JPS5926186B2 - サイクロコンバ−タの再起動方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は交流電動機を駆動するサイクロコンバータの電
源低下後、再びこれが復帰した際の再起動方式に関する
ものである。

最近の半導体芯用の分野は増々広がりをみせ、直流電動
機の駆動電源の他に交流電動機の駆動電源にも各種の方
式が使用されはじめている。

これは周知のように直流電動機にぱブラシの保守の問題
があり、最近の機器の無保守、無点検化の傾向 、’が
回転機を交流化しようとする方向に向けていることによ
る。交流電動機を駆動する電源には、各種の方式がある
が、まだ実用化の日が浅く使用実績も少い。しかし、鉄
鋼用の低速交流電動機の電源方式としては第１図に示す
ようなサイクロコンバータ方式が最もすぐれた方式とし
て認められるようになつてきた。まず、第１図の回路に
ついて説明を加える。第１図の１は電源しや断器、２は
変換器用変圧器、３と４は３相ブリッジ接続された変換
器 ５と６は出力リアクトル、７は交流電動機、８は励
磁巻線、９は位相電圧検出用変圧器、１０は電源電圧の
不足電圧検出器、１１は変換器のゲートパルス発生器、
１２は出力電流検出器、１３は電源である。

この電源システム全体をサイクロコンバータ方式とよび
、Ｔの交流電動機の各巻線と中性点の間に逆並列接続さ
れた３相ブリッジが１組接続されて、交互に正負の電圧
電流（ｉｌ、ｉ２、ｉ３）を供給して交流電動機を駆動
する。変換器のアームを点弧する位相は９の位相電圧検
出用変圧器により決定し、変換器３、４のいずれかの運
転を決定するのは、１２の出力電流検出器によつて行う
。このサイクロコンバータ方式は回路が他励式であり、
よく知られた３相ブリッジ接続を基本構成としているの
で動作が比較的安定している。しかし、３相ブリッジ接
続が逆並列接続されているので、１組の変換器の一方の
変換器が誤点弧等を発生すると直流出力短絡（点線で図
示）となつて大きな故障電流が流れるので、システム全
体の停止に到るばかわでなく変換器に使用するサイリス
タに過大なストレスを加えることになる。このストレス
を少しでも少くするために５、６の出力リアクトルの値
が大きくなることもあり、このシステムの大きな欠点と
なることが知られている。また、このような直流出力短
絡の可能性は次のような場合にも発生しうる。即ち、電
流１３が瞬断もしくは異常低下したときには変換器は正
常な運転を続けることは出来ないので、交流電動機□の
インダクタンスによる電流エネルギーを環流させるため
に１組の変換器を交互にバイパスペア点弧させて過電圧
の発生を防止し、停止させている。しかし、電源の瞬断
、異常低下などが長期に亘ることは稀で、一般には、数
サイクルで正常な状態に復帰することが多いので、この
場合には、このシステム全体を停止させることなく再び
運転を継続した方が望ましい。再起動の際には、前述の
ように交流電動機７からの電流が変換器のバイパスペア
を流れているので、バイパスペア電流を流していない方
の変換器から起動すると、直流出力短絡となつてシステ
ム停止に到る。従つてこの場合には、交流電動機７のイ
ンダクタンスのエネルギーが零になるまで、即ち、電流
が零に方るまで待機する方式を採用することが多い。

電流の零値を検出するのは定常運転時に出力電流の零値
を出力電流検出器によつて検出して１組の３相ブリツジ
の出力の切換をするので、その回路をそのまま使用すれ
ば容易に出来る。しかしこの方式は、交流電動機７のイ
ンダクタンスが大きければ大きい程電流が零になるまで
の時間が長くなり、再起動するまでの時間が延びること
になる。

鉄鋼用などの圧延機に使用する電動機ではこの時間は当
然短くすることが望まれていた。本発明の目的はこのよ
うな直流短絡の発生の危険Ｑ少いサイクロコンバータの
再起動方式を提供することにある。

本発明を第１図によつて説明する。

即ち、第１図の出力電流検出器には、従来は電流の零値
を検出する目的で使用されていたが、これに電流の方向
を検出出来る性態を附加する。電流の方向を検出する機
能は例えば第２図のようにダイオード２１，２「と検出
抵抗器２２，２２″を使用することによりそれぞれ１と
２、１′と２″の組合せで容易【実現出来る。これによ
り電流の零値だけでなく方向性も判別出来るので、第１
図の出力電流検出器１２より得た信号をゲートパルス発
生器１１で判別することにより、バイパスペア時に２組
の３相ブリツジのうちのいずれが通電しているかを判別
出米る。従つてこの機能により、電源１３の瞬断もしく
は異常低下時に、バイパスペアとなつている３相ブリツ
ジを再運転することが出来る。

以上の方式により、電源の瞬断もしくは異常低下後、電
源が正規な状態に復帰したときに直ちに安定な運転が出
来、システム全体の信頼度が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はサイクロコンバータを使用した交流電動機の１
駆動システムのプロツク図、第２図は本発明で用いる電
流検出器の一実施例を示す接続図である。 １・・・・・・電源しや断器、２・・・・・・変換器用
しや断器、３，４・・・・・・３相ブリツジ接続変換器
、５，６・・・・・・リアクトル、７・・・・・・交流
電動機、９・・・・・・位相電圧検出用変圧器、１１・
・・・・・ゲートパルス発生器、１２・・・・・・出力
電流検出器、１３・・・・・・電源、２１，２１′・・
・・・・ダイオード、２２，２２′・・・・・・検出抵
抗器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ブリッジ接続された複数のサイリスタ変換器から成
   るサイクロコンバータにおいて、このサイクロコンバー
   タの入力交流電源の瞬断もしくは、異常低下時に所定の
   前記サイリスタ変換器をバイパスペア状態にし、負荷電
   流を環流させ、前記入力交流電源が正常に復帰したとき
   前記バイパスペア状態にあるサイリスタ変換器から再起
   動を行なうようにしたことを特徴とするサイクロコンバ
   ータの再起動方式。