JPS5922929Y2 - 溶鋼移し替え装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、溶解炉で受鋼した受鋼鍋の溶鋼中より酸性ス
ラグを除去する際に使用する溶鋼移し替え装置に関する
ものである。

溶鋼中より酸性スラグを除去するスラグカットの方法と
して、溶解炉（製鋼炉）での出鋼時に行なうようにした
ものが種々考案さ！ｔ、受鋼鍋へのスラグ流人量は減少
しているが、完全にスラグカットすることは、現在の処
、非常に困難である。

そこで、従来は、処理前にクレーン又は台車等に積載し
た状態で受鋼鍋を傾動させ、受鋼鍋中に入ったスラグを
人力又は機械力によって掻き出す方法を取っているが、
完全にスラグカットするには時間がかかり、溶鋼の酸化
等の問題がある。

本考案は、このような従来の問題点に鑑み、受鋼鍋の注
入ノズルより内部の溶鋼分のみ流出させて処理鍋に移し
替え、スラグ等を処理鍋中に入れないようにしたもので
あって、その特徴とするところは、処理鍋を跨いで走行
可能に設置された走行台車と、該走行台車に昇降自在に
設けられた昇降架台と、該昇降架台に前記走行台車の走
行方向と直交方向に移動可能に設けられた受鋼鍋積載用
の鍋積載台車と、前記走行台車と昇降架台との間に設け
られかつ該昇降架台の下降時に鍋積載台車上の受鋼鍋の
溶鋼を秤量する溶鋼秤量機と、受鋼鍋の注入ノズルのバ
ルブを開閉するバルブ開閉装置と、鍋積載台車に昇降自
在に設けられがっ受鋼鍋の注入ノズルと処理鍋との間の
注入流をシールする注入流シール装置とを備えた点にあ
る。

以下、図示の実施例について本考案を詳述すると、第１
図乃至第５図において、１は処理鍋で、処理鍋台車２に
積載されている。

処理鍋台車２はレール３に沿って移動自在である。

４は処理鍋１に跨って設置された台車で、レール５に沿
って処理鍋台車２と平行に移動自在であり、この台車４
上には前後両側に作業用テ゛ツキ６が設けられている。

７は昇降架台で、平面矩形枠状に構成されており、四角
部で台車４に対しガイド装置８により昇降自在に支持案
内されると共に、シリンダがら戊る３個の昇降駆動装置
９により昇降せしめられる。

１０はロードセルからなる溶鋼秤量機で、台車４の横枠
１１Ｌに、昇降架台７を受けるように３個設けられてい
る。

なお昇降駆動装置９と溶鋼秤量機１０とは互いに逆関係
となるように配置される。

１２は受鋼鍋で、第６図に示すように下部に２個の注入
ノズル１３を有し、その各注入ノズル１３にはスライド
バルブ］４が設けられている。

スライドバルブ１４は例えば電磁型等であって、台車４
のデツキ６側に設置したバルブ開閉装置１５により遠隔
操作で開閉可能である。

１６は受鋼鍋１２を積載する鍋積載台車で、四角部に車
輪１７を有し、昇降架台７に設けられた短尺のレール１
８七を、前記台車４と直角方向に移動自在である。

１９は鍋積載台車１６を横移動させるための駆動装置で
、シリンダから成り、この駆動装置１９は台車走行方向
の両端部で昇降架台７と鍋積載台車１６との間に設けら
れている。

２０は注入流シール装置で、第６図に示すように各注入
ノズル１３に対応するように設けられた２個のシール金
物２１と、これを支持する昇降枠２２とを有し、その昇
降枠２２は前後左右の４個の昇降ガイド装置２３と、左
右一対の昇降駆動装置２４とを介して鍋積載台車１６側
に昇降自在に取付けられている。

各シール金物２１は処理鍋１の鍋蓋２５に形成された開
孔２６に上方から嵌脱自在に内嵌される。

２７は集塵フードで、溶鋼を受鋼鍋１２から処理鍋１に
移し替える際に発生する発煙捕集するためのものであっ
て、注入ノズル１３部分の近傍に位置するようにして鍋
積載台車１６側に取付けられている。

集塵フード２７の接続部側は二重管となっており、バネ
力によって集塵機側ダクト２８と接合し鍋積載台車１６
の移動範囲を吸収可能で゛ある。

なおダク１へ２８中にはバルブ゛２９か′設けられてい
る。

３０は台車４の走行駆動装置、３１は鍋積載台車１６の
作業用デツキである。

次に作用を説明する。

溶鋼の移し替え時には、溶解炉（製鋼炉）の出鋼タイミ
ングにて受鋼鍋１２及び処理鍋１が各々運搬されて来る
。

受鋼鍋１２は受鋼後、クレーンによって鍋積載台車１６
上に位置決め積載される。

この時、秤量機１０とは接しておらず、又、注入流シー
ル装置２０は上限位置にある。

次に、昇降駆動装置９を作動させてガイド装置８により
昇降架台７を下限位置へ下降させると、昇降架台７が秤
量機１０と接するので、秤量機１０が働いて受鋼鍋１２
中の溶鋼量を表示する。

