JPS5922038Y2 - 液体注出容器の中栓 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はしよう油等の液体注出容器の口部に取付けら
れる中栓に関し、特にむき中栓と称されて摘みを指で引
張って開口用切取片部を切取ることにより注出口を開口
できるようにした中栓に関する。

従来この種の中栓は合成樹脂製一体成型品よりなり、そ
の構造は容器口部に嵌着するようにして取付けられる断
面略し形状の中栓本体の底壁に周縁が薄肉とされた注出
口開口用切取片部を有すると共に、その切取片部の一端
より一体に立上がる脚部を介して該切取片部の切断用の
摘みを有して、その摘みを指で上方へ引張ることにより
切取片部を切取って注出口を開口できるようにしである
。

ところでこの従来の中栓では切取片部が円形又は楕円形
がほとんどで且つ摘みを指で引張ると一挙に切取片部が
切取られて注出口が全開してしまう。

従って、例えば現在多く市販されているしよう油等を収
容した軟質な合成樹脂製の注出容器の場合、その口部に
取付けられている中栓の切取片部の切取り時に、片方の
手で容器が掴み持ち、もう片方の手の指で摘みを引張る
が、その際該容器を掴む手の押圧力で容器内が加圧され
た状態となることから、切取片部を一挙に切取って全開
すると、その時容器内の上部空気と一緒に内容液が噴出
するようになり、これにて手や衣服を汚してしまう欠点
があった。

このためその切取片部の切取り時には微妙な力かげんが
必要で、不慣な人や子供等はしばしば上述の様な失敗を
して衣服を汚してしまうのである。

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、摘みを引
張り上げると、切取片部が一挙に切取られて全開するよ
うなことがなく、切取片部の一端部分のみがわずかに切
り開かれて容器内の加圧空気を逃がし、更に摘みを引張
り上げると切取片部全体が切取られて全開すると云った
具合に、２段階的に切取片部が切取られるようになって
、内容液の噴出を招くことがない非常に実用上簡便なも
のを提供することを目的とする。

つまり、この考案は切取片部の摘み脚部が連結する一端
部分を中挟とすると共に、切取片部周縁の上記一端部分
から稍々他端方に寄った個所に他の薄肉部に比し切開し
難い稍々厚肉な部分を設けて、一挙に全開しないように
したことを特徴とするものである。

以下この考案の一実施例を図面に従い説明する。

図中１は容器Ａの口部Ｂに取付けられる中栓で、全体が
合成樹脂製一体成型品よりなり、その構或は、断面路−
形状をなして容器Ａの口部Ｂ内に圧入嵌合せられる中栓
本体２と、この中栓本体２の立上がり周壁２ａ上端寄り
部より外周に突出して２重壁構造の如くなるように垂下
して容器Ａの口部Ｂ外周面に弾性係合する外壁３と、上
記中栓本体２の立上がり周壁２ａ上端にラッパ状に開拡
するよう形成された液体注出縁部４と、上記中栓本体２
の底壁２ｂの略中央部に周縁５ａが薄肉とされて形成さ
れた注出口開口用切取片部５と、この切取片部５の一端
部より一体に立上がる脚部６ａを介して設けられたリン
グ状摘み６とを備えている。

そして、上記切取片部５は略中間から上記摘み６の脚部
６ａが連結する一端部方が巾狭の細長状とされ、略中間
から他端部方に円形状に巾広とされて、全体的に略滴形
平板状となっていて、上記摘み６を指で引掛けて引張り
上げることで切取片部５は巾狭な一端部方から切開して
切取られるようになっている。

またその切取片部５の周縁５ａの上記一端から稍々他端
方に寄った両側個所には他の薄肉部５ａ’に比し稍々厚
肉な部分５ａ”、５ａ ”が形成されて適度に切開し難
いようにされている。

而して、上述した構成の中栓１においては、容器Ａの口
部Ｂに取付けた状態で、その容器Ａを片方の手で掴み、
もう片方の手の指を摘み６に引掛けて引張り上げると、
最初に第５図に示す如く切取片部５の巾狭な一端部分の
みがわずかに切開する。

即ち切取片部５の一端がらその周縁５ａの厚肉な部分５
ａ ”、５ ａ ”の手前まで切開する。

これにて容器Ａ内の加圧空気が外に逃げる。

この際従来の如く一挙に全開されずにわずかな部分がス
リット状に切開するだけであるので加圧空気と一緒に内
容液が噴出するようなことは無い。

しがして更に摘み６を引張り上げると上記厚肉な部分５
ａ”。

５ａ″も切開らかれて切取片部５が全体が中栓本体２の
底壁２ｂから切り取られ、これにて第６図に示す如く全
開した注出ロアが作られるようになる。

この考案は以上詳述した如くなしたがら、摘みを引張り
上げることにより切取片部が一挙に切取られせ全開する
ことなく、該切取片部の巾狭な一端部分のみがわずかに
切り開かれて、容器内の加圧空気を逃がすことができ、
その後更に摘みを引張り上げることで切取片部全体が切
り取られて注出口を全開することができると云った具合
に２段階的に切り開けて、内容液の噴出を招くことが無
い非常に実用上簡便なものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は平面
図、第２図は底面図、第３図は第１図のｌｌｌ−ＩＩＩ
線に沿う断面図、第４図は第２図のＩＶ−ＩＶ線に沿う
拡大断面図、第５図は切取片部の切取り初期状態を示す
拡大断面、第６図は切取片部を全部切取って注出口を全
開した状態の拡大断面図である。 １・・・・・・中栓、２・・・・・・中栓本体、２ａ・
・・・・・立上り周壁、２ｂ・・・・・・底壁、３・・
・・・・外周壁、４・・・・・・注出縁部、５・・・・
・・切取片部、５ａ・・・・・・周縁、５ａ’・・・・
・・薄肉部、５ａ″・・・・・・厚肉な部分、Ａ・・・
・・・容器、Ｂ・・・・・・口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体注出容器の口部に取付けられる断面略し形状の中栓
   本体の底壁に周縁が薄肉とされた注出口開口用切取片部
   を形成すると共に、その切取片部の一端より一体に立上
   がる脚部を介して該切取片部の切断用の摘みを有してな
   るものにおいて、上記切取片部を掴み脚部が連結する一
   端部方が中挟となる形態となすと共に、その切取片部の
   周縁の上記一端から稍々他端方に寄った個所に他の薄肉
   部に比して稍々厚肉な部分を設けて構成したことを特徴
   とする液体注出容器の中栓。