JPS5929098B2 - 高靭性耐摩耗鋳鉄及びその製造方法 - Google Patents
高靭性耐摩耗鋳鉄及びその製造方法Info
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- JPS5929098B2 JPS5929098B2 JP2129877A JP2129877A JPS5929098B2 JP S5929098 B2 JPS5929098 B2 JP S5929098B2 JP 2129877 A JP2129877 A JP 2129877A JP 2129877 A JP2129877 A JP 2129877A JP S5929098 B2 JPS5929098 B2 JP S5929098B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、高靭性耐摩耗鋳鉄及びその製造方法に関し、
さらに詳しくは、良好な靭性を有し、かつ、耐摩耗性の
優れた球状黒鉛鋳鉄とその製造方法に関するものである
。
さらに詳しくは、良好な靭性を有し、かつ、耐摩耗性の
優れた球状黒鉛鋳鉄とその製造方法に関するものである
。
従来より、高力鋳物部材として使用されてきている球状
黒鉛鋳鉄鋳物は、その組織中に含有されているフェライ
トの量によって、第1図に示すように、衝撃値、即ら、
靭性が異なり、高い靭性を有するためにはフェライト量
を多くする必要があった。
黒鉛鋳鉄鋳物は、その組織中に含有されているフェライ
トの量によって、第1図に示すように、衝撃値、即ら、
靭性が異なり、高い靭性を有するためにはフェライト量
を多くする必要があった。
一方、球状黒鉛鋳鉄中のフェライト含有量が増力口する
と、第2図a、bに示されているように、相手材料の如
伺を問わず耐摩耗性が著しく劣化するので、軸受摺動部
等の摩耗部を有する部材には、フェライト含有量の多い
高靭性球状黒鉛鋳鉄を適用することは困難であった。
と、第2図a、bに示されているように、相手材料の如
伺を問わず耐摩耗性が著しく劣化するので、軸受摺動部
等の摩耗部を有する部材には、フェライト含有量の多い
高靭性球状黒鉛鋳鉄を適用することは困難であった。
さらに、球状黒鉛鋳鉄部材に局部的な耐摩耗性を賦与す
るための高周波焼入或いは火焔焼入の何れの焼入れ法で
も、フェライト含有量が多いと充分な焼入硬度を得るこ
とができず、特殊な焼入れ方法を行なう必要があるので
ある(例えば、特公昭48−17567号公報参照う。
るための高周波焼入或いは火焔焼入の何れの焼入れ法で
も、フェライト含有量が多いと充分な焼入硬度を得るこ
とができず、特殊な焼入れ方法を行なう必要があるので
ある(例えば、特公昭48−17567号公報参照う。
本発明は、上記に説明したような球状黒鉛鋳鉄の耐摩耗
性についての問題点を解消したものであって、即ら、潤
滑条件で使用される摺動部においては、一般の表面硬化
処理を行なった不充分な焼入硬度のフェライトを含有す
る球状黒鉛鋳鉄が、フェライトを含有しない100%パ
ーライト球状黒鉛鋳鉄の完全焼入硬度と同等の耐摩耗性
を有することを種々試験研究の結果見出したものである
。
性についての問題点を解消したものであって、即ら、潤
滑条件で使用される摺動部においては、一般の表面硬化
処理を行なった不充分な焼入硬度のフェライトを含有す
る球状黒鉛鋳鉄が、フェライトを含有しない100%パ
ーライト球状黒鉛鋳鉄の完全焼入硬度と同等の耐摩耗性
を有することを種々試験研究の結果見出したものである
。
本発明は、このような知見に基づきなされたものであり
、 (1) C3,4〜4.1 wt%、Si 2.1
〜2.7wt%、Mn 0.4〜0.7 w t%、P
o、05wt%以下を含み、残部実質的にFeよりなる
通常の球状黒鉛鋳鉄であって、フェライト10〜60%
、残部マルテンサイトからなるマトリックス組成を有す
ることを特徴とする高靭性耐摩耗性鋳鉄を第1の発明と
し、 (2)C3,4〜4.1wt%、Si 2.1〜2.7
wt%、Mn 0.4〜0.7 w t%、Po、05
wt%以下を含み、残部実質的にFeよりなり、かつ、
フェライト20%以上を含有する通常の球状黒鉛鋳鉄に
焼入れを施すことによって表面を硬化させ、硬化後のマ
トリックス組成が、フェライト10〜60%、残部マル
テンサイトとすることを特徴とする高靭性耐摩耗性鋳鉄
の製造方法を第2の発明とする2つの発明よりなるもの
である。
、 (1) C3,4〜4.1 wt%、Si 2.1
