JPH026816Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は時計バンドに関するものである。

時計バンドを構成する素材として種々のものが
開発され現在に至つている。そして例えば、金属
製の駒体を複数連結した金属バンド、皮バンド、
プラスチツクバンド、金属編組帯単独あるいは金
属編組帯に金属被覆を施したバンドなど、種々の
ものが製作されているが、強度や柔軟性などのよ
うに時計を腕に固定する場合の機能と、デザイン
等の外観上の装飾性との双方を配慮することが必
要である。

第１図および第２図はステンレス鋼などの金属
板を折曲加工して形成された時計バンドの従来例
を示すものである。角筒状に形成した主駒体１の
連結窓１ａに、連結駒２のヒンジ片２ａを第１図
鎖線で示すように嵌合して、主駒体１を複数個順
次連結させるとともに、主駒体１の開口に両側か
ら中子材３を嵌着させた構造である。

しかしながら、このような構造であると、時計
バンドの表面のデザインが主駒体１を並べた単純
なものとなつて限定を受け易い。また、第２図に
示すように主駒体１の表面中央に飾り溝４などを
形成することにより、外観の変化をもたせること
もできるが、デザインがその範囲にとどまるもの
であり、かつ、強度的な問題が生じ易くなる。

すなわち、第３図に示すように、主駒体１の表
面中央に飾り溝４を形成した場合、時計バンドの
製造工程中に厚さ方向（第３図上下方向）にプレ
スする外力が加えられると、開口窓１ａの分の厚
さが減らされている主駒体１の表板部が第３図矢
印で示すように伸ばされて飾り溝４が変形を受
け、また、連結駒２と主駒体１との裏側の間隙Ｇ
が大きくなり易いなどの問題点がある。

この考案は前記背景のもとに提案されたもの
で、デザインの変化に富んだ高い装飾性を有し、
また、強度的に優れて耐久性を向上させることが
できる時計バンドの提供を目的としている。この
ような目的を達成するため中子材に側駒体を支持
させるとともに、側駒体の間から露出する中子材
の表面を飾り板でおおい、また、飾り板の下面で
連結を行なうことを特徴としている。

以下、この考案の一実施例を第４図ないし第６
図に基づいて説明すると、各部品は例えばステン
レス鋼などの金属板をプレス加工して形成され、
時計バンドの幅方向の両端部を構成する一対の側
駒体５の内部に、これら側駒体５を一体に連結す
る中子材６が収納され、この中子材６の上面には
一対の側駒体５の間から上方を臨ませるように飾
り板７が貼付され、この飾り板７の裏面には一対
の側駒体５にヒンジ片２ａを挿入することにより
各側駒体５をバンドの長さ方向に順次連結させる
連結駒２が配設されるものである。

そして、前記中子材６は、第４図に示すように
バンドの長さ方向の端部に、ヒンジ片２ａを係合
させるための切欠部６ａが設けられ、前記飾り板
７は、第４図などに示すように側駒体５の間から
上方を臨ませる表板部７ａが側駒５のバンド長さ
方向の寸法とほぼ同一とされ、この表板部７ａの
両側に位置する部分が裏面方向にさらに両側外方
に折り曲げられて、中子材６と溶接、接着などの
方法で一体に貼付され、第４図例では側駒体５よ
りも板厚が薄くなるように配慮され、表板部７ａ
が装飾部となるものである。

そして、これら各側駒体５、各中子材６、各飾
り板７、各連結駒２などは、第４図鎖線で示すよ
うに、順次係合組み合わせることにより連結され
るものである。

すなわち、側駒体１の裏板１ｂを第４図鎖線で
示すように開いた状態としておいて、飾り板７を
一体に貼付した中子材６および連結駒２を組み合
わせ、側駒体５を厚さ方向にプレスして角筒状に
することにより、各部品が連結される。

次いで、連結した側駒体５および中子材６を第
５図Ａの鎖線から実線で示すように削つて幅を調
整し、また、端部に時計本体に取りつけるための
連結片や、止め金具を設けるなどして時計バンド
を完成させるものである。

これらの製造工程において、時計バンドは厚さ
方向にプレスされるものであるが、第６図に示す
ように側駒体５は両側に分割され、これをプレス
しても中子材６が幅方向に伸ばされることがない
ため、連結駒２と側駒体５との間隙が広がるなど
のおそれがない。また、飾り板７にもバンド幅方
向の伸縮が生じることがない。

一方、第７図は、飾り板７の他の実施例を示す
もので、表板部７ａのバンド長さ方向の端部が裏
面方向に折り曲げられて連結駒２の溝２ｂ内に入
りこむ垂片７ｂが設けられるとともに、表板部７
ａと垂片７ｂとの段部７ｃに必要に応じて例えば
金、銀ペーストなどを焼きつけてなる装飾用条体
７ｄを設けるようにしたものである。

以上説明したように本考案に係る時計バンド
は、飾り板の材質、形状、装飾用条体を変えるこ
とが容易であり、表面のデザインの変化が自由で
装飾性にすぐれ、側駒体を分割した状態で中子材
と一体化することにより、連結駒や飾り板に製造
工程中における無用な外力が加えられることがな
く、強度上有利であるなどの効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す一部分解斜視図、第２図
はその平面図、第３図は第２図の−線に沿う
矢視拡大断面図、第４図はこの考案に係る一実施
例を示す一部分解斜視図、第５図Ａ，Ｂはその平
面図および側面図、第６図は第５図Ａの−線
に沿う矢視断面図、第７図はこの考案における時
計バンドの飾り板の他の実施例を示す一部切欠斜
視図である。 ２……連結駒、２ａ……ヒンジ片、５……側駒
体、６……中子材、６ａ……切欠部、７……飾り
板、７ｃ……段部、７ｄ……装飾用条体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属板を角筒状に折曲した形状をなす一対の側
   駒体と、これら一対の側駒体の内部に収納されバ
   ンドの幅方向に一体に連結する中子材と、この中
   子材の上面をおおうとともに一対の側駒体に両端
   が挿入される飾り板と、この飾り板の下面に配さ
   れ一対の側駒体に幅方向外方に突出させられたヒ
   ンジ片を挿入し各側駒体をバンドの長さ方向に順
   次連結させる連結駒とからなる時計バンド。