JPS5928446B2 - 陶磁器材料から物品を製造する方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は液体に懸濁させた陶磁器材料を容積可変とした
成形空間内にて圧搾成形により物品を製造する方法に関
するものである。

従来量も一般的に使用されている陶磁器材料から物品を
製造する方法としては、成形本体を固定し、上方を濾材
を介して可動上パンチにより、下刃には可動パンチを成
形本体内を上下動自在に嵌入して成形空間を形成した金
型によるものが多い。

而して成形に際しては、上下両パンチにより成形本体を
閉塞し、前記成形空間内に懸濁液を圧入しつつ、下パン
チを上昇させることにより、濾材を介して排液すると共
に圧搾成形するのである。

圧密後においては上パンチを離脱させて下パンチを更に
上昇させ、成形体を排出させる。

上記従来の製造方法には、成形本体固定式であるので、
上下両パンチの圧力バランスが崩れ易いことに起因する
成形体の亀裂不良発生の機会が多いという欠点がある。

また懸濁液圧入手段として成形空間に臨ませてチャンバ
ーを別途設置する必要があるため、成形用金型の構造が
複雑となる他、圧入口からの懸濁液の逆流による亀裂、
変形等の問題点も存する。

上記従来方法に存する欠点解消のため、先に出願人は特
願昭５０−４８６５５号（特開昭５１−１２４１０７号
公報）により製造方法および装置について出願した。

すなわち両端開放の成形本体を可動上パンチおよび固定
下パンチによって閉塞し、懸濁液圧入後成形本体と可動
上パンチとを固定下パンチに対して相対的に変位させ、
成形空間の容積を減少させて圧搾成形する方法である。

この発明により従来方法に存する諸欠点は解消されたが
、前記成形空間を形成する成形本体および／または上パ
ンチの移動速度を的確に制御しない限り、成形能率の向
上は勿論、成形体の品質の向上、不良率の減少等の効果
は望めない。

本発明は簡単な機器若しくは手段により、成形能率の向
上および品質の向上等が図れる陶磁器材料から物品を製
造する方法を提供することを目的とするものである。

以下実施例について図面によって本発明方法を説明する
。

第１図は本発明方法実施のための成形装置の例を示す図
である。

図において、１はフレームであり、その上部に下パンチ
２を固着する。

フレーム１の下刃にはシリンダー３を設けて浮動板４を
シリンダロッド３ａの上端に固着する。

欠に下パンチ２には内面にライナー５を嵌着した成形本
体６を係合させ、前記浮動板４とフレーム１を貫通する
ロッド１を介して連結する。

成形本体６の上端部には濾材８を介して上パンチ９をシ
リンダー１０と連結して配設し、上下動自在とする６１
１は磁場コイルであり、成形本体６の外周に配設する。

成形本体６の内面に形成される成形空間１２には、供給
口１３を臨ませる。

１４は懸濁液供給管である。

次に上パンチ９には濾材８との接触面に臨む排液口１５
を寓ませ、排出管１６と連通させる。

第２図は第１図における各部分の変位と経過時間との関
係を示す図であり、同図中のＡ、ＢおよびＣは夫々第１
図における上パンチ９下面Ａ１成形本体６上面および下
パンチ２上面に対応する位置の変位を示す。

同図の変位関係線図よりまず第１図における成形本体６
が上昇し、次いで上パンチ９が下降して両者が接近する
のであるが、上パンチ９は第２図における時刻すの点よ
り下降速度を減じ、時刻Ｃにおいて濾材８を介して成形
本体６と密着する。

時刻Ｃとｄとの間において、第１図に示す成形空間１２
内に懸濁液が圧入供給され。

上パンチ９および成形本体６は合体したまま下降ｆる。

従って成形空間１２の容積が減少するから。徐々に圧密
成形が行なわれ、余剰液は上パンチ９の排液口８より排
出される。

次に第２図の時刻ｄとｅとの間においては、最高圧力に
て圧密化が行なわれ、一定時間経過後成形本体６が下降
し、上パンチ９の上昇により、成形体が取り出されるの
である。

第３図は油圧および電気両回路を示す図であり。

実線は油圧、破線は電気各回路である。

同図において１０はシリンダーであり、第１図と同一符
号であるが拡大して示しである。

シリンダー１０の加圧側には圧力スイッチ１７ａ、１７
ｂおよび比例電磁流量調整弁１８を連通して設ける。

次に１９は設定器であり、複数個の速度信号に対応し得
る容量を有し、前記圧力スイッチ１７ ａ１１７ｂと直
接、および比例電磁調整弁１８とパワーアンプ２０を介
して電気的に接続する。

