JPS5930028B2 - 無鉄心回転電機のコイル巻回方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は無鉄心回転電機の回転線輪の巻回方法に関し、
特に回転線輪の一端の円周方向が開口し、他方の円周方
向の回転軸と垂直な面に端接続部をを有する回転線輪の
巻回方法に関する。

第１図・第２図に示すように回転線輪の巻回方法は本出
願人提案により特公昭４９−２２３６１号公報により知
られている。

上記の回転線輪の巻回方法は回転軸と垂直な面を通る円
筒体の一端面上の端接続部ＡＣと、該端接続部の一端Ｃ
点より所定の傾斜角度をもって円筒体の他端面の円周上
の一点Ｂに巻回し、Ｂ点より前記角度と同じ角度の傾斜
角度をもって前記Ａの隣接点に巻回して回転線輪を形成
する方法である。

本発明は上述の巻回方法の改良に係り、回転電機の回転
線輪への通電により発生する回転トルクの均斉化を図る
ことにより安定回転し得る回転電機を得ることを目的と
する。

第３図および第４図は磁場に配置された回転線輪の動作
を説明するための路線図である。

第３図において、Ｗは直径ｄ１長さｌの線輪円筒に巻回
されるコイルの面積を最大にした場合の単一コイルを示
す。

図示の如き方式コイルＷが一様な平行磁場内に第４図の
ように置かれた時に、コイルＷに発生する力ｆは ｆ ＝ Ｂ ｉ ｌ ・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ （１）で表
わされる。

ここにＢは磁場の強さくガウス）、ｉはコイルに流れる
電流（アンペア）、ｌはコイルの長さである。

第４図においてコイルＷが磁場の方向と角度ψの位置に
ある時のトルクτは ｒ＝ｆｄｃｏｓψ＝Ｂｉ＃ｄｃｏｓψ＝ＢｉＡｃｏｓψ
−（２）となる。

ここにＡは、Ａ＝４’ｄすなわちコイルの面積である。

（２）式においてψ＝０の時τは最大となり、また面積
Ａが大きい程トルクが大きくなることを示している。

以上は方形コイルの場合であるが、（２）式は任意形状
のコイルの場合においても成立する。

すなわちトルクτの大きさはコイルの軸を含み磁場の方
向である平面へのコイルの正射影の面積に比例するもの
である。

つぎに第５図は第３図示の方形コイルに［ひねリ」を加
えた場合であり、コイル面は平面でなく曲面となる。

この場合も図示の如くコイル面を微分して考えれば（２
）式があてはまることになる。

すなわちτの最大はコイル微小分ｄｚが磁束と平行にな
った時であるから、単一コイルで発生するトルクの最高
点は「ひねり」によって回転方向に分散されて生ずるこ
とになり、これによってトルクが均斉化されることにな
る。

第５図はコイルが円筒形状でその両端面に端接続部を有
する巻線方法を用いた場合の「ひねり」を加えたもので
あり、この方法では上下に端接続があるからカップ形の
無鉄心回転線輪を構成することはできない。

本発明はカップ形のコイル面に「ひねり」を加え、これ
により発生トルクの均斉化した回転線輪を得ることにあ
る。

以下第６図の実施例を用いて説明する。

第６図に示す実施例の回転線輪は次のように巻回する。

回転線輪の一方の円周上の第１の点ａから回転軸に垂直
な端面を通って前記円周上の第２の点すに向かってコイ
ルを接続して端接続部ａｂとし、前記第２の点すから回
転線輪の他方の端面の円周上の第３の点Ｃ′に向けて所
定の傾斜角度をもって巻回して第１の傾斜巻線Ｑ′とな
し、前記第３の点Ｃ′から前記第１の傾斜巻線の傾斜角
度と異なる傾斜角度をもって前記第１の点ａの隣接点ａ
／ （不図示）に向けて巻回して第２の傾斜巻線ｃ′
ａ′とし、次にａ′点より前記第２の点すの隣接点ｂ／
（不図示）に向けてコイルを接続し、以後順次端接続部
・第１及び第２の傾斜巻線の既巻線に隣接してコイルを
巻回し第１と第２の傾斜巻線の傾斜角を異ならせて巻回
する。

