JPS5928816Y2 - 抄造ロ−ル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスレートあるいはけい酸カルシウム板等主とし
て建材用に使用される板体の粗材（種板と称される）を
製造する場合に用いられる抄造ロールの改良に関するも
のである。

この種の種板を製造するに当っては、第２図に示すよう
に、従来パルプ、石綿、セメントその他のものを混合し
た水溶液が入っている水槽１内において、回転している
網状の円筒シリンダ−２外周面に上記混合物（種と称さ
れる）を付着せしめ、これを吸引装置３により円筒シリ
ンダー２から剥離し、円筒シリンダー２に接するように
走行する無端状のベルト（フェルトから戊っている）４
の裏側に均一に吸着せしめる。

そして、ベルト４の引き続いての走行により種板素材Ｂ
は反転口〜ル５を経てベルト４の上面に載るようにして
前方に搬送せしめられ、抄造ロールＡの外周に一旦巻き
つげられる。

そして、この上で所定寸法に分断され、前方のコンベヤ
６によりｂで示すようなシート状の状態で搬送せしめら
れる。

この場合において、抄造ロールＡに一旦巻付げられた種
板素材Ｂが抄造ロールＡに適度に密着していないと、自
重により抄造ロールＡから容易に剥離してし筐い、所定
の大きさの種板となし得す、逆に抄造ロールＡの外周面
に密着し過ぎても剥離に手間がかかったり、剥離の際に
傷がついてやはり商品となり得ない。

従って、種板素材Ｂはいわゆる強からず弱からずの適度
な密着状態で抄造ロールＡに巻き付けられている必要が
ある。

ところが、従来の抄造ロールの外周面は旋盤により加工
され、その状態の１１即ちパフ加工もしないで使われる
から、バイトによる加工時に生ずる痕跡が多数存在し、
その外周面はきわめて粗い。

従って、この抄造ロールに上記種板素材Ｂを巻き付けて
も密着が不充分で、その自重によりきわめて簡単に剥離
してしまう欠点があった。

そこで、本考案は抄造ロールＡの外周面に、ロルの幅方
向に亘って他の部分ａ′より細かい面ａを帯状に形成し
て上記欠点を解消した。

さらに、望１しくは、上記帯状の細かい面ａ以外の部分
ａ′にも特殊加工を施して、該部分ａ′を従来の外周面
よりも少くとも細かい面とするようにしたものである。

本考案の実施例を図面に基いて説明する。

従来と同じ手段により加工された抄造ロールＡの全外周
面をバフにより研摩し、この外周面の一部（図面中、Ｈ
で示す範囲）を一定幅のテプでロルの幅方向に亘って覆
い穏す。

ついで、上記テープ上も含めた全外周面にショットブラ
ットを吹き付けてロール外周面に傷を付け、そのあと上
記テープを剥がす。

そして、ロールの全外周面を硬質クロームメッキ加工（
３０μ程度の厚さ）を施す。

このようにすると、抄造ロールＡの全外周面のうち、Ｈ
で示す範囲のところは他の部分ａ′より細かい面ａとな
っており、それ以外のａ′の部分は、少くとも従来の抄
造ロールの外周面よりも細かい、適度な粗さを有する粗
面に形成される。

従って、この抄造ロールＡを用いると、Ｈの範囲で示す
帯状の細かい面ａに種板素材Ｂの一部が密着し、また、
それ以外の外周面ａ′と接する種板素材Ｂは、ａ′部分
の適度の粗さによって過度に密着する。

二とがなく、いわゆる強からず弱からずという適度な密
着状態で抄造ロールＡに巻付けられることとなる。

従って、抄造ロールＡに巻付げられている種板素材Ｂは
、その自重により抄造ロールＡから簡単に剥れてしよう
ことがなく、また、種板素材Ｂを所定寸法に分断する作
業を行ったり、これを抄造ロールＡから剥がす場合に、
これを傷付けたり、密着不良あるいは密着し過ぎること
による不良商品の頻発を可及的に防止することができる
。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による抄造ロールの実施例を示すもので、
第１図はその斜視図、第２図は使用状態を示す暗示図、
である。 Ａ・・・抄造ロール、ａ・・・細かい面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 抄造ロールＡの外周面に、ロールの幅方向に亘って他の
   部分ａ′より細かい面ａを帯状に形成したことを特徴と
   する抄造ロール。