JPS593134B2 - コンクリ−ト製品の即時脱型成形機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はコンクＩＪ −ト製品の即時脱型成形機に関
し、コンクリート・ホッパー、その下に入って定量コン
クリートを受け、隣接型枠上へ移って、そのコンクリー
トを投下する摺動枠、型枠上方のコンクリート・プレス
等をもつ量産成形機において、特に投下したコンクリー
ト内で上下動する突固め体を有効に働かすことを主な特
徴とする。

この種、即時脱型成形機においては、スランプ値零か、
極く低い値のコンクリートを用い、振動と加圧により固
めて、直ちに脱型する。

そのため流込み成形のように多数の型枠を並べて養生す
る必要がなく、設備費と生産性の面で優れている。

その反面、コンクリートの流動性が少いため、振動、加
圧を加えても型枠の形によってはコンクリートが行き渡
らない箇所ができ易い。

従って信頼性の面から、即時脱型式では成形できない、
とされる形状のコンクリート・ブロックも少くなかった
。

図示した型枠１によるブロックＷもその一例である。

上記方式の即時脱型成形機は高能率、量産性を特徴とし
、秒単位で型枠へコンクリートを充満し、プレス加圧し
、直ちに脱型するので、型枠を外部から振動させ、開口
部コンクリートを押込むという外的手段でコンクリート
の内部移動を促進するほか方法がないとされたのもうな
ずける。

しかし、本発明者は、そのコンクリート投入からプレス
加圧までの短時間に、土木、建築のコンクリート工事に
使われる気長な突固め作業を導入し、直接、コンクリー
トの内部移動を促進することに成功したのである。

以下、図面について、この発明の実施態様を説明する。

第１〜３図はこの発明の実施例を示し、第４〜６図はそ
の原理を示す。

その主要部は、型枠１、コンクリート・ホッパー２、摺
動枠３、コンクリート・プレス４となる。

この場合、プレス４の架台４ａがホッパー２の架台を兼
ね、摺動枠３の摺動床面３ａをもつ架台３ｂと結合され
ている。

周知のように摺動枠３の上方は開口し、その後部はホッ
パ−２出口をふさぐ閉じ板３ｃとなり、両側に固定した
レール３ｄが案内車輪３ｅ上の前後進して摺動枠３を前
後動させる。

３ｆはその駆動用流体圧シリンダ、３ｇは振動機である
。

上記摺動床面３ａに隣接して型枠１の上面が接続してい
る。

製品であるコンクリート・ブロックの形が、第１図Ｗと
して示すように反転脱型に適しないものであるため、こ
の実施例の型枠１は横開き水平押出し式脱型によってい
る。

シリンダ１２はその横開き用、シリンダ１３は製品Ｗ押
出用で、型枠横開き機構は周知の両開きのものである。

型枠１の両側に振動機１４と駆動モータ１４ａそのカバ
ー１４ｂを設けている。

型枠１下面には底面鉄板押上機構１５、その押上シリン
ダ１５ａを設け、コンクリートを上下から加圧するよう
にしている。

型枠１の横開き面前方に製品取出機構１６があり、製品
押出シリンダ１３と同期して、取出シリンダ１６ａが製
品受枠１６ｂを突出する。

受枠１６ｂは左右に製品を載せる環状チェノ１６ｃを掛
けており、このチェノ１６ｃを固定点１６ｄ（第１図）
に止めている。

従って、受枠１６ｂを突出した時、その先端に載った製
品Ｗが、受枠１６ｂを引戻した時はその後端、第１図の
位置に来ることになり、輸送コンベアに移せる。

さて、この発明の主な特徴を備えるコンクリート・プレ
ス４は概略、従来と変らず、案内柱５ａ沿いにスライド
５が昇降し、スライド５下面に周返のコンクリート加圧
板６とストッパ５ｂを突出している。

熱論、加圧板６は型枠１の上部開口面に人込み得る形を
している。

たゾし、この発明の加圧板６には上下に貫通する穴１が
明いている。

そしてスライド５中央部に往復駆動流体圧シリンダ８を
垂直に取付けている。

このシリンダ８は、加圧力は比較的小さいが、大きな行
程をもつもので、その長尺のピストン・ロッド９が上述
の加圧板貫通穴７を抜けて下方へ伸び出得るようになっ
ている。

このワンド９下端にコンクリート突固め体１０が付いて
いる。

そして、その下端が加圧板６の下面の高さに来た時、貫
通穴Ｔをふさぐ栓になるような適合寸法にしている。

この場合、突固め体１０の下面は、第２図で示すように
平たんであるから、コンクリート加圧面も従来の加圧板
で押した場合と同様に平たんになる。

しかし必ずしもコンクリート表面が平たんでなくてもよ
い場合、あるいはコンクリート表面に面鉄板を載せた上
から加圧する場合、突固め体１０の下面を図のように平
たんにする必要はない。

