JPS5928533Y2 - ピンチロ−ラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えばカートリッジ型磁気テープ用のピン
チローラなどのような、テープレコーダのキャプスタン
軸と磁気テープを介して当接するピンチローラに関する
もので、特にピンチローラ軸（こ直接嵌挿する軸孔をも
つ軸受部と一体に成型した比較的硬質のゴム、ポリアセ
タール樹脂、ポリエチレン樹脂などの弾性材で作られた
円筒ローラ部よりなる一体形ビンチローラの改良に係る
ものである。

従来のこの種の一体形ビンチローラは、第１図に示すよ
うに、ピンチローラ軸（図示せず）と直接嵌挿する軸孔
ａをもつ軸受部すと一体に連継部Ｃを介して外周に円筒
ローラ部ｄを形成させていたものであり、その材料は、
上記のピンチローラ軸に直接軸受部すの軸孔ａを嵌挿さ
せ回転させるため、その軸孔ａが容易に偏心しないよう
比較的硬質なゴム、ポリアセクール樹脂、ポリエチレン
樹脂などの弾性材を使用していた。

従って、このピンチローラの円筒ローラ部ｄの面と、磁
気テープを介して当接するキャプスタン軸とが完全に平
行に当接配置されて、キャプスタン軸の回転によって磁
気テープを走行させれば問題ないが、第２図に示すよう
に、実際には必ずしも平行とならず、僅かに傾斜状態に
なるのが通常である。

このように僅かでも平行度を失うことによって、図で分
るように磁気テープｅはその一端部のみがピンチローラ
の円筒ローラ部ｄとキャプスタン軸ｆとに挾持圧着され
た状態で磁気テープｅを走行させる結果となり、また、
平行蜜が大巾にずれると磁気テープｅが全く挾持されな
いので磁気テープｅの走行ができず、スリップ状態にな
る結果ともなり、これによって、走行の不安定、ワウ・
フラッタの悪化および上記磁気テープｅの一端部のみの
挾持圧着状態での走行により、磁気テープの片伸び現象
の発生によって著しく磁気テープの寿命を短くするなど
の欠点があった。

上述の問題を緩和するための手段としては、従来、第３
図に示すように組込形ピンチローラと称する、ピンチロ
ーラ軸に嵌挿する軸受部を金属およびポリアセタール樹
脂などの耐摩耗性のよい硬質プラスチック樹脂などの硬
質材によって形成し、この硬質軸受部ｇの外周に軟質材
で成型した軟質円筒ローラ部りを嵌挿させたものである
が、このものは、その製作上および材料費などで工数大
、かつ、高価になる欠点があった。

この考案は、このような欠点をすべて除去するようにし
たもので、以下、第４図〜第６図に示す実施例によって
説明する。

まず、この考案は、上述の一体形ピンチローラ形式にお
いて、前記の組込形ピンチローラと同様の性能を発揮さ
せ、しかも、その製造を簡単にし、かつ、価格も安価に
することができるようにしたものである。

第４図はその第１実施例で、従来と同様、比較的硬質の
弾性材を用いて、すべて一体成型するもので、１はピン
チローラ軸（図示せず）に嵌挿回転するための軸孔２を
もつ軸受部で、３はこの軸受部１の外周に同軸に囲み形
成されるローラ部であり、この円筒ローラ部３は上記の
軸受部１の中間部より外周に張出する連継部４により支
持されており、これらはすべて一体成型によって構成さ
れる。

こＳで、特に注目する点は、上記の円筒ローラ部３の外
周面、すなわち、磁気テープを接触走行させるためのテ
ープ接触面となるローラ外局面を、軸方向に弧状面５と
なるように形成させた点であり、図では円筒ローラ部３
の上下端が薄く、中央部が厚くなるような弧状面５によ
って構成されている。

なお、６は上記の連継部４に対向する円筒ローラ部３の
弧状面５に設けられた凹条部で、これはピンチローラの
一体成型に際して、硬質弾は材料の流れを良くシ、いわ
ゆるひげを生じないようにして、偏心を生じにく５、真
円度を出しやすくして、ワウ・フラッタを改善させるよ
うにしたものである。

第５図はこの考案の第２実施例であり、前述の第１実施
例とほぼ同様であるが、異なる点は円筒ローラ部３の弧
状面５’、９’が前記の凹条部６を境ｔこして上下２分
された状態に形成されている点である。

この考案になるピンチローラは、前述のように、その内
筒ローラ部３の外周面が軸方向の弧状面５もしくはｓ’
、ｒに形成するとともに、上下端部が薄く形成しである
ので、第６図に示すようｌこ、キャプスタン軸７とピン
チローラ軸８とが平行ｌこならず、僅かにずれた場合で
も、上記の円筒ローラ部３の弧状面５．５’、ｃＩ′の
膨出部の厚い部分と、その上下端の薄い部分とによって
、キャプスタン軸７への圧着時、この円筒ローラ部３は
弾力性を生じ、幾分凹むので、磁気テープ９の圧着はさ
らに良好になり、線接触でなく面接触となる。

このため、従来の一体形ピンチローラのように円筒ロー
ラ部の厚みが均一で、かつ、円筒のフラット面のものに
比して、磁気テープ９の接触面が大きく、磁気テープ９
の一端部より内側の面で圧着挾持され、磁気テープ９を
走行させることができるので、円滑な走行を可能にし、
磁気テープ９の片伸び現象も生じないから寿命も大巾に
増大し、また、磁気テープのスリップも発生せず、走行
が安定であり、ワウ・フラッタも大巾に改善されるなど
の特長があり、さらに、製作も簡単で安価な利点がある
。

また、ピンチローラを金型で一体成型する際、一般に軟
質ゴム等の軟質弾性材料に比較し、ポリアセタール樹脂
、ポリエチレン樹脂等の硬質弾性材料は、その材料の流
れが良くなく、円筒ローラ部の上下端部を薄く成型する
ことは困難であったが、本考案のピンチローラは、連継
部に対向する弧状面の部分に凹条溝を設けたので、ピン
チローラの成型に際して、硬質弾性材料の流れを良くし
、ひけを生じないようにすることができ、これによりピ
ンチローラの偏心を防止することができると共に、真円
度を出しやすくワウフラッタを改善することができる。

なお、この考案は磁気テープ走行用のピンチローラにつ
いて述べたが、これに限ることなく、通常のテープ、帯
状フィルムなどのピンチローラとしても使用できること
は云うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一体形ピンチローラの側断面図、第２図
はその使用状態を示す側面図、第３図は従来の組込形ピ
ンチローラの側断面図、第４図および第５図はこの考案
になるピンチローラの各実施例を示す側断面図、第６図
はその使用状態を示す側面図である。 １・・・・・・軸受部、２・・・・・・軸孔、３・・・
・・・円筒ローラ部、４・・・・・・連継部、５，５’
、５’・・・・・・弧状面、６・・・・・・凹条部、７
・・・・・・キャプスタン軸、８・・・・・・ピンチロ
ーラ軸、９・・・・・・磁気テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ピンチローラ軸に嵌挿するための軸孔を有する軸受部と
   、この軸受部のほぼ中間部より外方に張出する連継部と
   、この連継部に支持されるとともに上記軸受部の外周に
   同軸に囲み形成した円筒ローラ部と、この円筒ローラ部
   の外周にその上下端部が薄く中央部が厚くなるよう形成
   した弧状面と、この弧状面の上記連継部に対向する部分
   に設けた凹条部とを、硬質の弾性材料で一体に形成した
   ことを特徴とするピンチローラ。