JPS5924082Y2 - 信号電流用絶縁被覆導体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、回路基板に実装してそのシグナル配分ないし
はシグナル授受に好適なように、二枚の帯状金属導体を
絶縁部材によって並設状態で一体的に絶縁被覆し、以っ
て両帯状金属導体間の分布容量を可及的に低減せしめる
べく構成した信号電流用絶縁被覆導体に関する。

回路基板に実装された電気回路部品は、基板上に形成さ
れた配線パターンのほか帯状銅板などと複数枚相互に絶
縁被覆した公知の積層母線により作動電流および信号電
流等を伝導するようにしているが、殊に上記の如き積層
母線は、通常、帯状銅板を絶縁材を介して重ね合せた形
態をもつがら、各銅板間には適当な分布容量を持つよう
になり、従って、電源電流等を流す場合には好都合と云
える。

しかし、上記の如き分布容量をもつ積層母線はそれ故、
例えば信号電流を流すような用途には不適合であり、こ
のような用途の積層母線等は、上記とは相反して可及的
に分布容量の小さなものが要求される。

本考案は、従来の積層母線における上記形態を考慮し、
この種の積層母線を製造すると同様な手法を用いながら
、結果的には分布容量が極めて小さなものであって信号
電流の授受に最適な絶縁被覆導体を提供しようとするも
ので、その特徴とするところは、各々一側に多数の端子
をもつ二枚の帯状金属導体を並べて配置し、これらを絶
縁部材で相互に絶縁被覆して一体的に成形するようにし
たところにあり、それがため両帯状金属導体は、従来の
ように積層状態ではなく、その厚み方向に隣接し合って
略一枚物の形状を呈するように構成される結果、分布容
量は帯状金属導体の側面のみに僅かに形成されるように
なり、以って信号授受等の目的に用いて好適な製品を得
ることが可能となる。

添附図面は、本考案の上記信号電流用絶縁被覆導体の一
実施例を示すもので、１は銅またはアルミニウム等、そ
の他適宜の導体素材から第２図に示すようにその一側に
所要間隔に多数突出する端子１Ａをもつように帯状に打
抜き形成した帯状金属導体、２は図示のように、該導体
１の端子１Ａとは反対方向に突出すべく端子２Ａを一体
的に備えるように打抜き形成した他の帯状金属導体を示
し、これら両帯状金属導体１および２は、それぞれ側導
体１，２の並設状態における合計幅より適宜幅広のフィ
ルム状表面絶縁材３，４および中間絶縁材５によって互
いに側縁で隣接し合うように並設状態で配置されながら
、一体的に絶縁被覆成形されている。

従って、フィルム状中間絶縁材５は、第１図のように一
方の導体１の下面から他方の導体２の上面に亙るように
配置されるので、側導体１，２の隣接側端間の電気的絶
縁を確保することとなる。

斯かる構造の信号電流用絶縁被覆導体を製造するには、
例えば図示しない適当な治具上に先ず表面絶縁材３を載
置し、この表面絶縁材３の一側寄りに第２図に示す如く
端子１Ａを折曲しない状態で一方の帯状金属導体１を位
置合せしながら仮接着したのち、中間絶縁材５をこの導
体１および表面絶縁材３の残余部分に一様に同様仮接着
し、次いで前記端子１Ａと反対方向になるように端子２
Ａを配置して他方の帯状金属導体２を上記中間絶縁材５
を介して前記導体１に並べて仮接着するようになし、最
後に残る表面絶縁材４を該導体２並びに中間絶縁材５に
共通に及ぶように重ねて接合し終えた段階で、プレス等
の加熱圧着手段でこれら部材を一体的に成形し、最終的
に対向方向にそれぞれ突出した端子を所要方向に折曲す
れば直ちに実用に供し得る製品を完成することができる
。

二枚の帯状金属導体を並設しかつ絶縁材を介して上記の
如く一体的に積層被覆した導体は、絶縁材３，４および
５の積層により全体的な幅方向の曲げ強さを相当程度具
備するが、この幅方向の曲げ強度を更に高める一法とし
ては、上記仮接着工程時に隣接する導体１，２間に接着
剤６を充填することも可能である。

また、双方の帯状金属導体１，２は、その幅を支障のな
い限り、出来るだけ小さな寸法に形成することも可能で
あるから、斯かる場合には、得られた積層導体の全体の
厚さ及び幅寸法をよりコンパクトな形態になし得るもの
で、強度上並びに実装スペースを更に低減できる。

叙上のとおり、本考案品は、現今、基板の実装密度を許
容される範囲内で可及的に増加せしめる傾向に対応して
、殊にシグナル配分用など信号電流の伝達に最適な分布
容量の少ない低キャパシタンスの絶縁被覆導体を提供で
きるもので、また、製品自体が従来品に比して小さな厚
さをもつものであるから、この種基板に実装する部分と
してスペースの有効利用が図れる等、回路基板に実装す
る為の信号電流用絶縁被覆導体として実用に供して多大
な効果をもつ。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による信号電流用絶縁被覆導体の一実施
例による拡大断面図、第２図はこの信号電流用絶縁被覆
導体を製造する手順を説明するための部分切欠拡大平面
図である。 １．２・・・・・・帯状金属導体、３，４・・・・・・
表面絶縁材、５・・・・・・中間絶縁材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 回路基板に実装する為の信号電流用絶縁被覆導体におい
   て、各々長手方向−側に多数の端子ＩＡ。 ２Ａをもつ二枚の帯状金属導体１，２をそれら端子ＩＡ
   、２Ａが互いに反対側に突出するように並べて配置し、
   上記側導体１，２の隣接側端間を通して該一方の導体１
   の下面から上記他方の導体２の上面に亙るように配置さ
   れたフィルム状中間絶縁材５を有し、これら両帯状金属
   導体１，２をそれぞれの端子ＩＡ、２Ａを除いてフィル
   ム状表面絶縁材３，４で一体的に絶縁被覆するように構
   成したことを特徴とする回路基板に実装する為の信号電
   流用絶縁被覆導体。