一般の突固め棒の先端のように丸めてもよいのである。

加圧板６が型枠１の投下コンクリートを加圧する際、表
面に面鉄板をかぶせない場合は突固め体１０の下端が加
圧板６下面と揃って加圧するようにしなければならない
。

加圧板６を押すのはプレス４のクラウンに取付けた左右
の流体圧シリンダ１１であり、突固め体１０を押すのは
スライド５に取付けた中央シリンダ８である。

両者を別個に操作して、はゾ同時に加圧させてもよいが
、中央シリンダ８によりロッド９を−ばいに引上げた時
、突固め体１０下面と加圧板６下面が揃うようにしてε
けば、より簡単である。

あるいは加圧板６の貫通穴７内壁を円錐面にして突固め
体１０の外周がこれに適合し、それ以上、上へ抜出ない
ようにするとか、加圧板６上面に突固め体１０用ストッ
パを設けるなどの手段をとってもよい。

この成形機の動作は第４〜６図によって説明する。

第４図はホッパー２の下で摺動枠３がコンクリートを定
量受取った状態を示す。

第５図は摺動枠３が型枠１上へ進み、型内ヘコンクリー
トを落したところを示す。

この時、プレス４中夫の往復駆動シリンダ８のロッド９
を下げ、突固め体１０を型枠１中へおろして往復運動を
反復させる。

つまり、コンクリートの突固め作業である。

この実施例の突固め体１０は、上部が円錐形、下面が平
面であるから、上昇する時はコンクリートをかけ分けて
あがり、降りる時は突落し突固める作用に適している。

往復駆動は流体圧回路の切換弁を往復移動させる事によ
っている。

往復動作は型枠１の形により適宜設計すべきで、往復回
数を多くする事より、上部の余ったコンクリートを下部
の不足部分へ押込むに適した作動位置、行程を考えると
よい。

場合によっては突固め体１０に工夫を加え、引上げる時
すぼまり、押下げる時、広がる可動体にして、押込み効
果を高めてもよい。

一般には摺動枠３をホッパー２の下へ復帰させる前に、
突固め体１０を引上げて突固めを終える。

しかし、必要なら摺動枠３が復帰してから再び突固め作
業を行ってもよい。

第６図は摺動枠３が復帰し、プレス４本来の加圧作業に
入った状態を示す。

この加圧前に突固め体１０は中央シリンダ８により−ば
いに引上げられて加圧板６の貫通穴に栓をしたようにな
っており、この状態でスライド５を圧下している。

型枠１下部の底面鉄板１１が押上機構１５により押上げ
られるから、上下からコンクリートを加圧しているわけ
である。

なお、第５図のコンクリート投入時、摺動枠３の振動機
３ｇと型枠１の振動機１４が働き、第６図の加圧中も必
要に応じて後者を働かすことは従来と変りない。

その後、シリンダ１２が型枠１の前壁を開き、シリンダ
１３が製品Ｗを型内から押出し、取出機構１６がこれを
受取って、輸送コンベア（回路）等へ渡すことは周知で
ある。

以上、この発明を一実施例によって説明したが、その実
施態様は設計条件に応じて、設計者の公知技術により多
様に変化、応用し得るもので、例えば型枠形状に応じて
突固め方向を傾斜させてもよい０ この発明は即時脱型成形機には無縁のものと考えられて
いた突固め棒を、成形機のプレスにつけ、その加圧板を
貫通して型枠中へおろす事により、摺動枠による数秒間
のコンクリート投入工程に、突固め工程を組入れた。

これによって製品品質は飛躍的に向上し、従来、即時脱
型式では製造不可とされた形状の製品でも能率よく生産
できるようになったのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例正面図、第２図はその側面
図、第３図はその平面図、第４〜６図は工程説明図であ
る。 １・・・・・・型枠、２・・・・・・コンクリート・ホ
ッパー、３・・・・・・移動枠、４・・・・・・プレス
、５・・・・・・スライド、６・・・・・・加圧板、８
・・・・・・往復駆動シリンダ、９・・・・・・長尺ロ
ッド、１０・・・・・・突固め体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コンクリート・ホッパーと、その下に入って定量コ
   ンクリートを受け、隣接型枠上に移って、そのコンクリ
   ートを投下する摺動枠と、型枠上方のコンクリート・プ
   レスとを有する即時脱型成形機において、 そのプレスは型枠開口面加圧板を受けたスライドと、こ
   のスライド中央部に下向きに取付けた往復駆動流体圧シ
   リンダと、この中央シリンダにより昇降させられ、上記
   加圧板貫通穴を抜けて下方へ伸び出得る長尺ロッドと、
   このロッド下端に付き、上記貫通穴をふさぐ栓になる突
   固め体とを備え、上記突固め体は型枠中へおろして投下
   コンクリート突固め後、上記加圧板によるコンクリート
   加圧前に引上げて上記加圧板貫通穴をふさぎ、この状態
   で上記スライドを圧下するようにした事を特徴とするコ
   ンクリート製品の即時脱型成形機。