JPS5929874B2 - 定着装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、電子複写機における定着装置に関するもの
である。

電子写真法により形成されたシート上の粉体像を定着す
る手段の一つとして、互いに圧接して回転するローラー
間にシートを通紙する装置、いわゆるローラー定着装置
が知られている。

当該定着装置は、粉体像の迅速且つ確実な定着が行なえ
る反面、オフセット現象が発生するという欠点を併せ持
つており、オフセット防止手段が必要となる。従来、オ
フセット防止手段としては、シリコンオイル等の離形性
の良いオイルを定着ローラーヘ塗布するのが一般的であ
る。先ず、第１図において、従来のオイル塗布機構を備
えた定着装置を説明すると、ヒーター１を内蔵した定着
ローラー２は、その表面にテフロン層又はシリコンゴム
層を形成されている。

定着ローラー２には、ヒーター３を内蔵した加圧ローラ
ー４が圧接していて、両ローラーは水夫方向に回転する
。また、定着ローラー２には、塗布ローラー５が当接し
ていて、定着ローラーに従動回転する。上記塗布ローラ
ー５には、容器６に収容されたオフセット防止液として
のシリコンオイルＴがウェブ８によつて供給されている
。粉体像Ｔを形成されたシートＳは、水夫方向に搬送さ
れてきて、定着ローラー２と加圧ローラー４に挾持され
てヒーター１、３の熱と両ローラーの圧接力によつて粉
体像を定着される。そして、上記塗布ローラー５は、通
紙しないときには、たとえ定着ローラー２が回転してい
ても両者の間にシリコンオイルが介在するのでスリップ
して、ウェブ８との摩擦により止まつている。

シートＳが定着ローラー２と加圧ローラー３に挾持され
て、換言すると通紙されて定着ローラー表面のオイルが
持ち去られると、塗布ローラー５は定着ローラー２に従
動回転してオイルをローラー２の表面へ供給塗布する。
以上のように、塗布ローラー５は、定着ローラー２表面
のオイルがなくなるとこれに従動回転して自動的にオイ
ルを供給するようになつていて、ローラー２の表面にオ
イルがあるときＧ址つている。

ところで、定着ローラー２は、シートＳに直接接触する
ものであるから、これの表面には、粉体像を形成するト
ナーやゴミ等が、シリコンオイルが塗布されているにも
かかわらず付着する。そして、これらトナーやゴミは、
非通紙時に停止している塗布ローラー５でせき止められ
て、定着ローラー２の表面を損傷する原因となる。また
、連続通紙すると塗布ローラー５は、連続して回転する
が、オイルを塗布しながら回転するために、必らずしも
一定した速度で回転しないので、オイルの塗布ムラが生
じる。

本発明は、塗布ローラーと定着ローラーとの間に、強制
駆動されて一定速度で回転する中間ローラーを設けるこ
とによつて、連続通紙であつてもオイルの塗布ムラが生
じない、安定したオイル供給を行ない得る定着装置の提
供を第１の目的とし、塗布ローラー、中間ローラーおよ
び定着ローラーの、それぞれの表面エネルギーに差を設
けることによつて、定着ローラー表面に付着したゴミ等
を取り除き、該ローラー表面の損傷を防止した定着装置
の提供を第２の目的とする。

以下、図示の実施例によつて本発明を説明する。

第２図において、表面にテフロンのコーテイングまたは
シリコンゴムからなるオフセツト防止層１０ａを形成さ
れた定着ローラー１０には、加圧ローラー１１が圧接し
ている。両ローラー１０，１１は、それぞれヒーター１
２，１３を内蔵していて、互いに示矢方向に圧接して回
転する。定着ローラー１０の士位には、強制的に，駆動
されて一定速度で回転する中間ローラー１４が配置され
ていて、該ローラーは定着ローラー１０に当接している
。中間ローラー１４は、定着ローラー１０に歯車等の伝
達機構を介して従動回転してもよく、或いは独立した，
駆動系により回転させられてもよい。また、その回転方
向は、定着ローラー１０と反対方向または同方向の何れ
でもよい。中間ローラー１４には、塗布ローラー１５が
当接していて、この塗布ローラー１５はローラー１４に
完全に従動回転する。上記塗布ローラー１５には、容器
１６内のオフセツト防止液として、５０〜１０００セン
チストークス程度の粘度のシリコンオイル１７を汲み上
げる、オイル供給用のウエブ１８が当接している。この
ウエブ１８は、図示されない機構によつて塗布ローラー
１５に後述する適宜の力で押し付けられている。上記中
間ローラー１４および塗布ローラー１５は、金属ローラ
ーまたは金属ローラーをテフロンやシリコンゴム等で被
覆したローラーである。

そして、ウエブ１８で汲み上げられたオイル１７は、塗
布ローラー１５を介して中間ローラー１４に移動し、更
に定着ローラー１０の表面へ塗布される。上記各ローラ
ーの表面に満遍なくオイルの薄層が形成されると、定着
ローラー１０と中間ローラー１４は、それぞれ強匍工駆
動されているので連続して回転するが、塗布ローラー１
５は、中間ローラー１４との間にオイルが介在すること
と、ウエブ１８が圧接していることによつて、ローラー
１４との間がスリツプして回転せず止まつている。よつ
て、定着ローラー１０と加圧ローラー１１との間をシー
トが通らない状態、いわゆる非通紙時には、塗布ローラ
ー１５は停止していることになる。次に、定着ローラー
１０と加圧ローラー１１との間にシート（図示せず）が
送り込まれて、粉体像の定着が行なわれるとき、定着ロ
ーラー１０表面のオイルがシートに奪われるが、該表面
には、これに当接している中間ローラー１４からオイル
が供給塗布される。

