JPS593123Y2 - 内燃機関の動弁機構における弁リフタの潤滑装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関の動弁機構において弁口（吸気口ある
いは排気口）を開閉する開閉弁とこれを作動する動弁カ
ム間に介装されるパケット型弁リフタの潤滑装置に関す
るものである。

前記パケット型弁リフタにおいて、その弁リフタとそれ
が摺合される機関本体案内孔との間に潤滑油を給油する
ために、案内孔内壁または弁リフタの側壁に給油孔を開
口するようにしたものは、例えば実開昭５１−２３６４
４号公報、実開昭５３−３１１５５号公報に記載されて
いるように従来公知であるが、それらのものでは、上記
給油孔が、弁リフタと案内孔との摺合面の周方向の一部
にしか開口していないため、その給油孔からの油だけで
は上記摺合面をその全面、すなわちその全周、全ストロ
ークに亘って均等に潤滑することが難しく良好な潤滑効
果が得られない欠点がある。

本考案は上記に鑑み提案されたもので、従来のものの上
記欠点を解消し得る構造簡単な、弁リフタ潤滑装置を提
供するものである。

以下、図面により本考案の一実施例について説明すると
、Ｅは機関本体で、シリンダブロック１上にガスケット
３を介してシリンダヘッド２を重合固着してなり、その
シリンダブロック１のシリンダ孔４内には、横断面楕円
形、もしくは小判形のピストン５が摺動自在に嵌合され
、このピストン５は２本のコネクティングロッド６．７
を介してクランク軸８に連結される。

シリンダヘッド２には複数個の介挿通孔９が並設され、
これらの介挿通孔９には、ピストン５上方に形成される
弁口（吸気口、あるいは排気口）１０を開閉する開閉弁
（吸気弁あるいは排気弁）１１の弁杆１１′が案内部材
１２を介して摺動自在に挿通されている。

各介挿通孔９の上部には、これと同心上に円筒状の案内
（Ｌ１３が穿設されている。

各案内孔１３内において、弁杆１１′の上端にはコツタ
１４を介してばね受１５が嵌着され、このばね受１５と
案内孔１３の底面間には、固有振動数の異なる２つの弁
ばね１６．１７が同心上に縮設され、これらの弁ばね１
Ｂ、 １７の弾発力は開閉弁１１を上方、すなわちこれ
が弁口１０を閉じる方向に偏倚している。

各案内孔１３の上部には、前記弁杆１１′の上部を覆う
ようにパケット型の弁リフタ１８が摺動自在に嵌合され
、この弁リフタ１８の土壁内面中央部に形成した凸部１
９が、弁杆１１′の上端面に当接される。

弁リフタ１８の上面にはクランク軸８に連動して回転さ
れるカム軸２０上の動弁カム２１が当接されており、こ
の動弁カム２１が回転すると、弁リフタ１８を介して開
閉弁１１は所定のサイクルにしたがって開閉作動される
。

各案内孔１３の、弁リフタ１８の摺合される内面には、
その全周に亘って環状の潤滑油溜溝２２が形成され、こ
の潤滑油溜溝２２：は弁リフタ１８の外周面に開口する
ように断面半円状に形成されており、該溝２２内に貯留
される潤滑油は案内孔１３の内面と、弁リフタ１８の外
周面間を潤滑する。

並列される複数個の潤滑油溜溝２２は、これらの中央を
縦通ずるようにシリンダヘッド２に穿設される連通路２
３によって互いに連通され、この連通路２３は、図示し
ない給油源に連なる給油路２４に接続されていて、給油
源からの潤滑油は給油路２４を通って複数個の環状潤滑
油溜溝２２が強制給油される。

いま機関が運転されると、カム軸２０が回転し、そのカ
ム軸２０上に各動弁カム２１は弁リフタ１８を介して弁
ばね１６．１７の弾発力に抗して開閉弁１１を開放し、
また弁ばね１Ｂ、１７の弾発力は開閉弁１１を閉威し、
動弁カム２１と弁ばね１６．１７は協働して開閉弁１１
を所定のサイクルにしたがって開閉作動するものである
が、その開閉作動に際し、弁リフタ１８は案内孔１３内
を上下に摺動して開閉弁１１を案内し、これを正確に開
閉作動させるが、潤滑油溜溝２２内に貯留した潤滑油は
弁リフタ１８の外周面と案内孔１３の内面間を全面、す
なわちその全周、全ストロークに亘って均等に潤滑し、
弁リフタ１８の上下往復作動を軽快、円滑に行なわせる
ことができる。

以上のように本考案によれば、機関本体に開閉可能に並
設される複数個の開閉弁と、これら開閉弁をそれぞれ開
閉作動する複数個の動弁カムとの間に、それぞれパケッ
ト型弁リフタを介在させ、その弁リフタを介して動弁カ
ムの運動を開閉弁に伝達するようにした、内燃機関の動
弁機構において、前記複数個の弁リフタを、前記機関本
体に並設した複数個の案内孔内にそれぞれ摺動自在に嵌
合し、各案内孔の、前記弁リフタの摺動する内面に環状
の潤滑油溜溝を形成し、それらの潤滑油溜溝を、機関本
体に形成した連通路を介して相互に連通させ、さらに機
関本体に形成した給油路を前記潤滑油溜溝に常時連通さ
せたので、複数の上記環状潤滑油溜溝の各々に常時十分
に貯留される潤滑油を以て、該環状潤滑油溜溝に外周面
が囲繞される複数個の弁リフタとそれらの案内孔との各
摺合面をその全面、すなわちその全周、全ストロークに
亘って均等、良好に潤滑することができ、各弁リフタを
常に円滑、軽快に往復動させることができる。

しかも弁リフタの外周面には、潤滑のための環状溝等を
特別に設ける必要がないから、弁リフタの構造が簡単で
ある上、前記環状潤滑油溜溝の開口縁をリフタ外周面に
連続的に摺擦させることができてその異常摩耗を抑える
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を装備した内燃機関の一部の縦断面
図、第２図は第１図ＩＩ −ＩＩ線縦断面図、第３図は
第１図ＩＩ−ＩＩＩ線横断面図である。 ２・・・・・・機関本体としてのシリンダヘッド、１１
・・・・・・開閉弁、１３・・・・・・案内孔、２１・
・・・・・動弁カム、２２・・・・・・潤滑油溜溝、２
３・・・・・・連通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関本体に開閉可能に並設される複数個の開閉弁と、こ
   れらの開閉弁をそれぞれ開閉作動する複数個の動弁カム
   との間に、それぞれパケット型弁リフタを介在させ、そ
   の弁リフタを介して動弁カムの運動を開閉弁に伝達する
   ようにした、内燃機関の動弁機構において、前記複数個
   の弁リフタを、前記機関本体に並設した複数個の案内孔
   内にそれぞれ摺動自在に嵌合し、各案内孔の、前記弁リ
   フタの摺動する内面に環状の潤滑油溜槽を形成し、それ
   らの潤滑油溜槽を、機関本体に形成した連通路を介して
   相互に連通させ、さらに機関本体に形成した給油路を前
   記潤滑油溜槽に常時連通させてなる、内燃機関の動弁機
   構における弁リフタの潤滑装置。