油脂を実施例2と同様の操作により低融点画
分及び高融点画分を除いて中融点画分を得た。
得られた各各の中融点画分の冷却曲線は第1図の1又は
第2図の2と同様のパターンを示した。以上詳述した如
く、本発明は特定の微生物群がSUS成分に富む油脂を
生産するとの新事実の発見に基き、これまでカカオバタ
一代用脂として全く注目されなかつた微生物油脂を回収
・分別してカカオバタ一代用脂を生産する方法を提供す
るものであつて、当業者にとつての懸案を解決した有意
義な発明である。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は実施例1及び実施例2により得たカ
カオバタ一代用脂とカカオバタ一のクーリングカーブを
示し、各図1は代用脂自体の、2は代用脂:カカオバタ
一5:5、3は代用脂:カカオバターJメF3の組成物の
、4ぱカカオバタ一単独のクーリングカーブを夫々示す

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 エンドミセス(Endomyces)属、ロドトル
    ラ(Rhodotorula)属又はリポミセス(Li
    pomyces)属の中のいづれかの属に属するSUS
    (但しここにSはC_1_6、C_1_8及び/又はC
    _2_0飽和脂肪酸残基であり、UはC_1_4_:_
    1〜C_2_0_:_1不飽和脂肪酸残基であつてSU
    Sは2位が不飽和のジ飽和−モノ不飽和トリグリセライ
    ドを意味する)生産性微生物を好気的に培養して菌体を
    採取し、菌体から回収した油脂を分別してSUS成分に
    富む画分を分取することを特徴とするカカオバター代用
    脂の製造法。 2 菌体から回収した油脂中のトリグリセライド中SU
    Sが30%以上である第1項記載の製造法。 3 分別が低融点部及び/又は高融点部を除くことによ
    り実施される第1項又は第2項記載の製造法。
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