JPS5922099Y2

JPS5922099Y2 - 摺動式溶融無機材料排出装置

Info

Publication number: JPS5922099Y2
Application number: JP6899581U
Authority: JP
Inventors: 内匠西尾; 和男伊藤; 牧男神谷; 健二今岡
Original assignee: 東芝セラミツクス株式会社; 東芝硝子株式会社
Priority date: 1981-05-13
Filing date: 1981-05-13
Publication date: 1984-07-02
Also published as: JPS57180738U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は溶融ガラス等の溶融無機材料を容器から排出さ
せる摺動式の排出装置に関する。

従来、溶融無機材料の排出装置としては、溶融無機材料
を収容する容器の底部に吐出口を設け、その吐出口から
該材料を排出させた後、ストッパーロッド等を使用して
該吐出口を閉じるという極めて簡単な構造のものが用い
られていた。

しかしながら、かかる構造の装置では排出や排出停止の
操作が面倒で、無人化も困難であった。

本考案は上記事情に鑑みなされたもので、溶融無機材料
が収容された容器から該材料を簡便かつ円滑に流出、流
量調整ないし停止を行なうことができる摺動式溶融無機
材料排出装置を提供しようとするものである。

以下、本考案の一実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。

図中１は溶融無機材料、例えば溶融ガラスを収容する容
器の底部レンガであり、この底部レンガ１の下面には該
レンガ１を支える鉄皮２が設けられている。

また、前記底部レンガ１には導出管としてのステンレス
製スリーブ３が挿着されている。

このスリーブ３の外周には筒状保護キャスタブル４が該
スリーブ３の下端部３ａが露出するように被覆され、か
つ該筒状保護キャスタブル４内には前記スリーブ３を巻
回するように螺旋状の高周波誘導コイル５が埋設されて
いる。

なお、このコイル５の両端は前記筒状保護キャスタブル
４の上下部から夫々外部に延出している。

そして、前記スリーブ３の露出した下端部３ａ及び筒状
保護キャスタブル４下端部には上部固定盤６が装着され
ている。

つまり、固定盤６にはその上部に前記筒状保護キャスタ
ブル４下端部に対応した形状の四部７が形成され、かつ
四部７から下面にかけて前記スリーブ３の下端部３ａが
挿着される孔８が形成されている。

こうした取付形態にすることにより、スリーブ３に固定
盤６を取付けた状態においてもスリーブ３下端近傍に迄
高周波誘導コイル５を巻装することが可能となり、該ス
リーブ３下端付近をも効果的に誘導加熱できる。

なお、固定盤６の孔８の高さＨｌは１０ｍｍ程度にし
、固定盤６下面から筒状保護キャスタブル４内のコイル
５下端までの高さＨ２を１５ｍｍ程度にすることが上
述した目的から望ましい。

更に、前記上部固定盤６の下方には所定距離へだてで下
部固定盤９が該固定盤６に対して平行に配設されている
。

この下部固定盤９には前記スリーブ３に対応する箇所に
該スリーブ３よりはるかに大径の円形排出孔１０及び別
の箇所に矩形状の残材排出孔１１が貫通されている。

また、前記上下部の固定盤６，９間には摺動盤１２が摺
動自在に配設され、がつこの摺動盤１２には前記スリー
ブ３と連通しうる下床がり形状（断面逆おわん形状）の
流通孔１３が上下に貫通されている。

このような構成によれば摺動盤１２を上下部の固定盤６
，９に沿って矢印Ａ方向に摺動させ、該摺動盤１２の流
通孔１３を上部固定盤６に挿着されたスリーブ３の下端
開口部に合致させると、容器１内に収容された溶融ガラ
ス１４がスリーブ３、流通孔１３及び下部固定盤９の排
出孔１０を通って下方に排出できる。

また、摺動盤１２の流通孔１３をスリーブ３の下端開口
部と合致させた状態がら少し矢印Ｂ方向に摺動させると
、流通孔１３がスリーブ３の下端開口部に対して半開き
となるため、溶融ガラス１４の流量調整を行なうことが
できる・。

