JP2620948B2 - 大型タイル等成形用のハンマープレス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 産業上の利用分野 本発明は、大型タイル等の成形において嵩比重、強度
を上げ、更に裏足がもげない様にし、又装置を小型化出
来る様にした大型タイル等成形用のハンマープレスに関
するものである。

従来の技術 従来、大型の壁タイル、床タイル等は1000トン程度の
油圧プレスを利用して成形しようとしているが、嵩比
重、強度の点から300mm角、厚み10〜25mm程度のものま
でが限界で、最近要望されている600mm角、900mm角のも
のは不可能であり、又従来の成形方法をそのまま利用し
た場合には2000〜4000トンの油圧プレスが必要になり、
かかる大型プレスでは設備費用が大幅に高くなり、タイ
ルのコストが上がり建材としての価格では生産出来なく
なり、又裏足の付いたものがセメントから落ちないため
に施工面で有利ではあるが、油圧プレスの場合には圧力
が上下方向だけでなく、横方向にも掛かるために金型枠
を脱型せしめると成形体が横に膨脹して裏足がもげた
り、表面に亀裂が入り、歩留まりを著しく低下せしめる
原因となっていた。

そこで、上型と下型に振動機を取付けた油圧プレスが
考え出されたが、上型と下型は案内支柱に強固に支持さ
れていたり、上下のシリンダーで上型と下型を強力に押
圧しているために振動機の効果が全く発揮されない欠点
を有していた。

発明が解決しようとする課題 本発明は、大型タイル等の成形において油圧式の衝撃
加圧装置を上型に設けることにより、衝撃圧縮して嵩比
重、強度を上げ、更に上下方向の圧縮によるために横方
向に膨脹せず裏足がもげない様にし、又装置を小型化出
来る様にした大型タイル等成形用のハンマープレスを提
供せんとするものである。

〔発明の構成〕

課題を解決するための手段 本発明はかかる点に鑑み、下型、下降押圧自在な上型
及び金型枠にて構成せしめる成形用のプレス装置であっ
て、上記上型に油圧式の衝撃加圧装置を設置せしめたも
の、衝撃加圧装置を上型に押圧するための押さえシリン
ダーを設置せしめたもの、及び緩衝材を介して下型を支
持すると共に、該下型に振動機を固設せしめた大型タイ
ル等成形用のハンマープレスを提供して上記欠点を解消
せんとしたものである。

作 用 本発明は、下型と金型枠で囲繞されたキャビティ内へ
粉体原料を充填せしめ、振動機を作動してキャビティ内
の粉体原料を振動せしめて粉体原料の充填密度を上げて
脱気し、更に上下シリンダーを上下作動せしめて上型を
上下動して脱気し、次に上下シリンダーで上型を下降し
押さえシリンダーで押圧した状態で、油圧式の衝撃加圧
装置により衝撃加圧して整形するのである。

実施例 以下本発明の一実施例を地面に基づいて説明すると、 １は本発明に係る大型タイル等成形用のハンマープレ
スであり、プレス基台２に昇降用の案内支柱３、3aを立
設せしめ、該案内支柱３、3aの上部には上部基台４を固
設せしめると共に、中間部には上記基台５を昇降自在に
支持せしめている。

６はフローティングシリンダーから成る緩衝材７、7a
により振動自在に支持されている下型であり、該下型６
の下面には振動基８、8aを固設せしめ、又下型６の上部
側方には金型枠９を昇降自在に配設しせめており、下型
６と金型枠９によりキャビティ10が囲繞されている。

尚、11、11aは金型枠９の枠上限ストッパーである。

12は下型６の対向上方位置で上型基台５の下部に取付
けられている上型であり、又上部基台４と上型基台５の
間には上下シリンダー13、13aを配設せしめて上型12を
昇降自在と成している。

14は支持フレーム15、15aにより上型基台５上に配置
せしめた油圧式の衝撃加圧装置であり、該衝撃加圧装置
14のロッドの先端は上型基台５上の受板16に対向してい
る。

