JPS5928031B2 - ナトリウム−イオウ電池 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はナトリウム−イオウ電池に関する。

この種の電池では負極物質がアルカリ金属、一般にナト
リウムで構成される（該物質は作動温度において液状で
なければならな〜・）ことは公知である。正極物質は一
般的にはイオウおよびそのナトリウム塩であるが、リン
、セレンあるいはこれらのアルカリ塩であつてもよい。
活性物質がイオウおよびナトリウムである場合には、電
気化学反応はナトリウムボリズルフイツド生成の可逆反
応であり、放電の間にそのアト、Ｖ、、ウ轟含量は増加
する゜正極物質およＵ負極物質を分離する電解質につい
ては、作動温度、すなわｂ約３００℃において固状であ
つて、負極室で生成す・る、ア′カリイオンに対して透
過性であり、電子に対して不透過性でなければならない
。一般に該電解質はβ−ナトリウムアルミナ、すなわち
酸化ナトリウム１分子についてアルミナ約５ないし９分
子を含有する化合物でなる。電解質はその底で閉止、さ
れた管状であつて、負極物質を収容しかつ正極物質中に
浸漬される。正極物質は金属正極容器中に収容されてお
り、グラフアイトフエルト中に含浸されている。電解質
管は、この正極容器および負極容器に液密封状態で接続
された支持体で支持される。一般に前記支持体はα−ア
ルミナでなるプレート状またはデイスク状のものである
。

このデイスクには、β−ナトリウムアルミナの電解質管
が固定される中央孔が設けてある。該電池において、放
電工程では次式に示す如く連続的にイオウのナトリウム
ポリスルフイツドへの変化が生ずる。

ｓ−＋Ｎａ２ｓ５→Ｎａ２ｓ４→Ｎａ２ｓ３充電中は上
記の逆反応となる。

しかしながら、従来の電池ではＮａ２ｓ５→Ｓへの変化
が起らず、したがつて完全には充電できない。この欠点
は、充電中、イオウの膜が電解質管上に恒久的に付着し
、これがナトリウムイオンに対して移動の障害物となり
、イオウ元素の完全な再生を妨げるとの事実によるもの
であることが明らかとなつた。

この実験的知見に基ずいて、本発明者等は、上記欠点を
排除しかつ実質的に完全に充電できるナトリウム−イオ
ウ電池の新規な構造を開発した。

本発明の目的は、以下の部材からなるナトリウム−イオ
ウ電池を提供することにある。（ａ） イオウ，リン，
セレンおよびこれらのアルカリ塩でなる群から選ばれる
作動温度において液状の正極物質を収容する正極容器。

（ｂ）アルカリ金属でなる作動温度において液状の負極
物質を収容しかつ前記正極物質中に浸漬されるように前
記正極容器内に配置された、底端部で閉止された少なく
とも１つの固形電解質管。

該管の壁はβ−アルカリアルミナでなる〇（ｃ）前記正
極容器内に前記電解質管を支持するための絶縁セラミツ
ク支持東該支持体と前記電解質管との接続はガラス部材
によりなされる。

（ｄ）前記負極物質を収容する負極容器。該負極容器は
前記正極容器の上方であつて前記電解質管がその頂端部
において該負極容器内で開口するように配置される。上
記部材で構成される本発明の電池において、前記支持体
（プレート）は負極容器の開口端および正極容器の開口
端を分離し、前記正極容器には正極集電を確実なものと
するグラフアイトフエルトでなるワツシヤが固定されて
おり、前記電解質管は電子的に導電性であつてかつ該電
池の充電の間抵抗を介して充電電源のマイナス極に接続
されるように設けられたスリーブまたはグリツドにより
包囲されている。

前記抵抗は、該抵抗を介して流れる電流の強さが電池の
充電電流の１／３ないし１／１２となる抵抗値を有する
。

本発明の好適な具体例について添付図面を参照して例示
するが、本発明はこれに限定されない。

電池は円筒形であつて、第１図はその縦断面図である。
本発明による電池は全く異なる他の形状であつてもよい
。図示した電池は電導性円筒形正極容器２を有しており
、この内部には集電体として機能する、イオウを含浸し
たグラフアイトフエルト製ワツシヤ１６が固定してある
。

ワツシヤ１６にはその中央部に電解質管１２を収容する
孔が設けてある。容器２の壁は、その頂部で、水平方向
の環状α−アルミナプレート６の底面に固定されている
。導電性でかつ正極容器２と実質的に同じ直径を有する
円筒状負極容器８は、前記と同様にプレート６の頂面に
その底部により固定されている。該負極容器は液体ナト
リウムでなる負極物質を収容している。プレート６の中
央には縦軸を中心とする円筒状穴１０が設けてある。

