JPS5923092Y2 - マンホ−ルの蓋体開閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は重量の大なるマンホール蓋体の開閉装置に関
する。

一般にマンホールの蓋体は、マンホールの上端周縁に埋
設した蓋受枠に基端側部をヒンジピンにより回動自在に
枢着することで開閉可能に取付けられているが、その蓋
体自体が鋳物で一体鋳造されたり、或いは鋳物よりなる
蓋本体にモルタル等を充填してなるいわゆる充填式マン
ホール蓋のような重量蓋である場合、その開閉操作を人
の力だけで行うには非常に重く困難であった。

そこで、この種の重量の大きな蓋体においては開閉操作
を一人の作業員でも手軽にできるように各種工夫したも
のがすでに提案されている。

しがしながらこの従来のものはばね方式又は油圧方式で
あって、いずれも構成が複雑で設備費が高く且つ維持管
理が困難である。

即ち、ばね方式はねじりばねのばね重力でリンクやアー
ムを介して蓋体を押上げるように構成したもので、高価
なねじりばねを使用する上に、一般にマンホールの蓋体
は頻繁に開閉されることなく長期間閉成状態のまま放置
されることから、ねじりは゛ねのは゛ね力が自然と弱ま
ってしまったりばね自体が錆びついたりしてしまうなど
その維持管理が困難であった。

又油圧式のものは油圧シリンダによりリンク等を介して
蓋体を開閉駆動したり或いは油圧の昇降装置により蓋体
を浮上せしめてマンホール−側外方へ横移動させるよう
に構成したもので、これら油圧式においても上記ばね穴
開様構成が複雑である上に、油圧シリンダ等の高価な機
器を使用し、非常に設備費が高く、シかもオイル洩れ等
の点検・補修が必要で維持管理が大変でありた。

、更に上記従来のばね式及び油圧式のものは蓋体に対す
る適正な押上げ力の設定が面倒で、且つその調整も簡単
にはできず特に充填式マンホール蓋の如く充填物によっ
て重量の異なる蓋体への適用が面倒であった。

この考案は上記事情に鑑みなされたもので、ばねや油圧
シリンダ等の高価で且つ維持管理が面倒な部品を使用せ
ず、しかも構成が非常に簡単で設備費及び管理費共に安
価で済み、また蓋体の重量に対する適正な押上げ力の設
定及び調整が極めて容易で、蓋体の開閉操作を一人の作
業員で非常に簡便且つ確実に行ない得るようになせる実
用性大なるものを提供することを目的とする。

つまり、この考案はバランスウエートを用いてその重力
により回動アームと押上げリンクを介して蓋体を上方に
回動するよう押上げるようにした非常に簡単な構成の開
閉装置を特徴とするものである。

以下この考案の一実施例を図面に従い説明する。

図中１はマンホールカバーの蓋受枠、２は同蓋体であり
、上記蓋受枠１は断面略逆Ｔ字形をした方形枠状のもの
で、マンホールＡの上端開口周縁部に埋設固定されてい
る。

また上記蓋体２は鋳物により一体成形された浅底角形状
の蓋本体３と、この蓋本体３の底壁３ａと周側立上り壁
３ｂに囲まれた空間に充填されたモルタル等の充填材４
とから構成された重量蓋であり、この蓋体２はその蓋本
体３の基端側に左右一対の突片５，５が一体に突設され
、この突片５，５を上記蓋受枠１の同じく基端側に設け
た左右一対のコ字形受は部６，６にヒンジピン７．７に
よって回動自在に枢着することで該蓋受枠１に対して第
２図に示す如く開閉可能に嵌合した状態に設けられてい
る。

なお図中８，８は蓋体２の蓋本体３先端側左右隅部に設
けられた取っ手、９は同蓋本体３の先端側中間部に設け
られた錠装着部で、ここに上下に貫通して回動操作可能
なシャツＨＯａとこのシャツ）１０ａ下端に固定されて
回動する帯板状の係止板１０ ｂよりなる錠１０が装着
されて、そのシャツ）１０ａをスパナ等で回動操作する
ことで係止板１０ｂが第２図に示す如く蓋受枠１下側凹
入部１１に入って蓋体２が閉成状態でロックされるよう
になっている。

また図中１２は蓋受枠１の内周部に設けられたバッキン
グである。

こうした構成において、上記マンホールＡ内の左右壁面
部に配して蓋体２を常に上方向へ回動すべく押上げる作
用をなす蓋体開閉装置１３．１３がそれぞれ設けられて
いる。