この時、注入流シール装置２０も昇降駆動装置９と同時
に作動させ、下限位置へ下降する。

溶鋼量の秤量が終わると、昇降架台７を上限位置へ上昇
させると共に注入流シール装置２０も上限位置へ上昇さ
せて、受鋼鍋１２のスライドバルブ１４の開閉準備作業
を行なう。

そして、処理鍋１を移し替え位置へ運搬し位置決めする
。

この場合、台車４及び鍋積載台車１６を微走行して受鋼
鍋１２と処理鍋１との相対位置を調整する。

続いて注入流シール装置２０を下限位置へ下降させ、鍋
蓋２５の開孔２６にシール金物２１をセットし、バルブ
開閉装置１５からの信号によりスライドバルブ１４を開
放し、受鋼鍋１２中の溶鋼を注入ノズル１３から処理鍋
１に注入開始すると同時に、バルブ開閉装置１５からの
信号によりバルブ２９を開放して集塵を開始する。

注入流が乱れる場合は、鍋積載台車１６又は台車４を微
走行し、シール金物２１と位置合せを行ない、シール金
物２１の耐火物の焼損を防止する。

また注入流を確認した後、シール金ｖＩＪ２１ヘアルゴ
ン等の不活性ガスを供給し、パージを開始する。

次に昇降架台７を下限位置まで下降させ、受鋼鍋１２の
注入ノズル１３をシール金物２１に密着させる。

この時、昇降架台７は秤量機１０により支持され、従っ
て、秤量機１０の表示によって溶鋼量を確認できる。

このようにして溶鋼量を確認し、スラグ等が処理鍋１に
流入する以前にバルブ開閉装置１５からの信号によりス
ライドバルブ１４を閉にすると共に、ダクト２８のバル
ブ２９を閉にし、また注入流シール装置２０のパージを
停止する。

そして、この注入完了後、昇降架台７及び注入流シール
装置２０を上限位置に夫々戻し、受鋼鍋１２をクレーン
で運搬すると共に、処理鍋１を移し替え位置より運搬す
るのである。

以上実施例に詳述したように本考案によれば、受鋼鍋を
鍋積載台車に積載した後、バルブ開閉装置により受鋼鍋
の注入ノズルのバルブを開放することによって、その内
部の溶鋼を処理鍋に科し替えることができ、クレーンの
占有を廃止し作業能率の向上刃呵能である。

また秤量機によって受鋼鍋中の溶鋼量を確認できるので
、酸性スラグ等が処理鍋に流入する以前に、それを確認
してバルブを閉しることにより、受鋼鍋中の溶鋼量のみ
を移し替えることができる。

更に台車上に、これと直交方向に移動可能な鍋積載台車
を設けているので処理鍋に対する受鋼鍋の位置合せが容
易である。

また秤量機は台車と昇降架台との間にあり、昇降架台の
下降時に秤量するようにしているので、注入開始後に鍋
積載台車を微動させても、それに関係なく秤量すること
が可能である。

しかも、鍋積載台車に昇降自在に注入流シール装置を設
け、注入流と大気とを遮断するようにしているので、酸
化を防止すると共に、Ｎ２．Ｎ２の混入を防止すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は平面図、第２
図は第１図のＩＩ −ＩＩ矢視図、第３図は第２図のＩ
ＩＩ−ＩＩＩ矢視図、第４図は正面図、第５図は側面図
、第６図は要部の拡大断面図である。 １・・・処理鍋、４・・・台車、７・・・昇降架台、１
０・・・溶鋼秤量機、１２・・・受鋼鍋、１３・・・注
入ノズル、１４・・・スライドバルブ、１５・・・バル
ブ開閉装置、１６・・・鍋積載台車、２０・・・注入流
シール装置、２７・・・集塵フード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 処理鍋１を跨いで走行可能に設置された走行台車４と、
   該走行台車４に昇降自在に設けられた昇降架台７と、該
   昇降架台７に前記走行台車４の走行方向と直交方向に移
   動可能に設けられた受鋼鍋１２積載用の鍋積載台車１６
   と、前記走行台車４と昇降架台７との間に設けられがっ
   該昇降架台７の下降時に鍋積載台車１６上の受鋼鍋１２
   の溶鋼を秤量する溶鋼秤量機１０と、受鋼鍋１２の注入
   ノズル１３のバルブ１４を開閉するバルブ開閉装置１５
   と、鍋積載台車１６に昇降自在に設けられがっ受鋼鍋１
   ２の注入ノズル１３と処理鍋１との間の注入流をシール
   する注入流シール装置２ｏとを備えたことを特徴とする
   溶鋼移し替え装置。