JPS5926971Y2 - 絶縁電線に電気的に接続するクランプ碍子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、架空配電線の如き絶縁電線の雷断線を防止す
るための絶縁電線に電気的に接触するクランプ付碍子の
改良に関するものである。

架空配電線への落雷による断線を防止するため支持碍子
のクランプを配電線の導体に電気的に接続してこの導体
と同電位にしこのクランプの金具と支持碍子の下方に取
付けられたアーク金具との間でサージ電圧を放電させて
配電線から大地への放電を阻止することが試みられてい
る。

そして本出願人は絶縁電線（配電線）にクランプの金具
を電気的に接続するためクランプの内側に刃先を有する
１対の接触部材を配置しクランプの締付けで刃先を絶縁
電線の絶縁物に喰込ませて導体に接触させるようにした
クランプを提案している。

しかし、一般に支持碍子はしばしば交換の必要があり、
この場合接触部材も電線から取外すことはやつがいであ
る上に電線の傷を拡大することになるので好ましくない
。

本考案の目的は、接触部材を絶縁電線がら取外すことな
く、従って電線に不必要な傷をつけることなく碍子を交
換することができる絶縁電線に電気的に接続するクラン
プ付碍子を提供することにある。

本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明すると、第
１図及び第２図は本考案に係るクランプ付碍子１０を示
し、このクランプ付碍子は、碍子本体１２とこの碍子本
体に固着された上部金具１４とこの上部金具に絶縁電線
１８を締付けて固定するクランプ１６とを備えている。

クランプ１６は上部金具１４の上面凹部１４ ａ ｃ：
抜出自在に嵌入されて取付けられた下部クランプ部材２
０とこの下部クランプ部材２０との間で絶縁電線１８を
クランプする上部クランプ部材２２とがら成っている。

これらのクランプ部材２０．２２をねじ締付けするねじ
締付手段２４は上部金具１４に植設された２本のねし棒
２６．２６’から成り、上記クランプ部材２２は絶縁電
線１８を挾むようにこれらのねし棒２６．２６’に嵌合
しそのねじ部２６ ａ 、２６’ ａにワッシャー２８
．２８’を介してナツト３０．３０’を締付けて下部ク
ランプ部材２０と共に絶縁電線１８を把持している。

本考案のクランプ付碍子１０は、更に、上下の接触部材
３２．３４を備え、これらの接触部材は第１図に示すよ
うにクランプ部材２２．２０の内側に配置されている。

上部接触部材３２は、第３図に示すように、薄い基板３
２Ａの下面に設けられた複数の略円弧形の刃先３２ Ｂ
から成り、また下部接触部材３４は厚い基板３４Ａの上
面に設けられた複数の略円弧形の刃先３４ Ｂからなっ
ている。

刃先３２ Ｂ、３４Ｂはクランプ１６の締付けで絶縁電
線１８の絶縁物に喰込んで導体１８ Ｈに接触する。

これらの刃先は、第５図に示すように、導体１８Ｈの撚
方向ａと交差する傾きを有し、従って導体に有効に且つ
大きな接触面積で電気的に接触する。

第１図に示すように、下部接触部材３４の基板３４Ａは
下部クランプ部材２０の凹部２０ ａに収納される。

本考案のクランプ付碍子１０は、更に、絶縁電線１８と
その上下の接触部材３２．３４を一体に拘束する拘束金
具３６を備え、この拘束金具は第１図及び第６図に示す
ように絶縁電線１８と上下の接触部材３２．３４を囲み
下向きに開口する略Ｕ字形をなし、その下端には下部接
触部材３４と下部クランプ部材２０とを電気的、機械的
に接続する接合手段３８を有する。

図示の実施例ではこの接合手段３８はひだ状のばね部か
ら戒り、このばね部の効果を向上するため長方向に間隔
をあけてスリット３８ａを有する。

この拘束金具３６は、絶縁電線１８及びその上下の接触
部材３２．３４を囲むように嵌められると、下端のひだ
状ばね部のばね効果でこれらを一体に組合せる。

そしてこの組合せ体を、第１図に示すように、上下のク
ランプ部材２２．２０の間に配置しクランプ１６を締付
けると、ひだ状ばね部の変形で下部クランプ部材２０と
下部接触部材３４との相対する面に喰込んでこれらの間
を電気的、機械的に連結する。

従って、碍子本体１２を交換する場合にはクランプ１６
を緩めると、拘束金具３６により一体にされた絶縁電線
１８、上下の接触部材３２゜３４及び下部クランプ部材
２０はこの下部クランプ部材を上部金具１４から抜出し
て碍子本体１２及び上部金具１４から取外すことができ
、また新しい碍子本体１２の上部金具１４にそのまま嵌
入して再びクランプ１６を締付けることにより復旧する
ことができる。

尚、上記実施例では、接合手段３８はひだ状ばね部であ
ったが、クランプ１６の締付けにより下部接触部材３４
と下部クランプ部材２０との間に喰込むくさびであって
もよい。

本考案によれば、上記のように、上下の接触部材を絶縁
電線に喰込ませたまま碍子本体及びその上部金具から取
外すことができるので碍子の交換作業を効率よく行うこ
とができる上に絶縁電線に余分の傷をつけることがなく
、またこれらの接触部材及びクランプ部材は繰返し使用
できるので経済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るクランプ付碍子の一部垂直断面に
した正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ’線断面図、第３
図及び第４図はそれぞれ本考案に用いられる上下の接触
部材の斜視図、第５図は刃先と導体との関係を示す拡大
図、第６図は本考案に用いられる拘束金具の斜視図であ
る。 １０・・・・・・クランプ付碍子、１２・・・・・・碍
子本体、１４・・・・・・上部金具、１４ａ・・・・・
・凹部、１６・・・・・・クランプ、１８・・・・・・
絶縁電線、１８ａ・・・・・・導体、２０．２２・・・
・・・下部及び上部クランプ部材、２０ ａ・・・・・
・凹部、２４・・・・−・ねじ締付手段、３２．３４・
・・・・・上下の接触部材、３６・・・・・・拘束金具
、３８・・・・・・接合手段。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）碍子本体と、前記碍子本体に固着された上部金具
   と、前記上部金具に取付けられた下部クランプ部材とこ
   の下部クランプ部材との間で絶縁電線をクランプする上
   部クランプ部材とこれらのクランプ部材をねじ締付けす
   るねじ締付手段とから成るクランプと、前記クランプの
   上下のクランプ部材の内側に配置されて前記絶縁電線の
   絶縁物に喰込んでその導体に電気的に接触する上下の接
   触部材とを備えた絶縁電線に電気的に接続するクランプ
   付碍子において、前記下部クランプ部材は前記上部金具
   の上面凹部に抜出自在に嵌入され、前記上下の接触部材
   とその間の絶縁電線とを囲み下向き開口する略逆Ｕ字形
   の拘束金具を備え、前記下部クランプ部材は前記下部接
   触部材と前記拘束金具の下端が収納される凹部を有し、
   前記拘束金具の下端には前記クランプの締付けによって
   前記下部接触部材と下部クランプ部材とを電気的、機械
   的に接続する接合手段が設けられ、且つ前記クランプの
   ねじ締付手段は前記上部金具と上部クランプ部材との間
   に設けられていることを特徴とする絶縁電線に電気的に
   接続するクランプ付碍子。
2. （２）前記接合手段は、前記拘束金具の下端に一体に設
   けられたひだ状のばね部から或っている実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載の絶縁電線に電気的に接続するク
   ランプ付碍子。