JPS5921882Y2 - 湿式電気集じん装置の電極 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、湿式電気集じん装置の電極に関するもので、
とくに、電極板面の流下水膜の膜切れを防止するように
したものである。

電極板面に流下水膜を形成させるとともに集じん処理す
べきガス流を該板面に平行に流して集じんを行なう湿式
電気集じん装置においては、前記流下水膜はガスの流れ
方向に持ち去られようとするので、ガスの流速を大にす
ると前記流下水膜に膜切れを生じ、集じん性能を低下さ
せる。

そこで、上記膜切れを防止するためには、多量に水を送
る方法も考えられるが、多量に水を送ることは供給清水
を増加するので、不経済であるばかりでなく、集じん後
の廃水がそれだけ増加し、その廃水の浄化処理に大きな
費用を投じなければならないので、好ましくない。

本考案は、流下水膜を積極的にガス流に向かうように流
下せしめることによって該流下水膜がほぼ一様な厚さに
なるようにした湿式電気集じん装置の電極を提供するこ
とを目的とするものである。

このため、本考案の構成は、電極板面に流下水膜を形成
させるとともに集じんすべきガス流を該板面に平行に流
して集じんを行なう湿式電気集じん装置において、該電
極板面に、上方から下方に行くにつれて前記ガス流に向
かうように斜行している多数の突起を備えていることを
特徴としている。

以下、本考案の一実施例について、図面を参照しながら
説明する。

図面において、１は湿式電気集じん装置の電極で、図示
されていない支持装置によって鉛直方向に支持されてい
る。

２は該電極１の板面に設けられた突起、３は集しん処理
すべきガスの流れ方向を示した矢印である。

すなわち、該突起２は上方から下方に行くにつれてガス
流に向かうように斜行している。

なおこの実施例の突起２は、成形ロールの間での板の押
出しによって一体成形したものを示したが、適当な厚さ
の翼形を電極板面に斜行状に溶接してもよい。

上述の電極１においては、その板面に、上方から下向に
行くにつれてガス流に向かうように斜行している多数の
突起２を有するから、該突起２の所では、電極１の板面
の流下水膜は、ガス流によってガス流の方向（矢印３で
示す方向）に持ち去られようとしても、積極的にガス流
に向かうように斜行するので、膜切れが生ぜず、はぼ一
様な厚さの膜となって流下する。

いま、実験結果の一例を示すと、第１図に示した電極１
の幅を１０５ ｍｍ、高さ方向の長さを６ｍにし、ガス
の流速を毎秒１０ｍにして実験をしたが、その電極板面
の全面に一様に流下水膜が形成され、膜切れが全く生じ
なかった。

したがって、本考案の湿式電気集じん装置の電極におい
ては、電極の板面に上方から下方に行くにつれてガス流
に向かうように斜行している多数の突起を備えているか
ら、前記実施例でも述べたように、流下水膜はガス流の
影響を受けても、はぼ一様な厚さの膜となって板面を流
下し、このため、ガスの流速を上げても膜切れが生じな
いので、ガスの高速処理が可能になり、集じん装置を小
型化することができ、かつ、構造が簡単であるので、製
作費を低減することができる。

また膜切れ防止のために多量の水を流す必要がないので
、きわめて経済的である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので、第１図は正面
図、第２図は第１図の切断線Ａ−Ａに沿う断面平面図で
ある。 １・・・・・・電極、２・・・・・・突起、３・・・・
・・ガスの流れ方向を示した矢印。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電極板面に流下水膜を形成させるとともに集しんすべき
   ガス流を該板面に平行に流して集じんを行なう湿式電気
   集じん装置の電極において、該電極板面に、上方から下
   方に行くにつれて前記ガス流に向かうように斜行してい
   る多数の突起を備えていることを特徴とする、湿式電気
   集じん装置の電極。