この蓋体開閉装置１３．１３は左右対称で互に同一構成
をなすことがらその片側のみの構成及び作用を述べる。

即ち、蓋受枠１の一側部路中間部位下面に上端部をポル
） １４．１４により固定して逆り字状をしたブラケッ
ト１５が設けられ、このブラケット１５のマンホール穴
内−側壁面に沿って適当距離垂下する垂下板部１５ａの
下端部にボルトよりなる固定ピン１６が上記ヒンジピン
７と平行する向きにて取付けられ、この固定ピン１６に
スペーサ１７を介して長尺な回動アーム１８がその略中
間部を枢着することで回動自在に取付けられている。

この回動アーム１８の一端即ち、先端側部にはピン１９
を介して押上げリンク２０の下端部が枢支連結されてい
る。

この押上げリンク２０は上記回動アーム１８と略等しい
長さを有し、その上端部が上記蓋体２の蓋本体３の底壁
３ａ裏面の一側方寄り略中間部位にボルト２１により固
定した逆り字状受金２２にピン２３にて枢支連結されて
いて、上記回動アーム１８の回動に連動して蓋体２をヒ
ンジピン７を中心に上方へ押上げる如く回動させたり逆
に下方に引き降す如く回動させたりして開閉せしめるよ
うになっている。

また上記回動アーム１８の他端即ち、基端側部にはピン
２４より吊り杆２５が垂下され、この吊り杆２５の下端
にバランスウエート２６がポル） ２７．２７により取
付けられて、このバランスウエート２６の重みで上記回
動アーム１８を常時その先端側が上方に来るよう回動さ
せるようになっている。

なお、このバランスウエート２６の下面には操作用引き
手２８が突設されてマンホールＡ内の作業員が引張り操
作できるようになっている。

また、そのバランスウエート２６の上側には適当重さの
複数のカウンターブロック２９・・・・・・が着脱可能
に取付けられて蓋体２の重さに応じ重量調整可能となっ
ている。

特に充填式マンホール蓋は充填するものによって蓋の重
量も変わって来るので蓋の円滑な作動を行なうためには
カウンターブロックにより重量調整を行なうことが可能
となる。

更に、上記押上げリンク２０にはロックパー３０が取付
けられている。

つまりロックパー３０は上端がピン３１により押上げリ
ンク２０の略中間部に枢着されている縦長板状のもので
、上記回動アーム１８の稍々先端方寄り途中個所に設け
たロックピン３２に対し摺嵌するスライド孔３０ ａを
略中間から下端までに亙り有すると共に、最下端部にＬ
字状に屈曲した鉤孔部３０ ｂを有している。

而して上述した構成の作動を述べると、先ず第２図実線
に示す蓋体２の閉成状態から該蓋体２を開放するには、
マンホールＡ内の作業員の場合は該マンホールＡ内壁の
ステップ（図示せず）を登って錠１０の係止板１０ ｂ
を手動により回動させて凹入部１１から離脱させること
により解錠する。

またマンホールＡの外側の作業員の場合は蓋体２上側ス
パナ等を差し込んで錠１０のシャツ）１０ａを回し、こ
れにて解錠する。

しかして解錠した状態において、マンホールＡ内の作業
員の場合は該マンホールＡ内底部に立つてバランスウェ
ート２６の引き手２８を下方に引張る。

またマンホールＡ上側の作業員の場合は鉤杆等の工具（
図示せず）を取っ手８に引掛けて上方へ引張り上げる。

こうした操作により蓋体２は非常に軽く上方へ回動して
開くようになる。

つまり、バランスウエート２６及びこれに附設したカウ
ンターブロック２９・・・・・・により回動アーム１８
がその先端側を上方に移動するよう回動すべく常時附勢
されていることからこの回動アーム１８に連動する押上
げリンク２０が蓋体２を上方へ押上げる作用をなして、
該蓋体２の重量を略無重力に近い状態にキャンセル即ち
、蓋体２の重量を大巾に軽減していることで、作業員が
一人で非常に弱い力で上記引き手２８を引くか又は取っ
手８を引き上げれば容易・確実に蓋体２がヒンジピン７
を支点に上方へ回動して開くようになる。

この際バランスウエート２６及びカウンターブロック２
９・・・・・・の総重量は、回動アーム１８が第２図想
像線で示す水平状態に回動して蓋体２が半開き状態とな
る時点で該蓋体２の自重による下方への回動力とバラン
スをとって釣り合う程度が最適であり、これにて前述の
錠１０の解錠時に自然に蓋体２が跳ね上がって開くなど
の危険か゛なく、作業員のわずがな引張り力によりスム
ーズに蓋体２か開いて、その半開きした以降はバランス
ウエート２６及びカウンターブロック２９の総重量が蓋
体２の下方への回動力に打ち勝つことで、該蓋体２は自
動的に第２図想像線で示す略垂直状態位置まで静かに回
動せしぬられて全開する。

