JPS5925120B2 - 往復動真空ポンプの軸封部ガス洩れ防止装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は主としてウラン分離のため六弗化ウランガスを
取り扱う往復動真空ポンプの軸封部ガス洩れ防止に関す
る。

六弗化ウランガスは空気と接して弗化水素を生じ、人体
に有害であると共に腐蝕性も激しい。

このため六弗化ウランガスを取り扱う往復動真空ポンプ
では、シリンダ内の六弗化ウランガスが軸封部からクラ
ンクケース内に漏洩して大気と接触することを絶対に防
止できるように要請されていたが、従来、この要請に応
える上記真空ポンプの製作は全く絶望視されてきた。

そこで本発明者は鋭意研究の結果、最終段シリンダとク
ランクケースとの間に密封箱を形成したディスタンスピ
ースを３室設けて、最初の室と最終段シリンダの吸込弁
入口側とを連通して最初の室の室内真空度を前記シリン
ダの吸込弁入口側の真空度と同一とし、次の室に窒素ガ
スを供給すると共に活性炭フィルタを介して真空引きし
て、その室内真空度を最初の室の室内真空度より僅かに
低くし、最終の室゛に窒素ガスを供給してクランクケー
ス内の大気圧より僅かに高い室内圧力とすれば、前記問
題点が解決できることを見出し本発明を完成した。

本発明を実施例に基いて図面により説明すると、１は六
弗化ウランガスを取り扱う本発明往復動真空ポンプで１
１は最終段シリンダ、１２はピストン、１３はピストン
ロッド、１４はシリンダ１１に隣接して密封箱を形成し
たディスタンスピース第２室、１５は第１室１４に隣接
して密封箱を形成したディスタンスピース第２室、１６
は第２室１５に隣接して密封箱を形成したディスタンス
ピース第３室、１７は第３室１６に隣接するクランクケ
ースである。

１４１はシリンダ１１と第１室１４との間の隔壁１４０
に設けた軸封部、１５１は第１室１４と第２室１５との
間の隔壁１５０に設けた軸封部、１６１は第２室１５と
第３室１６との間の隔壁１６０に設けた軸封部、１７１
は第３室１６とクランクケース１７との間の隔壁１７０
に設けた軸封部である。

１４２は第１室１４と最終段シリンダ１１の吸込弁の入
口側とを連通する連通管、２１は窒素ガスボンベ（不活
性炭ガス供給源）で、これは連通管２１２により減圧弁
２０、一定真空度以下になったとき開く真空制限弁２１
１を経て第１室１５に連通される。

また、第２室１５は連通管３１２により活性炭フィルタ
３１１を経て真空ポンプ３１に連通される。

第３室１６は連通管４１２により弁（常開）４１を経て
減圧弁２０に連通されると共に連通管４２２により弁（
常閉）４２を経て大気中に連通される。

４０は第３室１６とクランクケース１７との室内圧力差
に等しい水頭長さの水パイプ部分４０１を有するウォー
タシールで、パイプ部分４０１は連通管４０２により弁
４１と弁２０との間の連通管４１２に連通される。

従って、真空ポンプ１を運転して最終段シリンダ１１の
吸込弁の入口側で真空度４０ト一ル吐出弁出口側で７６
０トールを示すとすれば、第１室１４は前記吸入弁入口
側と連通しているので、室内真空度は４０トールの均圧
を示す。

第２室１５は真空ポンプ３１により絶えず真空引さそる
と共に真空制限弁２１１によって室内真空度が３０トー
ルとなるように窒素ガスボンベ２１から窒素ガスが供給
されるので、第１室１４から軸封部１５１を通じて浪人
する僅かな六弗化ウランガスは活性炭フィルタ３１１に
吸収される。

第２室１５は第１室１４の室内真空度より低圧であるの
で、窒素ガスは第２室１５から第１室１４に軸封部１５
１を通じて浪人することはない。

第３室１６はクランクケース１７内の大気圧より若干高
い室内圧カフ９０トールとなるようウォータシール４０
により調整された窒素ガスがボンベ２１により供給され
てしるので、クランクケース１７内の空気が軸封部１７
１を通じて第３室１６に浪人することはナク、また、第
３室１６内の窒素ガスは軸封部１６１を通じて第２室１
５に浪人しても真空ポンプ３１により排出される。

本発明装置では、最終段シリンダ１１の吸込弁入口側と
ディスタンスピース第１室１４とカ連通されて、シリン
ダ１１の吸込弁入口側の真空度と第１室１４の室内真空
度とが均圧化しているので、シリンダ１１から軸封部１
４１を通じて第１室１４に漏入する六弗化ウランガスは
、そのガス圧がシリンダ１１の吸込弁入口側の圧力から
吐出弁出口側の圧力まで変化することにより、第１室１
４に漏入するガス漏れが多くなってもシリンダ１１の吸
込弁入口に戻すことができ、このため第１室１４内のガ
ス圧は殆ど変化することはなく、第１室１４から軸封部
１５１を通じて第２室１５に漏入する六弗化ウランガス
量も僅小で済み、シリンダ１１のガス圧の変化に影響さ
れることはない。

従って第２室１５から活性炭フィルタに吸着される六弗
化ウランガス量も僅小で済みフィルタ交換量も少なく済
むことになる。

本発明によれば従来困難視されていた六弗化ウランガス
等の反応性活性ガスを取り扱う往復動真空ポンプにおけ
る前記反応性活性ガスの無公害処理を容易に達成するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明装置を使用した往復動真空ポンプの全体を
略図的に示した説明図である。 １・・−・・一往復動真空ポンプ、１１・・・・・・最
終段シリンダ、１４，１５，１６・・・・・・ディスタ
ンスピース、（室）１７・・・・・・クランクケース、
２１・・・・・・不活性ガス供給源、３１・・・・・・
別に設けた真空ポンプ、３１１・・・活性炭フィルタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 最終段シリンダとクランクケースの間に密封箱を形
   成したディスタンスピースを３室設けて、最初の室を最
   終段のシリンダの吸込弁の入口側に連通して、その室内
   真空度を前記シリンダの吸込弁の入口側の真空度と同一
   となるようにし、次の室を活性炭フィルタを介して別に
   設けた真空ポンプに連通ずると共に不活性ガス供給源に
   連通して、その室内真空度を最初の室の室内真空度より
   僅かに低くできるようにし、最後の室を不活性ガス供給
   源に連通して、その室内圧力を大気圧より僅かに高（で
   きるようにしたことを特徴とする往復動真空ポンプの軸
   封部ガス洩れ防止装置。