〜2.7wt%、Mn 0.4〜0.7 w t%、P
o、05wt%以下を含み、残部実質的にFeよりなる
通常の球状黒鉛鋳鉄であって、フェライト10〜60%
、残部マルテンサイトからなるマトリックス組成を有す
ることを特徴とする高靭性耐摩耗性鋳鉄を第1の発明と
し、 (2)C3,4〜4.1wt%、Si 2.1〜2.7
wt%、Mn 0.4〜0.7 w t%、Po、05
wt%以下を含み、残部実質的にFeよりなり、かつ、
フェライト20%以上を含有する通常の球状黒鉛鋳鉄に
焼入れを施すことによって表面を硬化させ、硬化後のマ
トリックス組成が、フェライト10〜60%、残部マル
テンサイトとすることを特徴とする高靭性耐摩耗性鋳鉄
の製造方法を第2の発明とする2つの発明よりなるもの
である。
次に、本発明について具体的に説明する。
即ら、高靭性が要求される20%以上のフェライトを含
有する球状黒鉛鋳鉄について、一般の表面焼入れ処理を
行なって、残留遊離フェライトとマルテンサイトならび
に球状黒鉛から組織を有するようにする。
有する球状黒鉛鋳鉄について、一般の表面焼入れ処理を
行なって、残留遊離フェライトとマルテンサイトならび
に球状黒鉛から組織を有するようにする。
これの組織は第3図の顕微鏡写真に示す。
この場合、完全な焼入硬化を行なうと残留遊離フェライ
トは認めることができない。
トは認めることができない。
本発明において、このように残留遊離フェライトを有す
る焼入組織は潤滑条件下の摩耗においては、第4図に示
すように硬度の高いマルテンサイトが実際の摺動面(第
1の摺動面)1を形成し、残留遊離フェライト部は硬度
が低いため、速やかに摩耗して凹部となり潤滑油溜りと
しての摺動面2(第2の摺動面)を形成するのである。
る焼入組織は潤滑条件下の摩耗においては、第4図に示
すように硬度の高いマルテンサイトが実際の摺動面(第
1の摺動面)1を形成し、残留遊離フェライト部は硬度
が低いため、速やかに摩耗して凹部となり潤滑油溜りと
しての摺動面2(第2の摺動面)を形成するのである。
よって、100%マルテンサイトを含有する鋳鉄と同等
の耐摩耗性を発揮するものである。
の耐摩耗性を発揮するものである。
本発明において、表面を硬化させるための焼入法として
、高周波焼入或いは火焔焼入れ等の方法を使用すること
ができる。
、高周波焼入或いは火焔焼入れ等の方法を使用すること
ができる。
本発明において、マt−IJラックス織にフェライト1
0〜60%、含有させることについて説明す*る。
0〜60%、含有させることについて説明す*る。
フェライト、即ら、残留遊離フェライトの含有量が多く
なり過ぎると、マルテンサイトの含有量が少なくなって
摩擦荷重負担能力が減少するの−で、単位面積当りの硬
度が100%パーライトと同等以上にするためには上限
が60%であり、60%を越えて含有するとマルテンサ
イトの含有量が少なくなり所望の硬度が得られなくなり
、また、この残留遊離フェライトは潤滑油溜りとしての
摺動面の効果を期待するものであり、これは現在100
%パーライトの表面焼入組織に含まれる油溜り効果とし
ての球状黒鉛が10%以内であることから、これと同等
の効果は必要であるから、残留遊離フェライトは少くと
も10%は必要であり、10%未満では油溜り効果が期
待できず、マルテンサイトの量が多くなり硬度が高くな
り過ぎるのである。
なり過ぎると、マルテンサイトの含有量が少なくなって
摩擦荷重負担能力が減少するの−で、単位面積当りの硬
度が100%パーライトと同等以上にするためには上限
が60%であり、60%を越えて含有するとマルテンサ
イトの含有量が少なくなり所望の硬度が得られなくなり
、また、この残留遊離フェライトは潤滑油溜りとしての
摺動面の効果を期待するものであり、これは現在100
%パーライトの表面焼入組織に含まれる油溜り効果とし
ての球状黒鉛が10%以内であることから、これと同等
の効果は必要であるから、残留遊離フェライトは少くと
も10%は必要であり、10%未満では油溜り効果が期
待できず、マルテンサイトの量が多くなり硬度が高くな
り過ぎるのである。
従って、フェライトの含有量は10〜60%とするのが
望ましいものである。
望ましいものである。
次に本発明の実施例について説明する。
実施例
第3図に示した焼入組織を有する30mvtφのピンに
ついて、焼入鋼相手の摩耗試験を行なった。
ついて、焼入鋼相手の摩耗試験を行なった。
試験条件
(1)摩擦速度 4.14m/5ec