この全開時重量バランスにより蓋体２が自然と下方へ回
動する様なことはないが、ロックパー３０が押上げレバ
ー２０と共に上昇し、そのスライド孔３０ ａに摺嵌し
て回動アーム１８と共に移動するロックピン３２に対し
該下端の釣札３０ ｂで係止するようになり、これにて
ロックパー３０が回動アーム１８と押上げリンク２０と
の相互の回動を規制することで蓋体２は確実に開放状態
にロックされる。

こうして作業員はマンホールＡに安全に出入りが可能と
なる。

次に上記開放状態から閉成する場合は、ロックパー３０
の下方寄り部を手で前方へ引くことによ・りその釣札３
０ ｂからスライド孔３０ ａ方にロックピン３２を移
動させてロック解除し、この状態で蓋体２を押し倒す如
く下方に回動操作して閉成する。

この際蓋体２はバランスウエート２６及びカウンターブ
ロック２９・・・・・・の重量に抗して回動することで
途中の半開き状態までは人力が必要であるか゛、しかし
その時の力は開放時と同様に非常に弱い力で良く、これ
にて安全且つスムーズに閉成して行き、その途中の半開
き状態がらは蓋体２の自重による下方への回動力が′バ
ランスウエート２６及びカウンターブロック２９・・・
・・・の重量に打ち勝つことで、以降自動的に蓋体２が
下方へ回動して蓋受枠１に対して完全に閉成状態となり
、その後は錠１０を操作して施錠すれば濫りに開いたり
ガタついたりすることがなくなる。

なお、この考案は上記実施例のみに限定されることなく
、例えばバランスウエート２６に附設したカウンターブ
ロック２９・・・・・・は必要に応じ適宜個数を増減す
ればよく、蓋体２の重量とバランスがとれている場合は
バランスウエート２６のみでもよい。

又蓋体２の開放時のロック手段は適宜変更可である。

更には蓋体２の裏面にその開閉操作に便利なように把手
（図示せず）を設けてもよい。

その他この考案の要旨を逸脱しない範囲であれば各種変
更可である。

この考案は以上詳述した如くなしたから、従来のばねや
油圧シリンダ等の高価で且つ維持管理が面倒な部品を使
用せずに、バランスウエートとリンク手段よりなる非常
に簡単な構成で蓋体の開閉を極めて容易確実に行うこと
ができるようになせ、設備費及び管理費共に安価で済む
と共に、蓋体の重量に応じた適正な押上げ力の設定及び
調整が極めて容易にできる非常に実用性大なるものとな
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は平面
図、第２図は第１図のＩＩ −ＩＩ線に沿う断面図であ
る。 １・・・・・・蓋受枠、２・・・・・・蓋体、３・・・
・・・蓋本体、４・・・・・・充填材、５・・・・・・
突片、６・・・・・・コ字形受部、７・・・・・・ピン
５゛ピン、８・・・・・・取っ手、１０・・・・・・錠
、１１・・・・・・凹入部、１２・・・・・・バッキン
グ、１３・・・・・・開閉装置、１５・・・・・・ブラ
ケット、１６・・・・・・固定ピン、１７・・・・・・
スペーサ、１８・・・・・・回動アーム、１９・・・・
・・ピン、２０・・・・・・押上げリンク、２２・・・
・・・受金、２３・・・・・・ピン、２４・・・・・・
ピン、２５・・・・・・吊り杆、２６・・・・・・バラ
ンスウエート、２７・・・・・・引き手、２９・・・・
・・カウンタブロック、３０・・・・・・ロックパー、
３１・・・・・・ピン、３２・・・・・・ロックピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マンホール上端開口周縁部に蓋受枠を設け、この蓋受枠
   に対し蓋体をこの基端側部を回動自在に枢着することに
   より開閉可能に設けたものにおいて、上記マンホール内
   壁の上端がら適当に下がった個所に蓋体の枢着部回動軸
   線と平行な固定ピンを設け、この固定ピンに回動アーム
   をこの略中間部を枢着することにより回動自在に設け、
   この回動アームの一端に下端部を枢着し上端部を上記蓋
   体の底面部に枢着して該回動アームの回動に伴い蓋体を
   開閉せしめる押上げリンクを設け、且っ回動アームの他
   端にバランスウェートを設けて構成したことを特徴とす
   るマンホールの蓋体開閉装置。