定着ローラー１０にオイルを供給した中間ローラー１４
の表面に、オイルが極く僅かしか残らなくなると、該ロ
ーラーに当接している塗布ローラー１５と該ローラー１
４との摩擦係数Ｆ１が、塗布ローラー１５とウエブ１８
との摩擦係数Ｆ２よりも大きくなり、塗布ローラー１５
は中間ローラー１４に従動して回転させられる。塗布ロ
ーラー１５が回転すると、ウエブ１８が汲み上げたオイ
ルが中間ローラー１４の表面へ供給塗布される。すなわ
ち、中間ローラー１４に、オイルがある場合には、Ｆ１
くＦ２で塗布ローラー１５が回転せず、オイルがない場
合には、Ｆ１〉Ｆ２となつて塗布ローラー１５が回転し
てオイルを供給する。

従つて、連続通紙する場合には、塗布ローラー１５は大
体連続回転させられる。また、定着ローラー、中間ロー
ラー、塗布ローラーの各ローラー表面は、この順に次第
に表面エネルギーが高くなるように形成されている。

例えば、定着ローラ−１０はテフロン、中間ローラー１
４はシリコンゴム、塗布ローラ−１５はテフロンＳまた
は金属のままの表面層を有している。表面エネルギーの
順位としては、シリコンゴムを用いて充填剤の量を順次
増加する、例えばシリコンゴムにシリカやベンガラ等の
充填剤を定着ローラ一には少なく、順次増量すると必然
的に表面エネルギーが高くなるような手段、または充填
剤にテフロン粉やシリカ粉を加えて質そのものを変える
手段がある。更にこれにシリコンゴムに用いるのみなら
ず、一般のプラスチツクをコーティングするときでも同
様に用いられる。このように互いに当接するローラーの
表面エネルギーに差をつけると、定着ローラ−１０土の
ゴミ等は中間ローラー１４に、中間ローラ−１４上のゴ
ミ等は塗布ローラ−１５へと順次移動していき、塗布ロ
ーラー１５のゴミ等はこれに圧接しているウエブ１８で
除去される。ウエブによる塗布ローラ−１５のクリ−ニ
ングは、第３図に示すように、ウエブ２０をチャネル１
９でローラ−１５に押圧すれば、より効果的である。な
お、オイル供給用のウエブのみで塗布ローラーのクリ−
ニングを行なうよりも、金属またはプラスチツクあるい
は金属にプラスチツクをコーテイングしたクリ−ニング
専用のブレード２１を設けると、ウエブの目づまりが防
止できる。ブレード２１としては、金属、プラスチツク
、陶製等適宜の材質が選択される。以上のように、定着
ローラーと塗布ローラーの間に、一定速度で回転する中
間ローラーを設け、各ローラー間の表面エネルギーに差
をつけた本発明の定着装置によれば、中間ローラーが常
時回転していることと表面エネルギーの差によつて、定
着ローラー表面に付着したゴミ等がせき止められること
なく中間ローラーへ移動するので、定着ローラーの表面
が傷つくことがない。

常時回転している中間ローラーを設けたことにより、定
着ローラー表面のオイル層が全面的に均一化されると共
に、塗布ローラーに対する摩擦係数の変化によつて塗布
ローラを回転させてオイルの供給を行なわせるので、定
着ローラーへの安定したオィル供給を行なうことができ
る。また、中間ローラーを設けたことによつて、容器か
ら出たオイルは、各ロ一ラー問で練られることになり、
定着ローラーヘ塗布されるときには均一な厚さとなるの
で、高粘度のオィルを用いることが可能となる。更に中
間ローラ−１４の内部に適当なヒーターを入れて、３０
０〜１００００センチストークスの高粘度オイルを予熱
して溶かして用いるようにすることも可能であり、好都
合である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一従来例を示す正断面図、第２図は本
発明の一実施例を示す正断面図、第３図は本発明の他の
実施例の要部のみ示す正断面図である。 １０・・・・・・定着ローラー、１４・・・・・・中間
ローラー１５・・・・・・塗布ローラ− １７・・・・
・・オイル、１８・・・・・・ウエフ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 互いに圧接して回転する定着ローラーと加圧ローラ
   ーとの間に、粉体像を形成されたシートを通紙する形式
   の定着装置において、上記定着ローラーに圧接していて
   、一定速度で回転する中間ローラーと、この中間ローラ
   ーに圧接して従動回転する塗布ローラーと、この塗布ロ
   ーラーにオフセット防止用のオイルを供給する手段とか
   らなるオイル塗布機構を有する定着装置。 ２ 塗布ローラーの表面エネルギーが、中間ローラーの
   それと略等しいかまたは高いことを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の定着装置。 ３ 定着ローラー、中間ローラー、塗布ローラーの順に
   表面エネルギーを高くしたことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の定着装置。 ４ 中間ローラーがオイル加熱手段を有することを特徴
   とする特許請求の範囲第１項ないし第３項記載のうちの
   何れか一つの定着装置。