(2)而 圧20kg/ff1
(3)強制潤滑
試験結果を次表に示す。
フェライト55%を含有する球状黒鉛鋳鉄(FCD45
)を高周波焼入し残留遊離フェライト39%とした供
試材は、フェライトO%の球状黒鉛鋳鉄(FCD60
)の高周波焼入材と同等の耐摩耗性を有することがこの
表から明らかである。
)を高周波焼入し残留遊離フェライト39%とした供
試材は、フェライトO%の球状黒鉛鋳鉄(FCD60
)の高周波焼入材と同等の耐摩耗性を有することがこの
表から明らかである。
以上説明したように、本発明によれば、耐摩耗性に優れ
、かつ、高靭性の鋳鉄であり、また、簡単な処理により
製造することができるものである。
、かつ、高靭性の鋳鉄であり、また、簡単な処理により
製造することができるものである。
第1図はフェライト量と衝撃値との関係を示すグラフ、
第2図a)bはフェライト量と摩耗量との1関係を示す
グラフ、第3図は本発明による鋳鉄の顕微鏡写真、第4
図は本発明の鋳鉄の表面状態を示す模型図である。 1:実際摺動面、2:油溜り摺動面、3:球状黒鉛、4
:フェライト、5:マルテンサイト。
第2図a)bはフェライト量と摩耗量との1関係を示す
グラフ、第3図は本発明による鋳鉄の顕微鏡写真、第4
図は本発明の鋳鉄の表面状態を示す模型図である。 1:実際摺動面、2:油溜り摺動面、3:球状黒鉛、4
:フェライト、5:マルテンサイト。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 I C3,4〜4.1 wt%、S i 2.1〜2
.7wt%、Mn 0.4〜0.7 w t%、Po、
05wt%以下を含み、残部実質的にFeよりなる通常
の球状黒鉛鋳鉄であって、フェライト10〜60%、残
部マルテンサイトからなるマトリックス組成を有するこ
とを特徴とする高靭性耐摩耗性鋳鉄。 2 C3,4〜4.1 wt%、Si 2.1〜2.
7wt%、Mn 0.4〜0.7 w t%、Po、0
5wt%以下を含み、残部実質的にFeよりなり、かつ
、フェライト20%以上を含有する通常の球状黒鉛鋳鉄
に焼入れを施すことによって表面を硬化させ、硬化後の
マトリックス組成が、フェライト10〜60%、残部マ
ルテンサイトとすることを特徴とする高靭性耐摩耗性鋳
鉄の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2129877A JPS5929098B2 (ja) | 1977-02-28 | 1977-02-28 | 高靭性耐摩耗鋳鉄及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2129877A JPS5929098B2 (ja) | 1977-02-28 | 1977-02-28 | 高靭性耐摩耗鋳鉄及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS53106322A JPS53106322A (en) | 1978-09-16 |
JPS5929098B2 true JPS5929098B2 (ja) | 1984-07-18 |
Family
ID=12051228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2129877A Expired JPS5929098B2 (ja) | 1977-02-28 | 1977-02-28 | 高靭性耐摩耗鋳鉄及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5929098B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4643079A (en) * | 1985-03-28 | 1987-02-17 | General Motors Corporation | Iron piston having selectively hardened ring groove |
-
1977
- 1977-02-28 JP JP2129877A patent/JPS5929098B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS53106322A (en) | 1978-09-16 |
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