17は上部基台４上に設置せしめた油圧式の押さえシリ
ンダーであり、該押さえシリンダー17先端のロッドは衝
撃加圧装置14上に当接せしめている。

尚、衝撃加圧装置14及び押さえシリンダー17は油圧式
のものを示したが、液圧式、エアー式とは成しても良
く、本発明の支持的範囲に属するものである。

次に本発明に係る大型タイル等成形用のハンマープレ
スの作用について説明すると、 下型６と金型枠９で囲繞されたキャビティ10内へ粉体
原料を充填せしめ、振動機８、8aを作動してキャビティ
10内の粉体原料を振動せしめて粉体原料の充填密度を上
げて脱気し、更に上下シリンダー13、13aを上下作動せ
しめて低圧で上型12を上下動して脱気し、次に上下シリ
ンダー13、13aで上型12を下降し押さえシリンダー17で
押圧した状態で、油圧式の衝撃加圧装置14により衝撃加
圧して形成するのである。

かかる結果、従来の様に例えば100トンのエネルギー
をそのまま100トンとして使用するのではなく、小さな
エネルギーを数倍に使用出来るのであり、実際のテスト
では振動数450〜550VPMで加圧時間10秒の油圧ブレーカ
ーを使用した結果、衝撃力の約10倍の効果があることが
判明した。

尚、衝撃加圧装置14は油圧式であるために流量及び圧
力を調整して衝撃加圧力を調整し、又押さえシリンダー
17も圧力を調整して押圧力を調整するのである。

又、脱気は振動機８、8aと上下シリンダー13、13aに
より行っているが、どちらか一方でも良い。

又、成形体として主に大型タイルについて説明した
が、裏足付き等の役物（異形品）、煉瓦、耐火物の板、
バインダーを混合したもの等にも適用できるものであ
る。

〔発明の効果〕

要するに本発明は、下型６、下降押圧自在な上型12及
び金型９にて構成せしめる成形用のプレス装置であっ
て、上記上型12に油圧式の衝撃加圧装置14を設置せしめ
たので、小さなプレス圧力を数倍に使用出来て衝撃加圧
により充分に嵩比重、強度が向上した大型タイル等が成
形出来、又金型枠９等を脱型しても成形体が横に膨脹し
ないために裏足がもげたり、亀裂が入ることがなく歩留
まりを良くしたり、成形体を取り出すことが容易になっ
たりして生産性を向上せしめることが出来、又衝撃加圧
装置14が油圧式であるために油の流量と圧力により衝撃
加圧力を調整したり、正確な加圧力を得ることが出来た
りして充分な管理が出来、又プレス圧力を低下すること
が出来、且つ横に膨脹しないために枠強度が小さくても
良く装置を小型化することが出来るのである。

又、衝撃加圧装置14を上型12に押圧するための押さえ
シリンダー17を設置せしめたので、衝撃加圧装置14の押
圧力を調整して、粉体原料への押圧を調整、管理するこ
とが出来るのである。

又、緩衝材７、7aを介して下型６を支持すると共に、
該下型６に振動機８、8aを固設せしめたので、下型６の
自重により振動が減殺されることなく下型６等が振動出
来てキャビティ10内の粉体原料を振動させて充分なる脱
気をすることが出来る等その実用的効果甚だ大なるもの
である。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示すものにして、 第１図は本発明に係るハンマープレスの概略正面図であ
る。 ６……下型、７、7a……衝撃材、８、8a……振動機、９
……金型枠、10……キャビティ、12……上型、14……衝
撃加圧装置、17……押さえシリンダー

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下型、下降押圧自在な上型及び金型枠にて
   構成せしめる成形用のプレス装置であって、上記上型に
   油圧式の衝撃加圧装置を設置せしめたことを特徴とする
   大型タイル等成形用のハンマープレス。
2. 【請求項２】衝撃加圧装置を上型に押圧するための押さ
   えシリンダーを設置せしめたことを特徴とする請求項１
   記載の大型タイル等成形用のハンマープレス。
3. 【請求項３】緩衝材を介して下型を支持すると共に、該
   下型に振動機を固設せしめたことを特徴とする請求項１
   又は２記載の大型タイル等成形用のハンマープレス。