JPS5929549Y2 - 時計バンドの止め金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、長さを調節することができる、いわゆるフ
リーサイズの時計バンドの止め金具に関するものである
。

皮、あるいは旋状の合成樹脂などによるフリーサイズの
時計バンドは、一般に、時計本体の両側にそれぞれバン
ド片を取り付け、一方のバンド片に取付けた止め金具を
他方のバンド片の止め穴に係合させて連結するものであ
るが、バンド片の上め大部分が損傷し易く、またバンド
片の自由端部がはね上ったりして安定せず使用上、ある
いは外観上不快感を与えるなどの欠点があり、一方、バ
ンド片の自由端部を他方のバンド片の下面に配する構造
のものにあっては、溶接、あるいはろう付けなどができ
ない皮の性質などからしてこの止め金具の形状は複雑と
なり、製造コストも高いものとなっており、また、使用
上快適な構造のものは簡便には得られていなかった。

この考案は、上記の事情に鑑み提案されたもので、構造
が簡単で加工が容易であり、かつ、使用性がよく、また
意匠的な外観の良さをも具備した時計バンドの止め金具
を得ることを目的とするものである。

以下、この考案の実施例を図面に従って説明する。

第１図、第２図に示すように、この止め金具は下側止め
金具１と上側止め金具２とからなり、この下側止め金具
１は、これを斜視図で示す第３図のように、一方のバン
ド片３の幅方向の両側に配される側板部１ａ、１ａと、
この両側板部１ａ、ｌａの少なくとも一方に連設され、
かつ、バンド片３の止め穴３ａ・・・・・・に嵌合する
突起４を備え、前記バンド片３の裏面に接触する中央部
１ｂと、両側板部１ａ、ｌａに連接してバンド片３の表
面に臨むとともに、他方のバンド片６に取付けられた上
側止め金具２のフック片２ ａ 、２ ｂが係合する上
板部ＩＣ，ｌｄとを備えている。

この下側止め金具１は、第４図のような日型の金属板５
の両側部５ａ。

５ａを直角に新曲して前記の側板部１ａ、ｌａを形成す
るとともに、中央部５ｂをプレスして、第３図に示した
ように、この中央部１ｂがその前後の上板部ＩＣ，ｌｄ
に対して低位になるように絞り加工をすることにより底
形されるものである。

上側止め金具２は、第１図、第２図に示すように、下側
止め金具１の一方の上板部１Ｃと係合し得るフック片２
ａ、および他方の上板部１ｄと係合し得るフック片２ｂ
を裏面に固定した蓋状に形成され、端部に設けた軸２Ｃ
にてパン゛ド片６に取付けられている。

この考案は以上のように構成されているので、バンド片
３を下側止め金具１の上板部ＩＣ，ｌｄと中央部１ｂと
の間に挿通するとともに、適宜の止め穴３ａ・・・・・
・に突起４を嵌合させれば、この下側止め金具１は屈曲
することなく真直ぐな状態のままバンド片３に取付けら
れることになる。

そして、上側止め金具２を回動して下側止め金具１に重
ね合せて若干押し付ければ、第２図に示すように、フッ
ク片２ ａ 、２ ｂが、下側止め金具１の上板部ＩＣ
，ｌｄにそれぞれ係合して上側止め金具２が下側止め金
具１に係着され、従って両バンド片３．６が連結される
ことになる。

第５図は、この考案の他の実施例を示すもので、打ち抜
き加工により、第６図のような矩形状の枠部の左右側部
から、それぞれ対向して張り出した突片７ａ、７ａをも
つ金属板７を形成し、この金属板７を前述実施例と同様
にプレス加工して、第５図のように側板部Ｂａ、Ｂａと
、上板部８ Ｃ，８ｄと、前記突片７ ａ 、７ ａの
部分が上板部８Ｃ８ｄより低位にされた中央部８ ｂ
、８ ｂとを形成し、さらにその中央部８ｂ、８ｂの一
方又は両方に突起９，９を設けたものである。

この場合には、中央部８ｂ、８ｂをプレスして低位に形
成する際に、単に折曲げ加工がなされて形成され、絞り
加工は必要でないから成形性は良好で、伸びの小さな材
質の金属板でも容易に加工することができ、また、２つ
の部分から成るので、前後の上板部ＩＣ，ｌｄにそれぞ
れが接近し、従って、挿通したバンドにこの下側止め金
具８が安定して装着されることになり、さらに、中央部
８ｂ、８ｂの両方に突起９，９を設けた場合にも、この
下側止め金具８は堅固にバンドに装着されることになる
。

以上説明したように、この考案の止め金具□において、
下側止め金具は、金属板を例えば日型などの簡単な形状
に打ち抜き加工をし、これを単にプレス加工するのみで
大略形成されるので、多くの工程を必要とせず、きわめ
て容易にかつ迅速に製作することができ、大量生産に好
適であり、そして製造コストは著しく低減される。

その上、この止め金具によれば、バンド片の止め金具か
ら先の余った部分は他方のバンド片の下側に位置して上
面に露出しないから、バンド片の余った部分が上側に位
置して遊軍で止められる従来構造の時計バンドのように
、その余った部分がはね上ったりして使用上、及び、外
観上の不快感を与えることがなく、また、止め穴をもつ
側のバンド片は、屈曲することなく、真直ぐの状態で下
側止め金具に挿通されてその突起に嵌合しているので、
突起がこの止め穴に及ぼす力はバンド厚みに直角方向と
なり、この止め穴に苛酷な変形、損傷を与えることがな
い。

この点、一方のバンド片に止め穴に、他方のバンド片に
取付けた止め金具の爪を単に直接嵌合させる従来構造の
もののように、屈曲した部分にて前記爪と止め穴とが係
合して止め穴に苛酷な力が加わるようなことがなく、バ
ンドの耐久性を著しく向上させるものである。

さらに、長さを調節する場合には、バンド片を下側止め
金具に押し込んでその中央部の部分にて山状にたわませ
るのみでよいから、何ら道具を必要とせず、この調節操
作はきわめて容易である。

さらにまた、中央部の前後に配される上板部は、この下
側止め金具とバンド片との係合の安定をさらに深めるも
のである。

また、この止め金具による時計バンドの着脱は容易、か
つ確実であり、さらに意匠的に見た外観も簡潔でその意
匠的性能を充分満足するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図は止め金
具の斜視図、第２図は保合状態の止め金具の縦断面図、
第３図は下側止め金具の斜視図、第４図は第３図の下側
止め金具を成形する金属板の展開斜視図、第５図は他の
実施例の下側止め金具の斜視図、第６図は第５図の下側
止め金具を成形するための金属板の展開斜視図である。 １．８・・・・・・下側止め金具、ｌａ、８ａ・・・・
・・側板部、１ｂ、８ｂ・・・・・・中央部、ＩＣ，ｌ
ｄ、８ａ、８ｄ・・・・・・上板部、２・・・・・・上
側止め金具、２ａ、２ｂ・・・・・・フック片、３゜６
・・・・・・バンド片、３ａ・・・・・・止め穴、４，
９・・・・・・突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス加工によって金属板から形成され、一方のバンド
   片の幅方向の両側に配される側板部と、この両側板部の
   少なくとも一方に連接され、かつ、前記バンド片の止め
   穴に嵌合する突起を備え、前記バンド片の裏面に接触す
   る中央部と、両側板部に連接して前記バンド片の表面を
   臨むとともに、他方のバンド片に取付けられた上側止め
   金具のフック片が係合する上板部とを備えた下側止め金
   具が、前記上側止め金具と係合して両バンド片を連結す
   るように形成された時計バンドの止め金具。