第６図において、前記端接続部属の一点すより円筒母線
に沿って傾斜して他端面の円周上の点Ｃにコイルを巻き
、該Ｃ点より第１傾斜巻線ｂｃの傾斜角と等しい傾斜角
にて第２傾斜巻線ｃａを巻いて巻線ａｂ −Ｑ ・２を
形成して各巻線にて囲まれた曲面を有する回転線輪と、 前述に説明したようにＣ点をずらしてＣ′点に変位させ
て第１傾斜巻線Ω′と第２傾斜巻線ａの傾斜角度を異な
らせて巻線九・ρ′・こａを形成した巻線によって囲ま
れた曲面を有した回転線輪を比較すると、傾斜巻線の傾
斜角度を異ならせた巻線で囲まれた曲面の場合には傾斜
角度を互いに等しくした場合の巻線で囲まれた曲面に対
し第５図に示した如くの回転軸の軸線を中心に「ひねり
」を加えた曲面となる。

この「ひねり」を加えた曲面を有する巻線］・Ω′・ａ
によって巻回された回転線輪は第５図において説明した
ように回転線輪に発生するトルクは回転方向に分散して
生ずることになり、この結果回転線輪、回転軸は滑らか
に回転できるようになる。

第７図は本発明の改良された別の実施例を示し、第７図
実施例は回転線輪の正射影面積を大きくして発生トルク
の増大化と発生トルクの均斉化を図った回転線輪を得る
ことを目的とする。

第７図において端接続部ｉは第６図と同様に継ぎ、点す
より円筒母線に対して回転軸の軸線と平行に直線部ｂｄ
とし、ｄ点より他端の端面の円周上の点Ｃ“に円筒母線
に沿って巻回してつる巻き線ｄｃ“とじ、Ｃ“点より軸
線と平行な直線にて第１の点ａの隣接点に巻回し、該隣
接点より端接続部の接続点すの隣接点に継ぎ、以後前述
と同様に平行直線部面・つる巻き線部ｄｃ“・平行直線
部ｃ″ａ・端接続部ａｂに隣接して順次巻回して回転線
輪を形成する。

第７図の実施例による回転線輪は平行直線部面による部
分だけ正射影面積が増大することにより発生する１ヘル
クが増大し、かつつる巻き線部ｄｃ“により各巻線にて
形成される曲線は「ひねり」が加えられているので発生
トルクは回転方向に分散して生じるので回転が円滑に行
なわれる。

【図面の簡単な説明】

第１図・第２図は従来方法による巻線の説明図。 第３図・第４図は磁場内の回転線輪の動作説明のための
路線図。 第５図は第３図示の方形コイルに「ひねり」を加えた場
合の説明図。 第６図は本発明の一実施例の回転線輪の巻回方法の説明
図。 第７図は本発明の改良した実施例による回転線輪の巻回
方法の説明図。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一端が開口したカップ形線輪の一方の円周上の第１
   の点から回転軸に垂直な面を通って前記円周上の第２の
   点に向かって接続して端接続部とし、前記第２の点から
   回転線輪の他方の円周上の第３の点に向けて所定の傾斜
   角度をもって巻回して第１の傾斜巻線となし、 前記第３の点から前記第１の傾斜巻線の傾斜角度と異な
   る傾斜角度をもって前記第１の点の隣接点に向けて巻回
   して第２の傾斜巻線となし、次に前記第２の点の隣接点
   に向けて接続し、以後順次前記既巻線に隣接してコイル
   を巻回して回転線輪を形成したことを特徴とする無鉄心
   回転電機のコイル巻回方法。