JPS5931317Y2 - 磁性体粒子除去装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、液体中に含まれる磁性体粒子を永久磁石を用
いて除去する磁性体粒子除去装置に関する。

従来、液体中に含まれる磁性体粒子を除去するには、ド
ラム型あるいはベルト型の磁選機が使用されているが、
これらのものでは くの場合、電磁石を使用しており、
極めて大きな電力を必要とする。

また、ベルト型磁選機では磁石が水中にないので、磁場
の利用は効果的でない。

一方、永久磁石を直接水中に設置すれば前記欠点は改良
できるが、回収した磁性体粒子の排出が不可能となる。

本考案は、沈殿池の上部あるいは底部から軟磁性体と磁
化された硬磁性体とから構成される磁極を水中に設置し
、硬磁性体と軟磁性体との結合、分離によって磁気体粒
子の吸引、排出を行なうもので、消費電力が極めて小さ
く、かつ回収率の高い磁性体粒子除去装置を提供するこ
とができる。

以下図面を参照して本発明の一実施例を説明する。

第１図および第２図において、１は沈殿池、２は溶液の
注入孔、３は磁性体粒子除去後の溶液の排出孔であり、
４および５は沈殿池に設けられた堰である。

６は磁化された硬磁性体、７は６と結合した軟磁性体で
ある。

８は沈殿池の底部に蓄積した磁性体粒子の排水孔であり
、９はバルブである。

まず第１図に示す実施例について説明する。

注入孔２より注入された磁性体粒子を含む溶液は堰４，
５によって図の矢印のように流れる。

このとき、溶液中の磁性体粒子のうち比較的大きな粒子
は自重により沈澱するが、微細な粒子は溶液と共に流れ
るので堰５の上部を通過するときに磁極に接近し吸引力
を受ける。

したがって、図のように複数個の磁極を設ければ、はと
んどの微細な磁性体粒子は磁極に吸着される。

適当な時間経過ののち、磁極を引き上げ、硬磁性体６と
軟磁性体７とを分離することにより、磁極に吸着された
磁性体粒子は排出される。

また、沈澱した粒子は、バルブ９を適当な時間開くこと
により排出孔８より排出される。

４個の前記磁極を有する本装置において磁極表面での磁
場の強さを１５００ガウスとし、１リツトル中に直径５
００λのフェライト微粒子を約１００ｇ含む溶液を５１
７分の平均流速で注入孔２より注入して実験を行なった
結果、排出孔３より排出された溶液中のフェライト微粒
子は１リツトル中５ｇ以下であり、９５％以上の回収率
を得た。

一方第２図に示す実施例では磁極は沈殿池の底部に設置
されており、適当な時間経過ののち硬磁性体６を沈殿池
底部から引き離すと同時にバルブ９を適当な時間開けば
、磁極に吸着された磁性体粒子は磁極から離れ、排出孔
８から排出される。

本装置についても、第１図の装置と同様な実験を行なっ
た結果、同じく９５％以上の回収率を得た。

さらに、沈殿池の上部および底部両方に第１図、第２図
のような磁極を取り付けること、およびこれらの装置を
複数個連続して用いることにより、より効果的に磁性体
粒子の除去を行なうことが可能である。

以上のように、本考案は磁極が水中にあり、溶液中の磁
性体粒子が磁極の非常に近傍を通過するため、磁性体粒
子を極めて効率よく磁極に吸着され、磁極は軟磁性体と
磁化された硬磁性体とから構成されているので、電磁石
のように大電力を要することなく、磁性体粒子の吸着、
排出が容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ本考案の実施例の装置を
示す横断面図で、１は沈澱池、２は溶液の注入孔、３は
磁性体粒子除去後の溶液の排出子し４および５は沈殿池
に設けられた堰、６は磁化された硬磁性体、Ｔは硬磁性
体６と結合した軟磁性体、８は沈殿池の底部に蓄積した
磁性体粒子の排出孔、９はバルブである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溶液の注入孔、排出孔および排出孔に設けられた複数個
   のバルブを有する沈澱池において沈澱池の底部に固定さ
   れた複数個の堰と沈澱池の上部に固定された複数個の堰
   を交互に有し、沈澱池の底部に固定された堰とバルブの
   間で、しかも沈澱池の底部、または沈澱池の底部に固定
   された堰の最上部で、しかも沈澱池の上部に硬磁性体と
   軟磁性体とからなる磁極を有することを特徴とする磁性
   体粒子除去装置。