電解質管１２の開口頂端部はこの穴１０の内部で係止さ
れている。電解質管１２はその底端部で閉止しており、
また該電解質管はβ−ナトリウムアルミナで形成され、
負極物質を収容している。管１２の頂端部はプレート６
の頂面と同一面上にある。管１２の頂部の外壁とプレー
ト６に穿孔した穴１０の壁との間には接続を密にするた
めにガラス接続部材１４が挿入してある。

電解質管１２は、イオウおよびポリスルフイツドの侵食
性に対する抵抗性のある電導性金属、たとえばニツケル
，クロム，モリブデン，ステンレス鋼あるいはグラフア
イト繊維でなるスリーブまたはグリツド１７で包囲され
ている。

直流電源１８は該電池の再充電のためのものである。し
たがつてこの電源のマイナス端子は容器８に、プラス端
子は容器２にそれぞれ接続されている。さらに前記グリ
ツド１７は、密封絶縁口２０を通して容器２の壁を貫通
して伸びるワイヤ１９により抵抗Ｒを介して電源のマイ
ナス極に接続されている。矢印Ｆ１およびＦ２は抵抗Ｒ
における充電電流および循環電流の方向をそれぞれ示し
ている。抵抗Ｒの抵抗値は、該抵抗を流れる電流の強さ
が充電電流の１／３ないし１／１２、好ましくは１／５
となるような値である。したがつて、グリッド１７は電
解質管１２におけるフエルト１６の局部電位を加減する
ことを可能とする。

この結果、充電中に恒久的に形成される傾向にあつたイ
オウ膜をポリスルフイツドに変え、したがつて前記の如
くＮａ２ｓ５のイオウへの変換に対する障害物として作
用しない０それ故、電池は完全に再充電される。第２図
のグラフは電解質管の単位表面積当りの電池の容量Ｑ（
アンペア・時間／０ｄ）を関数として起電力Ｅ（ボルト
）をプロツトしたものである。

曲線Ａはグリツド電流＝０における充電曲線であり、曲
線Ｂはグリツド電流＝１５ｎ１Ａ／Ｃｌｌｌにおける充
電曲線であり、両者の場合は、充電電流の密度は５０ｎ
１Ａ／ＣｉＬである。曲線Ｃは電流密度２００ｎ１Ａ／
Ｃｌｉｔにおける該電池の放電曲線である。電池効率は
約７５Ｃｆ）である。以上本発明をその具体例について
詳述したが、本発明はこの特定の実施例に限定されるも
のではなく、本発明の精神を逸脱しないで幾多の変化変
形がなし得ることはもちろんである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の電池の好適な一具体例の断面図であり
、第２図は本発明の電池の性能を示すグラフである。 ２・・・・・・正極容器、６・・・・・・プレート、８
・・・・・・負極容器、１０・・・・・・穴、１２・・
・・・・電解質管、１４・・・・・・ガラス部材、１６
・・・・・・ワツシヤ、１７・・・・・・グリツド、１
８・・・・・・電源、１９・・・・・・ワイヤ、２０・
・・・・・密封絶縁口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ （ａ）イオウ、リン、セレンおよびこれらのアルカ
   リ塩でなる群から選ばれる作動温度において液状の正極
   物質を収容する正極容器、（ｂ）アルカリ金属でなる作
   動温度において液状の負極物質を収容しかつ前記正極物
   質中に浸漬されるように前記正極容器中に配置された、
   その壁がβ−アルカリアルミナでなりかつ底端部で閉止
   された少なくとも１つの固形電解質管、（ｃ）前記電解
   質管を前記正極容器内に支持する、前記電解質管との間
   の接続がガラス部材によつてなされる絶縁セラミック支
   持体、および（ｄ）前記負極物質を収容しかつ前記正極
   容器の上方にあつて前記電解質管が頂端部においてその
   内部で開口するように配置された負極容器、を包含し、
   前記支持体は前記負極容器の開口端および前記正極容器
   の開口端を分離し、前記正極容器には発生した電流の正
   極集電を確実なものとするグラファイトフェルトでなる
   ワッシャが固定されており、前記電解質管は再充電の間
   抵抗を介して再充電電源のマイナス端子に接続されるよ
   うに設けられた導電性グリッドまたはスリーブにより包
   囲されていることを特徴とする、ナトリウム−イオウ電
   池。 ２ 抵抗は、該抵抗を流れる電流の強さが電池の再充電
   電流の１／３ないし１／１２となる抵抗値を有すること
   を特徴とする、特許請求の範囲第１項記載の電池。 ３ グリッドはニッケル、クロム、モリブデン、ステン
   レス鋼およびグラファイトでなる群の中から選ばれる金
   属材料で形成されることを特徴とする、特許請求の範囲
   第１項または第２項記載の電池。