設定器１９内には設定値に対応した信号を発信すべきシ
ーケンス回路が包蔵しである。

次にシリンダー１０に係合するピストンロッド１０ａに
はドッグ１０ｂを設けてリミットスイッチ２１２１２１
ｂと各々係合可能とする。

而してリミットスイッチ２１ａの設置位置は、前記第１
図における上パンチ９が成形本体６上面より上方の位置
（第２図における時刻ａに対応する位置）に対応させる
。

一刀リミツトスイッチ２１ｂは上パンチ９と成形本体６
とが濾材８を介して接触する位置（第２図における時刻
すに対応する位置）に対応させる。

第４図は経過時間と上パンチの変位０）および上パンチ
駆動用シリンダー内圧力（Ｐ）との関係を示す図である
。

本図および前記第３図とにより、本発明方法の作用を説
明する。

第１図における上パンチ９が成形本体６上刃にある状態
は、第４図におけるｊ点に相当する。

第３図におけるドッグ１０ｂはリミットスイッチ２１ａ
と係合している。

この状態で第１図若しくは第３図におけるシリンダー１
０内に圧力を印加すると、上パンチはｊ点よりに点まで
設定器１９によって設定された速度■ｏで急速下降する
。

而してに点に至ると、第３図においてドッグ１０ｂがリ
ミットスイッチ２１ｂを叩くから、設定器１９の設定値
■１に対応する信号を発し、パワーアンプ２０を介して
比例電磁調整弁１８を作動させ、速度Ｖ１に対応する圧
力を供給する。

従って以後ｖ１なる速度にてｋＡ間を下降する。

一刀この間における第１図における状態は、上パン千９
が濾材８を介して成形本体６に密着する過程ａ−＋ｂ−
）Ｃである。

上パンチ９の前記下降速度■。

は、上パンチ９と成形本体６との衝突を防止し得る程度
に設定しである。

なおｋ１間における上パンチ９の下降により、密着した
成形本体６も下降し、第１図におけるシリンダー３によ
る浮動圧が上昇し、第４図に示す如く圧力Ｐはｆ点まで
上昇する。

従ってこれに対応して第３図に示すシリンダー１０内の
圧力も上昇し、圧力スイッチ１７ａが作動し、設定器１
９の設定値■１を開放し、速度Ｖ２、に対応する設定値
ｖ２に移行させる。

これと同時に懸濁液の圧送供給が開始され、すなわち第
１図における成形空間１２内に供給されるのである。

而して懸濁液の圧送供給は、下パンチ２の上面Ｃによっ
て供給口１３が閉塞されるまで継続し、この間上パンチ
９および成形本体６は、速度■２にて下降する。

懸濁液供給時間は別途タイマーによって制御するのであ
るが、前記供給口１３の閉塞後タイマーからの信号によ
り速度Ｖ２に対する信号が開放され、次位の設定値■３
に対応する信号が発せられる。

これが第４図におけるｍ点である。

この時点において、第１図に示すシリンダー３の浮動圧
を開放するから、上パンチ９による圧搾により、第４図
に示す如く圧力Ｐは急激に上昇する。

而して最終圧力の点に達すれば、第３図に示す圧力スイ
ッチ１７ｂの作動により、設定器１９の設定値■３が開
放され、上パンチの下降が停止する。

次いで上パンチ９が上昇すると共に成形本体６が下降す
るから、成形体を取り出すことができる。

設定器１９は前述の如くシーケンス回路を内蔵するから
、成形作業前の状態に各機器を復帰させることができる
のである。

本実施例においては、単一無垢の場合を示したが、成形
空間内にコアを有するもの、１個の金型内に複数個の成
形用空間を有するものであっても適用可能である。

また余剰液の排出力法は片面のみでなく両面であっても
差支えない。

更にフェライト磁石等の成形時における磁場中成形等も
併用し得ることは勿論である。

本発明は以上記述の如き構成および作用であるから、下
記の効果を奏し得る。

（１）多数の流量調整弁を使用することなく、１個の比
例電磁制御弁にて、多段階の速度制御が可能である。

（２）上記制御は油圧回路の単一化と比例電磁式である
から、計器ダイヤルの設定により、調整が極めて容易で
ある。

（３）成形サイクルを独立に調整でき、またサイクルタ
イムの短縮が可能である。

（４）成形品の性状に応じた調整が随時に可能であり、
また各サイクル間のバラツキが僅少であるため、成形能
率のみならず１品質の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法の実施に使用する装置の例を示す縦
断面図、第２図は経過時間と変位との関係を示す線図、
第３図は第１図における一部回路図、第４図は経過時間
と変位および圧力との関係を示す線図である。 ２：下パンチ、６：成形本体、９：上パンチ、１２：成
形用空間、１７ａ、１７ｂ：圧力スイッチ、１８：比例
電磁制御弁、１９：設定器。 ２１ａｊ２１ｂ：リミットスイッチ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 成形本体の両端を開放し、成形に際して成形本体の
   一端を固定下パンチにより他端を濾材を介して可動上パ
   ンチにより各々閉塞し、成形本体、下パンチおよび上パ
   ンチにより形成される成形空間内に液体に懸濁させた陶
   磁器材料を前記成形空間に臨ませた供給口より圧入し、
   前記上パンチおよび成形本体を下パンチに対して相対的
   に変位させて成形空間を減少させ、成形空間に臨む濾材
   を介して前記液体を排出して物品を製造する方法におい
   て、上パンチの成形本体への接近速度■。 および成形本体との密閉完了までの速度■、ならびに上
   パンチおよび成形本体の前記空間への懸濁液圧入手段度
   ■２および最終圧搾速度Ｖ３を比例電磁制御弁により調
   整自在としたことを特徴とする陶磁器材料から物品を製
   造する方法。