JPS592517B2 - ミシンによるベルベツト等の縫製装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はベラチンやコールテンその他ベルベットのよう
な添毛織物のミシンによる縫製装置に関するものである
。

ところでベルベットは表面に添毛（居宅）カ密生してい
るので、このようなベルベットを二枚向き合わせて縫い
つげる場合は表面の毛が対接されるので格別の支障はな
いのであるが、ベルベントに裏地を縫いつける際に註上
記添毛が裏地を介して上部より押え金によって押圧され
た状態で移動するため、添毛が移動時の抵抗で前後左右
の何れかに倒れが生じることにより上部に添接される裏
地が上記添毛の倒れ方向に滑るように移動することにな
って縫いづれが起こり適正な縫製が困難になるので、従
来は待ち針を用いてこのような縫いづれを防ぐようにし
ているのであるが熟練を要し、かつ能率を著しく低下さ
せるのである。

本発明はこのような実情に対処すべ（なしたもので、ベ
ルベットのような布地を針板における針穴上を通過させ
る際、該針穴板上に備えしめた指金により添毛にしごき
作用を与えるようにして添毛の毛足を布地の反送り方向
手前に向けて強制的に寝かせた状態で押え金の下方に送
りこませることにより上面に添接される裏地をベルベッ
トの布地表面に密着せしめて上記縫いづれの発生をなく
すようにしたものである。

以下これを図の実施例について説明すると、１はミシン
における合板上に装着される針板で、該板上面は針穴２
を基準として綾線方向と直交した手前部１ａを上記台板
面と略同一平面とするのに対し、前方部１ｂは該針板１
の板厚程度高くした高位面とすることにより手前部１ａ
に対し段差１ｃが形成され、３は針板１の下方に支持さ
れた送り歯４０針状突起４′を上方に臨ませるよう針穴
２の前方とその右側に設けしめた溝である。

５は針板手前部１ａ上において若干の間隙Ｓを形成させ
ると共に前縁５′と上記段差１ｃとの間に狭隙ｔ（図で
はこの狭隙を拡大して示している）を設けしめて平行状
態に対設させた指金で、この指金５は上記狭隙ｔを一定
ならしめた状態で固定せしめてもよいのであるが、該指
金を針板２の前方部１ｂの側部に延長状に設けた補助側
板６上の保持枠７に前後動しうるよう通挿した基板８に
端部を止着することにより段差部１ｃに対して前後平行
に進退させるようにして前縁５′との間における狭隙ｔ
を大小調整せしめるようになし、さらにこの指金５をピ
ン９によって枢着することにより該ピンを中心として前
後に回動させるようになすと共に該指金に形成した突片
５ａと基板８に突設した受片８ａとの間にバネ１０を介
在させてこれを圧縮する方向に指金５を回動可能として
上記狭隙ｔを大きく開かしめるようにしてもよいのであ
る。

尚指金５を上記のように回動可能とするときは該指金前
縁５′と段差１ｃを平行に保たしめておく必要上、基板
８に設けた止め金８ｂに指金５上の突起５ｂを受は止め
させるようにするとよいのである。

１１は基板８の固定用ネジ、１２は針板１の手前部１ａ
上に設けた添毛布地Ｍの案内用ガイド、１３は前方部１
ｂ上に設けた裏地Ｎの案内用ガイドで、何れも左右動可
動としてビス１４，１５により固定するようにされてい
る。

図中１６は針、１７は押え金である。

本発明装置はベルベットのような添毛布地Ｍの表面に裏
地Ｎをミシンによって縫合する際に使用するのであって
、先づ押え金１７を引上げた状態で第３図に示すように
表面の添毛Ｍ′を上向きとして布地Ｍを針板１の手前部
１ａと指金５とによって形成される間隙Ｓに手前方向よ
り差しこませて該布地を指金前縁５′と段差部１ｃとの
狭隙ｔを通して針板前方部１ｂに向けてとり出すのであ
り、このとき上記指金前縁５′を布地添毛Ｍ′に向けて
可及的に押圧接近させてお（のである。

次いで前方部１ｂ上における布地Ｍと指金５の上面に被
縫合裏地Ｎを添接せしめて押え金１７を下降させること
により裏地を布地に押圧状態となして縫製作業をなすと
、対接された布地Ｍと裏地Ｎは送り歯４による送り作用
により夫々ガイド１２，１３に案内されて前方に送り出
されるのであり、この時布地の添毛Ｍ′は指金前縁５′
によってしごき作用を受けることにより第３図に示すよ
うに手前がわの一方向に向けて倒伏するよう強制的に寝
かしつけられて該添毛はこの倒伏状態のまま押え全下方
の裏地Ｎ下面に密着状態で送りこまれて直ちに針１６に
よって縫合されることになるので、前記した縫いづれが
防止されるのである。

尚送り歯４は前進時に突起４′が布地Ｍに突きさし作用
をなすので、指金５によって抵抗のかけられている布地
に確実な送り運動をもたらすのである。

然して布地Ｍが分厚いときは段差部１ｃに対し指金５を
基板８と共に手前に後退させて狭隙ｔを犬ならしめると
よいのであり、さらにこの狭隙を内に布地Ｍを挟在させ
る際、バネ１０に抗して突片５ａを押圧することにより
指金５を回動させて上記狭隙ｔを犬ならしめるようにす
ると布地の狭隙内への差しこみが便利となるのである。

このように本発明装置によるときは針板に形成した段差
部と、この針板の手前部上に位置させた指金における前
縁との間に狭隙を設けしめることにより、この間を通過
させるようにした布地の添毛にしごき作用を与えしめて
手前方向に倒伏させるようにしたので、上面に抑圧状態
として添接される裏地の密着を良好ならしめ得てその間
に縫いづれを生じさせることなく適正に縫合させうる効
果を有するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の実施例を示す平面図、第２図は第
１図Ａ−Ａ線の断面図、第３図は縫製時における要部を
拡大して示す側面図である。 １は針板、１ａは手前部、１ｂは前方部、１ｃは段差部
、２は針穴、５は指金、Ｓは間隙、ｔは狭隙、５′は前
縁、Ｍは布地、Ｍ′は添毛、Ｎは裏地を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ミシンにおける針板の綾線と直交した針穴上を通る
   線を基準として前方部を手前部に対し高位面とすること
   によりその間に段差部を形成し、この針板の手前部上に
   間隙をあけて設けしめた指金における前縁と上記段差部
   との間に、この間を通過させる布地の添毛を手前方向に
   しごかせる狭隙を設けしめたことを特徴とするミシンに
   よるベルベット等の縫製装置。 ２ 指金を平行状態として前後動させることにより該指
   金前縁と段差部との間に形成させる狭隙を大小調節可能
   とした特許請求の範囲第１項記載のミシンによるベルベ
   ット等の縫製装置。 ３ 指金を段差部に対し基部のピンを中心として回動せ
   しめるようにした特許請求の範囲第１．２項記載のミシ
   ンによるベルベット等の縫製装置。