更に、摺動盤１２を矢印Ｂ方向に摺動させると、スリー
ブ３の下端開口部が摺動盤１２の上面により塞さがれ、
溶融ガラス１４の排出を停止することができる。

このように、摺動盤１２により溶融ガラス１４の排出を
停止させた場合、上部固定盤６に装着されたスリーブ３
は外界からの冷却によりその内に滞留した溶融ガラス１
４が凝固して次の溶融ガラスの排出操作に支障をきたす
。

しかるに、本考案の装置においてはスリーブ３の外周に
高周波誘導コイル５が巻装されているので排出開始時に
スリーブ３内で溶融ガラスが凝固しても再溶融すること
ができる。

即ち、排出停止時ないし排出操作過程において、高周波
誘導コイル５に通電すると、コイル５の周囲に強力な磁
場が発生し、導電性のステンレス製スリーブ３が間接的
に加熱される。

なお、この時のスリーブ３の発熱温度は中心部を約１３
５０°Ｃとした場合、平端部付近が９００°Ｃ程度とな
った。

このため、スリーブ３内に滞留したガラス（溶融温度９
００°Ｃ）はスリーブ３からの加熱により容易に溶融状
態とすることができる。

また、高周波誘導コイル５を内蔵した筒状保護キャスタ
ブル４下端は上部固定盤６の凹部７に埋設され、スリー
ブ３の下端部３ａの周囲をも誘導コイル３で巻装した構
造となっているため、スリーブ３下端付近をも効果的に
誘導加熱でき、ひいては短時間の誘導加熱によりスリー
ブ３の下端付近の凝固ガラスが未溶融状態で残存するこ
となく、スリーブ内全体の凝固ガラスを溶融できる。

その結果、高周波誘導コイル５に通電した状態で摺動盤
１２を再度矢印Ａ方向に慴動させその流通孔１３とスリ
ーブ３の下端開口部とを合致させれば、スリーブ３内の
溶融ガラス１４を流通孔１３、下部固定盤９の排出孔１
０を通って円滑に排出できる。

高周波誘導コイル５を使用してスリーブ３を加熱するこ
とはスリーブ３内で凝固したガラスを再溶融する場合だ
けでなく、溶融物の排出中においても溶融ガラスの流出
状態を良好にするために加熱する場合にも使用すること
ができる。

なお、本考案に係る排出装置は上記実施例の如くスリー
ブ（導出管）をステンレスで形成する場合に限定されず
、黒鉛または炭化珪素で形成してもよい。

このように黒鉛や炭化珪素でスリーブを形成すれば、耐
熱性がステンレスに比べて優れているため、ガラス以外
の溶融温度の更に高い無機材料に適用できる利点を有す
る。

以上詳述した如く、本考案によれば溶融無機材料が収容
された容器と摺動盤の流通孔とを連通させる導出管内に
溶融無機材料が冷却凝固することなく該溶融無機材料を
簡便かつ円滑に流出、流量調整ないし停止を行なうこと
ができ、操業能率を著しく向上し得る摺動式溶融無機材
料排出装置を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す摺動式溶融無機材料排出装
置の断面図である。１・・・容器の底部レンガ、３・・・ステンレス製スリ
ーブ（導出管）、４・・・筒状保護キャスタブル、５・
・・高周波誘導コイル、６・・・上部固定盤、９・・・
下部固定盤、１０・・・排出孔、１１・・・残材排出孔
、１２・・・摺動盤、１３・・・流通孔、１４・・・溶
融ガラス。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

溶融無機材料が収容された容器底部に連結された導出管
と、この導出管外周に巻装された高周波誘導コイルと、
前記導出管の下端部に孔を介して装着され、かつ前記誘
導コイルの下端部が上部に埋設された固定盤と、この固
定盤の孔と、連通ずる流通孔が上下に貫通された摺動盤
とを具備したことを特徴とする摺動式溶融無機材料排出
装置。